経理採用の代行費用の相場|決算の段階と外注費から払える額を逆算する
経理の採用は、欠員が出たときに急いで埋める必要が生じやすい職種です。担当者が辞めると、日々の記帳や支払い、月次の締めが止まり、決算の時期が近ければなおさら影響が大きくなります。急いでいると、代行費用の妥当さを考える余裕もなくなりがちです。結論から書くと、経理の代行費用は、採りたい人に決算のどの段階まで担ってほしいかを決め、今その仕事を外注や残業でまかなうといくらかかっているかから払える額を逆算すると、判断しやすくなります。そして、決算の繁忙期と採用の時期を合わせて考えることが大切です。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
決算のどの段階まで担える人を採るか
経理の経験は、担ってきた業務の段階で大きく分かれます。
| 段階 | 主な仕事 | 候補者の層 |
|---|---|---|
| 日次 | 伝票の入力、経費の精算、入出金の管理 | 経験者が比較的多く、未経験からの採用もある |
| 月次 | 月次の締め、試算表の作成、売掛金・買掛金の管理 | 一定の実務経験がある人 |
| 年次 | 決算の取りまとめ、税理士との調整、税務申告の準備 | 経験者が限られ、採用に時間がかかりやすい |
| 開示・連結 | 上場企業の開示書類、連結決算 | 経験者がさらに限られる |
採りたい人の段階が上がるほど、候補者は少なくなり、採用までの時間と費用が増えます。要件が「経理経験者」だけのまま代行に出すと、日次の経験しかない人と、年次決算まで担ってきた人が同じように集まり、選考で見極める手間が増えます。要件の決め方は経理採用の要件定義で書いています。
外注費と残業から逆算する
経理の担当者が足りないとき、多くの会社は次のような方法で穴を埋めています。払える額の手がかりは、そこにかかっている費用です。
- 記帳や決算の外注:税理士事務所や記帳代行の会社に、記帳や決算の取りまとめを依頼している費用
- 残っている社員の残業:経理の他の担当者や、管理部門の責任者が残業してまかなっている時間
- 派遣の利用:経理の派遣社員を受け入れている費用
社員を採ることで、これらのうちどの部分を置き換えられるかを見積もってください。その差額が、採用にかけられる額の目安になります。そこに、人材紹介で採った場合の費用(紹介会社の手数料表に基づく手数料と社内の時間)を並べると、代行費用の上限が見えてきます。
エラベルの見解
経理の採用相談で多いのは、辞めた人と同じ人を探しているケースです。前任者が長く勤めて、日次から年次決算まですべてを担っていた場合、同じ経験を持つ人を探すと、候補者はかなり限られます。
採用の前に、前任者の仕事を段階ごとに分けてみてください。日次と月次は社員が担い、年次決算の取りまとめは税理士事務所に任せる、といった分け方ができれば、求める経験の水準が下がり、候補者が増えます。同じ料金・同じ業務範囲でも、この仕事の分け直しを一緒に考えてくれる担当者かどうかで、採用までの時間は大きく変わります。
見積もりで確かめる工程
経理の採用代行の見積もりでは、次の工程が含まれているかを確かめてください。
- 担う段階の言語化:日次・月次・年次・開示のどこまでを担ってもらうかを決め、求人に書く
- 経歴の読み解き:担ってきた段階、使ってきた会計ソフト、会社の規模や業種を読む
- 文面の作成:自社の経理の体制、外注との分担、繁忙期の働き方を具体的に書く
- 選考の設計:実務の場面を想定した質問や、簡単な実務の確認を面接に組み込む
- 入社の時期の調整:決算の繁忙期を避けて立ち上がれるよう、入社の時期を候補者と相談する
経理の候補者は、繁忙期の働き方を気にすることが多いため、文面や面接で残業の実態を正直に伝えることが、辞退を防ぎます。スカウトの進め方は経理のスカウトで書いています。
繁忙期と採用の時期
経理の採用では、決算の繁忙期と採用の時期を合わせて考えることが、費用にも結果にも効きます。決算の直前に入社した人は、業務を覚える前に繁忙期を迎え、教える側にも余裕がありません。その結果、立ち上がりが遅れたり、早く辞めてしまったりすることがあります。
決算の時期から逆算して、繁忙期が明けた時期に入社できるよう採用を始めると、教える時間も確保でき、定着しやすくなります。欠員で急ぐ場合は、繁忙期だけ外注や派遣で乗り切り、その間に落ち着いて採用を進める方法もあります。
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、上で逆算した上限の中に収まるかで判断してください。
エラベルの見解
経理の採用で、もう一つ考えてほしいのは、引き継ぎの資料を採用の前に整えることです。経理の仕事は会社ごとのやり方が多く、前任者の頭の中にしかない手順があると、新しく入った人が立ち上がるまでに時間がかかります。
採用を始める前に、月次の締めの手順や、取引先ごとの処理の決まりを書き出しておいてください。資料が整っていれば、面接でも仕事の中身を具体的に説明でき、候補者の安心につながります。立ち上がりが早くなれば、外注や残業でまかなう期間も短くなり、採用の総額も下がります。
まとめ
- 経理は、日次・月次・年次・開示のどの段階まで担える人を採るかで、候補者の多さが大きく変わる
- 払える額は、記帳や決算の外注費、残業、派遣の費用から逆算する
- 前任者と同じ人を探さず、仕事を段階で分け直して外注との分担を考える
- 決算の繁忙期が明けた時期に入社できるよう、採用の時期を逆算する
- 引き継ぎの資料を採用の前に整えると、立ち上がりが早くなる
よくある質問
経理採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。今の外注費や残業の費用と、人材紹介で採った場合の費用から上限を逆算し、その範囲で見積もりを比べてください。
簿記の資格は必須にすべきですか
資格は知識の目安にはなりますが、実務で担ってきた段階のほうが仕事に直結します。資格を必須にすると候補者が減ることもあるため、まずは担ってきた業務の段階で要件を決め、資格は歓迎条件にとどめる方法も検討してください。
欠員が出て急いでいる場合はどうすればよいですか
急いで採用すると、要件が曖昧なまま合わない人を採ってしまうことがあります。当面は税理士事務所や記帳代行、派遣で業務を止めないようにし、その間に担ってほしい段階を整理して採用を進めるほうが、結果として早く定着する人を採れることがあります。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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