採用代行 / 販売スタッフ
販売スタッフの母集団形成|応募が集まらないときに見直す順番
販売スタッフの募集で起きる母集団の問題は、応募がまったく来ない場合、応募は来るが店舗の足りない時間帯や土日祝と合わない場合、面接まで進んで「ノルマなしと書いてあったのに個人目標がある」「土日祝がほぼ毎週」「店長が厳しいと聞いた」「異動が広い」と分かって辞退される場合に分かれます。販売スタッフの採用に特有なのは、候補者が店舗の周辺に住んでいて、その店の実態と評判で判断すること、時間帯と土日祝で届く層が変わること、そして店長が返信と日程に追われて応募が来ても他店に決まることです。結論を先に書くと、販売スタッフの母集団形成は、「求人票を店舗ごとに分け、時間帯と土日祝とノルマと評価と店長を実態で示す」「出し先を店舗周辺の層に時間帯ごとに届く経路にする」「スカウトを業態と時間帯と勤務地で分け、担当してきた店舗か前職の接客に触れる」「面接で店長が店舗を見せ、実態を話し、一次対応を当日にする」の順に見直し、前の段階が直る前に次に進まないことが要です。代行に出す工程の線は販売スタッフ採用を代行に出す判断基準に、同じく時間帯ごとに層が変わる倉庫の母集団形成は倉庫・物流スタッフの母集団形成にまとめています。
三つの症状を分ける
最初に、どの症状かを分けます。
応募がまったく来ない場合は、求人票が全店共通で「販売業務全般。シフト制。ノルマなし」で店舗の実態が分からないか、店舗の場所と時間帯の選択肢が書かれておらず「自分の生活に合うか分からない」と読まれているか、店舗周辺の層に届く経路に出ていないか、店舗の周辺の評判(店長が厳しい、人がすぐ辞める)が広がっているかです。
応募は来るが時間帯と土日祝が合わない場合は、求人票が足りない時間帯と土日祝の頻度を示していないことが原因です。「シフト制」だけだと、午前だけの主婦層も、夕方だけの学生も、土日に出られない人も、全員応募し、店舗の足りない時間帯(土日祝、遅番)は埋まりません。
面接まで進んで辞退される場合は、ノルマと評価の実態(「ノルマなし」と書いて個人目標がある)、土日祝の頻度(ほぼ毎週)、店長の人柄(周辺の評判と面接の印象)、異動の範囲(転居を伴う)、閉店後の作業の実態、のどれかが求人票の印象と違ったことが原因です。
どの症状かは、応募者を時間帯の希望と土日祝の可否と経路(午前の主婦層、夕方と土日の学生、フルタイムのフリーター、異業種からの転向、日中のシニア、他店の販売経験者)で分類し、応募から一次返信までの日数を見て、面接での候補者の質問(「土日は月に何回ですか」「個人目標はありますか」「店長はどういう方ですか」「異動はありますか」が出るか)と辞退の理由を記録すれば分かります。
見直す順番の一番目:求人票が店舗ごとに分かれ、「時間帯と土日祝とノルマと評価と店長」があるか
求人票を開いて、次の八つが店舗ごとに読み取れるかを確認します。
- 店舗の場所と立地と商材。 どの駅のどの商業施設か路面か、何を売る店か、客層、忙しい時間帯。一行目で分かる形に。「販売業務全般」「全店共通」は書かない
- 雇用の形と時間帯の選択肢と、足りない時間帯。 正社員かパートかアルバイトか。早番と遅番の時間、週何日から、固定か変動か。いま最も足りない時間帯(土日祝の遅番、平日の午前など)を明記する
- 土日祝の頻度と希望の通り方。 土日祝の勤務が月に何回程度か、希望が通る率、シフトの決め方と決まる時期、繁忙期の扱い。「シフト制」で済まさない
- ノルマと評価の実態。 個人目標の有無と数字の目安、店全体の目標の見方、評価の仕方、達成しなかったときの扱い。「ノルマなし」の言葉だけにしない
- 店長がどういう人か。 経歴、教え方の考え方、店の運営で大事にしていること。本人の言葉で。候補者が最も気にする項目
- 異動。 店舗の異動の有無と範囲と頻度、転居を伴うか
- 社員割引と時給と昇給と、立ち仕事と品出しの実態。 社員割引の内容、時給の内訳、昇給の時期と条件、店長への道筋。立ち仕事の時間、品出しの重さ、閉店後の作業の実態
- 離職の状況と対策、店舗の工夫。 最近の離職の状況と原因と対策。休憩の取り方、シフトの希望を通す工夫、繁忙期の応援、など
