採用代行 / インサイドセールス
インサイドセールスの母集団形成|応募が集まらないときに見直す順番
インサイドセールスの募集で起きる母集団の問題は、応募がまったく来ない場合と、応募は来るがテレアポや営業事務の経験者ばかりで、見込み客の課題を聞き出して質の高い商談を作る経験のある人が来ない場合に分かれます。後者のほうが多く、原因の大半は求人票にあります。結論を先に書くと、インサイドセールスの母集団形成は、「求人票で分担・指標・見込み客の質と量・架電の型を示す」「出し先を転向層を含む場所にする」「スカウトを接触の質の経験で絞る」「一次対応を速くする」の順に見直し、前の段階が直る前に次に進まないことが要です。インサイドセールスは比較的新しい職種で、経験者だけを待つと母集団が狭く、転向層を入れる設計が母集団の大きさを決めます。代行に出す工程の線はインサイドセールス採用を代行に出す判断基準に、営業全般の母集団形成は営業の母集団形成にまとめています。
応募が来ないのか、役割の違う人が来ているのか
最初に、症状を分けます。
応募がほとんど無い場合は、求人が届いていないか、条件(固定給、目標、架電の量)で見送られているかのどちらかです。「インサイドセールス」の職種名で探す人は限られるので、届いていないことも多い。
応募はあるが役割が違う場合は、求人票が分担と指標を示していないことが原因です。「架電とアポイント獲得」と書かれていると、テレアポの経験者が応募し、「見込み客の管理と営業のサポート」と書かれていると、営業事務の経験者が応募します。
どちらの症状かは、応募者を転向元(テレアポ、営業事務、フィールドセールス、カスタマーサポート、インサイドセールス経験者)で分類し、「課題を聞き出す接触」の経験があるかで見れば分かります。
見直す順番の一番目:求人票に「分担・指標・見込み客・架電の型」があるか
求人票を開いて、次の六つが読み取れるかを確認します。
- 分担。 マーケティングが何を、インサイドセールスが何を、フィールドセールスが何を。一行目で「見込み客に接触し、課題を聞き出して、フィールドセールスに商談を渡す」と分かる形に
- 成果の指標。 商談の数か、質か、受注への貢献か。指標で求める人が変わる
- 見込み客の質と量。 マーケティングからどのくらいの見込みが、どんな質で来るか。少ない、質が低いなら正直に
- 架電の型。 一日の接触の数の目安、使うツール、トークの型の有無、記録の仕組み
- 目標と評価。 最初の三か月と一年の目標の考え方、評価の方法、固定と歩合の仕組み
- フィールドセールスとの関係。 渡した商談の結果が戻るか、一緒に振り返るか。将来フィールドセールスに進む道があるか
六つのうち、一つ目と三つ目が最も抜けます。分担が無い求人票にはテレアポか営業事務の人が来て、見込み客の質と量が無い求人票は面接で「見込みはどのくらい来るのか」と聞かれて止まります。
六つ目のフィールドセールスとの関係は、インサイドセールスの候補者が気にする点です。インサイドセールスを経てフィールドセールスに進みたい人は多く、その道があるかどうかで応募が変わります。
エラベルの見解
相談で多いのは、「インサイドセールスを募集して、応募はあるのに、面接で『前職はテレアポでした』という人ばかり」というご相談です。求人票を見ると、「インサイドセールス募集。見込み客への架電、アポイントの獲得」と書かれていて、課題を聞き出すことも、商談の質も、フィールドセールスとの分担も無い。テレアポの経験者が「架電とアポ」を見て応募しています。求人票が、求める役割を示していません。
見ていて差がつくのは、「一行目で『課題を聞き出して質の高い商談を作る』と言い、指標に質を入れているか」です。「マーケティングが集めた見込み客に接触し、課題と状況を聞き出して、フィールドセールスが受注につなげられる商談を作るインサイドセールス。成果は商談の質と受注への貢献で見る」。一行目でこれが分かれば、テレアポの経験者は自分向けでないと分かり、課題を聞き出す接触をしてきた人(インサイドセールス、カスタマーサポート、フィールドセールスの一部)は自分向けだと分かります。エラベルでは、インサイドセールスの担当者に、求人票の一行目と指標を依頼側と決めるところから始めてもらっています。
