ドライバー採用の代行費用の相場|時間外労働の上限から必要な人数を見直し、運べない荷物から逆算する
ドライバーの採用は、物流や運送の会社にとって、事業の量そのものを決める問題です。ドライバーが足りなければ、荷物の依頼があっても運べず、協力会社に回すか断るしかありません。さらに、自動車の運転の業務には時間外労働の上限が設けられており、一人のドライバーが担える仕事の量にも限りがあります。結論から書くと、ドライバーの代行費用は、時間外労働の上限を踏まえて必要な人数を見直し、運べていない荷物や外部委託の費用から払える額を逆算すると、判断しやすくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では代行費用の相場は扱いません。法令の扱いは一般的な整理です。個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士にご確認ください。
時間外労働の上限と、必要な人数
労働基準法第140条は、貨物自動車運送事業の業務などの自動車の運転の業務について、時間外労働の協定(第36条)の適用を読み替え、一年について労働時間を延長して労働させることができる時間を、九百六十時間を超えない範囲とすることなどを定めています。
この上限があることで、一人のドライバーが一年に担える運転の時間には限りがあります。これまで長時間の運転で回していた運行は、上限の範囲に収めるために、ドライバーの人数を増やすか、運行の組み方を変える必要があります。
採用の計画を立てるときは、今の運行をすべて上限の範囲に収めた場合に、何人のドライバーが必要かを計算してください。その人数と今の人数の差が、採用すべき人数です。上限の具体的な運用や、運転時間・休息期間に関する他の基準については、所管の労働基準監督署などで確認してください。要件の決め方はドライバー採用の要件定義で書いています。
運べない荷物から逆算する
払える額の手がかりは、ドライバーが足りないことで生じている費用です。
- 断っている荷物:ドライバーが足りずに断っている依頼の量と、その運賃から得られたはずの利益
- 協力会社への委託:自社で運べない分を協力会社に回している費用と、自社で運んだ場合との差
- 残っているドライバーの負担:上限に近い運行を続けていることによる負担と、離職の危険
ドライバーを一人採ることで、どれだけの荷物を自社で運べるようになるかを見積もってください。その利益が、採用にかけられる額の根拠になります。そこに、紹介会社を使った場合の費用(紹介会社の手数料表に基づく手数料と社内の時間)を並べると、代行費用の上限が見えてきます。
エラベルの見解
ドライバーの採用相談で多いのは、大型免許を持つ経験者だけを探しているケースです。経験者は多くの会社が取り合っているため、採用までに時間がかかり、その間も荷物を断り続けることになります。
免許の条件を見直し、普通免許で運転できる車両の仕事から始めてもらう、免許の取得を会社が支援して育てる、といった選択も検討してください。どの車両でどの運行を担ってもらうかを整理すると、求める免許の条件を下げられる仕事が見つかることがあります。同じ料金・同じ業務範囲でも、こうした整理を一緒にしてくれる担当者かどうかで、採用の結果は変わります。
見積もりで確かめる工程
ドライバーの採用代行の見積もりでは、次の工程が含まれているかを確かめてください。
- 車両と運行の言語化:運転する車両の種類、運行の形(地場か長距離か、ルート配送かスポットか)、勤務時間を決める
- 免許と経験の条件の整理:必須の免許、歓迎する経験、免許取得の支援の有無を決める
- 文面の作成:一日の流れ、休日、運行の距離、荷物の積み下ろしの有無を具体的に書く
- 面接と同乗の設計:運転の経験を確かめるため、面接に加えて同乗や職場見学の機会を設けるかを決める
- 応募への速い対応:ドライバーの候補者は複数の会社に応募していることが多いため、応募への連絡を早くする
ドライバーの候補者は、働き方の具体的な情報を重視します。とくに、勤務時間や休日、手積み・手下ろしの有無は、求人で正直に伝えることが辞退を防ぎます。スカウトの進め方はドライバーのスカウトで書いています。
料金の形
ドライバーは継続的に採用することが多いため、代行費用は1人あたりの費用×年間の採用人数で総額を見てください。料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、上で逆算した上限と年間の採用計画から総額を出して比べてください。
エラベルの見解
ドライバーの採用で、もう一つ考えてほしいのは、運行の組み方そのものを見直すことです。時間外労働の上限がある中で、採用だけで人数を合わせようとすると、採用の費用が膨らみ続けます。運行の組み方を見直して、一人あたりの運転の時間を減らせれば、必要な人数そのものが減ります。
荷主との交渉で、荷待ちの時間を減らしてもらう、積み下ろしの方法を変えてもらう、といった工夫も、ドライバーの負担を減らし、定着につながります。採用と運行の見直しを両方進めることが、長い目で見て費用を抑える近道です。
まとめ
- 労働基準法第140条により、自動車の運転の業務では年の時間外労働の上限が九百六十時間の範囲とされている
- 上限を踏まえて今の運行に必要なドライバーの人数を計算し、採用すべき人数を出す
- 払える額は、断っている荷物、協力会社への委託費、残ったドライバーの負担から逆算する
- 大型免許の経験者だけを狙わず、車両と運行ごとに免許の条件を見直す
- 採用と並行して、運行の組み方や荷待ちの見直しも進める
よくある質問
ドライバー採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。運べていない荷物の利益や協力会社への委託費と、紹介会社を使った場合の費用から上限を逆算し、その範囲で見積もりを比べてください。
未経験の人をドライバーとして採ることはできますか
運転する車両によって必要な免許が異なります。普通免許で運転できる車両の仕事から始めてもらう、免許の取得を支援して育てる、といった方法があります。安全に運転できるよう、入社後の同乗や研修の体制も整えてください。
時間外労働の上限について詳しく知りたいのですが
労働基準法第140条で、自動車の運転の業務についての読み替えが定められています。運転時間や休息期間など、他にも守るべき基準がありますので、所管の労働基準監督署や社会保険労務士にご確認ください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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