採用代行 / 美容師
美容師の母集団形成|応募が集まらないときに見直す順番
美容師の募集で起きる母集団の問題は、応募がまったく来ない場合、アシスタントの募集にスタイリストが来る(またはその逆)場合、面接まで進んで「歩合の率が低い」「営業後の練習がある」「休みが少ない」「投稿の雰囲気と実態が違う」と分かって辞退される場合に分かれます。美容師の採用に特有なのは、国家資格で母数が限られ、離職と独立と復職が多い市場で、候補者がサロンの投稿を先に見て、歩合と指名と練習と休みと教育の実態で「このサロンで自分のスタイルを作れるか」「収入と生活が成り立つか」を判断することです。結論を先に書くと、美容師の母集団形成は、「求人票でスタイリストかアシスタントかを明記し、サロンのスタイルと歩合と練習と教育の実態を投稿と整合させて示す」「出し先を美容専門学校と他のサロンのスタイリストと復職の層と業務委託を望む人に届く経路にする」「スカウトをスタイリストかアシスタントかと得意と勤務地で分け、候補者の作品や投稿に触れる」「面接でオーナーがサロンを見せ、技術確認をし、実態を話し、一次対応を当日にする」の順に見直し、前の段階が直る前に次に進まないことが要です。代行に出す工程の線は美容師採用を代行に出す判断基準に、同じく師匠との相性で決まる調理師の母集団形成は調理師の母集団形成にまとめています。
三つの症状を分ける
最初に、どの症状かを分けます。
応募がまったく来ない場合は、求人票が「スタイリスト・アシスタント募集。アットホーム。歩合あり」で実態が分からず、候補者が「隠している」と読んでいるか、サロンの投稿が少なく雰囲気が分からないか、投稿と求人票の印象が違うか、美容師が動く経路(専門学校、他のサロン、復職の層)に出ていないかです。
アシスタントの募集にスタイリストが来る(またはその逆)場合は、求人票がどちらを採るかを明記していないことが原因です。「スタイリスト・アシスタント募集」と並べると、どちらの層も「自分向けか分からない」で読み、合わない応募が来ます。
面接まで進んで辞退される場合は、歩合の率と指名の扱い(求人票に無く面接で初めて分かる)、営業後の練習の有無と扱い、休みの少なさ、教育のカリキュラムの無さ、オーナーの人柄、投稿の雰囲気と実態の差、のどれかです。
どの症状かは、応募者をスタイリストかアシスタントかと得意と経路(他のサロンのスタイリスト、デビューしたばかりのスタイリスト、アシスタント、専門学校の卒業者、復職の層、業務委託を望む人)で分類し、応募から一次返信までの日数を見て、面接での候補者の質問(「歩合は何割ですか」「指名はどうなりますか」「営業後の練習はありますか」「デビューまでどのくらいですか」が出るか)と辞退の理由を記録すれば分かります。
見直す順番の一番目:求人票にスタイリストかアシスタントかと「スタイルと歩合と練習と教育の実態」があり、投稿と整合しているか
求人票を開いて、次の八つが読み取れるかを確認します。
- スタイリストかアシスタントかと、サロンのスタイルと客層と単価。 どちらを何名か。サロンの得意(カラー、カット、メンズ、ヘッドスパ)、客層、単価、投稿で見せているスタイル。一行目で分かる形に。「スタイリスト・アシスタント募集」と並べない
- 歩合の率と指名の扱い。 歩合の率、固定給の部分、指名料の配分、指名客が本人のものか、売上の目安。「歩合あり」で済まさない
- 営業後の練習の有無と扱い。 営業後の練習があるか、時間、労働時間に入るか、手当があるか。営業時間内に練習の時間を確保しているならそれを。法令上の扱いは専門家に確認
- 休みの取り方。 定休日、週の休みの日数、連休の取り方、繁忙期、土日の勤務
- 教育のカリキュラムとデビューまでの期間。 アシスタントの教育のカリキュラム、デビューまでの目安、練習の形とモデルの手配、教育を担当する人。スタイリストの技術の研修
- オーナーがどういう人か。 経歴、サロンの運営で大事にしていること、スタッフへの接し方。本人の言葉で
- 雇用の形。 正社員か業務委託(面貸し)か、それぞれの条件。契約の扱いは専門家に確認
- 離職の状況と対策、サロンの工夫。 最近の離職と独立の状況と原因と対策。営業後の練習を無くした、休みを増やした、教育のカリキュラムを作った、など
八つのうち、二つ目の「歩合の率と指名の扱い」と三つ目の「営業後の練習の有無と扱い」が最も抜けます。歩合の率が無い求人票は「率が低いのだろう」と読まれ、練習の扱いが無い求人票は「営業後に長時間の練習がある」と読まれます。
