採用代行 / 比較・選び方

採用代行(RPO)とは|できること・できないことの整理

公開 2026-09-06

採用代行(RPO=Recruitment Process Outsourcing)は、採用活動の一部または全部を外部に委託する仕組みです。ただ「採用を丸ごと任せられるサービス」と理解すると、たいてい期待とずれます。採用には外に出せる作業と、出してはいけない判断が混ざっているからです。この記事では工程ごとにその線を引きます。

採用を工程に分解する

まず、採用という言葉のなかに何が入っているかを並べます。

#工程中身
1要件定義どんな人を、なぜ、いつまでに、いくらで採るか
2採用計画職種ごとの人数・チャネル・予算・スケジュール
3母集団形成媒体選定、求人原稿、スカウト、紹介会社の開拓
4応募対応書類受付、一次スクリーニング、日程調整
5選考面接の実施、評価、合否判断
6内定・入社条件提示、内定者フォロー、入社手続き
7振り返り数値の集計、施策の見直し

このうち外に出しやすいのは3・4・7社内に残すべきなのは1・5の合否判断設計は一緒にやるのが現実的なのが2・6、というのが実務上の目安になります。

任せられる業務

代行会社によって呼び方は違いますが、標準的に依頼できるのは次のあたりです。

これらは作業量が多く、判断の幅が小さいのが共通点です。だから外に出す価値があります。

任せてはいけない業務

一方で、外に出すと後で困るものがあります。

合否の決定。これは自社が持つべきです。採用は入社後の配属・育成・評価と地続きで、外部の担当者はその先を持てません。一次スクリーニングの「基準に照らして仕分ける作業」は任せられますが、「基準そのものを決めること」と「最終的に採るかどうか」は別です。

採用要件の最終決定。整理を手伝ってもらうのは有効です。ただし「どんな人を採るか」は事業計画の一部なので、外部が決められるものではありません。要件がぶれたまま代行に投げると、来る候補者が毎回違う、という状態になります。

候補者への年収提示。条件は交渉ごとで、社内の給与テーブルや既存社員とのバランスが絡みます。ここを外部に委ねると、後から動かせない約束が生まれます。

採用ブランドの言葉づくり。何を魅力として語るかは、会社の自己認識そのものです。素材づくりや文章化は頼めますが、何を言うかを決めるのは自社です。

エラベルの見解

相談でいちばん多い誤解は、「採用がうまくいっていないから、まるごと任せたい」というものです。実際には逆で、うまくいっていない会社ほど、外に出す範囲を狭くしたほうが立ち上がります

理由は単純で、要件が固まっていない状態で母集団形成だけを外注すると、来た候補者を見て要件が変わり、また指示が変わり、代行側は手戻りを繰り返すからです。3か月経っても採用ゼロ、という結果になりやすい。

最初にやるべきは、要件を1枚に落とすことです。必須と歓迎を分け、なぜその条件なのかを書き、落とす理由を3つ挙げる。ここまで作れば、あとは母集団形成と日程調整を外に出すだけで、社内の負荷は半分以下になります。外注の範囲は、要件の固まり具合で決めるというのが実務的な考え方です。

人材紹介・派遣・コンサルとの違い

採用代行人材紹介人材派遣採用コンサル
提供されるもの採用業務の遂行候補者の紹介労働力設計・助言
費用の性質業務委託費(月額・時間単価・成果報酬)成功報酬(理論年収の一定割合)派遣料金(時間単位)コンサルティングフィー
指揮命令受託者側派遣先(自社)
成果の測り方業務が回っているか、採用が進んだか採用決定稼働提言の実行

紹介は「人」を、代行は「業務」を買っています。 ここが混ざると費用の比較ができません。同じ「1名採用するのにいくらかかったか」で見ると、紹介は決定時に大きな額が一度に出て、代行は月々の固定費が積み上がります。採用人数が多いほど代行が有利になりやすく、年に1〜2名なら紹介のほうが総額で安いこともあります。

なお法務の論点として、報酬を払って外部に募集そのものを行わせる場合は職業安定法第36条の委託募集に、外部の担当者に直接指揮命令をすると労働者派遣法まわりの論点になります。詳しくは採用代行と職業安定法採用代行が偽装請負になる境界線にまとめています。

費用の考え方

料金体系は主に3つです。

金額は依頼範囲・稼働時間・担当人数で大きく変わるため、相場を1点の数字で言うことに意味がありません。比較するときは、月額そのものではなく「誰が・週何時間・何社掛け持ちで入るか」をそろえてから並べてください。

エラベルの見解

採用代行を「会社で選ぶ」という前提を、一度外してみてください。同じ会社の同じプランでも、入る担当者が違えば結果は変わります。採用の実務は、媒体の癖を知っているか、現場と話がつくか、候補者からの返信に何を返すか、といった個人の手つきに寄るところが大きいからです。

それでも多くの契約は、担当者が誰かを知らないまま結ばれます。提案に来るのは営業で、実際に動くのは別の人。この構造が当たり前になっているので、「誰が担当しますか」と聞くだけで反応が分かれます。すぐに経歴を出せる会社と、契約後に決めますと言う会社があります。

エラベルはこの前提を変えるために作った窓口です。担当者の経歴を見てから決められる形にしていて、費用は採用が決まったときの1名10万円のみ。ただ、エラベルを使うかどうかに関わらず、発注前に担当者を確認するという一手間は入れる価値があります。月額の数万円の差より、この確認のほうが結果に効きます。

まとめ

よくある質問

何人くらいの採用規模から採用代行を使う意味がありますか

人数よりも、採用にかけられる社内の時間で考えるほうが実態に合います。年に2〜3名でも、専任の採用担当がおらず他業務と兼務している会社では、日程調整と応募対応だけで週に何時間も溶けます。その時間を外に出す価値はあります。逆に専任がいて手が回っているなら、人数が多くても内製のほうが速いことがあります。

1つの業務だけ頼むこともできますか

対応している会社は多くあります。よくあるのはスカウト送信だけ、日程調整だけ、というスポットの依頼です。最初から広く頼まず、1業務で相性を見るのは現実的な進め方です。範囲が狭いぶん成果も測りやすくなります。

社内にノウハウが残らないのではと心配です

そうなるかどうかは契約の作り方で決まります。作った文面・マニュアル・データの権利を自社に帰属させ、契約終了時の引き渡し範囲を決めておけば、資産は残ります。定例会で「何をやったか」ではなく「なぜそう判断したか」を聞くようにすると、判断の基準そのものが社内に溜まります。

出典