採用代行 / カスタマーサポート
カスタマーサポートの母集団形成|応募が集まらないときに見直す順番
カスタマーサポートの募集で「応募が集まらない」と相談を受けたとき、最初に聞くのは「誰に、いつ働いてもらう募集か」です。媒体を増やす、文面の言い回しを変える、時給や給与を上げる、の前に、募集が「どの層に、どの時間帯で」届く設計になっているかを見ます。カスタマーサポートは、時間帯とシフトで応募者の層が決まる職種で、層が決まっていない募集は、どの媒体に出しても、どの言い回しでも、誰にも刺さりません。結論を先に書くと、見直す順番は、時間帯とシフトで層を決める→中身(チャネル・相手・クレームの割合)を書く→未経験の受け入れの流れを書く→SVの言葉を入れる→応募対応を速くする→層に合う経路に出す、の六つです。順番どおりに見直すと、応募が増えるだけでなく、面接に来る率と、入って続く率が変わります。代行に出す判断基準はカスタマーサポート採用を代行に出す判断基準に書いていますので、ここでは母集団形成に絞ります。
応募が集まらない原因は文面の前にある
カスタマーサポートの応募が集まらないとき、原因は三つに分かれます。
一つ目は、層が決まっていないことです。平日日中の主婦層、夜間や土日の学生やダブルワークの人、在宅を求める地方や通勤の難しい人、正社員でキャリアを作りたい人。それぞれ見ている媒体も、気にする条件も、文面で目を止める言葉も違います。「シフト制・未経験歓迎」の募集は、全部の層に向けたようで、どの層にも「自分向けだ」と読まれません。
二つ目は、中身が見えないことです。電話かメールかチャットか、BtoBかBtoCか、クレームの割合はどのくらいか。応募者は「電話は苦手」「クレームの多いところは避けたい」「技術的な問い合わせは分からない」のように、中身で選んでいます。中身が無い募集は、応募者が自分に合うか判断できず、判断できない募集は飛ばされます。
三つ目は、応募した後の体験が悪いことです。応募から連絡まで数日空く、面接の日程が決まらない、面接後の連絡が無い。カスタマーサポートの応募者は同時に複数の求人に応募していて、連絡の遅い会社から順に離れます。応募は来ているのに面接に来ない場合は、母集団ではなく応募対応の問題です。
三つを混ぜて「応募が集まらない」と言うと、対策が「媒体を増やす」に流れます。分けると、対策は「層を決める」「中身を書く」「応募対応を速くする」になり、媒体の追加は最後です。
見直す順番
順番は六つです。上から順に見直します。
一つ目:時間帯とシフトで層を決める。 募集する時間帯とシフト(平日日中だけか、夜間や土日を含むか、固定か希望制か、在宅の可否)を決め、その時間帯に働ける層を一つに絞ります。二つの層を狙うなら、募集を二つに分けます。「シフト制」で一本にまとめない。
二つ目:中身を書く。 チャネル(電話・メール・チャットの割合)、相手(BtoBかBtoCか、誰か)、対応の範囲(一次対応で終わるか、エスカレーションまでか)、クレームの割合。クレームが多いなら隠さず、その代わり「一人で抱えない決まり」「SVが引き取る基準」を書きます。
三つ目:未経験の受け入れの流れを書く。 研修の期間、最初に任せる対応(メールだけから始めるなど)、SVが横にいる期間、電話に出るまでの流れ。未経験の応募者が最も不安なのは「いきなり電話に出されて、クレームを一人で受けること」で、その不安に答える一行があるかないかで応募は変わります。
四つ目:SVの言葉を入れる。 応募者が見ているのは「誰の下で働くか」です。SVの言葉(「最初はメールだけ。電話は横にいて一緒に出ます」「分からないことは聞いてください、と最初に言います」)を、聞き取って文面に入れます。人事が書いた「アットホームな職場」より、SVの一言のほうが伝わります。
五つ目:応募対応を速くする。 応募から連絡までを短く、面接日程を早く決め、面接後の連絡を翌日までに。ここが遅いと、上の四つを直しても面接に来ません。
六つ目:層に合う経路に出す。 層と時間帯が決まってから、その層が見る媒体を選びます。主婦層と学生と在宅希望者と正社員希望者で、見る媒体は違います。
順番の要点は、六つ目の経路が最後にあることです。「応募が集まらないから媒体を足す」は、層と中身と受け入れとSVの言葉が無いまま、届く範囲だけ広げる対策で、応募は少し増えても面接に来る率と続く率は変わりません。
エラベルの見解
相談で多いのは、「カスタマーサポートの募集を三つの媒体に出しているが、応募が月に数件で、面接に来ない」というご相談です。求人を見ると、「お客様対応・シフト制・未経験歓迎・アットホームな職場」で、時間帯も中身もSVの言葉も無く、応募から連絡までが平均で数日空いていました。現場のSVに聞くと、中身はBtoCの注文とお届けの問い合わせで、電話が中心、クレームは少なく、平日日中と土曜午前、最初の二週間はメールだけ、電話はSVが横について出る、とのことでした。それを文面に落とし、応募から連絡までを当日中に変え、媒体は三つから平日日中の主婦層が見る一つに絞りました。応募は増え、面接に来る率が上がり、入った人が続いています。