投稿と整合させることが要点です。美容師は、求人票より先にサロンの投稿を見て雰囲気を判断します。投稿が明るく自由なのに、求人票と面接で「営業後に練習」「休みは少ない」と分かれば、「投稿は作られたもの」と読まれます。投稿で見せている雰囲気と、求人票に書く実態と、面接で話すことを合わせます。
エラベルの見解
相談で多いのは、「美容師の求人を出しても応募が来ず、来ても歩合と練習の話をすると辞退される」というご相談です。求人票を見ると、「スタイリスト・アシスタント募集。アットホームなサロンで、歩合あり。経験者優遇。未経験歓迎」で、どちらを採るかも、スタイルも、歩合の率も、指名の扱いも、練習も、休みも、教育も無い。サロンの投稿は明るく自由な雰囲気で、候補者はそれを見て応募し、面接で「歩合は売上の〇割、営業後に練習」と聞いて、「投稿と違う」と辞退していました。
見ていて差がつくのは、「スタイリストかアシスタントかを明記し、歩合の率と練習の扱いと教育を、投稿と整合させて求人票の前半に書いているか」です。「〇〇駅前のサロンで、カラーが得意、客層は二十代から三十代、単価は〇〇程度。スタイリストを一名。歩合は売上の〇割から、指名は全額本人に、固定給は〇〇。営業後の練習は無く、練習はアシスタントの教育の時間として営業時間内に確保。休みは週に二日で月に一度は連休、定休日は〇曜。アシスタントはカリキュラムがあり、デビューまでの目安は〇年。オーナーは『自分のスタイルを作ってほしい。指名客は本人のもの』と言っている。去年は離職が続いたが、原因は営業後の練習で、無くした」。ここまで書けば、投稿の雰囲気と実態が合っていると分かり、スタイリストは歩合と指名で判断でき、アシスタントは教育とデビューで判断できます。エラベルでは、美容師の担当者に、求人票から「歩合あり」を消し、率と扱いと練習と教育を投稿と整合させて書くところから始めてもらっています。
見直す順番の二番目:出し先が美容専門学校と他のサロンのスタイリストと復職の層と業務委託を望む人に届く経路か
求人票が整ったら、出し先を見ます。美容師は、資格を持つ人の母数が限られる分、専門学校の卒業者、他のサロンのスタイリスト、復職の層、業務委託を望む人が、それぞれ別の経路で動きます。
| 出し先 | 向く場合 | 注意 |
|---|---|---|
| 美容師向けの媒体 | スタイリストとアシスタントに届けたい | 媒体によって集まる層(スタイリストか新卒か、正社員か業務委託か)が違う。公式情報で確認 |
| サロンの投稿 | 雰囲気とスタイルを見せて、応募の入口にする | 投稿で見せる雰囲気と、求人票と面接で話す実態を合わせる。投稿に「スタッフ募集」と足りない枠を載せる |
| ダイレクトリクルーティングの媒体 | 他のサロンのスタイリストに届けたい | スタイリストかアシスタントかと得意と勤務地で検索を分ける。候補者の作品や投稿に触れた文面に |
| 美容専門学校 | アシスタントを採って育てる場合 | 学校とのつながり、実習やサロン見学の受け入れ、卒業生の紹介。新卒は経験者と別枠で。教育のカリキュラムとデビューまでの期間を訴求に |
| オーナー・スタッフの知人経由の紹介 | 美容師同士のつながりが厚い | 求人票の八つをスタッフに渡す。専門学校の同期、前のサロンの後輩。紹介した人の負担と見返りを設計する。リファラルが進まない理由 |
| 他のサロンのスタイリスト | 指名客を持つスタイリストを採りたい | 歩合の率と指名の扱いで比べられる。「指名客は本人のもの」を明確に。引き抜きにならないよう経路に注意 |
| 復職の層(結婚や出産で離れた人) | 時短や週数日の枠を埋めたい | 時短と週数日、ブランクへの練習の時間、子どもの行事への対応、土日のどちらかの免除。地域の求人として出す |
| 業務委託(面貸し)を望む人 | 業務委託の枠がある場合 | 面貸しの条件(歩合の率、材料費、予約の扱い)を明確に。契約の扱いは専門家に確認 |
| 客への声かけ | 客の中に美容師や美容学生がいる | サロンの雰囲気を知っている人に届く。オーナーから自然に |
| 出戻り | 過去に辞めた美容師 | 辞めた理由が練習や休みや歩合なら、変わったことを伝える。オーナーから声をかける |