見直す順番の二番目:出し先が転向層を含む場所か
求人票が整ったら、出し先を見ます。インサイドセールスの経験者は限られ、転向層を含める設計が母集団の大きさを決めます。
| 出し先 | 向く状況 | 注意 |
|---|---|---|
| 一般の求人媒体・営業職の媒体 | 「インサイドセールス」で探す経験者に届けたい | 経験者は限られる。転向層に届く書き方を |
| ダイレクトリクルーティングの媒体 | 接触の質の経験がある人に、こちらから届けたい | 肩書ではなく、「課題を聞き出す接触」の経験で検索 |
| カスタマーサポートからの転向層 | 顧客の課題を聞き出す接触に慣れている | 売る側への転向の動機を確認。目標への向き合い方が違う |
| フィールドセールスからの転向層 | 商談の質が分かる。受注につながる商談を知っている | 架電の量に耐えられるか、フィールドに戻りたいだけでないかを確認 |
| テレアポ・電話営業からの転向層 | 架電の量に慣れている | 課題を聞き出す接触の経験があるかで分ける。全員ではない |
| 営業事務・営業アシスタントからの転向層 | 営業組織の流れを知っている。見込み客の管理の経験 | 接触の経験の有無で分ける |
| 未経験・第二新卒 | 架電の型と受け入れの体制がある | 体制が無いと定着しない。未経験の採用 |
| 社員の紹介 | 社内の営業やサポートの担当が知人を持つ | 求人票の六つを社員に渡す。リファラルが進まない理由 |
出し先の要点は、「転向元ごとに、持っているものと確認することが違う」ことです。カスタマーサポートからの転向層は、課題を聞き出す接触に慣れているが、売る側の目標に慣れていない。フィールドセールスからの転向層は、商談の質が分かるが、架電の量に耐えられるかを確認する。転向元ごとの訴求と確認を分けます。
見直す順番の三番目:スカウトが接触の質の経験で絞られているか
ダイレクトリクルーティングで返信が来ない場合、検索の条件と文面を見ます。
検索の条件は、「インサイドセールス」の肩書ではなく、「顧客の課題を聞き出す接触」の経験で絞ります。インサイドセールスの経験者、カスタマーサポートで課題の聞き取りをしてきた人、フィールドセールスで初回の接触を自分でしてきた人。肩書だけで検索すると、テレアポの経験者が混ざります。
文面は、一行目で候補者の経歴の一点に触れます。インサイドセールスの場合、触れる一点は「聞き出してきた課題の種類」「接触してきた相手」「作った商談の質や受注への貢献」のどれかです。「〇〇の顧客の課題を電話で聞き出し、〇〇の商談につなげてこられたご経歴を拝見しました。当社でも、同じ相手に同じ形で接触しています」。その後に、分担、指標、見込み客の質と量、架電の型、目標と評価、フィールドセールスとの関係を書きます。文面の型はインサイドセールス向けスカウト文面の型に詳しく書きます。
見直す順番の四番目:一次対応の速さで離脱していないか
応募も返信もあるのに、面接に進む前に離れる場合、一次対応の速さを見ます。インサイドセールスの候補者は、営業系の職種と同じく、複数の会社を同時に受け、対応の速い会社から決めます。
見るのは、応募から一次返信までの日数、書類の確認の日数、面接の日程が決まるまでの日数です。営業系の募集は応募が多くなることがあり、社内で一次対応を回すと遅れがちです。
直し方は、一次対応をその日か翌日に返す体制を作ることです。営業の責任者の面接の枠を先に固定し、書類の一次絞りは転向元と接触の質の経験で速く。応募が多いほど、一次対応と一次絞りを代行に出す効果が大きい。
社内で持つ工程と、外に出せる工程
| 段階 | 社内で持つ | 外に出せる |
|---|---|---|
| 求人票の中身 | 分担、指標、見込み客の質と量、架電の型、目標と評価、フィールドセールスとの関係を社内が出す | 聞き取って候補者に伝わる言葉にする。一行目の案 |
