保育士採用の代行費用の相場|配置基準から必要な人数を出し、受け入れ枠への影響で考える
保育所の運営では、保育士の人数が子どもの受け入れに直結します。保育士が足りなければ、受け入れられる子どもの数を減らさざるを得ないこともあります。そのため保育士の採用は、他の職種以上に、何人足りないのかと、足りないことでどれだけの影響が出るのかがはっきりしている職種です。結論から書くと、保育士の代行費用は、配置基準から必要な保育士の人数を出し、欠員が受け入れ枠や運営に与える影響から払える額を考えると、判断しやすくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では代行費用の相場は扱いません。法令の扱いは一般的な整理です。自治体ごとの基準や運用は、所管の自治体にご確認ください。
配置基準から必要な人数を出す
保育所の保育士の数は、法令で基準が定められています。「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第33条第2項は、保育所の保育士の数について、次のように定めています(保育所一つにつき二人を下ることはできないとされています)。
| 子どもの年齢 | 保育士の数 |
|---|---|
| 乳児 | おおむね三人につき一人以上 |
| 満一歳以上満三歳に満たない幼児 | おおむね六人につき一人以上 |
| 満三歳以上満四歳に満たない幼児 | おおむね十五人につき一人以上 |
| 満四歳以上の幼児 | おおむね二十五人につき一人以上 |
この基準をもとに、年齢ごとの子どもの数から必要な保育士の人数を計算し、そこに開所時間の長さやシフト、休暇の取得を加味して、実際に必要な人数を出してください。今いる保育士の数と比べれば、何人足りないのかがはっきりします。自治体によっては、この基準に上乗せした独自の基準を設けている場合もあるため、所管の自治体の基準もあわせて確認してください。要件の決め方は保育士採用の要件定義で書いています。
欠員の影響から払える額を考える
保育士が足りないことの影響は、次のような形で表れます。払える額の手がかりは、これらの影響の大きさです。
- 受け入れ枠への影響:保育士が足りず、受け入れられる子どもの数を減らしている場合、その分の運営上の影響
- 残った保育士の負担:シフトの穴を埋めるための残業や休日出勤、それによる疲れと離職の連鎖
- 派遣の利用:保育士の派遣を受け入れている場合、その費用
保育士を採ることで、これらの影響をどれだけ減らせるかを見積もってください。それが、採用にかけられる額の目安になります。そこに、紹介会社を使った場合の費用を並べると、代行費用の上限が見えてきます。
エラベルの見解
保育士の採用相談で多いのは、一人辞めると、残った保育士の負担が増えて次の人が辞めるという連鎖に入ってしまっているケースです。この状態では、採用を急いでも、採った人が入る前に別の人が辞めてしまい、人数がなかなか増えません。
採用と並行して、今いる保育士の負担を減らす手立てを考えてください。短時間の保育士や保育補助の人を採ってシフトを支える、事務の仕事を減らす、といった工夫です。同じ料金・同じ業務範囲でも、採用だけでなく、今いる人の定着まで一緒に考えてくれる担当者かどうかで、結果は大きく変わります。
保育分野の職業紹介と、経路の選び方
保育士の採用では、紹介会社を使う保育所も多くあります。厚生労働省の資料「医療・介護・保育分野における職業紹介について」では、これらの分野の職業紹介について、手数料などの情報開示義務、就職後2年間の転職の勧奨の禁止、就職お祝い金などを禁止する指針の改正、適正な職業紹介事業者を認定する制度などの取り組みが示されています。紹介会社を使う場合は、こうした決まりに沿った事業者かを確かめ、手数料と定着の実績を確認してください。
そのうえで、紹介会社だけに頼らず、次のような経路を組み合わせると、1人あたりの費用を抑えやすくなります。
- 保育士養成校とのつながり:新卒の保育士の採用に向けて、養成校と関係をつくる
- ハローワークや自社の求人:保育所の雰囲気や働き方を具体的に伝える
- 職員の紹介:職場を知る人からの紹介は、定着しやすい傾向がある
- 復職を考える保育士:資格を持ちながら現場を離れている人に、働きやすい条件を示して声をかける
料金の形
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、紹介会社を使った場合の費用や、自社の経路の費用と並べて判断してください。スカウトの進め方は保育士のスカウトで書いています。
エラベルの見解
保育士の採用で、もう一つ考えてほしいのは、採用の時期です。保育所は年度の始まりに子どもの受け入れが大きく動くため、その前に保育士をそろえる必要があります。年度の途中で欠員が出たときに慌てて探すと、候補者が少なく、費用も時間もかかります。
年度の始まりから逆算して、早めに採用を始めてください。新卒の保育士なら養成校とのやりとり、経験者なら年度の切り替わりで転職を考える人への声かけを、計画的に進めることで、急ぎの採用を減らせます。
まとめ
- 保育所の保育士の数は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第33条で年齢ごとに定められている
- 配置基準から必要な人数を計算し、今いる人数と比べて何人足りないかを出す
- 払える額は、受け入れ枠への影響、残った保育士の負担、派遣の費用から考える
- 紹介会社は決まりに沿った事業者かを確かめ、養成校・ハローワーク・職員の紹介・復職者への声かけと組み合わせる
- 年度の始まりから逆算して、早めに採用を始める
よくある質問
保育士採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。配置基準から必要な人数を出し、欠員の影響と紹介会社を使った場合の費用を並べて、代行費用がその範囲に収まるかで判断してください。
配置基準は自治体によって違いますか
国の基準として「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」が定められていますが、自治体によっては独自に上乗せした基準を設けている場合があります。所管の自治体の基準を確認してください。
資格を持っていない人を採用してもよいですか
保育士の数の算定には、原則として保育士の資格を持つ人が必要です。一方で、保育補助など、資格がなくても担える仕事もあります。資格を持たない人を採る場合は、どの仕事を担ってもらうかを決め、所管の自治体の基準も確認してください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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