八つのうち、二つ目の「足りない時間帯」と四つ目の「ノルマと評価の実態」と五つ目の「店長」が最も抜けます。足りない時間帯が無い求人票は、埋まらない時間帯が埋まらず、ノルマの実態が無い求人票は「ノルマなしと書いて実態は違う」と読まれ、店長が無い求人票は「店長がどういう人か分からない」で閉じられます。
店舗ごとに書くことが要点です。全店共通の求人票は、共通の型(業態と商材、雇用の形、ノルマと評価の方針、異動の方針、社員割引)に、店舗ごとの項目(場所と立地、時間帯の選択肢と足りない時間帯、土日祝の頻度、店長の言葉)を差し込む形にします。
エラベルの見解
相談で多いのは、「全店共通の求人票で応募が来ず、来ても土日に出られない人ばかりで、店長が面接と返信に追われている」というご相談です。求人票を見ると、「販売スタッフ募集。接客、レジ、品出し。シフト制。ノルマなし。社員割引あり」で、店舗の場所も、足りない時間帯も、土日祝の頻度も、個人目標の実態も、店長のことも無い。応募した人の多くは平日の昼を希望していて、店舗が最も足りない土日祝の遅番は埋まらず、店長は合わない応募者の面接に時間を取られていました。
見ていて差がつくのは、「店舗ごとに、足りない時間帯と土日祝の頻度とノルマの実態と店長を、求人票の前半に書いているか」です。「〇〇駅前の商業施設のアパレルの店舗で、客層は二十代から三十代、忙しいのは土日の午後。いま足りないのは土日祝の遅番(〇時から〇時)で、週二日から、土日のどちらかに出られる方。個人目標は無く、店全体の目標を店長と一緒に見る。異動は同じ市内の二店舗の間で、転居は無い。店長は『まず商品を好きになってもらうことから。売り込みは求めない』と言っている。社員割引は〇割、時給は〇〇で三か月ごとに見直し」。ここまで書けば、土日の遅番に出られる学生やフリーターに届き、平日の昼だけの人は最初から見送れ、店長の面接の時間が減ります。エラベルでは、販売の担当者に、求人票を店舗ごとに分け、足りない時間帯を一行目に書くところから始めてもらっています。
見直す順番の二番目:出し先が店舗周辺の層に時間帯ごとに届く経路か
求人票が整ったら、出し先を見ます。販売スタッフは、店舗の周辺に住む人が動き、時間帯ごとに届く層が違います。
| 出し先 | 向く場合 | 注意 |
|---|---|---|
| 一般の求人媒体(地域の求人) | 店舗周辺の層に届けたい | 店舗ごとの実態と足りない時間帯を書いた上で、店舗の地域の求人として出す。時間帯ごとに分けて出す |
| 販売・接客に強い媒体 | 販売の経験者に届けたい | 媒体によって集まる層(アパレルか食品か、正社員かアルバイトか)が違う。公式情報で確認 |
| ダイレクトリクルーティングの媒体 | 販売の経験者や店長候補に届けたい | 業態と時間帯と勤務地で検索を分ける。担当してきた店舗に触れた文面に |
| 店舗の掲示・顧客への声かけ | 店舗に来る人の中に候補者がいる | 店の雰囲気を知っている人に届く。足りない時間帯と店長の言葉を掲示に。常連客への声かけは店長から |
| 店長・スタッフの知人経由の紹介 | スタッフの友人や家族 | 求人票の八つをスタッフに渡す。紹介した人の負担と見返りを設計する。学生の友人、主婦層の知人は同じ時間帯に届く。リファラルが進まない理由 |
| 店舗周辺の主婦層 | 平日の午前や昼を埋めたい | 時間帯の固定、子どもの行事と急な休みへの対応、社員割引、店舗の近さ。地域の掲示や集まりも経路 |
| 学生 | 夕方と土日祝を埋めたい | 時間帯と曜日の相談、試験期間の配慮、社員割引、店長の言葉。学校の周辺の経路 |
| フリーター・異業種からの転向(飲食、事務、コールセンター) | フルタイムと土日祝と遅番を埋めたい | 前職の接客が活きること、店長への道筋、時給と昇給、正社員への道筋 |
| シニア | 平日の日中を埋めたい | 立ち仕事の時間と休憩、品出しの重さ、接客の経験が活きること、年齢の幅 |
| 他店の販売経験者 | 経験者を採りたい | 店舗の周辺の他店で働いている人。ノルマと評価と店長の実態で比べられる。引き抜きにならないよう経路に注意 |
| 出戻り | 過去に辞めたスタッフ | 辞めた理由がシフトや店長や異動なら、変わったことを伝える。店長から声をかける |
