採用代行 / 電気設計
電気設計の採用要件の作り方|必須と歓迎を分ける基準
電気設計の採用要件を作ると、「電気設計経験五年以上」「回路設計と制御設計の両方」「PLCは〇〇社製の経験」「電気主任技術者または電気工事士」「〇〇CADの経験」「英語での仕様書の読み書き」「コミュニケーション能力」と膨らみます。中身(回路・制御・設備)と扱う製品や装置と任せる工程を決めずに、設計部長や経営者が「理想の設計者」と「自社で使っている環境そのまま」を要件にしてしまうことが原因です。膨らんだ要件は、該当する人が市場にほとんどいないか、該当しても他社に決まるか、特定メーカーの機器やCADを必須にして、同じ分野を別の機器で担ってきた人を外してしまうかのどれかになります。結論を先に書くと、電気設計の要件は「任せる中身・対象・工程」から決め、必須を「同じ中身で近い製品や装置を設計した経験」「任せる工程を担った経験」「業務上法令で必要な資格(要るなら)」の三つに絞り、それ以外の中身・特定メーカーの機器やCAD・配置に不要な資格・英語・年数は歓迎に回すと、該当する人が現れ、面接で確かめるべきことも決まります。中身・対象・工程と任せる範囲の整理は電気設計採用を代行に出す判断基準に、母集団形成は電気設計の母集団形成にまとめています。
電気設計で要件が膨らむ理由
電気設計の要件が膨らむ理由は、三つあります。
一つ目は、中身と対象と工程を決めずに要件を作ることです。「電気設計者が足りない」で募集を始めると、回路か制御か設備か、何の製品や装置か、仕様からか図面からかが決まっておらず、「回路も制御も分かり、仕様から立ち上げまで一人でできる人」が要件になります。実際には、任せる中身と工程が決まれば、要件はそこに近い経験で足ります。
二つ目は、自社で使っている環境(PLCのメーカー、CAD、回路シミュレータ)をそのまま必須にすることです。設計部長にとっては「うちは〇〇社製だから」が自然ですが、同じ分野を別のメーカーの機器で担ってきた人は、移行に時間はかかっても設計はできます。環境を必須にすると、分野が合う人を要らないところで外します。
三つ目は、資格を「あったほうが安心」で必須にすることです。電気主任技術者や電気工事士は、業務や設備の種類によって、法令上の選任や作業に関わります。自社の業務でその選任や作業を採る人が担うなら必須ですが、設計だけを担うなら要らないことが多い。区別せずに必須にすると、設計の経験があって資格の無い人が外れます。選任や作業に関わる法令上の要件は、専門家にご確認ください。
三つを合わせると、「中身と工程を決めずに、理想の経験と自社の環境と安心のための資格を並べ、英語と形容詞を足す」のが、膨らむ構造です。
必須と歓迎を分ける基準
基準は、「その要件が無いと、任せる中身・対象・工程を回せないか」です。回せないなら必須、あれば早いなら歓迎です。
| 要件 | 必須か歓迎か | 理由 |
|---|---|---|
| 任せる中身(回路・制御・設備のどれか)で、近い製品や装置を設計した経験 | 必須 | 中身が違うと、すぐには回せない。「電気設計経験」ではなく中身と対象で書く |
| 任せる工程(仕様・設計・立ち上げ・評価)を担った経験 | 必須 | 仕様から任せるなら仕様の経験。設計と立ち上げが中心なら、その経験。工程で書く |
| 業務上法令で必要な資格 | 必須(選任や作業を担う場合)/歓迎(設計だけの場合) | 業務と設備の種類で決まる。専門家に確認 |
| 他の中身の経験(制御が主なら回路、回路が主なら制御) | 歓迎 | あれば分担の幅が広がる。無くても任せる中身は回る |
| 特定メーカーのPLCや機器の経験 | 歓迎 | 同じ分野なら別メーカーからの移行は可能。移行の期間を見る |
| 特定のCADや回路シミュレータの経験 | 歓迎 | ツールは入ってから覚えられる |
| 機械設計やソフトの知識 | 歓迎 | あれば分担の調整が速い。無くても担当と協働で回る |
| 英語での仕様書の読み書き | 歓迎(海外顧客や海外部品の仕様が中心なら必須) | 海外との接点が無いか少ないなら要らない |
| 経験年数 | 歓迎 | 年数より、中身と対象と工程のほうが効く |
