採用代行 / カスタマーサポート
カスタマーサポートの採用要件の作り方|必須と歓迎を分ける基準
カスタマーサポートの採用要件を作ると、「コールセンター経験三年以上」「電話とメールとチャットの全部に対応できる」「クレーム対応の経験」「PCスキル(タイピング、複数の画面の操作)」「業界の知識」「明るく元気で忍耐強く、臨機応変な方」と膨らみます。中身と時間帯と受け入れの流れを決めずに、人事やSVが「理想のオペレーター」を要件にしてしまうことが原因です。膨らんだ要件は、未経験からの応募が多い職種で応募を止めるか、経験者に絞りすぎて該当者がいないか、「三年以上」で接客から転向したい人を外すか、のどれかになります。結論を先に書くと、カスタマーサポートの要件は「中身と時間帯と受け入れの流れ」から決め、必須を「時間帯とシフトに入れること」「中心のチャネルで人と話す(書く)ことに抵抗が無いこと」「決まりに沿って動き、分からないことを聞けること」の三つに絞り、それ以外のサポート経験・クレーム対応の経験・業界の知識・PCスキル・年数は歓迎に回すと、該当する人が現れ、面接でSVが確かめるべきことも決まります。中身と時間帯の整理はカスタマーサポート採用を代行に出す判断基準に、母集団形成はカスタマーサポートの母集団形成にまとめています。
カスタマーサポートで要件が膨らむ理由
カスタマーサポートの要件が膨らむ理由は、三つあります。
一つ目は、中身と時間帯と受け入れの流れを決めずに要件を作ることです。「サポートが足りない」で募集を始めると、電話かメールか、BtoBかBtoCか、クレームの割合、時間帯、受け入れの流れが決まっておらず、「全部できて、すぐ一人で回せる人」が要件になります。実際には、中身と受け入れの流れが決まれば、要件は「時間帯に入れて、中心のチャネルに抵抗が無く、決まりに沿って動ける」で足ります。
二つ目は、「経験者ならすぐ回る」と考えて経験と年数を必須にすることです。サポートの経験者は、前の職場の決まりと製品を知っていますが、自社の決まりと製品は入ってから覚えます。未経験でも、受け入れの流れがあれば数週間で回るようになる職種で、経験と年数を必須にすると、母集団の大きい未経験と接客からの転向者を外します。
三つ目は、「明るく元気」「忍耐強い」「臨機応変」を要件に書くことです。これらは応対に要る性質ですが、経歴では確かめられず、面接でSVが確かめるものです。要件に書いても絞れず、応募者に「体育会系」「クレームを我慢させる職場」と読まれることもあります。
三つを合わせると、「中身と受け入れを決めずに、経験と年数と性質を並べる」のが、膨らむ構造です。
必須と歓迎を分ける基準
基準は、「その要件が無いと、中身と時間帯と受け入れの流れを回せないか」です。回せないなら必須、あれば早いなら歓迎です。
| 要件 | 必須か歓迎か | 理由 |
|---|---|---|
| 募集する時間帯とシフトに入れること | 必須 | これが無いと回らない。時間帯とシフトの決まり方を具体に書く |
| 中心のチャネル(電話なら話す、メールやチャットなら書く)に抵抗が無いこと | 必須 | 電話が中心なのに電話が苦手な人は続かない。「全部できる」ではなく中心のチャネルだけ |
| 決まりに沿って動き、分からないことを聞けること | 必須 | サポートの中心。自己流で答えない、抱え込まない。経歴では読めず、面接でSVが確かめる |
| コールセンター・サポートの経験 | 歓迎 | 受け入れの流れがあれば未経験でも回る。経験者は歓迎で厚遇する |
| クレーム対応の経験 | 歓迎(クレームの割合が高く、受け入れの体制が薄い場合は重く見る) | 体制があれば未経験でも受けられる。体制が無いなら経験を重く見るより体制を作る |
| 業界や製品の知識 | 歓迎(BtoBの技術的な問い合わせが中心なら重く見る) | 多くは入ってから覚えられる |
| PCスキル(タイピング、複数の画面の操作) | 歓迎(受け入れの中で身につく程度なら書かない) | 「PCスキル」だけ書くと未経験が不安になる。要る操作を具体に書く |
| 経験年数 | 歓迎 | 年数より、中心のチャネルへの抵抗の無さと決まりに沿う姿勢のほうが効く |
| 「明るく元気」「忍耐強い」「臨機応変」「コミュニケーション能力」 | 要件に書かない(面接で確かめる) | 経歴で確かめられず、面接でSVが確かめる項目として設計する |