見ていて差がつくのは、「媒体を足す前に、層と中身とSVの言葉と応募対応を見直しているか」です。エラベルでは、カスタマーサポートの担当者に、募集を出す前に現場のSVに聞き取り、六つの順番で見直すところから始めてもらっています。
層ごとの見直しの違い
層によって、気にする条件と、文面で目を止める言葉が違います。
| 層 | 時間帯 | 気にする条件 | 文面で目を止める言葉 | 外す言葉 |
|---|---|---|---|---|
| 主婦層・子育て中の人 | 平日日中 | 子どもの予定に合わせられるか、急な休みが取れるか、扶養の範囲 | 「学校行事の日は事前に相談できます」「急な休みは同じ時間帯の人で補います」 | 「フルタイム歓迎」「土日出られる方」を並べる |
| 学生・ダブルワークの人 | 夜間・土日 | 週に何日から入れるか、試験期間の調整、短い時間で入れるか | 「週二日から」「試験期間は前月に相談」「一回三時間から」 | 「長期で働ける方」「日中に入れる方」 |
| 在宅を求める人 | 時間帯を問わず | 機材の貸与、通信の負担、勤務の管理の仕方、最初から在宅か | 「機材は貸与」「最初の研修は出社、慣れたら在宅」「勤務はログで管理」 | 「在宅可」だけで条件が無い |
| 正社員でキャリアを作りたい人 | 平日日中中心 | SVへの道、評価の仕方、サポート以外への広がり | 「SVへの登用の流れ」「評価は応対の質で」「慣れたらサクセスの一部も」 | 「未経験歓迎」だけで先が見えない |
| 経験者(コールセンター・サポート経験) | 問わず | クレームの割合、SVの体制、システムの使いやすさ、以前より良くなる点 | 「クレームは一人で抱えない決まり」「一時間あたりの件数は詰めない」 | 「未経験歓迎」を前面に出す(経験者が自分向けでないと読む) |
表の要点は、「外す言葉」です。一つの募集で全部の層に向けると、それぞれの層が「自分向けでない」と読む言葉が混ざります。層を一つに絞ると、外す言葉が決まり、文面が短くなります。
もう一つの要点は、条件の書き方です。労働時間、休憩、シフトの決まり方、扶養の範囲、在宅の勤務管理は、書き方を誤ると誤解や事故になります。書く前に経営者と現場に確認し、法令に関わる部分は専門家にご確認ください。
経路の向き不向き
| 経路 | 向く層 | 向かない場合 | 注意 |
|---|---|---|---|
| アルバイト・パート系の求人媒体 | 主婦層、学生、ダブルワーク | 正社員で経験者を欲しいとき | 文面で時間帯と中身を書かないと埋もれる。応募対応の速さが決める |
| 正社員系の求人媒体 | 正社員でキャリアを作りたい人、経験者 | パートの時間帯の募集 | SVへの道と評価の仕方を書く |
| 在宅・リモート系の媒体 | 在宅を求める人 | 出社が必要な募集 | 在宅の条件(機材、通信、管理)を先に決める |
| 人材紹介・派遣 | 経験者を早く欲しいとき、繁忙期だけ | 継続的に少人数を採るとき | 派遣と紹介と直接雇用の使い分けは専門家にご確認ください |
| リファラル(現場からの紹介) | 続いている人と似た層 | 現場が採用に関心が無いとき | 現場に「どんな人が合うか」を言葉にしてもらう。進まない原因はリファラルが進まない理由に書いています |
| 自社サイト・SNS | SVの人柄と職場の様子を出せるとき | 短期で数を採るとき | 時間はかかるが、続く人が来やすい |
| ハローワーク | 地域の主婦層、経験者 | 在宅前提の募集 | 文面の書き方に決まりがあるので確認する |
経路の要点は、「層を決めてから経路を選ぶ」ことと、「経路を増やすより、一つの経路の文面と応募対応を直すほうが先」であることです。三つの媒体に同じ文面を出すより、一つの媒体に層を絞った文面を出して応募対応を速くするほうが、面接に来る人は増えます。
応募は来るが面接に来ない場合
応募は来ているのに面接に来ない、面接に来ても辞退する場合は、母集団ではなく応募後の体験を見直します。
一つ目は、応募から連絡までの時間です。当日中に連絡できているか。数日空いていれば、他社に決まっています。
二つ目は、連絡の手段です。電話に出られない時間帯の応募者(日中に働いている人、子どもがいる人)に電話だけで連絡していないか。メールやメッセージで日程を提示し、応募者が選べる形にします。