| 「コミュニケーション能力」「主体性」「問題解決力」 | 要件から外す | 経歴で確かめられず、面接で設計部長が確かめる項目。要件に書いても絞れない |
表の要点は、「電気設計経験〇年」「〇〇社製PLC必須」を、任せる中身と工程を決めずに書かないことです。年数ではなく、「どの中身で、どの製品や装置を、どの工程で」担ったかで書きます。機器やツールは歓迎に置きます。
もう一つの要点は、「回路と制御の両方」を必須にしないことです。両方を深く経験した人は限られます。主を必須、従を歓迎にします。
エラベルの見解
相談で多いのは、「電気設計の要件を『電気設計経験五年以上、回路と制御の両方、〇〇社製PLC、電気主任技術者歓迎、英語できれば』にしたが、応募がまったく来ない」というご相談です。任せる中身と工程を聞くと、受注装置の制御盤とPLCのシーケンスを設計から試運転まで担う役で、回路は外注、選任は別の社員、海外顧客は無し、PLCは案件によって他社製も使うとのことでした。それなら要件は「装置の制御設計と立ち上げの経験」で足り、回路も特定メーカーも資格も英語も、該当者を減らしているだけでした。
見ていて差がつくのは、「任せる中身と工程を決めてから要件にしているか」です。「受注装置の制御盤とPLCを、設計から試運転まで任せる」→必須は「装置の制御設計の経験」「立ち上げの経験」、PLCのメーカーは歓迎、回路と資格と英語は歓迎か不要。ここまで決めれば、要件は二つで済み、該当する人が現れます。エラベルでは、電気設計の担当者に、要件を書く前に「採る人にどの中身を、何の製品や装置で、どの工程から任せるか」を設計部長に決めてもらっています。
必須を三つに絞る手順
手順は四つです。
一つ目:採る人に任せる中身・対象・工程を決める。 回路か制御か設備か。何の製品や装置か。仕様からか、設計からか、立ち上げや評価までか。決まっていなければ、直近で担当してもらう製品や装置を二つか三つ挙げ、共通する中身と工程を出します。
二つ目:その中身と工程を回すために、無いと困る経験を書き出す。 「同じ種類の装置の制御を設計した」「PLCのシーケンスを組んで立ち上げた」「仕様を顧客と決めた」など。書き出したら、「これが無いと本当に回らないか」を一つずつ問います。
三つ目:資格の要否を、業務から決める。 選任や作業を採る人が担うなら必須、設計だけなら歓迎に。専門家に確認します。
四つ目:残りを歓迎に回し、形容詞を外す。 他の中身、特定メーカーの機器、CAD、機械やソフトの知識、英語、年数は歓迎に。「コミュニケーション能力」「主体性」「問題解決力」は要件から外し、面接で設計部長が確かめる項目に移します。
手順の要点は、二つ目で「本当に回らないか」を問うことです。「〇〇社製PLC」は、別メーカーの経験があって移行の期間を取れるなら「回らない」ではありません。「回路設計」は、回路を外注しているなら「回らない」ではありません。問うたびに必須が減り、三つに近づきます。
経歴で確かめられる要件と、面接で設計部長が確かめる要件
要件を、経歴(職務経歴書、媒体のプロフィール)で確かめられるものと、面接で設計部長が確かめるものに分けます。
経歴で確かめられるのは、「担当した製品や装置の種類と規模」「担当した中身(回路・制御・設備)」「担当した工程(仕様からか、設計か、立ち上げか、評価か)」「使った機器とツール」「資格の有無」「何年か」です。書類の段階で、必須の三つはここで確かめます。電気設計の経歴は、製品や装置の名前と担当範囲が並ぶ形が多く、中身と工程は読み取れます。ただし、「担当」と書かれていても、どこまで自分で決めたかは面接で確かめます。
面接で設計部長が確かめるのは、「設計の考え方と判断(この装置の制御で何を一番気にしたか、なぜその構成にしたか)」「トラブルの場面(ノイズ、誤動作、立ち上げでの不具合)でどう原因を切り分けたか」「仕様を自分で決めたか、決まった仕様で設計したか」「機械設計やソフトとどう分担し、どう調整したか」「一人で担当できるか、まだ補佐が要るか」です。要件の「コミュニケーション能力」「主体性」「問題解決力」は、この五つに翻訳して、設計部長が確かめます。
