採用代行 / 看護師
看護師向けスカウト文面の型|刺さる訴求と外す訴求
看護師にスカウトを送っても返信が来ない施設の文面には、共通点があります。「看護師を募集しています」「患者様に寄り添う看護ができます」「アットホームな職場です」「働きやすい環境を整えています」「高収入が可能です」と書かれていて、病棟の種類と患者層、夜勤の回数と体制、受け持ちの数、残業と休み、教育体制、師長の人柄、子育てとの両立が無い。看護師は、紹介会社と看護師同士のつながりから病棟の実態を聞くことに慣れていて、スカウトを読むとしたら「どの病棟で、夜勤が何回で何人体制で、師長がどういう人か」を最初に見ます。それが無い文面は、閉じられます。結論を先に書くと、看護師へのスカウトは、業態と病棟と勤務地で対象を絞り、一行目で候補者が担当してきた病棟の一点に触れ、自施設の病棟と患者層と夜勤の回数と体制・受け持ちと残業と休みの実態・教育と両立の支援・師長がどういう人か・離職の状況と対策・施設の工夫を先に書き、形容詞を使わず、施設の紹介は後ろに回す型にすると、返信が変わります。母集団形成の全体は看護師の母集団形成に、代行に出す工程の線は看護師採用を代行に出す判断基準にまとめています。
看護師がスカウトを読まない理由
他の職種と共通する理由(定型文は読まれない、一行目が施設の話だと閉じられる)に加えて、看護師に特有の理由があります。
一つ目は、病棟の実態を紹介会社と看護師同士のつながりから聞くことに慣れていることです。看護師は、転職のたびに紹介会社から夜勤の回数と体制、患者層、受け持ち、残業、休み、師長の人柄を聞き、同じ地域の病院の評判を看護師同士で共有しています。スカウトにそれが無いと、「聞けば分かることを、この施設は書かない」と読み、閉じます。
二つ目は、「寄り添う看護」「アットホーム」「働きやすい」を信じないことです。病院の求人は、どれもこの言葉で埋まっていて、実態は「夜勤が多くて休めない」「受け持ちが多くて記録で残業」「師長が厳しくて離職が続く」だったことを経験で知っています。「アットホーム」は、看護師には「人が少なくて全部やらされる」と読まれることがあります。
三つ目は、「高収入」を警戒することです。看護師の求人で収入を前面に出す文面は、「夜勤が多い」「離職が続いて人が足りない」「患者層が重い」のどれかを隠していることを、経験者は知っています。収入は、体制と実態の後に書きます。
四つ目は、師長がどういう人かが分からないと判断できないことです。看護師にとって、師長の人柄は働き続けられるかを決める最大の要素で、それが無い文面は、「師長のことを書けない施設」と読まれます。
五つ目は、経歴を読んでいるかを見抜くことです。訪問看護の人に急性期の病棟の文面、日勤だけで働いてきた人に夜勤必須の文面が届くと、「資格の『看護師』だけを見て送っている」と読まれます。業態が合っていても、担当してきた病棟に一つも触れていない文面は、同じように読まれます。
この五つから、文面の型が決まります。担当してきた病棟に触れる一行目、病棟の実態を紹介会社と同じ具体さで、師長がどういう人かを本人の言葉で、離職の状況と対策を隠さず、収入は実態の後に、形容詞を使わない。
先に決めるのは対象:業態と病棟と勤務地で絞る
文面の前に、誰に送るかを決めます。看護師では、「自施設の業態と病棟と勤務地」と「それに合う経路」の決定が、対象の絞り込みです。病棟の実態と方針の整理は看護師採用を代行に出す判断基準に書いています。
業態と病棟で絞ります。急性期なら「病棟の種類」「手術室」「救急」「集中治療」、慢性期なら「療養」「回復期」、訪問看護なら「訪問」「在宅」、クリニックなら「外来」「処置」。「看護師」の資格だけで検索すると、業態が混ざります。夜勤の可否も、夜勤の募集なら条件に入れ、日勤のみの募集なら日勤希望の人に絞ります。
勤務地で絞ります。施設の近くに住んでいる人、出身地が近い人、通える範囲の人。看護師は施設に通うので、勤務地が合わない人には、他の条件が良くても届きません。
経路で分けます。急性期の経験者、慢性期の経験者、クリニックの経験者、訪問看護の経験者、潜在看護師(育児や介護で離れていた人)、子育て中で日勤やパートを希望する人、指導者の経験者。それぞれ持っているものと、動く理由が違います。
| 経路 | 一行目で触れる一点 | 訴求 |
|---|---|---|