三つ目は、面接までの日数です。応募から面接までが一週間以上空くと、その間に他社が決まります。面接の枠を先に確保しておき、応募から数日以内に面接できる形にします。
四つ目は、面接の内容です。面接で「クレームの割合」「シフトの決まり方」「受け入れの流れ」を初めて聞かされると、文面との差で辞退します。文面に書いたことと面接で言うことを揃えます。
五つ目は、面接後の連絡です。面接後に数日連絡が無いと、応募者は「落ちた」と判断して他社に決めます。翌日までに連絡します。
五つのどれかが空いていれば、母集団を増やす前にそこを直します。面接の設計は面接の構造に書いています。
代行に出せる工程
| 工程 | 社内に残す | 代行に出せる |
|---|---|---|
| 層と時間帯とシフトの決定 | 現場のSVと経営者が決める | SVへの聞き取り、層の絞り方の案 |
| 中身と受け入れの流れの整理 | SVが決める | 聞き取りと文面への落とし込み |
| SVの言葉の聞き取り | SVが話す | 短い時間で聞き取り、文面にする |
| 文面 | 確認 | 層ごとに書き分ける。外す言葉を消す |
| 経路の選定と運用 | 予算の承認 | 層に合う経路の選定、掲載の調整、反応を見て文面を直す |
| 応募対応 | ― | 当日中の連絡、日程の提示、面接枠の確保、面接後の翌日連絡 |
| 面接 | SVか現場の責任者 | 段取りと質問の設計 |
| 入社後の様子を募集に戻す | SVが話す | 続いている人と辞めた人の理由を聞き、文面と受け入れの流れに戻す |
分け方の要点は、「層と中身と受け入れはSVと経営者が決め、聞き取りと文面と経路と応募対応は外に出せる」ことです。カスタマーサポートの母集団形成で最も効くのは応募対応の速さで、社内で保てないなら、まずここを外に出します。現場との協力の作り方は現場の協力を得る方法に、担当者の選び方は担当者の経歴の見方に書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、カスタマーサポートの母集団形成で最も多い誤りは、「層を決めずに媒体を足す」ことです。媒体を足すと応募の数は少し増えますが、面接に来る率と続く率は変わらず、媒体の費用と応募対応の手間だけが増えます。逆に、層を一つに絞り、SVの言葉を入れ、応募対応を当日中にすると、媒体は一つでも面接に来る人が増えます。
エラベルでは、カスタマーサポートの案件で担当者を紹介するとき、最初の一週間で現場のSVに聞き取り、層と時間帯を絞り、中身と受け入れの流れとSVの言葉を文面に落とし、応募対応の型を決めるところまでをお願いしています。労働時間とシフトと在宅の管理と派遣・紹介の使い分けは、専門家にご確認いただくようお伝えしています。
まとめ
- 応募が集まらない原因は層が決まっていない・中身が見えない・応募後の体験が悪いの三つ。混ぜると対策が「媒体を足す」に流れる
- 見直す順番は時間帯とシフトで層を決める→中身を書く→未経験の受け入れの流れを書く→SVの言葉を入れる→応募対応を速くする→層に合う経路に出す。経路は最後
- 層ごとに気にする条件と目を止める言葉と外す言葉が違う。一つの募集で全部の層に向けない
- 経路は層を決めてから選ぶ。三つの媒体に同じ文面より、一つの媒体に層を絞った文面と速い応募対応
- 応募は来るが面接に来ないなら連絡までの時間・連絡の手段・面接までの日数・面接の内容と文面の差・面接後の連絡を見直す
- 層と中身と受け入れはSVと経営者が決め、聞き取りと文面と経路と応募対応は外に出せる。最も効くのは応募対応の速さ
よくある質問
主婦層と学生の両方を採りたいのですが、募集は分けるべきですか
分けます。平日日中の主婦層と、夜間や土日の学生では、気にする条件も、目を止める言葉も、見ている媒体も違います。一つの募集に「フルタイム歓迎」「週二日から」「土日出られる方」を並べると、どちらの層も「自分向けでない」と読みます。募集を二つに分け、それぞれの時間帯と条件と言葉で書くと、同じ費用でも届く人が変わります。
時給や給与を上げれば応募は増えますか
上げれば応募の数は増えることがありますが、層と中身とSVの言葉が無いままだと、面接に来る率と続く率は変わりません。先に六つの順番で見直し、それでも足りないときに条件を見直します。条件を上げる前に、近隣の同じ職種と比べて極端に低くないかを確認しますが、相場の数字は変わるので、その時点で確認してください。
応募対応を速くしたいのですが、担当者が一人で手が回りません
カスタマーサポートの母集団形成で最も効くのは応募対応の速さなので、社内で保てないなら、ここを最初に外に出します。当日中の連絡、日程の提示、面接枠の確保、面接後の翌日連絡は、代行が型として持っている工程です。文面や媒体を直すより先に、応募対応を外に出すだけで、面接に来る率が変わることが多いです。