スカウト代行 / スカウト代行
文面のトーンをどう指定するか
スカウトの文面のトーンを、どう伝えるか。「丁寧に」「フランクに」と言っても、受け取る側の解釈は分かれます。そして、トーンは候補者から見た会社の印象になります。この記事では、実例を使った伝え方と、確認の方法を整理します。渡す情報の全体は渡す前に用意する情報にまとめています。
言葉で説明しても伝わらない
抽象的な指示の例
- 「丁寧な文面で」
- 「堅すぎず、カジュアルすぎず」
- 「うちらしい感じで」
これらは、書く側からすると判断できません。丁寧さの度合いも、どこがカジュアルなのかも、会社によって違います。
そして、指示が曖昧だと、代行会社の標準的な文面になります。それが悪いわけではありませんが、自社の言葉ではなくなります。
だから、実例で伝えてください。
実例で伝える
一.自社が過去に送った文面を渡す。反応が良かったもの、悪かったもの。両方あると、差が伝わります。
二.自社の他の文書を渡す。採用サイト、求人票、社内報、会社の紹介資料。社内で使われている言葉が分かります。
三.避けたい表現を挙げる。使ってほしくない言葉、言い回し。具体的に挙げます。
四.他社の文面で「これは違う」というものを挙げる。逆の例のほうが伝わることがあります。
この四つのうち、二番目が最も手軽です。既にある文書を渡すだけで、社内の言葉が伝わります。
そして、渡すときに一言添えてください。「この資料の書き方に近い印象で」。
避けたい表現を挙げる
「こう書いてほしい」より「こう書かないでほしい」のほうが伝わります。
挙げやすい例
- 過度に丁寧すぎる表現(回りくどい)
- 一方的な売り込みの表現
- 誇張した表現(実態と違うことは書かない)
- 業界の紋切り型の言い回し
- 自社では使わない用語
そして、理由も添えてください。「この表現は、当社の候補者には響かない」「実態と違うので使わない」。
理由があると、書く側は応用できます。挙げていない表現についても判断できるようになります。
トーンを決める前に
誰に送るかで、適切なトーンは変わります。
候補者の層。経験年数、役職、業界。同じ会社でも、職種によって変えることがあります。
媒体の文化。媒体によって、読まれる文面の型が違うことがあります。
自社の立ち位置。知名度、規模、事業の段階。
そして、実態と合っているか。フランクな文面を送って、面談で堅い雰囲気だと、候補者は戸惑います。トーンは、会社の実態と揃えてください。
エラベルの見解
トーンを指定するときに、「面談で会ったときとのギャップ」を基準にしてください。ここが判断の軸になります。
スカウトの文面は、候補者が最初に触れる自社の言葉です。そして、面談で会うのは実際の社員。この二つに差があると、候補者は違和感を持ちます。
文面はフランクだったのに、面談は堅い。文面は熱量が高かったのに、面談は淡々としている。逆もあります。
この差は、辞退の理由になることがあります。「思っていた会社と違った」。
だから、トーンを決めるときは「面談に出る人がどう話すか」を基準にしてください。
具体的には、面談を担当する人に文面を読んでもらう。「自分が話す内容と、この文面は合っていますか」。違和感があれば、そこが調整点です。
そして、面談に出る人が複数いる場合は、その人たちの共通項でトーンを決めてください。誰が出ても大きくずれない範囲に収めます。
文面と実態を揃える。これがトーンの設計で最も重要な観点です。
既存の文書から抽出する
自社の文書に、トーンの手がかりがあります。
採用サイト。候補者向けに書かれているので、最も近い。
求人票。ただし、媒体の型に合わせている場合、自社の言葉ではないことがあります。
社内報や全社の共有資料。社内で実際に使われている言葉が分かります。
経営者や現場のインタビュー記事。話し言葉が残っている資料。
そして、これらを渡して「この中で、候補者に伝えたい印象に近いのはどれですか」と聞いてください。自社でも言語化されていないことが、選ぶ過程で見えます。
伝わったかの確認
最初の文面を読む。指定したトーンになっているか。
声に出して読んでみる。不自然な言い回しは、読むと気づきます。
