採用代行 / プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャー向けスカウト文面の型|刺さる訴求と外す訴求
プロダクトマネージャーにスカウトを送っても、返信が来ない。来ても、面談で「思っていた役割と違う」と言われる。この職種のスカウトで起きる問題は、ほぼこの二つです。結論を先に書くと、文面の一行目に「何を決める役割か」を書き、会社の紹介はその後に回してください。読む側が最初に知りたいのはそこです。母集団形成の全体の順番はプロダクトマネージャーの母集団形成にまとめています。
この職種にスカウトが読まれにくい理由
プロダクトマネージャーの経験者には、スカウトが多く届きます。開く時間は短く、最初の数行で読み続けるかが決まります。
多くのスカウト文面は、会社の紹介、事業の説明、募集の背景という順で書かれています。この順で書くと、読み手は「で、自分は何をする役割なのか」が分からないまま読み進めることになります。そして、この職種の人は、担う範囲が会社ごとに違うことをよく知っています。だからこそ、範囲が書かれていない文面は「またか」で閉じられます。
もう一つの理由は、対象の選び方です。職種名で検索して、出てきた人にそのまま送ると、担う範囲が違う人に大量に届きます。たとえば、決まったものを進める役割の経験者に、作るものを決める役割の募集を送っても、本人は自分の経験と結びつけられません。読まれない以前に、送る相手がずれています。
先に決めるのは文面ではなく対象
文面を書く前に、誰に送るかを決めます。
基準は、求人票に書いた「担う範囲」の四つです。何を決めるか、誰と決めるか、どこまで担うか、数字を持つか。この四つに照らして、経歴から近いと読める人を選びます。
経歴から読み取る手がかりは、たとえば次のようなものです。
- 「立ち上げ」「企画から」「ゼロから」といった記述があれば、作るものを決めた経験がある可能性が高い
- 「ロードマップ」「優先順位」の記述があれば、優先順位を決める側にいた可能性がある
- 「KPI」「売上」「成長」に責任を持った記述があれば、数字を持っていた可能性がある
- 「要件定義」「仕様」「開発推進」が中心なら、進める側の経験が中心の可能性がある
あくまで可能性です。経歴の書き方は人によって違い、書かれていないことも多くあります。それでも、職種名だけで選ぶよりは、範囲の近い人に絞れます。
絞ると送信数は減ります。それでよいと考えてください。この職種は、数を送って返信率で勝負する型が合いません。対象を絞り、一通ごとに範囲を書くほうが、面談に進む数は増えます。
文面の型:一行目に「何を決める役割か」
型はシンプルです。順番だけ守ってください。
一段落目:何を決める役割か
「〇〇というプロダクトの、作るものと優先順位を決める役割です」「決まった方針のもとで、開発を進める役割です」など、担う範囲を一文で書きます。数字を持つかどうかも、ここで書きます。
二段落目:なぜあなたに送ったか
経歴のどこを見て、範囲が近いと判断したかを書きます。「〇〇の立ち上げをされていた点が、今回の役割に近いと感じました」のように、具体的な記述を引きます。ここが空いている文面は、一斉送信だとすぐに分かります。
三段落目:誰と決めるか、どこに入るか
経営と直接決めるのか、開発側の責任者と決めるのか。チームの規模や、入社後の位置づけを短く書きます。この職種の人が次に知りたいのは「決める相手」です。
四段落目:会社とプロダクトの紹介
ここで初めて会社の話をします。長く書かず、プロダクトが何を解決しているかと、いまどの段階かを書きます。
五段落目:次の一歩
いきなり選考ではなく、まず話を聞く場を提案します。「三十分ほど、役割の中身をお伝えする場を設けられます」のように、負担が小さいことを示します。
この型で書くと、会社の紹介が四段落目に来ます。違和感があるかもしれませんが、読む側の順番はこれです。
刺さる訴求と、外す訴求
同じ内容でも、訴求の仕方で読まれ方が変わります。
刺さりやすい訴求
- 「何を決められるか」を具体的に書く。決める範囲が広いなら、それをそのまま書く
- 「いまどこで詰まっているか」を正直に書く。詰まりを解く役割として声をかける
- 「決める相手」が誰かを書く。経営と直接なら、そのことを書く
- 経歴のどこを見たかを書く。一斉送信ではないことが伝わる
外しやすい訴求
- 「裁量が大きい」「成長できる」だけを書く。何の裁量かが書かれていないと、この職種の人には響かない
- 「急成長中」「注目の」といった形容から始める。読む側は聞き飽きている
- 「幅広く活躍」「何でもお任せ」と書く。範囲が決まっていないと読まれる
- 会社の歴史や理念から書き始める。範囲が分からないまま読み続ける人は少ない
- 年収の幅だけを前面に出す。条件は判断材料の一つだが、範囲が分からないと比べようがない