出し先の要点は、「スタイリストとアシスタントと復職の層で、経路を分ける」ことです。スタイリストは他のサロンと媒体とスカウトで、アシスタントは専門学校と紹介で、復職の層は地域の求人と投稿で。そして、サロンの投稿を応募の入口にし、投稿と求人票と面接を整合させます。
見直す順番の三番目:スカウトがスタイリストかアシスタントかと得意と勤務地で分けられ、候補者の作品や投稿に触れているか
ダイレクトリクルーティングで返信が来ない場合、検索の条件と文面を見ます。
検索の条件は、スタイリストかアシスタントかと得意と勤務地で分けます。スタイリストなら「スタイリスト」「指名」「カラー」「メンズ」の得意と「売上」、アシスタントなら「アシスタント」「デビュー」「専門学校」、復職なら「時短」「週数日」「ブランク」。勤務地は、サロンに通える範囲で絞ります。
文面は、一行目で候補者の作品や投稿に触れます。美容師は自分の作品を投稿していて、それを見ずに送った文面は「作品を見ていない」と読まれます。「〇〇のカラーの投稿を拝見しました。当サロンもカラーが得意で、同じ客層です」。その後に、スタイリストかアシスタントか、サロンのスタイルと客層と単価、歩合の率と指名の扱い、練習の有無と扱い、休み、教育とデビュー、オーナーの言葉、雇用の形を書きます。作品に触れず、サロンの紹介から始まる文面は、閉じられます。文面の型はスカウト文面の構造を参照してください。
見直す順番の四番目:面接でオーナーがサロンを見せ、技術確認をし、実態を話し、一次対応が当日か
美容師の採用に特有なのが、この段階です。候補者は、複数のサロンを同時に見ていて、返信の速いサロンから決まります。オーナーが施術の合間に返信していると、応募が来ても他のサロンに決まります。
一次対応は当日です。応募や返信があったその日に連絡し、面接と技術確認とサロンの見学の日程を提案します。この工程をオーナーから外し、代行が担います。オーナーの予定を定休日や予約の合間に先に押さえておき、候補者と合わせます。技術確認のモデルは代行が手配します。
面接はサロンで行い、オーナーが出て、サロンを見せ、技術確認をします。候補者は、サロンを見れば、投稿の雰囲気と実態が合っているか、設備、スタッフの様子、客層を読み取ります。技術確認は、スタイリストならカットやカラーをモデルで、アシスタントならシャンプーやブローで、技術と接客を見ます。見学の途中で、スタッフと一言でも話せる場を作ると、「オーナーがどういう人か」「練習と休みの実態」が候補者に伝わります。
オーナーが実態を正直に話します。「歩合は売上の〇割から、指名は本人のもの。営業後の練習は無い。休みは週に二日を守っている。デビューは〇年で、自分が教える。去年は離職が続いたが、原因は営業後の練習で、無くした」。オーナーが実態を話すと、候補者は「投稿と同じ、隠さないサロン」と判断します。求人票に書いたことと、ここで言うことを合わせておきます。
面接から次の段階までの日程を、その場で決めます。内定後は、現在のサロンの区切り(指名客の引き継ぎ、繁忙期)と引き止めがあるので、入社日まで連絡を続けます。面接の設計は面接の構造に書いています。
社内で持つ工程と、外に出せる工程
| 段階 | 社内で持つ | 外に出せる |
|---|---|---|
| 求人票の中身 | スタイリストかアシスタントか、サロンのスタイルと客層と単価、歩合の率と指名の扱い、練習の有無と扱い、休み、教育とデビュー、オーナーの言葉、雇用の形、離職の状況と対策をオーナーが出す | 聞き取って候補者に伝わる言葉にする。「歩合あり」「アットホーム」を実態に置き換える。投稿との整合を確認する |
| 出し先 | 投稿の方針。予算と契約の判断。専門学校とのつながりの判断。紹介の見返りの設計 | スタイリストとアシスタントと復職の層で分けた経路の提案、運用、数の整理。投稿に載せる募集の文面。紹介の仕組みの運用 |
| スカウト | スタイリストかアシスタントかと得意と勤務地の確定 | 得意と勤務地で分けた検索、候補者の作品や投稿に触れた一行目の個別化、送信、当日の一次対応 |
| 面接と技術確認 | オーナーがサロンを見せ、技術確認で技術と接客を見て、実態を話す。合否 | オーナーの予定と技術確認の枠の確保、モデルの手配、当日の一次対応、スタイリストかアシスタントかと経路の分類、スタッフと話す場の段取り、内定後の連絡 |