| 急性期の経験者(同じ病棟の種類) | 担当した病棟の種類と患者層、夜勤の経験 | 同じ病棟で夜勤の体制が良いこと、受け持ちが少ないこと、師長がどういう人か、記録の負担が軽いこと |
| 急性期の経験者(別の病棟の種類) | 担当した業務(手術室、救急、認知症ケア) | 病棟を広げられること、指導者がつくこと |
| 慢性期・療養の経験者 | 担当した患者層と、長く関わる看護の経験 | 同じ患者層で体制が良いこと、急性期に戻る道筋(急性期の募集なら、教育体制を正直に) |
| 訪問看護の経験者 | 訪問の件数と、一人で判断してきた経験 | 病棟に戻る場合は勤務の形の違いを正直に。訪問看護の募集なら、訪問件数と移動と緊急対応の実態 |
| クリニックの経験者 | 外来と処置の経験、日勤の働き方 | 日勤のみの募集なら合う。夜勤のある募集なら、夜勤の回数と体制を正直に |
| 潜在看護師(離れていた人) | 以前の病棟と業務 | 日勤のみや短時間から、ブランクへの研修、施設の近さ、託児 |
| 子育て中で日勤やパートを希望する人 | 担当している病棟と時間帯 | 夜勤の免除、時短、託児、急な休みへの対応、常勤への道筋 |
| 指導者の経験者 | 指導した人数と病棟 | 教育体制を作る役割、主任や師長への道筋 |
対象を絞ると、送る数は減ります。看護師は資格を持つ人の母数が限られるので、勤務地で絞ると対象が尽きることがあります。その場合は、業態は絞ったまま、勤務地を「通える範囲」まで広げ、潜在看護師と子育て中の層を厚くします。
エラベルの見解
相談で多いのは、「看護師にスカウトを送っているが、返信が来ない」というご相談です。文面を見ると、「看護師として、患者様に寄り添う看護をしませんか。アットホームな職場で、働きやすい環境を整えています。高収入も可能です」と書かれていて、候補者の病棟にも、自施設の病棟の実態にも、師長にも触れていない。看護師は、この文面を「人が足りなくて何かを隠している病院」と読み、返信しません。
見ていて差がつくのは、「一行目で候補者の病棟に触れ、二行目から病棟の実態を紹介会社と同じ具体さで書き、師長がどういう人かを本人の言葉で書いているか」です。「内科病棟で高齢の患者さんを担当されたご経歴を拝見しました。当院の内科病棟も同じ患者層で、看護師は日勤〇人、夜勤は二人体制で月に〇回程度、二交代です。受け持ちは日勤で〇人程度、記録の残業は月に〇時間程度で減らしている途中です。指導者を一人つけて三か月、夜勤の免除は子育ての事情で相談でき、託児があります。師長は『最初の三か月は受け持ちを少なくして、慣れてから増やす。相談はいつでも』と言っています。去年は離職が続きましたが、原因は夜勤の偏りで、体制を変えました」と書けば、経歴を読んだこと、病棟の実態、師長の人柄、離職の状況と対策が一度に伝わり、候補者は紹介会社に聞かなくても判断できます。エラベルでは、看護師の担当者に、送る前に「候補者の病棟に触れているか、紹介会社が伝える項目と師長の言葉と離職の状況がすべて書かれているか」を一通ずつ確かめてもらっています。
文面の型:一行目は候補者の病棟、二行目は自施設の病棟の実態
型は、上から順に六つです。
一行目:候補者の経歴の一点。 担当した病棟の種類と患者層、担当した業務(手術室、救急、訪問、認知症ケア)、夜勤の経験、指導者の経験、のどれか。「内科病棟で高齢の患者さんを担当されたご経歴を拝見しました」。「ご経歴を拝見し」だけでは、読んでいない印になります。何を見たかを一つ書きます。
二行目:自施設の病棟と患者層と、夜勤の回数と体制。 「当院の内科病棟も同じ患者層で、看護師は日勤〇人、夜勤は二人体制で月に〇回程度、二交代です」。病棟の種類と患者層と体制を具体的に。看護師が最初に確かめる項目なので、二行目に置きます。
三行目:受け持ちと残業と休みの実態と、教育と両立の支援。 「受け持ちは日勤で〇人程度、記録の残業は月に〇時間程度で減らしている途中です。指導者を一人つけて三か月。夜勤の免除は子育ての事情で相談でき、託児があります」。「による」「あり」で済まさず、実態を書きます。
四行目:師長がどういう人かと、離職の状況と対策。 「師長は〇〇の経験が長く、『最初の三か月は受け持ちを少なくして、慣れてから増やす。相談はいつでも』と言っています。去年は離職が続きましたが、原因は夜勤の偏りで、体制を変えました」。師長の言葉を本人から一文もらって入れます。離職の状況は隠さず、原因と対策を添えます。
