面談後の辞退が多い|辞退の時点と理由で分けてから、直す場所を決める
返信も来る。面談も組める。ところが、面談の後に辞退される。一次面談の後、二次の前、内定の後。どこかで候補者が離れていく。この問題を「代行が連れてくる候補者の質」で片付けると、直りません。結論を先に書くと、面談後の辞退は、面談までの期待と面談で見せた実態のずれ、選考の速さ、面談者の対応のどれかで起きます。辞退の時点と理由を分けて記録し、原因ごとに直す場所を決めてください。多くは社内でしか直せず、代行の担当者にできるのは、期待を正しく作ることと、辞退理由を集めることです。取り合いの話は競合と候補者が取り合いになるに、要件のずれは面談してみると要件と違うにまとめています。
辞退を時点で分ける
辞退がどの時点で起きているかで、原因が違います。まず時点で分けます。
一次面談の前。 日程が決まった後、当日までに辞退。日程が遠すぎた、他社が先に進んだ、面談前の連絡が無くて不安になった。速さと、面談前の接点の問題です。
一次面談の後。 面談をして、次に進まない。面談で聞いた話が文面や求人票と違った、面談者の印象が悪かった、役割が曖昧だった。期待と実態のずれ、面談者の対応の問題です。
二次以降の途中。 選考が進んでいる途中で離れる。段階が多くて長い、面談ごとに言うことが違う、他社が先に決まった。速さと一貫性の問題です。
内定の後。 内定を出した後に辞退。条件が合わなかった、他社の内定と比べて決めた、内定後の連絡が薄くて気持ちが冷めた。条件と、内定後の対応の問題です。
直近の辞退を、この四つに振り分けてください。どこに集中しているかで、直す場所が絞れます。
辞退を理由で分ける
時点で分けたら、理由で分けます。辞退の連絡があったときに、差し支えない範囲で理由を聞き、記録します。理由は、だいたい次のどれかに収まります。
| 理由 | 直す場所 |
|---|---|
| 他社が先に決まった | 選考の速さ(社内) |
| 聞いていた役割と違った | 求人票と文面の記述(代行と社内) |
| 条件が合わなかった | 条件の伝え方と対象の層(代行と社内) |
| 面談者の印象・対応 | 面談者の準備と姿勢(社内) |
| 会社や事業への不安 | 面談での説明(社内) |
| 家庭の事情・現職の引き留め | 直せないが、内定後の接点で影響を減らせる |
理由が集まると、「辞退が多い」が「一次面談後に、役割が違ったという辞退が多い」のように具体的になります。そこまで具体的になれば、直す場所は一つに絞れます。
理由の記録は、代行の担当者に頼めます。候補者との連絡を担当者が持っているなら、辞退の連絡も担当者に来ます。「差し支えなければ理由を」と聞いてもらい、レポートに入れてもらいます。
期待と実態のずれを直す
「聞いていた話と違った」が多いなら、面談までに候補者が持った期待と、面談で見せた実態がずれています。
ずれは、二つの方向で起きます。文面や求人票が実態より良く書かれている場合と、面談者が求人票の内容を把握していない場合です。
前者なら、文面と求人票を実態に合わせて直します。「裁量が大きい」と書いてあるが実際は決まった範囲を進める仕事なら、そのとおりに書きます。応募と返信は減りますが、減るのは実態と合わない人で、面談後の辞退も減ります。
後者なら、面談者に求人票と文面を渡し、候補者が何を期待して来るかを事前に共有します。担当者が文面で「〇〇を決める役割」と伝えているなら、面談者は同じ言葉で説明する必要があります。面談者が「入ってから決めます」と言えば、その場で期待が崩れます。
ずれを防ぐ最も確実な方法は、文面を書く担当者と、面談をする人が、一度直接話すことです。担当者は面談者の言葉を文面に反映でき、面談者は候補者がどんな期待で来るかを知れます。
選考の速さを直す
「他社が先に決まった」が多いなら、選考が長いです。
返信から内定までの日数を、担当者に出してもらいます。日程調整に何日、面談の間隔が何日、面談後の連絡まで何日。どこで日数が消えているかが見えます。
多くの場合、消えているのは面談の日程調整と、面談後の連絡待ちです。面談者の予定を先に押さえる、面談後の結果を翌日に伝える、段階を減らすか同じ日にまとめる。どれも社内の判断で、費用はかかりません。
代行の担当者にできるのは、返信への当日対応と、候補日をこちらから複数出すことです。それ以外の速さは、社内で作ります。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「面談後の辞退は、候補者の質が低いから」というものです。話を聞くと、辞退した候補者は面談者から見ても「良い人だった」ことが多く、質の問題ではありません。良い人ほど他社からも声がかかり、他社が速ければそちらに決まります。良い人ほど役割の曖昧さに敏感で、面談で曖昧な答えを聞くと離れます。