| 学歴・資格 | 書かない(法令や業務で要る資格がある場合のみ) | 応対に学歴は関係しない。資格の要否は専門家にご確認ください |
表の要点は、「サポート経験」と「年数」を必須に書かないことです。受け入れの流れがあれば未経験でも回る職種で、経験を必須にすると母集団の大きい層を外します。経験者は歓迎に置いて厚遇し、未経験は受け入れの流れで補います。
もう一つの要点は、「決まりに沿って動き、分からないことを聞けること」を必須に入れることです。サポートで最も事故になるのは、自己流で答えることと、分からないことを抱え込むことです。この二つが無い人は、経験があっても続かず、この二つがある人は、未経験でも数週間で回ります。
エラベルの見解
相談で多いのは、「カスタマーサポートの要件を『コールセンター経験三年以上、電話とメールとチャットの全部、クレーム対応の経験、PCスキル、明るく元気で忍耐強い方』にしたが、応募がほとんど来ない」というご相談です。中身と受け入れの流れを聞くと、BtoCの注文とお届けの問い合わせで、電話が中心、クレームは少なく、最初の二週間はメールだけ、電話はSVが横について出る、とのことでした。それなら要件は「平日日中と土曜午前に入れること」「電話で話すことに抵抗が無いこと」「決まりに沿って動き、分からないことを聞けること」で足り、経験も年数もチャットもクレームも、該当者を減らしているだけでした。
見ていて差がつくのは、「受け入れの流れを決めてから要件にしているか」です。受け入れの流れが決まると、「経験が無くても回る」ことが見え、必須が三つに減ります。エラベルでは、カスタマーサポートの担当者に、要件を書く前に「中身と時間帯と受け入れの流れ」をSVに決めてもらっています。
必須を三つに絞る手順
手順は四つです。
一つ目:中身と時間帯と受け入れの流れを決める。 チャネルの割合、相手、対応の範囲、クレームの割合、時間帯とシフトの決まり方、在宅の可否、研修の期間、最初に任せる対応、SVが横にいる期間、電話に出るまでの流れ。
二つ目:その中身と受け入れの流れを回すために、無いと困るものを書き出す。 「電話で話せる」「決まりに沿える」「時間帯に入れる」「複数の画面を見ながら入力できる」「製品を覚えられる」など。書き出したら、「これが無いと本当に回らないか」「受け入れの流れの中で身につくか」を一つずつ問います。
三つ目:「決まりに沿って動き、分からないことを聞けること」を必須に入れ、面接で確かめる形にする。 経歴では読めないので、面接でSVが確かめる質問を用意します。
四つ目:残りを歓迎に回し、性質の言葉を外す。 経験、クレーム対応、業界の知識、PCスキル、年数は歓迎に。「明るく元気」「忍耐強い」「臨機応変」は要件から外し、面接で確かめる項目に移します。
手順の要点は、二つ目で「受け入れの流れの中で身につくか」を問うことです。「PCスキル」は、複数の画面の操作が研修で身につくなら必須ではありません。「製品の知識」は、入ってから覚えるなら必須ではありません。問うたびに必須が減り、三つに近づきます。
経歴で確かめる要件と、面接でSVが確かめる要件
要件を、経歴(履歴書、職務経歴書、媒体のプロフィール)で確かめられるものと、面接でSVが確かめるものに分けます。
経歴で確かめられるのは、「サポートやコールセンターの経験の有無と、そのチャネルと相手」「接客や販売の経験」「働ける時間帯とシフト(応募時に確認)」「在宅の環境(応募時に確認)」「PCの操作の経験」「業界の経験」「何年か」です。書類の段階で、必須のうち「時間帯とシフトに入れること」はここで確かめます。「中心のチャネルへの抵抗の無さ」は、経験の有無で推せますが、面接で確かめます。
面接でSVが確かめるのは、「中心のチャネルへの抵抗の無さ(電話が中心なら、面接の話し方と、電話で話すことをどう感じるか)」「決まりに沿う姿勢(前の職場や学校で、決まりが自分の考えと違ったときどうしたか)」「分からないことを聞けるか(分からないことがあったとき、どうしたか)」「クレームの受け止め方(怒っている相手にどう向き合うか、一人で抱えないと言われたらどう感じるか)」「時間帯とシフトの実際(学校行事、試験期間、家族の予定)」「受け入れの流れと文面の一致を確認した上で、続けられそうか」です。要件の「明るく元気」「忍耐強い」「臨機応変」は、この項目に翻訳して、SVが確かめます。