確かめる方法は、担当した製品や装置を前に、具体的に聞くことです。「この装置の制御で、一番苦労したのはどこですか」「立ち上げで動かなかったとき、どこから切り分けましたか」「仕様で顧客と意見が分かれた場面はありますか」。答えの中身より、技術の話が通じるか、その判断を自分でしたか、上に聞いたか、を見ます。設計部長が面接に出られない場合は、経験の長い設計者が出ます。設計部長の時間の確保は現場が採用に協力してくれないに、面接の設計は面接の構造に書いています。
経路ごとの要件の書き方
電気設計の候補者は、経路によって持っているものが違います。要件の書き方も、経路を意識して変えます。
| 経路 | 経歴で確かめる | 面接で設計部長が確かめる | 要件に書くときの注意 |
|---|---|---|---|
| 大手メーカーの設計部門 | 担当した製品、担当した工程の範囲 | 分業で一部だけを担っていた場合、一通り担当できるか。決める速さに慣れるか | 「大手の経験」が該当するが、仕様から立ち上げまで担ったかを確かめる |
| 中小の装置メーカー | 担当した装置の種類、一人で担った範囲 | 自社の装置との違い。設計部長との相性 | 必須の三つがそのまま該当しやすい |
| 制御盤の製作会社 | 製作した盤の種類、設計に関わった範囲 | 製作から設計に移れるか。装置全体を見られるか | 「設計の経験」を必須にすると外れることがある。製作の中で設計に関わった範囲を面接で確かめる |
| 電気工事・設備会社 | 担当した設備の種類と規模 | 設計に集中する動き方に移れるか(設備設計の場合)。製品や装置なら分野が違う | 設備設計を任せるなら合う。製品や装置なら教える体制がある場合だけ別枠で |
| 設計会社・派遣 | 受託で担当した製品や装置 | 一社に腰を据える動機。契約の扱い | 同じ分野を受託で担っていれば該当する。転籍の契約を確認 |
| 若手(経験浅い) | 学んだ分野、関わった製品 | 基礎の理解、学ぶ意欲 | 必須の三つは満たさない。教える設計部長がいる場合だけ、要件を下げて別枠で |
表の要点は、「大手メーカー出身」を高く見すぎないことです。分業で一部の工程だけを担っていた人は、中小の装置メーカーで仕様から立ち上げまで一通り担当できないことがあります。「仕様から立ち上げまで担った経験」を面接で確かめます。
要件が決まらないときの原因
要件を作ろうとして決まらないとき、原因は要件ではなく、その前にあります。
一つ目は、任せる中身と対象と工程が決まっていないことです。「電気設計者が足りない」で止まっていると、要件は「回路も制御も、仕様から立ち上げまで」になり、決まりません。直近で担当してもらう製品や装置を決めるか、候補の共通点を出します。
二つ目は、自社の環境を必須にするかどうかを、移行の期間で決めていないことです。別メーカーの機器やCADからの移行にどのくらいかかるかを設計部長と見積もり、その期間を取れるなら歓迎に下げます。
三つ目は、資格の要否を「業務」ではなく「安心」で決めていることです。選任や作業を採る人が担うかを専門家に確認し、担わないなら歓迎に下げます。
四つ目は、設計部長が要件に関わっていないことです。総務や経営者だけで作ると、「理想の設計者」になります。設計部長に「この装置の制御を任せるのに、最低限何が要るか」を聞くと、「同じ種類の装置の制御を立ち上げまでやっていれば、あとは教えられる」のように、要件が下がることが多い。
四つのどれかが決まっていないなら、要件より先にそれを決めます。
代行に出せる工程
要件作りの工程を、社内で持つものと外に出せるものに分けます。
| 工程 | 社内で持つ | 外に出せる |
|---|---|---|
| 任せる中身・対象・工程の決定 | 設計部長と経営者が決める | 候補の製品や装置の共通点を整理する |
| 環境と資格の要否の決定 | 移行の期間と業務から決め、資格は専門家に確認 | 考え方を示す |
| 必須と歓迎の振り分け | 最終判断(設計部長の意見を入れる) | 基準に沿った振り分け案。「理想の設計者」になっている要件を指摘 |
| 経歴で確かめる項目の設計 | ― | 経歴の見方(製品・中身・工程・機器の読み方)、スカウトの検索条件への変換 |