五行目:施設の紹介と、収入。 施設の紹介は三行で足ります。収入は、体制と実態の後に、幅と内訳(基本、夜勤の手当)で書きます。前面に出すと警戒されます。
六行目:次の行動。 「いまの病棟の引き継ぎの区切りに合わせて話せます。まずは病棟を見ていただき、師長から実態をお話しします」。応募ではなく、病棟を見て師長と話すことを提案し、引き継ぎの区切りに配慮します。
型の要点は、四行目の「師長の言葉」と「離職の状況と対策」です。看護師が最も気にする二つで、他の職種のスカウトには無い項目です。一般的な文面の構造はスカウト文面の構造に、返信率の見方も含めて書いています。
刺さる訴求と、外す訴求
看護師に刺さる訴求と、外す訴求を分けます。
刺さる訴求は、「担当してきた病棟を読んで触れていること」「病棟の種類と患者層と夜勤の回数と体制が具体的に書かれていること」「受け持ちの数と記録の残業の実態が書かれていること」「休みの希望が通る率と有給の取り方が書かれていること」「指導者の配置と期間が書かれていること」「夜勤の免除と時短と託児と急な休みへの対応が書かれていること」「師長がどういう人かが本人の言葉で書かれていること」「離職の状況と対策が隠されていないこと」「病棟を見せると書いてあること」です。どれも、看護師がいまの病棟で困っていることか、確かめたいことの裏返しです。
外す訴求は、「看護業務全般」「患者様に寄り添う」「アットホーム」「働きやすい環境」「高収入」「やりがい」「チームワーク」「未経験歓迎」を経験者への文面に書くことです。看護師は、これらを「どの病院も書いている」「何かを隠している」と読みます。とくに「高収入」を前面に出す文面は、「夜勤が多い」「人が足りない」を疑われます。
もう一つ外すのは、「子育て支援あり」「教育体制充実」とだけ書いて、中身を書かないことです。看護師には「実態は違う」と読まれます。夜勤の免除の条件、時短の扱い、託児の有無、指導者の配置と期間を、具体的に書きます。
送った後の運用
返信が来てからの運用で、看護師の判断が変わります。候補者は複数の施設を同時に見ていて、紹介会社経由の他施設は日程を速く組みます。
返信への返信は、その日です。翌日では、紹介会社経由の他施設に先に決まることがあります。
最初の面談は、師長が出て、病棟を見せます。候補者が最初に確かめたいのは、病棟の実態がスカウトに書かれたとおりか、師長が本当にそういう人か、他の看護師の雰囲気、離職の状況の実態、です。事務だけの面談では、候補者は判断できません。見学の途中で、他の看護師と一言でも話せる場を作ると、「師長がどういう人か」「離職の状況」が候補者に伝わります。
面談では、スカウトに書いた「病棟の実態・教育と両立の支援・師長の考え・離職の状況と対策」をそのまま話します。スカウトで正直に書き、面談で同じことを話す。ここで言うことが変わると、候補者は離れます。
いまの病棟の引き継ぎの区切りを確かめ、それに合わせた日程を組みます。看護師は、配置基準と夜勤の体制の関係で、辞める病棟の後任が決まるまで動けないことがあります。その間、月に一度は連絡し、接点を切らしません。内定後は、現職の引き止めがあるので、入職日まで連絡を続けます。配置に関わる調整は、専門家に確認します。
代行に出せる範囲
スカウトの工程を、社内で持つものと外に出せるものに分けます。
| 工程 | 社内で持つ | 外に出せる |
|---|---|---|
| 病棟の実態・教育と両立の支援・師長の言葉・離職の状況と対策・工夫の確定 | 看護部長と師長が決める | 聞き取って言葉にする。紹介会社が伝える項目と評判の一覧と照合 |
| 対象の絞り込み | 業態と病棟と勤務地と経路の方針 | 業態と勤務地で分けた検索、候補の経歴の確認、候補の一覧化。潜在看護師と子育て中の層の探し方 |
| 文面 | 病棟の実態と師長の言葉の中身 | 担当してきた病棟に触れた一行目の個別化、型に沿った文面作成 |
| 送信と一次対応 | ― | 送信、返信への当日対応、病棟見学の案内、日程調整 |
| 最初の面談と病棟見学 | 師長が出て、病棟を見せる | 病棟の合間の予定の確保、見学の段取り、事前の経歴の整理、面談後の連絡 |
| 内定後 | 条件の提示 | 引き継ぎの区切りに合わせた入職日の調整、入職日までの連絡 |
| 数の管理 | 判断 | 返信率の集計、文面の改善案 |
