採用代行 / 比較・選び方

自社ATSに対応できるかの確認

公開 2026-09-07

自社が使っている採用管理システムに、代行会社が対応できるか。「使えます」という答えだけでは判断できません。操作できることと、そのシステムで採用の運用を回せることは別だからです。この記事では、選定の段階で確認する項目を整理します。運用が始まった後の権限管理は渡すATSの権限範囲にまとめています。

三段階で確認する

一.操作できるか。基本的な画面の操作、候補者の登録、ステータスの変更。多くの会社が「できます」と答える段階です

二.運用した経験があるか。そのシステムで、採用の業務を継続的に回した経験。効率的な使い方や、機能の使いどころを知っているか

三.自社の運用ルールを理解できるか。同じシステムでも、会社によって使い方は違います。ステータスの定義、入力のルール、独自の項目

確認の重心は二番目と三番目にあります。一番目は前提であって、判断材料にはなりません。

聞く質問

このシステムで採用の運用を担当された経験はありますか
経験の有無を直接聞きます。

どんな使い方をされていましたか
具体的な話が出るかを見ます。候補者の管理、ステータスの運用、レポートの出し方。実際に使っていれば、細かい話が出ます。

このシステムで困ったことはありますか
使ったことがある人は、不便な点を知っているものです。「特にありません」と返るなら、経験が浅いかもしれません。

経験がない場合、習熟にどのくらいかかりますか
期間の目安が出るかを見ます。

習熟の時間は、稼働に含まれますか
費用の論点です。締結前に決めておきます。

自社の運用ルールは、どう共有すればよいですか
文書で渡すのか、画面を見ながら説明するのか。受け取り方の希望が出るなら、慣れています

エラベルの見解

システムの経験より、自社の運用ルールを文書にできているかのほうが影響が大きいという場面をよく見ます。

同じ採用管理システムを使っていても、会社によって運用は違います。どのタイミングでステータスを動かすか、どの項目を必須にしているか、不採用の記録をどう残すか。このルールが文書になっていないと、経験のある担当者でも迷います

そして、迷った結果、担当者が自分の判断で入力します。前の会社での使い方が持ち込まれ、自社の運用とずれる。気づくのは数か月後、集計が合わなくなったときです

だから、依頼の前に運用ルールを一枚にまとめてください。ステータスの定義、入力の必須項目、記録の粒度。一枚で足ります。

この文書があると、システムの経験がない担当者でも運用に乗れます。逆に、文書がなければ、経験がある担当者でもずれます

システムへの対応可否を確認する前に、自社の運用が言語化されているかを確認してみてください。ここが整っていれば、選べる相手も広がります。

権限の設計を先に決める

対応の可否を確認するのと並行して、渡す権限を決めます。

三番目が原則です。ユーザーの追加や削除ができる権限を渡すと、誰がアクセスできる状態にあるかを自社で把握できなくなります。

そして、個別アカウントを発行できるかを確認してください。共有のIDを渡す形だと、誰が操作したかが追えません。

対応が難しいと言われた場合

理由を聞く。経験がないのか、システムの制約なのか、権限の問題なのか。

習熟の期間と費用を確認する。経験がないだけなら、期間を見込んで進められます。

部分的な対応を検討する。すべての機能を使う必要はありません。候補者の閲覧とステータスの変更だけでも、運用は回ります

代替の運用を考える。システムへの入力は自社が担い、代行は他の工程を担う。分担で解決することもあります

別の会社を検討する。そのシステムの経験がある会社を探す選択もあります。

一番目を聞かずに諦めないでください。経験がないだけなら、多くの場合は対応できます。

移行を伴う場合

システムを新しく導入する、または移行するタイミングで代行を入れる場合の確認です。

導入の作業を任せられるか。初期設定、既存データの移行、入力ルールの整備。この作業は立ち上げ費用として別建てになることがあります

移行の期間中の運用。旧環境と新環境が並行する期間の扱い。

データの移行。既存の候補者データを移せるか。形式と手順を確認します。

運用ルールの設計。ステータスの定義や入力のルールを、この機会に整備できます。

四番目は、代行会社の経験が活きる部分です。複数社の運用を見ている会社なら、設計の提案が出てくることがあります。

エラベルの見解

採用管理システムへの対応を確認するときに、「自社も同じ画面を見られる」ことの価値を意識してください

代行に運用を任せると、状況は報告を通して届きます。ところが、システムに情報が集約されていれば、報告を待たずに自社でも見られます。候補者が今どこにいるか、何件進んでいるか、どこで止まっているか

そして、定例会でも同じ画面を見ながら話せます。報告を聞く場から、状況を見て次を決める場に変わります。判断の速さが変わります

だから、自社のシステムを使ってもらう形には、情報管理以上の意味があります。運用の可視化そのものです

逆に、代行会社の環境で運用が完結すると、自社は報告の粒度に依存します。報告が薄ければ、何が起きているか分かりません。

システムを自社で持つことは、採用の運用を自社が理解している状態を保つための設計でもあります。可視化の方法は代行の稼働内容をどう可視化してもらうかにまとめています。

まとめ

よくある質問

経験のないシステムでも任せられますか

多くの場合は任せられます。習熟の期間と、その時間を稼働に含めるかを決めておいてください。あわせて、自社の運用ルールを文書で渡すと立ち上がりが速くなります。経験の有無より、渡す情報の量のほうが影響します。

代行会社が別のシステムを勧めてきます

理由を聞いてください。自社のシステムでは機能が足りない、運用が非効率、といった具体的な理由があるかもしれません。ただし、代行側の効率のためだけなら、自社に情報が残る形を優先する判断もあります。移行の作業と費用も含めて比べてください。

権限をどこまで渡せばよいか分かりません

任せる業務を工程で書き出し、それぞれに必要な権限を割り当ててください。日程調整だけなら閲覧と一部の編集、書類の一次仕分けまで任せるならステータスの変更が要ります。ユーザーの追加と削除は自社が持つのが原則です。