面談に出る人に読んでもらう。実態と合っているか。
候補者の立場で読む。自分がこの文面を受け取ったらどう感じるか。
この四つのうち、三番目が最も実務的です。面談を担当する人が読んで違和感がなければ、ギャップは小さい。
そして、修正するときは具体的に伝えてください。「もう少し丁寧に」ではなく、「この表現をこう変えたい」。箇所を指定します。
トーンと返信率
トーンだけで返信率が決まるわけではありません。
返信率を分けているのは、内容です。候補者の経歴に触れているか、なぜ声をかけたかが書かれているか、求人票にない情報があるか。
トーンは、読み進めてもらうための条件です。読みにくい、押しつけがましい、長すぎる。こうした文面は、内容が良くても読まれません。
だから、トーンの調整に時間をかけすぎないでください。読みやすく、実態と合っていれば足ります。そこから先は、内容の設計に時間を使うほうが効きます。
職種ごとに変えるか
変える場合
- 候補者の層が大きく違う(経験年数、役職)
- 職種によって、伝えるべき内容が違う
- 媒体が違う
変えない場合
- 会社としての印象を揃えたい
- 職種が近く、候補者の層も似ている
判断は、候補者の層で決めてください。同じ会社でも、経験の浅い層と管理職では、響く言葉が違います。
そして、変える場合も、会社としての一貫性は保ってください。極端に違うと、候補者が複数の職種を見たときに違和感を持ちます。
運用の中で調整する
返信の内容から気づく。文面のどこに反応しているか。
面談での反応。文面の印象と、会ったときの印象が合っているか。
辞退の理由。「思っていた会社と違った」という理由があれば、文面と実態のずれです。
この三つを、四半期に一度でも確認してください。
そして、調整したら記録を残してください。何をどう変えたか。数字の変化と照らせます。
エラベルの見解
トーンで最も避けたいのは、「誰にでも当てはまる文面」です。
丁寧で、失礼がなく、無難な文面。これは書きやすく、指摘もされません。ところが、候補者から見ると印象に残りません。
そして、多くの企業のスカウトが同じような文面になっています。候補者は、似た文面を何通も受け取っています。
だから、どこかに自社らしさが出る部分を残してください。
事業の説明の仕方、任される範囲の書き方、なぜ声をかけたかの伝え方。一箇所でも、他社と違う書き方があれば読まれます。
そして、この「らしさ」は、無理に作るものではありません。実際に社内で使われている言葉を使えば、自然と出ます。
だから、社内の文書を渡してください。全社の共有資料、社内報、経営者の言葉。そこにある表現を使うと、借り物でない文面になります。
無難さを目指すと、埋もれます。実態に沿った言葉のほうが、結果的に読まれます。
まとめ
- 抽象的な指示では伝わらない。実例で伝える
- 実例は、過去の文面・自社の他の文書・避けたい表現・逆の例
- 最も手軽なのは、自社の既存の文書を渡すこと
- 「こう書かないでほしい」のほうが伝わる。理由も添える
- 基準は「面談で会ったときとのギャップ」。面談に出る人に読んでもらう
- 確認は、読む・声に出す・面談担当に読んでもらう・候補者の立場で読む
- トーンは読み進めてもらうための条件。返信率を分けているのは内容
- 「誰にでも当てはまる文面」は埋もれる。自社らしさが出る部分を残す
よくある質問
トーンの指定は細かくすべきですか
細かくしすぎると、書く側が動けなくなります。実例を渡し、避けたい表現を挙げる。この二つで足ります。あとは書かれたものを見て、箇所を指定して調整するほうが速く進みます。
代行の書く文面が自社らしくありません
社内の文書を渡してみてください。全社の共有資料、社内報、採用サイト。実際に使われている言葉に触れると、文面が変わります。あわせて、面談に出る人に読んでもらい、実態とのギャップを確認してください。
職種ごとにトーンを変えるべきですか
候補者の層が大きく違うなら、変える価値があります。経験の浅い層と管理職では、響く言葉が違います。ただし、会社としての一貫性は保ってください。極端に違うと、複数の職種を見た候補者が違和感を持ちます。