採用代行 / 保育士

保育士の採用要件の作り方|必須と歓迎を分ける基準

公開 2026-09-17

保育士の採用要件を作ると、「保育士資格」「認可保育園での担任経験三年以上」「同じ年齢のクラスの経験」「ピアノが弾ける方」「幼稚園教諭の免許」「ブランク三年以内」「行事の企画経験」「明るく元気な方」と膨らみます。任せる園の種類と年齢と担任の形と、潜在保育士を母集団に入れるかを決めずに、園長や法人が「理想の保育士」と「園にある業務すべての経験」を要件にしてしまうことが原因です。膨らんだ要件は、国家資格で母数が限られる市場で該当する人がさらに減るか、該当しても紹介会社経由の他園に決まるか、「担任経験三年以上」「ブランク三年以内」を必須にして、潜在保育士と子育て中で短時間を希望する層を外してしまうかのどれかになります。結論を先に書くと、保育士の要件は「任せる園の種類と年齢と担任の形」から決め、必須を「保育士の資格(または取得の道筋)」「任せる園の種類に近い経験(または復職の研修で補える範囲)」「勤務地に通えること」の三つに絞り、それ以外の同じ年齢のクラス・ピアノ・幼稚園教諭・行事の企画・年数は歓迎に回すと、該当する人が現れ、面接で確かめるべきことも決まります。園の種類と方針と実態の整理は保育士採用を代行に出す判断基準に、母集団形成は保育士の母集団形成にまとめています。

保育士で要件が膨らむ理由

保育士の要件が膨らむ理由は、三つあります。

一つ目は、任せる園の種類と年齢と担任の形を決めずに要件を作ることです。「保育士が足りない」で募集を始めると、どの年齢のクラスを、複数担任で任せるか一人担任で任せるか、フリーから始めてもらうかが決まっておらず、「どの年齢でも一人で担任を持てる人」が要件になります。実際には、任せる年齢と担任の形が決まれば、要件はそこに近い経験で足ります。

二つ目は、「担任経験三年以上」「ブランク三年以内」を一律に必須にすることです。保育士は、資格を持ちながら働いていない潜在保育士が多い職種で、この層は担任の経験があってもブランクがあり、子育て中で短時間を希望する層は担任を持てないことがあります。一律に必須にすると、母集団の大きな部分をまるごと外します。複数担任やフリーから始める形にすれば、要件を下げられます。

三つ目は、園にある業務すべての経験を必須にすることです。「ピアノが弾ける」「行事の企画経験」「幼稚園教諭の免許」と並べると、該当者が減ります。ピアノは園の方針によっては要らず、行事の企画は複数担任なら分担でき、幼稚園教諭の免許はこども園でなければ要らないことが多い。要るのは「子どもとの関わりの基本」と「保育の方針への共感」です。

三つを合わせると、「年齢と担任の形を決めずに、理想の経験と担任の年数とブランクの上限と園の業務すべてを並べ、免許と形容詞を足す」のが、膨らむ構造です。

必須と歓迎を分ける基準

基準は、「その要件が無いと、任せる園の種類と年齢と担任の形を回せないか」です。回せないなら必須、あれば早いなら歓迎です。

要件必須か歓迎か理由
保育士の資格、または取得の道筋必須資格が無いと担任を持てず、配置基準に関わる。補助の枠なら資格取得の道筋で。資格の扱いと配置基準は専門家に確認
任せる園の種類(認可・小規模・企業主導型・こども園)に近い経験、または復職の研修で補える範囲必須園の種類が違うと子どもの人数と動き方が違う。ただし、復職の層は研修で補えるので、「経験」を「研修で補える範囲」まで広げる
勤務地に通えること必須保育士は園に通う。通えない人は、他の要件を満たしても回らない
同じ年齢のクラスの経験歓迎年齢の違いは複数担任と主任の指導で補える。子どもとの関わりの基本があれば移れる
担任の経験歓迎(一人担任をすぐ任せる場合は必須)複数担任やフリーから始めるなら、担任の経験は必須ではない
ピアノが弾けること歓迎(園の方針でピアノが中心なら必須)園の方針による。ピアノを使わない保育なら要らない
幼稚園教諭の免許歓迎(こども園で法令上必要な場合は必須)こども園の配置に関わる場合は専門家に確認。それ以外は要らない
行事の企画経験歓迎複数担任なら分担できる。行事を減らす方針なら要らない
ブランクの上限要件から外す(研修で補える範囲で決める)年数で切ると潜在保育士を外す。研修の中身で決める
経験年数歓迎年数より、園の種類の近さと子どもとの関わりの基本のほうが効く。復職の層は年数で外れる
「明るく元気」「子どもが好き」「協調性」要件から外す経歴で確かめられず、面接と見学で園長が確かめる項目。要件に書いても絞れない

