看護師採用の代行費用の相場|紹介会社の選び方の決まりを知り、経路ごとの費用で比べる
看護師の採用では、多くの病院や施設が紹介会社を使っています。一方で、紹介手数料の負担や、採用した人がすぐに辞めてしまうことへの不満もよく聞かれます。医療分野の職業紹介については、こうした課題を受けて、国がさまざまな決まりや仕組みを設けています。結論から書くと、看護師の代行費用を考えるときは、医療分野の職業紹介に関する決まりを知ったうえで紹介会社を選び、紹介・自社採用・代行のそれぞれの経路の費用を並べて比べると、判断しやすくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では代行費用の相場は扱いません。
医療分野の職業紹介に関する決まり
厚生労働省の資料「医療・介護・保育分野における職業紹介について」では、これらの分野の職業紹介について、次のような取り組みが示されています。
- 平成29年の改正職業安定法や関係指針で、手数料などの情報開示義務、返戻金制度の推奨、就職後2年間の転職の勧奨の禁止などを規定(平成30年1月1日施行)
- 紹介した就職者の転職の勧奨につながるような「就職お祝い金」などを禁止する指針の改正(令和3年4月1日施行)
- 医療・介護・保育の各分野で適正な職業紹介事業者を認定する制度を創設(令和3年度)
- 職業紹介事業者の法令違反の疑いについて、「医療・介護・保育」求人者向け特別相談窓口を都道府県労働局に設置
- ハローワークで、人材不足分野の人材確保を支援する人材確保対策コーナーを拡充
紹介会社を選ぶときは、これらの決まりに沿った事業者かどうかを確かめてください。たとえば、求職者に就職お祝い金を出すと宣伝している紹介会社は、こうした考え方と合わない可能性があります。
手数料と定着の実績を公開情報で確かめる
厚生労働省と都道府県労働局のリーフレットでは、「人材サービス総合サイト」で、国内の職業紹介事業者について、あっせんした就職者数とそのうち6か月以内の離職者数、紹介手数料の実績、返戻金制度の有無・内容などを確認できると案内されています。また、令和7年4月1日以降、職種ごとの平均手数料率などの実績を同サイトに掲載することが職業紹介事業者に義務付けられていると説明されています(各事業者の取扱い上位5職種に限り、常用就職の紹介実績が10件以下の場合は掲載対象外)。同じリーフレットでは、看護師の手数料実績を調べる際の職種区分として「看護師、准看護師」が例示されています。
契約を検討している紹介会社について、手数料の実績だけでなく、紹介した人がどれだけ定着しているかも確かめてください。手数料が低くても、早く辞める人が多ければ、結果として1人あたりの費用は高くなります。
エラベルの見解
看護師の採用相談で多いのは、紹介会社の数を増やせば採用が増えると考えているケースです。契約する紹介会社を増やしても、条件の伝え方や受け入れの体制が変わらなければ、紹介される人の数は大きく変わらず、合わない人の紹介が増えることもあります。
紹介会社を増やす前に、自社の求人の条件(勤務形態、夜勤の有無と回数、配属の決め方、教育の体制)を整理し、それを紹介会社にも自社の求人にも同じように伝えてください。条件が明確な病院や施設は、紹介会社からも、自社への直接の応募でも、合う人が集まりやすくなります。同じ料金・同じ業務範囲でも、こうした整理を一緒にしてくれる担当者かどうかで、採用の結果は変わります。
経路ごとの費用を並べる
看護師の採用経路ごとに、1人あたりの費用を並べて比べてください。
| 経路 | 費用に含めるもの | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 紹介会社 | 紹介手数料と、面接などの社内の時間 | 手数料の実績と、6か月以内の離職の実績を確かめる |
| 自社の求人・ハローワーク | 求人広告費、採用ページの運用、社内の時間 | ハローワークの人材確保対策コーナーも活用できる |
| 採用代行 | 代行費用と、社内の時間 | 自社の求人の経路を育てる形で使えるか |
紹介会社への依存を減らし、自社の求人やハローワークからの応募を増やすことができれば、1人あたりの費用は下がります。採用代行は、自社の経路を育てる仕組みづくりを手伝う形で使うと、効果が出やすくなります。要件の決め方は看護師採用の要件定義で書いています。
料金の形
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、紹介会社を使った場合の費用や、自社の経路の費用と並べて判断してください。
エラベルの見解
看護師の採用で、もう一つ考えてほしいのは、定着の仕組みです。看護師は、入職後の教育や配属、夜勤の負担などが合わないと、早く辞めてしまうことがあります。早く辞めると、また採用の費用がかかり、残った人の負担も増えます。
採用の費用を下げるいちばんの近道は、採った人が長く働ける環境を整えることです。入職後の教育の体制、相談できる先輩の配置、夜勤の回数の配慮などを整え、それを求人で具体的に伝えてください。定着の実績が上がれば、採用の回数そのものが減ります。
まとめ
- 医療分野の職業紹介では、就職後2年間の転職勧奨の禁止、就職お祝い金の禁止、適正事業者の認定制度などが設けられている
- 紹介会社の手数料の実績と6か月以内の離職の実績は、人材サービス総合サイトで確かめられる
- 紹介会社を増やす前に、自社の求人の条件を整理して同じように伝える
- 紹介・自社の求人やハローワーク・代行の経路ごとに、1人あたりの費用を並べて比べる
- 採用の費用を下げる近道は、定着の仕組みを整えること
よくある質問
看護師採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。紹介手数料の実績は人材サービス総合サイトで確かめられるので、それと自社の求人の費用を並べ、代行費用がその範囲に収まるかで判断してください。
紹介会社が法令に反しているのではと感じたらどうすればよいですか
厚生労働省の資料では、職業紹介事業者の法令違反の疑いについて、「医療・介護・保育」求人者向け特別相談窓口を都道府県労働局に設置していると案内されています。疑問がある場合は、所在地の都道府県労働局に相談してください。
適正な紹介会社をどう見分ければよいですか
医療・介護・保育の分野では、適正な職業紹介事業者を認定する制度が設けられています。認定の有無に加えて、人材サービス総合サイトで手数料と定着の実績、返戻金制度を確かめ、契約書の内容も確認したうえで選んでください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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