分け方の要点は、「サロンのスタイルと歩合と練習と教育の実態とオーナーの言葉はオーナーが出し、返信と日程と一次対応とモデルの手配と見学の段取りは外に出せる」ことです。美容の分かる人は社内にいるので、外に出すのは「オーナーの負担になっている採用の工程を回す人」の役です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、美容師の母集団形成で最も効くのは、求人票に「歩合の率と指名の扱いと営業後の練習の有無」を隠さず書いて投稿と整合させることと、返信と日程の調整をオーナーから外して当日にすることです。前者で「投稿は良いのに条件が分からない」で閉じていた美容師が応募し、面接での辞退が減り、後者で応募が来ても他のサロンに決まる状態が無くなります。
エラベルでは、美容師の案件で担当者を紹介するとき、最初の一か月は求人票の八つの項目をオーナーと一緒に埋め、投稿と整合させ、スタイリストとアシスタントと復職の層で分けた経路を整え、返信と日程の調整とモデルの手配を担当者が引き取ることに使うようお伝えしています。美容師は、投稿と実態で「このサロンで自分のスタイルを作れるか」を判断し、サロンを見てオーナーと話して決めます。その二つを整えるのが、母集団形成の最初の仕事です。練習の時間の扱いと業務委託の契約と免許の扱いは、専門家にご確認ください。
まとめ
- 美容師の母集団の問題は応募が来ない・スタイリストとアシスタントが合わない・面接で歩合と練習と休みと投稿との差で辞退されるの三つ。候補者は投稿を先に見て、歩合と指名と練習と教育の実態で判断する
- 見直す順番は求人票にスタイリストかアシスタントかを明記し実態を投稿と整合させて→出し先を専門学校と他のサロンのスタイリストと復職の層と業務委託を望む人に→スカウトの得意分けと作品や投稿への言及→面接でオーナーがサロンを見せ技術確認をし実態を話し一次対応を当日に。前の段階が直る前に次に進まない
- 求人票にはスタイリストかアシスタントかとスタイルと客層と単価(一行目)・歩合の率と指名の扱い・営業後の練習の有無と扱い(法令上の扱いは専門家に確認)・休みの取り方・教育とデビューまでの期間・オーナーがどういう人か・雇用の形・離職の状況と対策の八つ。投稿と整合させる
- 出し先はスタイリストは他のサロンと媒体とスカウトで、アシスタントは専門学校と紹介で、復職の層は地域の求人と投稿で。投稿を応募の入口に
- スカウトはスタイリストかアシスタントかと得意と勤務地で検索を分け、一行目で候補者の作品や投稿に触れる
- 面接は一次対応を当日に(オーナーから外す)・サロンでオーナーが出てサロンを見せ技術確認をし実態を話しスタッフと話せる場を作る・内定後は現在のサロンの区切りに合わせて入社日まで連絡を続ける
よくある質問
投稿と求人票を整合させるとは、具体的にどうすることですか
投稿で見せている雰囲気(明るい、自由、スタッフの仲が良い、こういうスタイルを作る)と、求人票に書く実態(歩合の率、練習の有無、休み、教育)と、面接でオーナーが話すことを、同じにすることです。投稿が「自由で楽しそう」なのに、求人票に「営業後に練習」「休みは週一日」とあれば、候補者は「投稿は作られたもの」と読みます。逆に、投稿と求人票と面接が同じなら、「隠さないサロン」と読まれます。整合させるには、実態を投稿に近づけるか、投稿を実態に近づけるかで、前者のほうが定着につながります。
専門学校の新卒を採りたいのですが、何を書けばよいですか
アシスタントの枠として、「教育のカリキュラム(何を何か月で)」「デビューまでの目安」「練習の形(営業時間内か、モデルの手配)」「教育を担当する人」「オーナーの言葉」「休みと固定給」を書き、専門学校とのつながり(実習の受け入れ、サロン見学、卒業生の紹介)で届けます。新卒が最も気にするのは、「いつデビューできるか」と「営業後の練習がどのくらいか」と「教えてくれる人がいるか」です。「未経験歓迎」の言葉だけでは、判断できません。スタイリストの募集とは分けて出します。
復職の美容師に届けるには、何を書けばよいですか
「時短や週数日から」「ブランクへの練習の時間(営業時間内に)」「子どもの行事や急な休みへの対応」「土日のどちらかの免除」「歩合と固定の組み合わせ」「サロンの近さ」を書き、地域の求人として出し、投稿でも時短の枠があることを載せます。結婚や出産で離れた美容師は、資格を持ちながら働いていない人が多く、「戻ってもよいと思えるサロン」を探しています。フルタイムと土日と営業後の練習が前提の求人票には応募しません。時短と週数日の枠を作り、その層に届けます。免許と業務の範囲は、専門家にご確認ください。