表の要点は、「担任経験〇年」「ブランク〇年以内」「ピアノ」を、任せる年齢と担任の形を決めずに書かないことです。資格は必須ですが、それ以外は「園の種類の近さ」と「通えること」で足り、「経験」を「復職の研修で補える範囲」まで広げ、複数担任やフリーから始める形にすると、母数の限られる市場で母集団が大きく変わります。

もう一つの要点は、法令に関わる要件(資格の扱い、配置基準、こども園での免許)を、法令上の必要から決めることです。資格の扱いと配置基準は、専門家にご確認ください。

エラベルの見解

相談で多いのは、「保育士の要件を『保育士資格、認可保育園での担任経験三年以上、ピアノが弾ける方、ブランク三年以内、明るく元気な方』にしたが、自園の求人には応募がまったく来ない」というご相談です。任せる年齢と担任の形を聞くと、乳児クラスの複数担任で、主任と一緒に、ピアノは園の方針で使っておらず、フリーの保育士も足りないとのことでした。それなら要件は「資格」「認可か小規模の経験か、復職の研修で補える範囲」「通えること」で足り、担任の年数もピアノもブランクの上限も、該当者を減らしているだけでした。

見ていて差がつくのは、「任せる年齢と担任の形を決めてから要件にしているか」です。「乳児クラスの複数担任を主任と一緒に、またはフリーから」→必須は「資格」「園の種類に近い経験か復職の研修で補える範囲」「通えること」、年齢と担任の年数とピアノと行事は歓迎、ブランクの上限は研修で補える範囲で。ここまで決めれば、要件は三つで済み、潜在保育士も含めて該当する人が現れます。エラベルでは、保育士の担当者に、要件を書く前に「採る人にどの年齢のクラスを、どの担任の形で任せるか」を園長と法人に決めてもらっています。

必須を三つに絞る手順

手順は四つです。

一つ目:採る人に任せる園の種類と年齢と担任の形を決める。 どの園で、どの年齢のクラスを、複数担任か一人担任か、フリーから始めるか。潜在保育士を母集団に入れるか。決まっていなければ、直近で配置するクラスを挙げ、その担任の形と体制を出します。

二つ目:その年齢と担任の形を回すために、無いと困る経験を書き出す。 「園の種類に近い経験」「同じ年齢の経験」「担任の経験」「ピアノ」など。書き出したら、「これが無いと本当に回らないか」を一つずつ問い、「復職の研修と複数担任と主任の指導で補えるか」を園長に確かめます。

三つ目:法令に関わる要件を、法令上の必要から決める。 資格の扱い、配置基準、こども園での幼稚園教諭の免許を専門家に確認し、必須か歓迎かを決めます。補助の枠を作るなら、資格取得の道筋を書きます。

四つ目:残りを歓迎に回し、形容詞を外す。 同じ年齢、担任の経験(複数担任やフリーから始めるなら)、ピアノ(方針で使わないなら)、幼稚園教諭(こども園でなければ)、行事の企画、年数は歓迎に。ブランクの上限は研修で補える範囲で決め、年数で切らない。「明るく元気」「子どもが好き」「協調性」は要件から外し、面接と見学で園長が確かめる項目に移します。

手順の要点は、二つ目で「本当に回らないか」と「研修と複数担任で補えるか」を問うことです。「担任経験三年」は、複数担任で主任と一緒なら「回らない」ではありません。「ピアノ」は、方針で使わないなら「回らない」ではありません。「同じ年齢」は、主任の指導があれば「回らない」ではありません。問うたびに必須が減り、三つに近づきます。

経歴で確かめられる要件と、面接で園長が確かめる要件

要件を、経歴(職務経歴書、応募の記入、紹介会社の推薦状)で確かめられるものと、面接と見学で園長が確かめるものに分けます。

経歴で確かめられるのは、「資格の有無」「担当した園の種類と規模」「担当した年齢のクラスと担任の形」「担当した業務(乳児、幼児、障害のある子への対応、主任、行事の企画)」「ピアノなどの技能」「勤務地と通える範囲」「ブランクの有無と期間」「何年か」です。書類の段階で、必須の三つはここで確かめます。