確かめる方法は、過去の行動を聞くことです。「決まりが自分の考えと違ったとき、どうしましたか」「分からないことがあったとき、誰にどう聞きましたか」「怒っている相手に対応したことがあれば、そのときどうしましたか」。答えの内容より、決まりに沿えるか、聞けるか、抱え込まないかを見ます。面接で応募者の現在の職場の顧客や体制について機微な情報を聞かないよう、質問を設計します。機微な情報の扱いは、専門家にご確認ください。面接の設計は面接の構造に書いています。
層ごとの要件の書き方
カスタマーサポートの応募者は、層によって持っているものが違います。要件の書き方も、層を意識して変えます。
| 層 | 経歴で確かめる | 面接でSVが確かめる | 要件に書くときの注意 |
|---|---|---|---|
| サポート・コールセンターの経験者 | チャネルと相手、クレームの割合の経験 | 前の職場との違いを受け入れられるか、自己流にならないか | 必須の三つがそのまま該当。「未経験歓迎」を前面に出すと離れる。経験を歓迎で厚遇する |
| 接客・販売からの転向 | 接客の経験、人と話すことに慣れているか | 電話やメールで顔が見えない相手と話すことへの抵抗、決まりに沿えるか | 「サポート経験」を必須にすると外れる。接客の経験を「人と話すことに抵抗が無い」として数える |
| 事務からの転向 | PCの操作、書くことに慣れているか | 電話が中心なら電話への抵抗、メールやチャットが中心なら合いやすい | メールやチャット中心なら合う。電話中心なら面接で確かめる |
| 未経験(学生、主婦層、他職種) | 時間帯とシフト、在宅の環境 | 中心のチャネルへの抵抗、決まりに沿えるか、聞けるか | 「経験」「年数」「PCスキル」を必須にすると外れる。受け入れの流れを文面に書く |
| 在宅を求める人 | 在宅の環境、在宅での勤務の経験 | 一人で作業していて分からないことを聞けるか、勤務の管理を受け入れられるか | 在宅の条件を要件に具体に書く |
表の要点は、「サポート経験」を高く見すぎないことです。接客からの転向者と事務からの転向者は、「人と話すこと」「書くこと」にそれぞれ慣れていて、受け入れの流れがあれば経験者と同じように回ります。
要件が決まらないときの原因
要件を作ろうとして決まらないとき、原因は要件ではなく、その前にあります。
一つ目は、中身が決まっていないことです。電話かメールか、BtoBかBtoCか、クレームの割合が決まっていないと、「全部できる人」になります。中心のチャネルと相手を決めます。
二つ目は、受け入れの流れが決まっていないことです。決まっていないと、「経験者でないと回らない」と考えて経験と年数を必須にします。研修の期間、最初に任せる対応、SVが横にいる期間、電話に出るまでの流れの四つを決めると、「未経験でも回る」ことが見え、必須が減ります。
三つ目は、性質の言葉を要件と混同していることです。「明るく元気」「忍耐強い」は要件ではなく、面接でSVが確かめる項目です。要件から外して面接の設計に移します。
四つ目は、SVが要件に関わっていないことです。人事だけで作ると「理想のオペレーター」になります。SVに「最低限何があれば回るか」を聞くと、「時間帯に入れて、電話が嫌でなくて、聞いてくれる人なら、あとは教えられる」のように、要件が下がることが多い。
四つのどれかが決まっていないなら、要件より先にそれを決めます。
代行に出せる工程
要件作りの工程を、社内で持つものと外に出せるものに分けます。
| 工程 | 社内で持つ | 外に出せる |
|---|---|---|
| 中身と時間帯と受け入れの流れの決定 | SVと経営者が決める | SVへの聞き取り、整理、他社の受け入れの流れの例 |
| 必須と歓迎の振り分け | 最終判断(SVの意見を入れる) | 基準に沿った振り分け案。「理想のオペレーター」になっている要件と、経験と年数の必須を指摘 |
| 経歴で確かめる項目の設計 | ― | 経歴の見方(チャネル・相手・接客の経験の読み方)、応募時に確認する項目(時間帯・在宅の環境) |