| 出し先 | 予算と契約の判断 | 転向層を含めた経路の提案、運用、数の整理 |
| スカウト | 分担と指標の確定 | 接触の質の経験で絞った検索、一行目の個別化、送信、一次対応 |
| 一次対応と一次絞り | 一次絞りの基準(転向元と接触の質)の確定、接触の質の評価 | その日か翌日の一次返信、転向元の分類、日程調整、進捗の管理 |
分け方の要点は、「分担・指標・見込み客の質と量は、社内でしか出せない」ことです。外部は、決まったものを言葉にし、転向層を含めた経路で探す役です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、インサイドセールスの母集団形成で最も効くのは、求人票の一行目で「課題を聞き出す接触」と「質の指標」を示すことと、転向層を含めた経路で探すことです。前者でテレアポの応募が減り、後者で母集団が広がります。インサイドセールスの経験者だけを待つと、応募は少なく、来ても前職の分担が違って合わないことがあります。
エラベルでは、インサイドセールスの案件で担当者を紹介するとき、最初の一か月は求人票の六つの項目を社内と一緒に埋め、転向元ごとの訴求と確認を設計することに使うようお伝えしています。媒体やスカウトはその後です。インサイドセールスは、経験者の少なさより、転向層の設計で母集団が決まります。
まとめ
- インサイドセールスの母集団の問題は応募が来ないかテレアポや営業事務の人が来るか。後者が多く、原因の大半は求人票
- 見直す順番は求人票の分担・指標・見込み客・架電の型→出し先→スカウトの接触の質→一次対応の速さ。前の段階が直る前に次に進まない
- 求人票には分担(一行目で「課題を聞き出して商談を作る」)・指標(質を入れる)・見込み客の質と量(正直に)・架電の型・目標と評価・フィールドセールスとの関係の六つ
- 出し先は転向層(カスタマーサポート、フィールドセールス、テレアポの一部、営業事務の一部)を含める。転向元ごとに訴求と確認を分ける
- スカウトは肩書ではなく「課題を聞き出す接触」の経験で絞り、一行目でその一点に触れる
- 一次対応をその日か翌日に。応募が多いなら外に出す効果が大きい
よくある質問
「インサイドセールス」の経験者が少なく、応募が来ません
経験者だけを待つと来ません。カスタマーサポートで顧客の課題を聞き出してきた人、フィールドセールスで初回の接触を自分でしてきた人、テレアポの中でも課題の聞き取りをしてきた人は、インサイドセールスの肩書は無くても、役割の一部を経験しています。要件で「インサイドセールスの経験」を必須にせず、「顧客の課題を聞き出す接触の経験」で書くと、転向層が母集団に入ります。転向元ごとに、持っているものと確認すること(売る側の目標に慣れているか、架電の量に耐えられるか)を分けて、面接で確かめます。
見込み客が少ないことを正直に書くと、誰も来ませんか
来なくなるのは、整った分担の中で動きたい人で、その人は入社後に「見込みが来ない」と分かって離れる人です。「見込み客はまだ少なく、マーケティングと一緒に見込みを増やす仕組みを作るところから関わってほしい」と正直に書くと、営業組織の設計に関心のある人が応募します。隠して「マーケティングが集めた見込みに接触」と書くと、面接か入社後に分かり、離れます。見込み客が少ない状態は、インサイドセールスの募集というより、新規開拓とマーケティングの両方に関わる募集に近く、それに合う人を探します。
フィールドセールスに進む道を書くと、インサイドセールスに定着しませんか
インサイドセールスの候補者の多くは、将来フィールドセールスに進みたいと考えていて、その道があるかどうかで応募を決めます。道が無いと書くと、意欲のある人が来ません。道があると書き、「インサイドセールスとして〇〇の成果を出したら、フィールドセールスへの道がある」と、条件と期間の目安を示すと、定着しながら次を目指す形になります。インサイドセールスを長く続けてほしいなら、インサイドセールスの中でのキャリア(リーダー、仕組みの設計)を示します。道を隠すより、道を示して条件を付けるほうが、定着します。