出し先の要点は、「足りない時間帯に合う層に、その層が見ている経路で届ける」ことです。土日祝の遅番が足りないなら学生とフリーターに、平日の午前が足りないなら主婦層に。一つの求人票と一つの経路で全部を集めようとすると、足りない時間帯が埋まりません。店舗の掲示と顧客への声かけは、販売に特有の経路で、店の雰囲気を知っている人に届きます。
見直す順番の三番目:スカウトが業態と時間帯と勤務地で分けられ、担当してきた店舗か前職の接客に触れているか
ダイレクトリクルーティングで返信が来ない場合、検索の条件と文面を見ます。
検索の条件は、業態と時間帯と勤務地で分けます。販売の経験者なら「アパレル」「化粧品」「家電」の業態と「接客」「販売」、店長候補なら「店長」「副店長」「売上管理」「シフト管理」、未経験なら「飲食」「コールセンター」「事務」の前職と「接客」「地域」「時間帯」。勤務地は、店舗に通える範囲で絞ります。
文面は、一行目で候補者が担当してきた店舗か前職の接客に触れます。経験者には「〇〇の店舗で接客を担当されたご経歴を拝見しました。当店も同じ客層で、土日祝の遅番を探しています」。未経験には「飲食店での接客のご経験を拝見しました。当店の接客に、そのまま活きます」。その後に、店舗の場所と立地と商材、時間帯の選択肢と足りない時間帯、土日祝の頻度、ノルマと評価の実態、店長の言葉、社員割引と時給を書きます。全店共通の文面から始まる文面は、「店舗の実態が分からない」と読まれます。文面の型はスカウト文面の構造を参照してください。
見直す順番の四番目:面接で店長が店舗を見せ、実態を話し、一次対応が当日か
販売スタッフの採用に特有なのが、この段階です。候補者は、店舗の周辺の複数の店を同時に見ていて、返信の速い店から決まります。店長が返信と日程に追われていると、応募が来ても他店に決まります。
一次対応は当日です。応募や返信があったその日に連絡し、面接と店舗の見学の日程を提案します。この工程を店長から外し、代行が担います。店長の予定を開店前や平日の昼に先に押さえておき、候補者と合わせます。
面接は店舗で行い、店長が出て、店舗を見せます。候補者は、店舗を見れば、客層、忙しさ、スタッフの雰囲気、売り場の状態、休憩室を読み取ります。見せない店は「見せられない店」と読まれます。見学の途中で、同じ時間帯のスタッフと一言でも話せる場を作ると、「店長がどういう人か」「シフトの実態」が候補者に伝わります。
店長が実態を正直に話します。「土日祝は月に〇回程度で、希望は相談できる。個人目標は無く、店全体の目標を一緒に見る。まず商品を好きになってもらうことから。去年はスタッフの入れ替わりが多かったが、原因はシフトの希望が通らなかったことで、決め方を変えた」。店長が実態を話すと、候補者は「この店長の下なら続けられる」と判断します。求人票に書いたことと、ここで言うことを合わせておきます。
面接から初日までを短くし、初日のシフトと服装と何をするかを伝えます。販売のパートとアルバイトは、面接から初日までの間が空くと、他店に決まります。面接の設計は面接の構造に書いています。
社内で持つ工程と、外に出せる工程
| 段階 | 社内で持つ | 外に出せる |
|---|---|---|
| 求人票の中身 | 店舗ごとの場所と立地と商材、時間帯の選択肢と足りない時間帯、土日祝の頻度、ノルマと評価の実態、店長の言葉、異動、社員割引と時給、離職の状況と対策を店長と本部が出す | 聞き取って候補者に伝わる言葉にする。全店共通の型に店舗ごとの項目を差し込む。「シフト制」「ノルマなし」を実態に置き換える |
| 出し先 | 予算と契約の判断。店舗の掲示と顧客への声かけの判断。紹介の見返りの設計 | 時間帯ごとの層に届く経路の提案、運用、数の整理。店舗の掲示の文面。紹介の仕組みの運用 |
| スカウト | 業態と時間帯と勤務地の確定 | 業態と時間帯で分けた検索、担当してきた店舗か前職の接客に触れた一行目の個別化、送信、当日の一次対応 |
| 面接 | 店長が店舗を見せ、実態を話し、接客の姿勢を見る。合否 | 店長の予定と見学の確保、当日の一次対応、時間帯の希望と経路の分類、同じ時間帯のスタッフと話す場の段取り、初日までの連絡 |