分け方の要点は、「病棟の実態と師長の言葉と離職の状況は看護部長と師長が出し、文面と運用と見学の段取りは外に出せる」ことです。看護の分かる人は社内にいるので、外に出すのは「候補者の経歴を確認して一行目を書き、当日返信し、病棟見学を段取りし、師長の予定を押さえる人」の役です。担当者に医療業界の経験があると、病棟の実態の聞き取り方と、候補者の経歴の読み方が変わります。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、看護師へのスカウトで最も効くのは、「師長の言葉を本人から一文もらって四行目に入れる」ことと、「離職の状況と対策を隠さず書く」ことです。看護師は、師長がどういう人かで働き続けられるかを判断し、離職の状況を看護師同士のつながりで知っています。師長の言葉があり、離職の状況を隠していない文面は、「隠さない病院」として読まれ、紹介会社を経由せずに返信が来ます。
エラベルでは、看護師の案件で担当者を紹介するとき、最初に看護部長と師長から「病棟の実態」「教育と両立の支援」「離職の状況と対策」を聞き取り、師長の言葉を一文もらい、紹介会社が伝える項目の一覧と照合して、文面の二行目から四行目に置くところから始めてもらっています。候補者の経歴を確認して一行目を書く工程は、担当者が一通ずつ行います。配置基準と夜勤の体制の要件は、専門家にご確認いただくようお伝えしています。
まとめ
- 看護師がスカウトを読まない理由は病棟の実態を紹介会社と看護師同士のつながりから聞くことに慣れている・「寄り添う」「アットホーム」を信じない・「高収入」を警戒する・師長が分からないと判断できない・経歴を読んでいるかを見抜くの五つ
- 先に業態と病棟と勤務地で対象を絞る。対象が尽きるなら業態は絞ったまま、勤務地を通える範囲まで広げ、潜在看護師と子育て中の層を厚くする
- 文面の型は一行目で候補者の病棟の一点→自施設の病棟と患者層と夜勤の回数と体制→受け持ちと残業と休みと教育と両立の支援→師長の言葉と離職の状況と対策→施設の紹介と収入(後に)→引き継ぎの区切りに合わせた次の行動と病棟見学
- 刺さる訴求は経歴への言及・病棟の実態の具体性・受け持ちと残業・休みの取り方・指導者の配置・両立の支援の中身・師長の言葉・離職の状況と対策・病棟を見せる。外す訴求は業務全般・寄り添う・アットホーム・働きやすい・高収入の前面・「支援あり」だけ
- 返信後はその日の返信・師長が出て病棟を見せ他の看護師と話せる場を作る・スカウトと同じことを話す・引き継ぎの区切りに合わせた日程・内定後は入職日まで連絡
- 病棟の実態と師長の言葉と離職の状況は看護部長と師長が出し、文面と送信と当日の対応と見学の段取りと予定の確保は外に出せる
よくある質問
離職が続いていることをスカウトに書くと、返信が減りませんか
書かなくても、地域の看護師は看護師同士のつながりで知っていて、書かない文面は「隠している」と読まれます。書くのは「離職が続いた」という事実だけでなく、「原因(夜勤の偏り、師長の交代、記録の負担)と、それに対して何をしたか(体制を変えた、指導者を配置した、記録の仕組みを変えた)」です。「変わろうとしている病棟」として伝わると、その変化に関わりたい人が返信します。原因に手を打っていないなら、採用の前にそこを直します。
師長の言葉をどうやってもらえばよいですか
師長に「新しく入る人に、最初に伝えたいことを一文で」と聞きます。「最初の三か月は受け持ちを少なくして、慣れてから増やす」「夜勤は最初は一緒に入る」「相談はいつでも」のような、病棟の運営の考え方が出てきます。それをそのまま文面に入れます。人事が書いた「師長は親しみやすい人柄です」は信じられず、師長本人の言葉は信じられます。面接で師長が同じことを話し、病棟で他の看護師と話せる場を作ると、言葉の裏付けになります。
潜在看護師に送るとき、何を書けばよいですか
一行目は、以前の病棟と業務に触れます。「日勤のみ、短時間から始められる」「ブランクへの研修(看護技術の確認、電子カルテの操作、最近の医療の情報)がある」「勤務時間と曜日の相談ができる」「託児がある」「施設が近い」を書きます。資格を持ちながら育児や介護で離れていた看護師は、夜勤必須の常勤の文面には返信しません。週に数日、日勤だけから始めて、慣れたら増やせる道筋と、研修の中身を具体的に書くと、ブランクへの不安が減り、返信が来ます。