面接と見学で園長が確かめるのは、「子どもとの関わりの基本(子どもにどう声をかけるか、泣いている子にどう寄るか。見学の中で子どもと関わる場面を作ると見える)」「保育の方針への共感(園の方針を聞いてどう思うか、自分の保育で大事にしていること)」「保護者との関わり(厳しい言葉を受けたときどうしたか、連絡帳に何を書いていたか)」「他の保育士との関係(複数担任でどう分担したか、意見が分かれたとき)」「困難な場面(けが、噛みつき、保護者からの苦情)でどう動いたか」「一人で担任を持てるか、まだ複数担任か」です。要件の「明るく元気」「子どもが好き」「協調性」は、この項目に翻訳して、園長が確かめます。

確かめる方法は、見学で子どもと関わる場面を作ることと、具体的な場面を聞くことです。見学の途中で子どもの中に入ってもらい、どう声をかけるかを見る。面接では「複数担任で意見が分かれた場面はありますか。どう進めましたか」「保護者から厳しい言葉を受けたことはありますか。どう対応しましたか」「園の方針を聞いて、どう思われましたか」。答えの中身より、具体的な場面が出てくるか、方針に共感しているか、を見ます。復職の層には、「ブランクの間に何をしていたか」より、「以前の園でどう保育していたか」と「研修で何を補いたいか」を聞きます。園長の時間の確保は現場が採用に協力してくれないに、面接の設計は面接の構造に書いています。

経路ごとの要件の書き方

保育士の候補者は、経路によって持っているものが違います。要件の書き方も、経路を意識して変えます。

経路経歴で確かめる面接と見学で園長が確かめる要件に書くときの注意
保育士の経験者(同じ園の種類)担当した年齢と担任の形、行事の経験方針への共感、子どもとの関わり、体制の違いへの適応必須の三つがそのまま該当しやすい。転職の理由(持ち帰り、園長、人間関係、離職)を聞く
保育士の経験者(別の園の種類)担当した業務、園の規模園の種類の違いへの適応(小規模から大規模なら人数と行事、大規模から小規模なら少人数の関わり)「認可での経験」を必須にすると外れる。複数担任と主任の指導で補えるかを園長と決める
潜在保育士(離れていた人)以前の園と年齢、ブランクの期間以前の園でどう保育していたか、研修で何を補いたいか、勤務時間の制約「担任経験〇年以上」「ブランク〇年以内」を必須にすると外れる。フリーから始める枠で、研修で補える範囲を必須の中に含める
子育て中でパートや短時間を希望する人担当している園と時間帯続けられそうか、時間の制約、急な休みへの対応の理解「常勤」「担任」を必須にすると外れる。フリーや補助の枠で、時間帯の相談ができることを書く
主任の経験者主任として担った役割、育成の経験園長との分担への理解、職員の育成の考え方主任や園長への道筋を任せるなら合う。役割と分担を書く
幼稚園教諭・児童指導員からの転向担当した子どもと業務、保育士の資格の有無保育の方針への共感、園の生活の流れへの適応保育士の資格が無い場合の扱い(補助の枠、取得の道筋)は専門家に確認
新卒実習先、養成校基礎の理解、子どもとの関わり、方針への共感必須の「経験」は満たさない。複数担任と主任の指導がある場合だけ、要件を下げて別枠で

表の要点は、「認可での担任経験」を高く見すぎないことです。別の園の種類、潜在保育士、子育て中の層は、子どもとの関わりの基本を持っていて、園の種類の違いは複数担任と主任の指導と研修で補えます。母数の限られる市場で、この層を外すと母集団が細くなります。

要件が決まらないときの原因

要件を作ろうとして決まらないとき、原因は要件ではなく、その前にあります。

一つ目は、任せる年齢と担任の形が決まっていないことです。「保育士が足りない」で止まっていると、要件は「どの年齢でも一人で担任を持てる人」になり、決まりません。直近で配置するクラスと、複数担任かフリーからかを決めます。

二つ目は、潜在保育士を母集団に入れるかを決めていないことです。入れるなら、「経験」を「研修で補える範囲」まで広げ、フリーから始める枠を作り、研修の中身を用意します。入れないなら、母数の限られる市場でさらに絞ることになります。

三つ目は、園の方針と要件を混同していることです。「ピアノ」「行事の企画」は、園の方針でピアノを使わず行事を減らすなら要りません。方針を先に決め、方針に要る技能だけを要件にします。