分け方の要点は、「店舗の実態と店長の言葉は店長と本部が出し、返信と日程と一次対応と見学の段取りは外に出せる」ことです。販売の分かる人は社内にいるので、外に出すのは「店長の負担になっている採用の工程を回す人」の役です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、販売スタッフの母集団形成で最も効くのは、求人票を店舗ごとに分けて「足りない時間帯」を一行目に書くことと、返信と日程の調整を店長から外して当日にすることです。前者で足りない時間帯に合う層に届き、合わない応募が減って店長の面接の時間が減り、後者で応募が来ても他店に決まる状態が無くなります。
エラベルでは、販売の案件で担当者を紹介するとき、最初の一か月は店舗ごとの求人票の八つの項目を店長と本部と一緒に埋め、時間帯ごとに届く経路と店舗の掲示を整え、返信と日程の調整を担当者が引き取ることに使うようお伝えしています。販売の候補者は、店舗の周辺で、その店の実態と店長で判断し、店舗を見て決めます。その二つを整えるのが、母集団形成の最初の仕事です。
まとめ
- 販売スタッフの母集団の問題は応募が来ない・時間帯と土日祝が合わない人が来る・面接でノルマと土日祝と店長と異動の実態で辞退されるの三つ。候補者は店舗の周辺で、その店の実態と評判で判断し、時間帯で届く層が変わる
- 見直す順番は求人票を店舗ごとに分け足りない時間帯と土日祝とノルマと店長を実態で→出し先を店舗周辺の層に時間帯ごとに届く経路に→スカウトの業態と時間帯分けと担当してきた店舗か前職への言及→面接で店長が店舗を見せ実態を話し一次対応を当日に。前の段階が直る前に次に進まない
- 求人票には店舗の場所と立地と商材(一行目)・雇用の形と時間帯の選択肢と足りない時間帯・土日祝の頻度と希望の通り方・ノルマと評価の実態・店長がどういう人か・異動・社員割引と時給と昇給と立ち仕事と品出し・離職の状況と対策と工夫の八つを店舗ごとに
- 出し先は足りない時間帯に合う層に、その層が見ている経路で(土日祝の遅番は学生とフリーター・平日の午前は主婦層・日中はシニア)。店舗の掲示と顧客への声かけは販売に特有の経路
- スカウトは業態と時間帯と勤務地で検索を分け、一行目で担当してきた店舗か前職の接客に触れる
- 面接は一次対応を当日に(店長から外す)・店舗で店長が出て店舗を見せ実態を話し同じ時間帯のスタッフと話せる場を作る・面接から初日までを短く
よくある質問
土日祝の遅番が足りないのに、平日の昼を希望する人ばかり応募してきます
求人票に「足りない時間帯」が書かれていないことが原因です。「いま足りないのは土日祝の遅番(〇時から〇時)で、土日のどちらかに出られる方」と一行目に書き、土日祝の遅番に合う層(学生、フリーター、異業種からの転向)に届く経路に出します。平日の昼を希望する人は最初から見送れ、店長の面接の時間が減ります。平日の昼も埋めたいなら、別の求人票で主婦層とシニアに届けます。一つの求人票で全部を集めようとすると、足りない時間帯が埋まりません。
店舗の周辺で「店長が厳しい」という評判が広がっています
隠さないことです。販売の候補者は、店舗の周辺で評判を知っていて、隠した求人票は「隠している」と読まれます。店長本人の言葉で「店の運営で大事にしていること」を求人票に書き、面接で店長が実態を話し、同じ時間帯のスタッフと話せる場を作ります。「厳しい」の中身(売上に厳しいのか、接客の質に厳しいのか、遅刻に厳しいのか)を店長の言葉で示せば、それを受け入れられる人が来ます。離職が続いているなら、原因と対策を店長が話します。原因に手を打っていないなら、採用の前にそこを直します。
店舗の掲示や顧客への声かけは、効果がありますか
販売に特有の経路で、店の雰囲気を知っている人に届くので、入店後のずれが小さい。掲示には、「足りない時間帯」と「店長の言葉」と「社員割引」を書き、「販売スタッフ募集」だけにしません。常連客への声かけは、店長から「この時間帯で働ける方を探しているのですが」と自然に。顧客の家族や知人が候補になることもあります。店舗の周辺に住み、店を知っている人は、最も定着しやすい層です。