スカウト代行 / LinkedIn

LinkedInのスカウト代行|任せられる範囲と成果の測り方

公開 2026-09-23

LinkedInでスカウトの代行を考えるとき、外部の代行会社を探す前に知っておきたい事実があります。運営側にも、LinkedIn Recruiter Professional Services(RPS)と、その上位のRPS+という代行に近いサービスがあることです。そのうえで外部に委託するなら、LinkedInは管理者がクレジットの使い方を数字で制御でき、反応があったInMailにはクレジットが戻る仕組みもあるので、それを前提にした契約が書けます。この記事では、外部の代行会社と結ぶ委託契約に何をどう書くかを、条項の形に沿って整理します。以下は2026年9月23日時点で公式ヘルプと製品ページの日本語版に記載されている内容に基づいており、運営はLinkedIn Corporationです。

契約の前に:運営側のRPSで足りる課題かを切り分ける

外部の代行会社と条項を詰める前に、その課題が運営側のサービスで解けるものかを確かめます。ヘルプには、製品の比較を案内する項目が「Recruiter Corporate、RPS/RPS+、Recruiter Liteの違いについて」という題で置かれており、RPSは製品ラインの一つとして扱われています。機能の可否もRecruiter本体と分かれていて、たとえば1対1のメッセージのAI支援フォローアップはRecruiter、RPS、RPS+の顧客向けに提供される一方、一括のAI支援フォローアップはRecruiterとRPS+のみとされています。RPSの顧客が修正できるテンプレートは1対1のメッセージのものに限られるという記載もあります。

RPSの詳しい提供範囲と費用は日本語ページでは公開されていないので、問い合わせで確かめる項目です。判断は、課題の性格で分けると整理しやすくなります。外部に出すべきなのは、運営側では埋まらない作業量や、国内向けの文面づくりのほうです。

課題向かう先理由
LinkedInの操作や機能を使いこなせないRPSなど運営側のサービス、運営の担当者機能の知識は運営側がいちばん持っている
送信作業の工数が取れない外部の代行会社検索、文面、送信の作業量そのものを外に出す話
国内の採用市場に合わせた文面が作れない国内の代行会社日本語の文面と国内の候補者の事情が要る
英語と日本語の両方で書く必要がある対応できる代行会社を条件に探す担当者によってできる範囲が分かれる
ATS連携や社内の選考プロセスの整備社内、またはRPOスカウトの運用より上流の話

求人枠を併用する契約では、製品の比較ページに「専任のカスタマーサクセスマネージャーがサポート」という記載があります。契約の形によって運営側の伴走の厚さが変わるので、外部に出す範囲はその分を差し引いて決めます。委託範囲の一般的な考え方はスカウト代行の範囲にまとめています。

通数の条項:管理画面の使用制限と同じ数字を書く

LinkedInのInMailクレジットは契約ごとにプールされ、その契約のすべてのライセンス保有者が使えるとされています。ヘルプは、クレジットを他のユーザーに転送できるかという問いに「いいえ」と答え、特定の個人に割り当てることはできないとしています。一方で、管理者は契約の各ユーザーに使用制限を設定でき、使用状況の画面では契約全体の残数と、使用制限が設定されている場合の割り当て分の残数を確かめられます。

この仕組みがあるので、代行会社に渡すライセンスに月の上限を設定し、同じ数字を契約書に書く形が取れます。プールを共有したまま、使いすぎだけを防げる形です。条項にすると、たとえば次のような書き方になります。

第◯条(送信数)受託者は、委託者が付与したライセンスから、各月◯通を上限としてInMailを送信する。委託者は同数をRecruiterの使用制限として設定し、上限を変更する場合は双方の書面での合意による。

あわせて書いておきたいのが、1日の上限に当たったときの扱いです。自動フォローアップのヘルプには、1日に送れるInMailの最大数に達した場合のエラーの説明があり、上限に達するとフォローアップは送られず、再度スケジュールを設定する必要があるとされています。代行会社が特定の日にまとめて送る運用だと、ここで詰まります。送信を週の中で分散させることを、条項か運用の取り決めに入れておきます。

エラベルの見解

クレジットが契約のプールで、管理者が上限を設定できるという二つがそろっている媒体は、代行を入れやすい部類に入ります。国内媒体では、代行会社にアカウントを渡すと通数の管理が実質できなくなることがあり、その不安から委託をためらう企業をよく見ます。LinkedInなら、管理者が数字で枠を切れます。私たちが委託設計を手伝うときは、契約書の通数と管理画面の使用制限を同じ数字にそろえるよう勧めています。数字が二か所にあると、片方だけ変えたときに気づけないからです。

権限の条項:どの機能を開けて渡すかを決める

通数の次は、代行会社のライセンスで何ができる状態にしておくかです。管理者は、契約プランのすべてのユーザーについて自動フォローアップを有効または無効にでき、一括送信も契約管理者がオフにしていれば使えません。委託の前に、どの機能を開けて渡すかを決め、その状態を契約の別紙に書いておきます。

機能管理者側で持てる制御・仕組み契約に書くこと
InMailの送信ユーザーごとの使用制限月の上限通数と、変更の手続き
自動フォローアップ契約全体での有効・無効使うかどうか、使う場合の日数(3〜28日、既定は7日後)
一括送信契約管理者がオフにできる一括を許すか、1通ずつ送るか
テンプレート共有したテンプレートは「共有済みのテンプレート」に表示される代行会社が作った文面を、誰がいつ承認するか
同じ候補者への重複同僚が同月内に連絡済みなら警告が出る社内と代行会社が並行して送る場合の優先順位

