採用代行 / プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーの母集団形成|応募が集まらないときに見直す順番
プロダクトマネージャーの募集を出したのに、応募が集まらない。あるいは応募は来るのに、面談まで進むと話が噛み合わない。この職種の母集団形成で起きるのは、たいてい後者です。結論を先に書くと、出し先や文面を変える前に、「何を決める役割か」が求人に書かれているかを確認してください。そこが空いたまま母集団を広げても、合わない応募が増えるだけです。外に出せる工程の全体像は、この記事の後半で整理します。
応募が集まらないのか、合わない応募が来ているのか
最初に、症状を二つに分けます。
一つ目は、そもそも応募がほとんど無い状態です。この場合は、求人が見られていないか、見られても条件面で候補から外れているかのどちらかです。出し先と条件の問題であることが多く、文面を磨いても動きません。
二つ目は、応募はあるのに、書類や面談で「想定と違う」となる状態です。プロダクトマネージャーの募集で多いのはこちらです。この職種は、会社によって担う範囲がまったく違います。何を作るかを決める人もいれば、決まったものを進める人もいます。数字の責任を持つ人もいれば、持たない人もいます。求人に「プロダクトマネージャー募集」とだけ書くと、応募者は自分の経験に近い姿を勝手に想定して応募します。そのずれが面談で表に出ます。
どちらの症状かで、見直す場所が変わります。応募が無いなら出し先と条件から、合わない応募が来るなら求人の記述から見直します。以下は、後者を中心に、見直す順番を書いていきます。
見直す順番の一番目:求人に「何を決めるか」が書いてあるか
求人票を開いて、次の四つが読み取れるかを確認してください。
- 何を決める役割か(作るものを決めるのか、優先順位を決めるのか、両方か)
- 誰と決めるか(経営と直接か、開発側の責任者とか、事業側とか)
- どこまで担うか(決めるところまでか、進める実務も持つか)
- 数字を持つか(売上や利用数などの指標に責任を持つかどうか)
この四つのうち、四番目が最も抜けます。そして最も食い違います。指標を持つ前提で応募した人に、入社後「指標は事業側が持っている」と伝わると、そこで離れます。逆も同じです。
四つを書くと、求人は長くなり、応募は減ります。それでよいと考えてください。減るのは合わない応募です。合う人にとっては、四つが書いてある求人のほうが判断しやすく、応募に進みやすくなります。
書けないときは、社内で決まっていないということです。その状態で出し先を増やしても、合わない応募が増える速度が上がるだけです。先に社内で決めてください。
見直す順番の二番目:出し先が職種の層に合っているか
求人の記述が固まったら、出し先を見ます。
プロダクトマネージャーの経験者は、母数が多い職種ではありません。しかも、転職活動を積極的にしている人は、その中のさらに一部です。一般的な求人サイトに載せて応募を待つ方法だけでは、待ち時間が長くなりがちです。
出し先を考えるときは、「どの層に届けたいか」から逆算します。
- 同じ職種で経験を積んでいる人に届けたいなら、その職種の人が集まる場所(職種特化の媒体、コミュニティ、勉強会)を優先します
- 隣の職種から移ってくる人(開発側のリーダー、事業企画、デザイン側など)も対象にするなら、その職種の人が見る場所にも出します
- 今すぐ転職を考えていない人にも届けたいなら、待つ型の求人ではなく、こちらから声をかけるスカウトが要ります
隣の職種を対象に含めるかどうかは、母集団の広さを大きく左右します。含めるなら、求人の記述に「こういう経験があれば、この職種の経験が無くても対象です」と書いておきます。書かないと、隣の職種の人は自分が対象だと気づきません。
見直す順番の三番目:スカウトの対象と文面
待っても集まらないなら、こちらから声をかける段階です。
スカウトで最初に決めるのは、文面ではなく対象です。求人の四つの記述に照らして、「この経歴なら、うちの範囲に近い」と言える人を選びます。職種名だけで検索して送ると、範囲が違う人に大量に届きます。返信は来ますが、面談で食い違います。
文面は、求人の記述をそのまま短くしたものが基本です。特に「何を決めるか」「誰と決めるか」は、この職種の人が最も知りたい部分です。会社の紹介や事業の説明より先に書きます。文面の作り方は別の記事で詳しく扱いますが、母集団形成の観点では、「対象を絞って、範囲を先に書く」の二点を守れば大きく外しません。