見ていて差がつくのは、担当者が辞退理由を集めているかどうかです。「他社に決まったそうです」で終わる担当者と、「他社に決まった理由は、先方の内定が二週間早かったからだそうです」まで聞く担当者がいます。後者の情報があれば、社内の選考の速さの問題だと分かります。前者では、何も分かりません。
発注側にできるのは、辞退理由の記録を担当者に頼み、それを定例会で見ることです。理由が社内の問題を指していたら、社内で直す。担当者の問題を指していたら、担当者と直す。どちらか分からないまま「辞退が多い」と言い続けても、何も変わりません。
面談者の対応を直す
「面談者の印象」「会社への不安」が多いなら、面談の場そのものに原因があります。
面談者が候補者の経歴を読まずに来る。質問が経歴の確認ばかりで、役割の説明が無い。候補者からの質問に答えられない。「うちは厳しいよ」と脅す。こうした対応は、候補者から見れば「この会社で働く自分」を想像できなくする材料です。
面談者に、次の三つを渡します。候補者の経歴と、担当者が把握している志向や懸念。求人票の役割の記述。候補者からよく出る質問と、その答え。準備があれば、面談の質は上がります。
面談は、会社が候補者を見る場であると同時に、候補者が会社を見る場です。取り合いの中では、後者の比重が大きくなります。面談者がその意識を持っていないなら、担当者から「候補者は他社と比べています」と伝えてもらってください。
内定後の辞退を減らす
内定の後の辞退は、最も損失が大きい辞退です。ここまでの全部が無駄になります。
内定後の辞退は、条件と、内定後の接点で決まります。条件は、内定の前に候補者の希望を聞いておけば、大きなずれは防げます。担当者が返信のやり取りの中で、年収の希望や譲れない条件を聞いておき、内定の前に社内に渡します。
内定後の接点は、社内の仕事です。内定を出してから承諾までの間、連絡が無いと、候補者は他社の内定と比べ、気持ちが冷めます。内定後に、一緒に働く側の人が一度話す、入社後の最初の仕事を具体的に伝える、質問に答える場を設ける。こうした接点が、承諾の確率を上げます。
代行の担当者は、内定後も候補者との連絡を持っている場合、承諾までのつなぎ役になれます。「社内で何か聞きたいことはありませんか」と担当者から声をかけ、社内につなぐ。この役割は、契約の業務範囲に入っているかを確認してください。
エラベルの見解
担当する側から見ると、面談後の辞退で最も困るのは「辞退の連絡が担当者に来て、社内には『辞退でした』としか伝わらない」ことです。理由を聞いても、社内は聞きたがらない。「うちに合わなかっただけ」で片付けられる。辞退理由が「面談日程が二週間先だった」でも、それは社内には届きません。
辞退理由は、社内にとって耳の痛いことが多くあります。面談者の対応、選考の遅さ、役割の曖昧さ。担当者は、それを伝えるかどうかで迷います。伝えて嫌がられるより、伝えずに済ませるほうが楽です。
発注側にできるのは、辞退理由を「聞きたい」と明確に伝え、聞いたときに責めずに受け止めることです。「面談者の印象が悪かったそうです」と言われて怒れば、次から担当者は言いません。「分かった、面談者に共有する」と返せば、担当者は次も言います。辞退理由は、社内を直すための、最も具体的な情報です。
まとめ
- 辞退は時点(一次前・一次後・途中・内定後)で分ける。時点で原因が違う
- 辞退は理由で分ける。他社が先・役割が違う・条件・面談者・会社への不安・事情
- 担当者に辞退理由の記録を頼み、定例会で見る
- 期待と実態のずれは、文面と求人票を実態に合わせ、面談者が同じ言葉で説明する
- 速さは、返信から内定までの日数を出し、消えている場所を直す。多くは社内
- 面談者には、経歴と志向・求人票・よくある質問を渡す
- 内定後は、条件の事前把握と、承諾までの接点で減らす
よくある質問
辞退理由を聞いても「一身上の都合」としか言われません
無理に聞き出す必要はありません。ただ、担当者が候補者と関係を作れていれば、「差し支えなければ、今後の参考に」で理由が出ることは多くあります。全員から聞けなくても、数件集まれば傾向は見えます。時点だけでも記録しておけば、理由が無くても原因は絞れます。
面談者が忙しく、準備の時間が取れません
準備は、担当者が用意した一枚を面談の直前に読むだけで足ります。候補者の経歴の要点、志向と懸念、求人票の役割、よくある質問。担当者に「面談者向けの一枚」を作ってもらい、面談の前日に渡す形にしてください。
代行の担当者に、辞退を減らす責任はありますか
担当者にできるのは、期待を正しく作ること(文面と求人票の実態への合わせ込み)、辞退理由を集めること、内定後のつなぎ役になることです。選考の速さ、面談者の対応、内定後の接点は社内でしか直せません。辞退の責任を担当者に置くと、担当者は辞退理由を伝えなくなります。責任ではなく、情報を求めてください。
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