| 面接で確かめる項目の設計 | 設計部長が確かめたいこと | 形容詞を製品を前にした具体的な質問に翻訳。設計部長の時間を最小にする段取り |
| 求人票・スカウト文面への反映 | 確認 | 要件を文面に落とす。経験者と若手を分けて出す |
分け方の要点は、「任せる中身・対象・工程、環境と資格の要否、設計部長の意見は社内で決め、翻訳と振り分けと段取りは外に出せる」ことです。設計の分かる人は社内にいるので、外に出すのは「設計部長の意見を聞き取って要件に落とし、経歴を読み、面接の段取りをする」役です。担当者に製造業の経験があると、経歴の読み方と設計部長との話し方が変わります。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、電気設計の要件で最も効くのは、「〇〇社製PLC必須」「〇〇CAD必須」を歓迎に下げることと、「回路と制御の両方」を主と従に分けることです。この二つが、経験者の少ない市場で、分野の合う人をさらに減らしている要件です。任せる中身と工程を決め、設計部長に「最低限何が要るか」を聞くと、要件は「同じ種類の装置の、任せる工程の経験」の一つか二つに近づくことが多い。
エラベルでは、電気設計の案件で担当者を紹介するとき、最初の一週間で「採る人に任せる中身・対象・工程」を設計部長に決めてもらい、「最低限何が要るか」と「別メーカーからの移行にかかる期間」を聞き取り、そこから必須三つを作るところまでをお願いしています。資格の選任や作業に関わる法令上の要件は、専門家にご確認いただくようお伝えしています。
まとめ
- 電気設計の要件が膨らむ理由は中身と対象と工程を決めずに作る・自社の環境をそのまま必須にする・資格を安心で必須にするの三つ
- 基準は「無いと任せる中身・対象・工程を回せないか」。必須は同じ中身で近い製品や装置を設計した経験・任せる工程を担った経験・業務上法令で必要な資格(要るなら)の三つ
- 他の中身・特定メーカーの機器やCAD・配置に不要な資格・英語・年数は歓迎。形容詞は要件から外し、面接で設計部長が確かめる項目に
- 手順は任せる中身・対象・工程を決める→無いと困る経験を書き出して問う→資格の要否を業務から決める→残りを歓迎に
- 経歴で確かめるのは製品・中身・工程・機器・資格・年数。設計部長が面接で確かめるのは設計の考え方と判断・トラブルの切り分け・仕様を自分で決めたか・分担と調整・一人で担当できるか
- 「大手メーカー出身」を高く見すぎない。分業で一部だけの経験では、仕様から立ち上げまで一通り担当できないことがある
- 決まらないときは任せる中身と工程・環境の移行期間・資格の要否・設計部長の関与のどれかが先に決まっていない
よくある質問
自社は〇〇社製のPLCしか使っていません。必須にしないと困りませんか
同じ分野(装置の制御)を別メーカーのPLCで担ってきた人は、命令体系やツールの違いはあっても、制御の考え方は同じで、移行できます。設計部長に「別メーカーからの移行にどのくらいかかるか」を見積もってもらい、その期間を取れるなら歓迎に下げます。必須にすると、同じ種類の装置を別メーカーで立ち上げてきた人が外れ、経験者の少ない市場でさらに母集団が減ります。「〇〇社製の経験があれば歓迎、別メーカーの経験でも移行の期間を取る」と書きます。
電気主任技術者を必須にしないと、設備の管理ができないのでは
電気主任技術者の選任は、設備の種類や規模によって法令で決まり、採る人がその選任を担うなら必須です。設計だけを担い、選任は別の社員や外部に委託しているなら、設計者に資格は要りません。「選任を担うか」と「安心」を分けて、選任に関わる法令上の要件を専門家にご確認ください。設計者の募集に資格を必須にすると、設計の経験があって資格の無い人が外れます。
「電気設計経験五年以上」は書かないほうがよいのですか
年数だけの要件は、大手で一部の工程を五年担った人と、中小で装置の制御を三年で仕様から立ち上げまで五台担当した人を、逆に評価します。書くなら「装置の制御設計と立ち上げを一通り担った経験(目安として三年程度)」のように、中身と工程に年数を添える形にします。年数の目安が無いと不安な場合も、「〇年」より「仕様から立ち上げまで担当した装置の数」のほうが、経歴で確かめやすく、該当する人に届きます。