自動車業界の採用単価とRPO費用の考え方|会社の型と、期間従業員・交替勤務の費用まで含めて比べる
自動車業界といっても、完成車の会社、一次・二次の部品の会社、販売店、整備の会社では、採る職種も使う経路もまったく違います。さらに、機械の設計に加えて電気・電子やソフトウェアの技術者が要るようになり、IT業界の会社と同じ候補者を取り合う場面も増えています。このため、採用代行(RPO)の費用を「自動車業界ならこのくらい」と一つの物差しで考えると、判断を誤ります。結論から書くと、自動車業界のRPO費用は、自社の会社の型と職種ごとに比べる相手を決め、現場職では期間従業員の契約や交替勤務など採用後にかかる費用まで含めて比べると判断しやすくなります。
採用代行の料金や職種ごとの採用単価は、会社の規模・型・地域によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では相場の金額は扱いません。自社の数字で比べる手順を書きます。
業界の採用構造:会社の型で費用の見方が違う
自動車業界の採用は、会社の型によって、中心になる職種と費用のかけ方が変わります。
| 会社の型 | 採用の中心 | 費用を比べる相手 |
|---|---|---|
| 完成車・一次部品 | 設計・開発の技術者、生産技術、製造 | 開発の遅れ、外部の設計会社や派遣への支払い |
| 二次以下の部品 | 生産技術、品質、製造 | 取引先の生産の計画に間に合わない場合の影響 |
| 販売店 | 営業、整備士、受付 | 店舗の売上や整備の受け入れ台数が止まる影響 |
| 整備 | 整備士 | 受けられない整備の件数 |
完成車や一次部品の会社では、技術者の採用に大きな費用がかかりやすい一方、開発が遅れたときの影響も大きくなります。二次以下の部品の会社では、取引先の生産の計画に合わせて人を確保できるかが問われます。販売店や整備の会社では、整備士が足りないと受けられる仕事の量そのものが減ります。自社の型で何と比べるかを決めてから、採用代行の見積もりを見てください。業界の採用の難しさは自動車業界の採用代行で任せる範囲で書いています。
電気・ソフトの技術者はIT業界と同じ土俵で比べる
自動車業界では、電気・電子、組み込みソフトウェア、制御の技術者の採用が増えています。こうした技術者は、IT業界の会社も同時に探しているため、従来の機械系の経路では届きにくく、スカウトや人材紹介に頼ることが多くなります。その分、1人あたりの費用は機械系の技術者より高くなりやすい傾向があります。
この職種の費用を判断するときは、自社の過去の機械系の採用と比べるのではなく、IT業界の会社が同じ人にかけている費用と並べて考えてください。候補者はIT業界の会社と見比べて動くため、選考の速さや条件の示し方も、IT業界と同じ水準が求められます。エンジニア採用の費用の考え方はIT・Web業界の採用単価とRPO費用の考え方も参考にしてください。
人材紹介を使う場合、職業安定法第32条の3により、有料職業紹介事業者の手数料は、厚生労働省令で定める種類・額か、届け出た手数料表に基づくものに限られています。採用者の年収に割合を掛ける形が多いため、技術者の採用では、紹介にあてる予算の上限を先に決めておいてください。
エラベルの見解
自動車業界の会社からの相談で多い思い込みは、ソフトウェアの技術者も、機械の技術者と同じ要件の書き方で探せるという考え方です。社内の言葉で「車載の〇〇の開発経験」と書いても、IT業界から来る候補者には、自分の経験が当てはまるのかが分かりません。その結果、合いそうな人が応募せず、スカウトの数ばかり増えます。
担当者を選ぶときは、自動車の言葉とIT業界の言葉の両方を読み替えられる人かどうかを見てください。担ってほしい仕事を、使う言語や開発の手法、扱う機能の言葉に言い換えて候補者に伝えられる担当者のほうが、少ないスカウトで合う人に届きます。同じ料金でも、言葉の読み替えができるかどうかで、採用の費用は大きく変わります。
現場職は採用後にかかる費用まで含める
自動車業界の現場職では、期間を定めた契約で働く期間従業員や、交替勤務で働く人を採ることが多くあります。この場合、採用の費用だけでなく、採用後にかかる費用まで含めて比べることが要ります。