外しやすい訴求に共通しているのは、「担う範囲を書かずに済ませている」ことです。範囲を書けないとき、文面は形容詞で埋まります。形容詞で埋まった文面は、この職種の人にすぐ見抜かれます。
エラベルの見解
担当する側から見ると、この職種のスカウトで最も難しいのは、文面ではなく「範囲が決まっていない求人のスカウトを頼まれたとき」です。範囲が決まっていなければ、一段落目が書けません。そこで担当者は、会社紹介から書き始めるか、「幅広くお任せします」と書くかのどちらかになります。どちらも読まれません。
このとき、良い担当者は文面を書く前に「何を決める役割ですか」「数字は持ちますか」と聞き返します。聞き返さずに書ける担当者は、範囲を勝手に想像して書いています。返信は来ますが、面談で食い違います。
代行に出す側からすると、聞き返される手間は面倒に感じます。しかし、その質問に答えられない状態では、誰が書いても文面は形容詞で埋まります。聞き返してくる担当者を選び、質問に答えることが、文面の質を上げる一番の近道です。
送った後の運用
文面を送って終わりではありません。
返信が来たら、その日のうちに次の連絡をします。この職種の人は複数の会社と並行して話しているので、返信が遅いと優先度が下がります。日程調整は、こちらから候補を複数出します。相手に候補を出してもらう形は、往復が増えて時間がかかります。
返信が来ない場合、同じ文面を再送しても効果は薄いとされています。再送するなら、一段落目を変えます。範囲の書き方を変える、詰まりの話を足す、といった形です。それでも来なければ、対象の選び方がずれていると考えて、絞り方を見直します。
送信数、返信数、面談に進んだ数を記録しておくと、どこで落ちているかが見えます。返信は来るのに面談に進まないなら、文面と求人の内容がずれています。返信が来ないなら、対象か一段落目の問題です。
代行に出せる範囲
スカウトの工程を分けると、次のようになります。
| 工程 | 外に出せるか |
|---|---|
| 担う範囲の四つを決める | 社内で決める |
| 対象の基準を決める | 社内で決める(外が案を出すことはできる) |
| 対象の選定 | 外に出せる |
| 文面の作成 | 外に出せる(範囲が決まっていれば) |
| 送信・返信対応・日程調整 | 外に出せる |
| 面談 | 社内で行う |
| 数字を見て、対象と文面を直す | 外でも担えるが、判断は社内 |
「範囲と基準を決める」ところだけは社内に残ります。それ以外の作業は、量が多く、社内の兼務では止まりやすい部分です。特に返信対応と日程調整は、速さが結果を左右するので、専任で見る人がいるかどうかで差が出ます。
エラベルの見解
相談で多い思い込みは、「返信率が低いのは文面が悪いから」というものです。実際には、文面を直す前に対象を見直すべき場合がほとんどです。職種名で検索した対象に、どれだけ良い文面を送っても、範囲が違う人には響きません。
見直す順番は、対象、一段落目、それ以外の文面、送る時間帯です。多くの会社は逆の順で直します。時間帯を変え、件名を変え、文面の後半を直し、最後まで対象には手をつけません。対象を変えると送信数が減るのが不安だからです。
送信数が減ることを受け入れてください。この職種は母数が少なく、範囲の近い人はさらに少ないので、絞れば絞るほど送信数は減ります。それでも、範囲の近い人に一段落目で範囲を伝える文面を送るほうが、面談に進む数は増えます。数を追う運用は、この職種では合いません。
まとめ
- 文面の一行目は何を決める役割か。会社紹介は四段落目に回す
- 文面より先に対象を決める。基準は求人票の四つの範囲
- 経歴の記述から範囲の近さを読む。可能性の判断でよい
- 刺さる訴求は決める範囲・詰まり・決める相手・経歴のどこを見たか
- 外す訴求は形容詞だけ・会社紹介から・幅広くお任せ・条件だけ
- 返信にはその日のうちに返し、日程の候補はこちらから出す
- 返信が来ないときの見直しは対象 → 一段落目 → 文面 → 時間帯の順
- 範囲と基準は社内、選定・文面・送信・返信対応は外に出せる
よくある質問
会社の紹介を後ろに回すと、興味を持ってもらえないのでは
この職種の人が最初に知りたいのは、自分が何を決める役割かです。そこが分かって初めて、会社の話を読む気になります。会社紹介から始める文面は、範囲が分からないまま読み続けることになり、途中で閉じられやすくなります。
対象を絞ると送信数が減ります。母集団が足りなくなりませんか
減ります。ただし、職種名だけで選んだ対象に送っても、範囲が違う人からの返信は面談で食い違い、結果として母集団になりません。範囲の近い人に絞り、一段落目で範囲を伝えるほうが、面談に進む数は増えます。
スカウトの文面作成だけを外に出せますか
出せます。ただし、担う範囲の四つが決まっていることが前提です。決まっていない状態で頼むと、担当者は範囲を想像して書くか、会社紹介から書くかになります。頼む前に、範囲を書いた求人票を渡してください。