| 面接で確かめる項目の設計 | SVが確かめたいこと | 性質の言葉を過去の行動を聞く質問に翻訳。SVの時間を最小にする段取り |
| 求人票・スカウト文面への反映 | 確認 | 要件を文面に落とす。層ごとに書き方を変える。「PCスキル」を要る操作に具体化 |
分け方の要点は、「中身と受け入れの流れとSVの意見はSVと経営者が決め、翻訳と振り分けと段取りは外に出せる」ことです。カスタマーサポートの面接はSVか現場の責任者にしかできないので、外に出すのは「SVの意見を聞き取って要件に落とし、経歴を読み、面接の段取りと質問を用意する人」の役です。担当者にサポートの採用か運営の経験があると、受け入れの流れの例とSVとの話し方が変わります。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、カスタマーサポートの要件で最も効くのは、「経験と年数を歓迎に下げて、受け入れの流れを文面に書くこと」です。前者で接客や事務からの転向者と未経験が母集団に入り、後者でその人たちが「自分でも回りそう」と読んで応募します。経験者は歓迎で厚遇すれば離れません。
エラベルでは、カスタマーサポートの案件で担当者を紹介するとき、最初の一週間で「中身と時間帯と受け入れの流れ」をSVに決めてもらい、「最低限何があれば回るか」を聞き取り、そこから必須三つを作るところまでをお願いしています。面接では、性質の言葉を過去の行動を聞く質問に翻訳して、SVが確かめる形を担当者が段取りします。労働時間とシフトと資格の要否と機微な情報の扱いは、専門家にご確認いただくようお伝えしています。
まとめ
- カスタマーサポートの要件が膨らむ理由は中身と受け入れを決めずに作る・経験と年数を必須にする・性質の言葉を要件に書くの三つ
- 基準は「無いと中身と時間帯と受け入れの流れを回せないか」。必須は時間帯とシフトに入れること・中心のチャネルに抵抗が無いこと・決まりに沿って動き分からないことを聞けることの三つ
- サポート経験・クレーム対応の経験・業界の知識・PCスキル・年数は歓迎。「明るく元気」「忍耐強い」「臨機応変」は要件に書かず、面接で確かめる項目に
- 手順は中身と時間帯と受け入れの流れを決める→無いと困るものを書き出して「受け入れの中で身につくか」を問う→決まりに沿う姿勢を必須に入れ面接で確かめる形にする→残りを歓迎に
- 経歴で確かめるのは経験の有無とチャネルと相手・接客の経験・時間帯とシフト・在宅の環境・PCの操作・年数。SVが面接で確かめるのは中心のチャネルへの抵抗・決まりに沿う姿勢・聞けるか・クレームの受け止め方・シフトの実際・続けられそうか
- 「サポート経験」を高く見すぎない。接客や事務からの転向者は受け入れの流れがあれば経験者と同じように回る
- 決まらないときは中身・受け入れの流れ・性質の言葉との混同・SVの関与のどれかが先に決まっていない
よくある質問
経験者でないと、クレームの対応を任せるのが不安です
クレームの対応は、経験より体制で決まります。「一人で抱えない決まり」「SVが引き取る基準」「最初はメールだけで、電話はSVが横について出る」の受け入れの流れがあれば、未経験でも数週間で受けられるようになり、体制が無ければ経験者でも辞めます。経験を必須にする前に、受け入れの流れを決めます。クレームの割合が高く、体制がすぐには作れない場合だけ、クレーム対応の経験を重く見ます。
「PCスキル」を要件に書いてよいですか
「PCスキル」とだけ書くと、未経験の応募者は「自分は足りない」と不安になり、応募を控えます。要る操作を具体に書きます。「複数の画面を見ながら会話の内容を入力する」「決まった書式でメールを書く」のように書き、研修で身につくものは要件から外して受け入れの流れに書きます。タイピングの速さが要る場合も、数字の基準を書くより「研修の中で慣れます」のほうが、応募は減りません。
「明るく元気な方」を書かないと、暗い人が来ませんか
「明るく元気」は経歴で確かめられず、書いても絞れません。応募者に「体育会系の職場」「クレームを我慢させる職場」と読まれることもあります。書く代わりに、面接でSVが「決まりに沿えるか」「分からないことを聞けるか」「怒っている相手にどう向き合うか」を過去の行動で確かめます。応対に要るのは明るさより、決まりに沿って落ち着いて対応し、抱え込まないことです。