スカウトの運用は、対象の選定、送信、返信対応、日程調整と、作業の量が多くなります。ここは外に出しやすい工程です。ただし、「誰を対象とするか」の基準は社内で決めておく必要があります。基準が無いまま外に出すと、送る側は職種名で選ぶしかなくなります。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「応募が少ないから、出し先を増やせばよい」というものです。実際には、求人票に担う範囲が書かれていない状態で出し先を増やすと、合わない応募が増え、面談の回数だけが増えます。面談に出る人の時間が消え、社内で「採用に時間を取られている」という空気になり、そこで採用そのものが止まることがあります。
順番は、求人の記述、出し先、スカウト、紹介会社です。前の段階が固まっていない状態で次に進んでも、後の段階の効果が出ません。特に求人の記述は、出し先・スカウト・紹介会社のすべてで使い回す土台です。ここに一日かけるほうが、出し先を三つ増やすより速く進みます。土台が固まってから広げてください。
見直す順番の四番目:紹介会社とリファラル
スカウトでも足りないなら、紹介会社とリファラル(社員の紹介)を使います。
紹介会社に依頼するときも、求人の四つの記述が効きます。紹介会社の担当者は、複数の企業の求人を同時に扱っています。範囲が書かれていない求人は、担当者も候補者に説明できず、後回しになります。四つが書いてあれば、「この人はこの会社の範囲に合う」と判断してもらえます。
リファラルは、この職種では特に効きます。同じ職種の人は、横のつながりを持っていることが多く、「うちで探している」と社内の人が伝えるだけで、応募に至る場合があります。ただし、伝える側が担う範囲を説明できないと、紹介される人もずれます。四つの記述を社内に共有しておくことが、リファラルの前提になります。
外に出せる工程と、社内に残す工程
母集団形成の工程を分けると、次のようになります。
| 工程 | 外に出せるか |
|---|---|
| 担う範囲の四つを決める | 社内で決める |
| 求人票の文章にする | 外に出せる(決めた内容を整える作業) |
| 出し先の候補を挙げ、掲載する | 外に出せる |
| スカウトの対象基準を決める | 社内で決める |
| スカウトの選定・送信・返信対応 | 外に出せる |
| 紹介会社への依頼と定例 | 外に出せる |
| リファラルの声かけ | 社内で行う |
| 反応を見て、記述や出し先を直す | 外でも担えるが、判断は社内 |
「決める」工程は社内に残り、「作業する」工程は外に出せます。この職種では、決める工程の中身が会社ごとに違うため、外の担当者が代わりに決めることはできません。逆に、作業の工程は量が多く、社内の担当者が兼務で回すと止まりやすい部分です。
エラベルの見解
同じ料金・同じ業務範囲でも、結果が分かれるのは「求人の記述が空いているときに、担当者がどう動くか」です。空いたまま作業を進める担当者は、職種名で出し先を選び、職種名でスカウトを送ります。数は出ますが、合わない応募が積み上がります。
一方で、範囲が空いていることに気づいて、作業を止めて「四つを決めてください」と社内に戻せる担当者がいます。戻された側は最初、進みが遅いと感じます。しかし、四つが決まった後の進み方はまったく違います。合う応募の割合が上がり、面談の回数が減り、決まるまでが短くなります。
代行に出すときに見るべきは、「どれだけ送れるか」ではなく、「空いている部分を戻してくれるか」です。商談の場で、自社の求人票を見せて「このままで出せますか」と聞いてみてください。「出せます」と即答する担当者より、「ここが決まっていないので先に決めましょう」と言う担当者のほうが、結果として速く進みます。
まとめ
- 症状を応募が無いか合わない応募が来るかに分ける。この職種は後者が多い
- 見直す順番は求人の記述 → 出し先 → スカウト → 紹介会社・リファラル
- 求人には何を決めるか・誰と決めるか・どこまで担うか・数字を持つかの四つを書く
- 四つを書くと応募は減るが、減るのは合わない応募
- 隣の職種を対象にするなら、そのことを求人に書く
- スカウトは文面より先に対象を絞る。対象の基準は社内で決める
- 決める工程は社内、作業の工程は外に出せる
よくある質問
求人を詳しく書くと、応募がさらに減りませんか
減ります。ただし減るのは、担う範囲が合わない人からの応募です。合う人にとっては、範囲が書かれている求人のほうが応募しやすくなります。面談の回数が減り、決まるまでの期間が短くなるので、全体で見ると前に進みます。
プロダクトマネージャーの経験者が少なく、母集団が作れません
隣の職種(開発側のリーダー、事業企画、デザイン側など)を対象に含めるかを検討してください。含めるなら、「この経験があれば職種の経験が無くても対象です」と求人に書きます。書かなければ、隣の職種の人は自分が対象だと気づきません。
母集団形成をまるごと外に出せますか
作業の工程(求人票の文章化、掲載、スカウトの選定・送信・返信対応、紹介会社との定例)は出せます。ただし、担う範囲の四つと、スカウトの対象基準は社内で決める必要があります。そこが決まっていない状態で外に出すと、職種名だけで運用され、合わない応募が増えます。