人事採用の代行費用の相場|「採用担当を採る」か「代行を続ける」かを費用で比べる
人事の採用を代行に出す、というのは少し不思議に聞こえるかもしれません。人事を採るための採用を、外部に頼むからです。ただ、人事が一人もいない会社や、人事が一人で手一杯の会社では、人事の採用そのものを進める人がいないため、外部の力を借りることはよくあります。そして人事の採用には、他の職種にはない問いがついて回ります。採用担当を社員として採るのか、採用は代行に任せ続けるのか、という問いです。結論から書くと、人事の代行費用を考えるときは、採りたい人事の領域を決め、採用担当を社員で抱える場合と代行を続ける場合の費用を並べてから判断すると、迷いが少なくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
人事の領域で、探す人が変わる
人事という職種名の中にも、仕事の領域の違いがあります。
| 領域 | 主な仕事 | 候補者の層 |
|---|---|---|
| 採用 | 採用計画、求人、選考の運営、候補者とのやりとり | 採用担当の経験者、人材業界の出身者 |
| 労務 | 勤怠・給与・社会保険の手続き、就業規則の運用 | 労務の実務経験者 |
| 制度 | 評価・報酬・等級の制度の設計と運用 | 制度設計の経験者、コンサルタント出身者 |
| 育成・組織 | 研修、配置、組織の課題への対応 | 育成や組織開発の経験者 |
人事が一人もいない会社では、これらをまとめて担える人を探したくなりますが、そうした人は限られます。最初の一人に何を担ってもらうかを決めてください。多くの場合、事業の拡大期には採用、組織が一定の規模になると労務や制度が優先になります。要件の決め方は人事採用の要件定義で書いています。
採用担当を採るか、代行を続けるか
採用の領域で人事を採ろうとしている会社は、次の二つを比べてください。
- 採用担当を社員として採る場合:採用にかかる費用(代行費や紹介手数料)+ 入社後の人件費 + 立ち上がりまでの期間
- 採用代行を続ける場合:代行に払い続ける費用 + 社内で代行とやりとりする時間
採用の量が一年を通じて安定して多く、社内に採用の知見をためたい場合は、採用担当を社員で採ったほうが中長期で費用を抑えられることがあります。一方、採用の量が時期によって大きく変わる、あるいは採用の量がまだ少ない場合は、必要なときに必要な分だけ代行を使うほうが合うこともあります。
この比較をすると、採用担当を採るための代行費用にいくらまで払ってよいかも見えてきます。採用担当を採ることで、将来の代行費用をどれだけ減らせるかが、その上限の根拠になります。専任の人事がいない会社の進め方は専任の人事がいない会社の採用代行で書いています。
エラベルの見解
人事の採用相談で多いのは、「代行に頼っていると社内に何も残らない」という不安から、採用担当を急いで採ろうとするケースです。ところが、社内に採用の進め方が固まっていない段階で、経験の浅い採用担当を採ると、その人も何をしてよいか分からず、結局は代行に頼り続けることになります。
おすすめしているのは、代行を使いながら、採用の進め方を社内の資料として残していく方法です。誰に何をどう聞くか、選考の基準は何か、といったことを代行の担当者と一緒に書き出しておけば、採用担当を採ったときに引き継げます。同じ料金・同じ業務範囲でも、こうした資料を残してくれる担当者かどうかで、後の内製化のしやすさが変わります。
見積もりで確かめる工程
人事の採用代行の見積もりでは、次の工程が含まれているかを確かめてください。
- 領域と役割の言語化:採用・労務・制度・育成のどれを担ってもらうか、経営者との分担をどうするかを決める
- 経歴の読み解き:担ってきた領域、会社の規模と段階、自分で仕組みをつくった経験を読む
- 文面の作成:自社の組織の段階、人事の課題、任せたい範囲を具体的に書く
- 経営者との面談の設計:人事は経営者と近い位置で働くため、早めに考え方が合うかを確かめる場を組む
- 引き継ぎの準備:入社後に、それまで代行が担っていた仕事をどう引き継ぐかを決めておく
最後の引き継ぎは、人事の採用ならではの工程です。代行が担っていた採用の仕事を、新しく入った人事にどう渡すかが決まっていないと、立ち上がりが遅れます。
期間と料金の形
人事は、経営者との相性の確認に時間がかかるため、採用までの期間が長くなることがあります。代行費用は、月あたりの金額ではなく、採用までの期間を通した総額で比べてください。
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、上で比べた費用の差の中に収まるかで判断してください。
エラベルの見解
人事の採用で、もう一つ考えてほしいのは、最初の人事に求める経験の段階です。大企業の人事部で特定の領域を深く担ってきた人は、仕組みが整った中での仕事に慣れています。人事が一人もいない会社では、仕組みがない中で、採用も労務も少しずつ自分で整える力が求められます。
経歴の会社の規模より、自社と同じような段階の会社で、何を一から整えてきたかを確かめてください。段階が合う人を採れれば、代行に頼る期間も短くなり、採用の総額も下がります。
まとめ
- 人事は、採用・労務・制度・育成のどの領域を担ってもらうかで探す人が変わる。最初の一人の役割を決める
- 採用担当を社員で採る場合と、代行を続ける場合の費用を並べて比べる
- 採用担当を採ることで減らせる将来の代行費用が、採用にかけられる額の上限の根拠になる
- 代行を使いながら、採用の進め方を社内の資料として残すと、内製化しやすくなる
- 会社の規模より、自社と同じ段階で何を整えてきたかで経歴を読む
よくある質問
人事採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。採用担当を社員で採る場合と代行を続ける場合の費用を並べ、人材紹介で採った場合の費用もあわせて、上限を決めてください。
人事が一人もいない会社が、最初に採るべきなのは誰ですか
事業の段階によります。採用の量が増えている時期なら採用を担える人、従業員が増えて手続きや規則の整備が追いつかないなら労務を担える人が優先になることが多いです。今いちばん困っていることから決めてください。
採用代行を使い続けることに問題はありますか
採用の量や時期によっては、代行を使い続けるほうが合理的なこともあります。ただし、採用の進め方が社内に残らないと、代行を替えたときに一からやり直しになります。代行を使う場合も、選考の基準や進め方を社内の資料として残しておくことをおすすめします。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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