美容師採用の代行費用の相場|アシスタントかスタイリストかを分け、空いている席から逆算する
美容室の採用では、どの段階の美容師を採るかで、考え方がまったく変わります。免許を取ったばかりのアシスタントを採って育てるのか、すでにお客様を担当できるスタイリストを採るのか。前者は育成の期間が必要で、後者は採った直後から売上につながりやすい一方、候補者は限られます。結論から書くと、美容師の代行費用は、美容師法の決まりを押さえたうえで、アシスタントとスタイリストのどちらを採るかを決め、人手が足りずに空いている席の売上から払える額を逆算すると、判断しやすくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では代行費用の相場は扱いません。法令の扱いは一般的な整理です。個別の判断は、所管の保健所などにご確認ください。
美容師法の決まり
美容師法第2条は、「美容師」を、厚生労働大臣の免許を受けて美容を業とする者と定めています。第6条は、美容師でなければ、美容を業としてはならないと定めています。つまり、免許を持たない人に、お客様の髪を切るなどの美容の業をさせることはできません。
また第7条は、美容師は、政令で定める特別の事情がある場合を除き、美容所以外の場所で美容の業をしてはならないとしています。第12条の3は、美容師である従業者が常時二人以上いる美容所の開設者は、美容所ごとに管理美容師を置かなければならないとし、管理美容師は、免許を受けた後三年以上美容の業務に従事し、所定の講習会の課程を修了した者でなければならないとしています。
新しい店舗を開く、美容師の人数を増やすといった場合は、管理美容師を担える人がいるかも、採用の要件に関わります。
アシスタントか、スタイリストか
美容師の採用は、段階によって考え方が違います。
| 採りたい人 | 特徴 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| アシスタント(免許取得前後) | 育成の期間が必要。シャンプーや補助の仕事から始める | 採用費に加えて、育成の期間の人件費と教える人の時間を見込む |
| スタイリスト | お客様を担当でき、採った直後から売上につながりやすい | 候補者が限られ、採用までに時間がかかりやすい |
| 管理美容師を担える人 | 経験年数と講習の修了が必要 | 店舗の開設や体制の拡大に関わる |
スタイリストの経験者は多くの美容室が取り合っているため、採用までに時間がかかります。一方、アシスタントを採って育てる場合は、育成の仕組みが整っていることが前提です。教える時間が取れない美容室がアシスタントを採ると、早く辞めてしまうことがあります。要件の決め方は美容師採用の要件定義で書いています。
エラベルの見解
美容師の採用相談で多いのは、スタイリストの経験者だけを探し続けて、席が空いたままになっているケースです。経験者は今の美容室でお客様を持っていることが多く、移るときにお客様との関係をどうするかで迷います。そのため、条件が合っても決断までに時間がかかります。
採用の計画を、スタイリストの採用とアシスタントの育成の両方で立ててください。数年後にスタイリストになる人を今から育てておけば、経験者の採用に頼る割合を減らせます。同じ料金・同じ業務範囲でも、育成まで含めた計画を一緒に考えてくれる担当者かどうかで、採用の結果は変わります。
空いている席から逆算する
払える額の手がかりは、美容師が足りずに空いている席の売上です。
- 空いている席の売上:美容師が足りずに予約を受けられない時間帯や、使われていない席で失っている売上
- 残っている美容師の負担:少ない人数で回すための長時間の勤務と、離職の危険
- 育成の費用:アシスタントを採る場合、スタイリストになるまでの期間の人件費と教える人の時間
スタイリストを一人採ることで、どれだけの予約を受けられるようになるかを見積もってください。その売上と利益が、採用にかけられる額の根拠になります。
アシスタントを採る場合は、スタイリストとしてお客様を担当できるようになるまでの期間を見込む必要があります。その期間の人件費と教える人の時間は、採用の費用の一部です。一方で、育成の仕組みがある美容室は、経験者の採用に頼らずに人数を増やせるため、数年単位で見ると採用の総額が下がることもあります。どちらの段階を採るかは、今空いている席を早く埋めたいのか、数年後の体制をつくりたいのかで判断してください。
料金の形
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、上で逆算した上限の中に収まるかで判断してください。スカウトの進め方は美容師のスカウトで書いています。
エラベルの見解
美容師の採用で、もう一つ考えてほしいのは、働き方の選択肢です。美容師の働き方には、雇用されて働く形のほかに、業務委託で働く形や、面貸しの形など、さまざまなものがあります。候補者の中には、雇用ではなく自分の裁量で働ける形を望む人もいます。
自社がどの働き方を用意できるかを整理し、求人で示してください。働き方の選択肢が広い美容室は、より多くの候補者の関心を引けます。ただし、業務委託の形をとる場合は、実態が雇用と変わらないと判断されないよう、契約の内容と働き方を合わせることが大切です。判断が必要な場合は専門家にご相談ください。
まとめ
- 美容師法では、美容師でなければ美容を業としてはならない。美容師が常時二人以上の美容所には管理美容師を置く
- アシスタントとスタイリストで、採用の考え方と費用の見方が違う
- スタイリストの経験者だけを探さず、アシスタントの育成とあわせて計画を立てる
- 払える額は、空いている席の売上と、育成の費用から逆算する
- 雇用・業務委託など働き方の選択肢を示す。業務委託は実態と契約を合わせる
よくある質問
美容師採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。空いている席で失っている売上と、紹介会社を使った場合の費用から上限を逆算し、その範囲で見積もりを比べてください。
美容師の免許を持っていない人を採用できますか
美容師法第6条により、美容師でなければ美容を業とすることはできません。免許を持たない人を採る場合は、受付や清掃など、美容の業に当たらない仕事を担ってもらうことになります。免許の取得を目指す人を採るなら、取得までの支援の仕組みも示してください。
管理美容師はどんな人がなれますか
美容師法第12条の3では、免許を受けた後三年以上美容の業務に従事し、所定の講習会の課程を修了した者でなければならないとされています。新しい店舗を開く場合などは、管理美容師を担える人がいるかを確認してください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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