四つ目は、園長が要件に関わっていないことです。法人だけで作ると、「理想の保育士」になります。園長に「このクラスを回すのに、最低限何が要るか」を聞くと、「資格があって、子どもとの関わりの基本があれば、うちの年齢のことは主任が教えられる」のように、要件が下がることが多い。

四つのどれかが決まっていないなら、要件より先にそれを決めます。

代行に出せる工程

要件作りの工程を、社内で持つものと外に出せるものに分けます。

工程社内で持つ外に出せる
任せる園の種類と年齢と担任の形の決定園長と法人が決める配置するクラスの担任の形と体制を整理する
法令に関わる要件(資格の扱い、配置基準、免許)の決定法令上の必要から決め、専門家に確認考え方を示す
潜在保育士を入れるかと、研修の範囲とフリーの枠の決定園長と法人が決める研修の中身の整理、潜在保育士と子育て中の層への届け方
必須と歓迎の振り分け最終判断(園長の意見を入れる)基準に沿った振り分け案。「理想の保育士」になっている要件を指摘。方針と要件の混同を指摘
経歴で確かめる項目の設計経歴の見方(園の種類・年齢・担任の形・ブランクの読み方)、スカウトの検索条件への変換
面接と見学で確かめる項目の設計園長が確かめたいこと形容詞を具体的な場面の質問に翻訳。見学で子どもと関わる場面の段取り。園長の時間を最小にする段取り
求人票・スカウト文面への反映確認要件を文面に落とす。経路ごとに書き方を変える。潜在保育士向けの別枠を作る

分け方の要点は、「任せる年齢と担任の形、法令に関わる要件、潜在保育士の扱い、園長の意見は社内で決め、翻訳と振り分けと段取りは外に出せる」ことです。保育の分かる人は社内にいるので、外に出すのは「園長の意見を聞き取って要件に落とし、経歴を読み、面接と見学の段取りをする」役です。担当者に保育業界の経験があると、経歴の読み方と園長との話し方が変わります。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に書いています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、保育士の要件で最も効くのは、「担任経験〇年以上」と「ブランク〇年以内」を必須から外し、複数担任やフリーから始める形にすることです。国家資格で母数が限られる市場で、資格を持ちながら働いていない潜在保育士と子育て中の層を要件で外すのは、最も大きな損です。任せる年齢と担任の形を決め、園長に「最低限何が要るか」を聞くと、要件は「資格と、子どもとの関わりの基本と、通えること」に近づくことが多い。

エラベルでは、保育士の案件で担当者を紹介するとき、最初の一週間で「採る人にどの年齢のクラスを、どの担任の形で任せるか」「潜在保育士を入れるか」を園長と法人に決めてもらい、「最低限何が要るか」を聞き取り、そこから必須三つを作るところまでをお願いしています。資格の扱いと配置基準は、専門家にご確認いただくようお伝えしています。

まとめ

よくある質問

一人担任をすぐ任せたいので、担任経験を必須にしたいのですが

一人担任をすぐ任せるなら、担任の経験を必須にする理由はあります。ただし、「すぐ一人担任」の募集は、母数の限られる市場でさらに絞られ、紹介会社経由の他園と取り合いになります。「最初の〇か月は複数担任か、主任がついて、慣れてから一人担任」にできるなら、要件を下げられ、潜在保育士と別の園の種類からの人が母集団に入ります。配置基準との関係で複数担任が組めるかは、専門家にご確認ください。

ピアノが弾けないと、保育ができないのでは

園の方針によります。ピアノを日々の保育の中心に置く園なら、要件に入れます。ピアノを使わない保育、または音源や他の職員で補える園なら、要りません。「ピアノが弾ける方」を一律に必須にすると、ピアノが苦手で保育を離れた潜在保育士や、子どもとの関わりに強い人を外します。方針を先に決め、方針に要る技能だけを要件にします。ピアノを使う園でも、「得意な職員が担当する」形にすれば、要件から外せます。

「担任経験三年以上」は書かないほうがよいのですか

年数だけの要件は、同じクラスを三年担当した人と、二年で乳児と幼児の両方を担当した人を、逆に評価し、潜在保育士と子育て中の層を外します。書くなら「乳児か幼児のクラスを担当した経験(復職の方は研修で補います。最初は複数担任か、フリーから)」のように、年齢と担任の形に研修と補いを添える形にします。年数の目安が無いと不安な場合も、「〇年」より「担当した年齢と担任の形」のほうが、経歴で確かめやすく、該当する人に届きます。