採用代行 / 比較・選び方
月間のスカウト送信可能数の確認
スカウトの運用を任せるとき、月にどのくらい送れるかは確認する項目です。ただ、件数だけを聞いて決めると、運用が量に偏ります。送信数は稼働時間と媒体の枠、そして文面の作り込みの度合いで決まります。この記事では、確認の観点と、質と量のバランスの取り方を整理します。なお、媒体ごとの送信の仕組みや上限は変わるため、具体的な条件は公式の情報をご確認ください。
送信数を決める三つの要素
一.稼働時間。候補者の検索、条件の設計、文面の作成、送信。これらにかかる時間の合計が、送れる件数の上限を決めます。
二.媒体の枠。媒体によって、送信できる件数に制約がある場合があります。契約しているプランによっても変わります。
三.文面の作り込みの度合い。定型文をそのまま送るのか、候補者ごとに一部を書き分けるのか。同じ稼働時間でも、件数は大きく変わります。
このうち、三番目が判断の分かれ目になります。件数を増やしたければ作り込みを減らすことになり、作り込めば件数は減ります。
だから、「月に何件送れますか」という質問だけでは足りません。どの作り込みで何件か、を聞く必要があります。
件数だけを約束させる危険
送信件数を契約の条件にすると、運用が量に寄ります。
条件が広がる。件数を満たすために、検索条件を緩める。要件から外れた候補者にも送ることになります。
文面が定型になる。書き分ける時間がなくなり、同じ文面を送ることになります。
返信率が下がる。的外れな相手に定型文を送れば、返信は来ません。送信数は増えても、面談は増えません。
候補者の印象が落ちる。関係のない求人が届くことは、会社の印象に影響します。
これは代行会社の問題ではなく、指標の設計の問題です。件数を約束させれば、件数を満たす動きになります。指標の置き方は契約にKPIを入れるべきかにまとめています。
エラベルの見解
送信数について聞くとき、「件数」ではなく「稼働時間と、その中の内訳」で聞いてください。これで実態が見えます。
具体的には、こう聞きます。「週に何時間の稼働のうち、検索と条件の設計に何時間、文面の作成に何時間、送信と返信対応に何時間を想定していますか」。
この内訳が出る会社は、社内で実績を管理しています。件数だけを答える会社は、根拠が薄い可能性があります。
そして、内訳が分かると、自社が調整できる部分も見えます。たとえば、検索条件を自社で用意すれば、その時間を文面の作成に回せます。過去の実績を渡せば、条件の設計が速くなります。
発注側が材料を渡すほど、同じ稼働時間でも送れる件数と質が上がります。これは代行の努力ではなく、設計の話です。
だから、送信数の確認は自社が何を渡せるかとセットで考えてください。件数を求める前に、渡す情報を増やせないかを見る。そのほうが、結果は良くなります。
確認する質問
週にどのくらいの稼働で、何件を想定していますか
件数と時間をセットで聞きます。
その内訳を教えてください
検索、文面作成、送信、返信対応。内訳が出るかで、管理の深さが分かります。
文面はどの程度書き分けますか
全文定型か、冒頭だけ書き分けるか、候補者ごとに作るか。作り込みの度合いを確認します。
返信率はどのくらいを想定していますか
職種と媒体によって水準が違うため、数字そのものより根拠を聞きます。
返信が来なかった場合、何を変えますか
条件か、文面か、送信の時間帯か。改善の手順を持っているかが分かります。
送信数を増やす場合、何が必要ですか
稼働時間か、条件の緩和か、文面の簡略化か。トレードオフを説明できるかを見ます。
質と量のバランス
量を優先すべき場面
- 母集団が厚い職種で、条件に合う候補者が多い
- 立ち上げ期で、反応の傾向を掴みたい
- 媒体の枠に期限があり、使い切る必要がある
質を優先すべき場面
- 母集団が薄い職種で、条件に合う候補者が限られる
- 候補者の層が特定できていて、狙って当てたい