受信ボックスの権限をどう分けるかは、ヘルプの日本語ページからは読み取れないので、運営への確認事項です。Recruiter Liteで委託を考えている場合は、前提が大きく変わります。Liteはネットワーク外の候補者に送れず、一括InMailと自動フォローアップはRecruiter契約でのみ使えるとされています。ライセンスも、プランに付属するものを担当者か管理者に割り当て、4人までのチームメンバーの分を追加購入する形です。

報告の条項:送信数ではなく返却率で書く

LinkedInのクレジットには返却の仕組みがあり、ここを踏まえないと代行の成果を測り損ねます。ヘルプでは、送信後90日以内に受諾、辞退、または直接返信されたInMailにはクレジットが返却され、承認待ちのものは受諾や辞退に数えず、クイック返信も1つの返信とみなすとされています。返却されたクレジットは個々のユーザーではなくダッシュボードに戻ります。前月の未使用分は繰り越されますが、合計が毎月の割り当ての4倍を超える分は期限切れになります。

フォローアップの扱いも報告に関わります。初回もフォローアップもそれぞれ先にクレジットを使い、初回に返信があればフォローアップは自動でキャンセルされて両方が返却されます。フォローアップが送られたあとに返信があれば1クレジットが返却され、どちらにも返信がなければ返却されません。こうした仕組みから、報告の条項には次の項目を入れておくと、成果を通数ではなく反応で見られます。

報告項目計算のしかた見る理由
返却率返却されたクレジット ÷ 送信数辞退も含めた反応の総量が分かる
受諾・辞退・承認待ちの内訳ステータスごとの件数文面の問題か、相手の状況かを切り分ける
90日を過ぎた承認待ち送信日から90日を過ぎた未反応の件数戻らなかった通数が分かる
返信から一次対応までの時間返信の受信時刻と、代行会社が返した時刻の差面談につながるかを左右する
代行費 ÷ 面談到達数月の委託費を面談の件数で割る通数ではなく結果で費用を見る

ユーザーごとに使用制限を設けている場合、返却分がその上限の中でどう扱われるかは、ヘルプからは読み取れません。報告の数字と管理画面の数字がずれる原因になるので、運営に確認してから条項に書きます。確認できるまでは、返却率を契約全体の数字で報告してもらう形にしておくと混乱が少なくなります。

エラベルの見解

LinkedInの代行で最も価値が出るのは、返信が来たあとの対応の速さだと考えています。クレジットは90日以内の反応で戻る仕組みなので、送りっぱなしにすると通数が目減りしますが、返信そのものは相手の都合です。代行側が動かせるのは、返信後の対応速度と、承認待ちが積み上がったときの見直しの頻度です。送信量だけを増やす契約にすると、承認待ちが増えて返却率が下がり、翌月の実質的な通数が減ります。同じ料金でもここで担当者の差が出るので、契約前に「返信から何時間以内に返すか」を担当者本人に聞いてみてください。

終了時の条項と、契約前の見積もり

契約を終えるときの扱いも、入口で決めておきます。代行会社に付与したライセンスをいつ回収するか、代行会社が作ったテンプレートや保存済み検索、プロジェクトの記録を社内に残すかを書いておかないと、次の担当に引き継げません。候補者の情報を含むので、個人情報の扱いに関わる部分は社内の規程と照らし合わせ、個別の判断は専門家にご確認ください。

見積もりの段階では、運営に聞く項目と代行会社に聞く項目を分けます。どちらも答えをそのまま比べるのではなく、自社の数字と掛け合わせて同じ単位に直します。右端の列が、その掛け算の形です。

確認する項目確認する相手自社の数字での見積もり方
外部の代行会社へのライセンス付与の可否と費用運営ライセンス費用 + 委託費 = 代行に出した場合の月額
一定期間あたりの送信制限、1日の最大数運営月の上限通数 ÷ 稼働日数 が1日の最大数を超えないか
RPS・RPS+の提供範囲と費用運営外部委託の見積もりと、同じ範囲で並べて比べる
週あたりの送信計画と報告の形式代行会社委託費 ÷ 想定面談数 で1面談あたりの費用を出す
日本語と英語の文面の作り分け代行会社英語での送信が要る人数の割合を先に出しておく

1面談あたりの費用は、面談の想定数が決まらないと出ません。想定数は、月の上限通数に、自社の過去の返信率と、返信から面談に進んだ割合を掛けて置きます。LinkedInでの実績がなければ他媒体の値で仮置きし、3か月後に差し替えます。運用の組み立てはLinkedInのスカウト運用設計にまとめています。

まとめ

よくある質問

Q. 代行会社にRecruiterのライセンスを渡しても大丈夫ですか

管理者はユーザーごとに使用制限を設定でき、自動フォローアップや一括送信の可否も制御できるため、渡す範囲を数字と機能で絞ることはできます。ただし外部の会社へのライセンス付与の可否や条件は、日本語ページからは読み取れません。契約前に運営に確認し、個人情報の扱いは専門家にもご確認ください。

Q. RPSと外部の代行会社はどう使い分ければよいですか

機能の使いこなしが課題なら運営側、送信作業の工数や国内向けの文面が課題なら外部の代行会社が目安です。RPSには一括メッセージのテンプレートを修正できないなど、Recruiter本体と機能の差があります。提供範囲と費用は問い合わせで確かめてください。

Q. 代行の成果は何で測ればよいですか

送信数より、返却率とステータスの内訳を見るのが、この媒体の仕組みに合っています。反応があればクレジットが戻るので、返却率が上がるほど実質的に送れる通数が増えます。最終的には、委託費を面談の件数で割った1面談あたりの費用で判断してください。

※料金・通数・機能の条件は変わります。掲載した内容は2026年9月23日時点の公式ヘルプおよび製品ページの記載であり、実際の条件は運営にご確認ください。

出典