一つは、契約の更新を重ねた場合の扱いです。労働契約法第18条は、同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約の期間を通算した期間が五年を超える労働者が、期間の定めのない労働契約の締結を申し込んだときは、使用者はその申込みを承諾したものとみなすと定めています。期間従業員を長く続けて雇う予定がある場合は、この点を踏まえて人員の計画を立ててください。
もう一つは、交替勤務の費用です。労働基準法第37条は、午後十時から午前五時までの間に労働させた場合、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないと定めています。夜勤を含む交替勤務では、この割増賃金が月の費用に加わります。求人に交替勤務の実態と、割増賃金を含めた収入の目安を書くかどうかで、応募の数と入社後の定着が変わります。個別の判断は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
外注の使いどころと料金の形
自動車業界の採用で採用代行に任せやすいのは、技術者ならスカウトの送信と追客、現場職なら求人広告の運用と応募者への一次連絡、どちらも日程調整です。要件の整理と見極め、交替勤務や勤務地などの条件の判断は社内に残します。
| 採用の状況 | 合いやすい料金の形 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 現場職を継続してまとめて採る | 月額で一定の業務を任せる | 応募への返事の速さを、契約で決めておく |
| 電気・ソフトの技術者を少数だけ採る | 採用が決まったときに支払う形 | IT業界との取り合いを前提に、選考の速さを確保する |
| 取引先の生産の計画で一時的に増やす | 作業の時間に応じて払う形 | 増やす期間と終わる時期を先に決める |
エラベルの費用は、採用が決まったときに1名につき10万円(税別)です。採用が決まらなければ費用はかかりません。電気・ソフトの技術者など、難しい職種を少人数採りたい場合の選択肢の一つとして比べてみてください。
エラベルの見解
もう一つ見てほしいのは、部品の会社の採用費用は、取引先の生産の計画と採用の時期のずれで膨らむということです。取引先の計画で人が必要になってから急いで採ると、間に合わない分を派遣や残業でしのぐことになり、採用の費用とその費用の両方がかかります。反対に、計画が延びたのに採用を進めると、入社した人の仕事が足りない期間が生まれます。
採用代行に任せるときは、取引先の生産の見込みと採用の計画を同じ表で管理し、担当者と共有してください。見込みの確度が高い分から採用を進め、確度が低い分は様子を見る、という順番を担当者と決めておくと、無駄な採用の費用を抑えられます。
まとめ
- 自動車業界のRPO費用は、完成車・部品・販売・整備の会社の型ごとに比べる相手を決める
- 電気・ソフトの技術者は、IT業界と同じ土俵で費用と選考の速さを考える
- 期間従業員は、通算で五年を超えた場合の無期転換を踏まえて人員の計画を立てる
- 交替勤務は深夜の割増賃金を含めた費用で見て、求人に実態を書く
- 部品の会社は、取引先の生産の見込みと採用の計画を同じ表で管理する
よくある質問
自動車業界の採用代行の費用の相場はいくらですか
採用代行の料金は、任せる業務の範囲や職種、料金の形によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。自社の型と職種ごとに比べる相手の費用を出し、その範囲で同じ業務範囲の見積もりを比べてください。エラベルの場合は、採用が決まったときに1名10万円(税別)です。
整備士の採用にも採用代行は使えますか
使えます。整備士は資格や経験の確認が要件の中心になるため、求める資格と経験を先に決め、担当者には応募者の資格の照合と連絡を任せる形が合いやすくなります。最終の見極めは社内の整備の責任者が行ってください。
期間従業員と正社員、どちらで採るべきですか
生産の見込みが一時的なら期間従業員、長く続くなら正社員が向いています。期間従業員でも、更新を重ねて通算で五年を超えると、本人の申込みにより期間の定めのない契約に転換される決まりがあります。人員の計画と合わせて決め、個別の判断は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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