- 会社の知名度が低く、文面で興味を持ってもらう必要がある
多くの場合、立ち上げ期は量、運用が回り出したら質という順番が噛み合います。最初は反応の傾向が分からないので、幅を持って試す。傾向が見えたら、効く層に絞って作り込む。
この移行を設計しておくと、運用が自然に改善します。決めていないと、最初の量のまま続くことがあります。
数字の合意のしかた
送信数について合意するなら、次の形にします。
稼働時間で約束する。件数ではなく、週あたりの稼働時間を決める。その中で何件送るかは、条件と文面の作り込みで変わる前提にします。
目安として件数を置く。達成義務ではなく、想定として共有する。
件数と質の両方を見る。送信件数だけでなく、返信率と面談設定率を並べる。片方だけを見ると、運用が歪みます。
見直しの周期を決める。立ち上げ期と運用期で、適切な件数は変わります。
一番目が最も実務に合います。稼働時間を買う形にしておけば、条件を絞る判断も、文面を作り込む判断も、運用の中でできます。
媒体の枠との関係
媒体側に送信の制約がある場合、それが上限になります。稼働時間に余裕があっても、枠を超えては送れません。
確認することです。
- 現在の契約で、月にどのくらい送れるか
- 枠を追加購入できるか、その費用
- 枠の消費の状況を報告してもらえるか
- 枠を職種ごとにどう配分するか
四番目を決めておかないと、月の前半で使い切ることがあります。職種ごとの配分を先に決めて、稼働報告で消費の状況を追ってください。
そして、枠が費用に直結する媒体では、上限の設定が予算の管理になります。扱いは媒体費と代行費を分けて見るべき理由にまとめています。
エラベルの見解
送信数の議論をしていると、「送る」ことに注目が集まりますが、実際に差が出るのは「返信が来た後」です。
スカウトの返信は、たいてい質問ではなく様子見の一言です。「詳しく聞いてみたいです」「どんな内容ですか」。ここに何を返すかで、面談に至るかどうかが分かれます。
求人票の内容を繰り返す返信と、その候補者の経歴に触れて現場の話を一つ足す返信では、反応が変わります。そして、この差は送信数には現れません。
だから、送信数を確認するときに返信対応の時間も内訳で聞いてください。「返信への対応に、週にどのくらいの時間を見ていますか」。
ここが薄い設計だと、送るだけの運用になります。返信が来ても、定型文で返して終わる。せっかくの反応が活きません。
送信は入口で、返信対応が実際の勝負どころです。稼働の配分がここに割かれているかを見ると、その会社の運用の考え方が分かります。
まとめ
- 送信数は、稼働時間・媒体の枠・文面の作り込みの三つで決まる
- 件数だけを約束させると、条件が広がり、文面が定型になり、返信率が下がる
- 聞くのは「件数」ではなく「稼働時間と、その中の内訳」
- 内訳が出る会社は、社内で実績を管理している
- 発注側が材料を渡すほど、同じ稼働時間でも件数と質が上がる
- 立ち上げ期は量、運用が回り出したら質。移行を設計しておく
- 合意は稼働時間で行い、件数は目安として置く
- 差が出るのは「送る」より「返信が来た後」。返信対応の時間を確認する
よくある質問
送信数を契約に書いてもらえますか
書ける場合もありますが、達成義務にすると運用が量に寄ります。稼働時間を約束の対象にし、件数は目安として共有する形のほうが実務に合います。あわせて、返信率と面談設定率も並べて見てください。
送信数が想定より少ない月がありました
稼働の内訳を確認してください。検索や条件の設計に時間がかかった、文面を作り直した、といった理由があるかもしれません。理由が説明できるなら問題はありません。説明が出てこない場合に、中身を確認します。
送信数を増やしたいのですが
稼働時間を増やすか、条件の設計や文面を自社で用意して代行の作業を減らすか、文面の作り込みを簡略化するか。この三つのどれかになります。三番目を選ぶ場合、返信率が下がる可能性を織り込んでおいてください。