プロダクトマネージャー採用の代行費用の相場|任せる「決める権限」から逆算する
プロダクトマネージャー(PdM)の採用は、エンジニアやデザイナーの採用と比べても、要件を言葉にするのが難しい職種です。「プロダクトの責任者がほしい」と思って代行に出しても、候補者と話してみると、何を決めてよいのか、誰に報告するのかが曖昧で、話が進まないことがあります。結論から書くと、PdMの代行費用を比べる前に、入社した人にどこまで決める権限を渡すのかを決め、今その役割を誰が兼務していて、どれだけの時間と遅れが生じているかから払える額を逆算すると、見積もりの妥当さを判断しやすくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
「決める権限」が採用の難しさを決める
PdMの候補者が面談で最も知りたがるのは、自分が何を決められるのかです。何をつくるか、どの順番でつくるか、何をやめるか。これらを決める権限がどこまであるかで、仕事の手ごたえも、成果の出しやすさもまったく変わるからです。
| 任せる権限 | 候補者の受け止め方 | 採用への影響 |
|---|---|---|
| 何をつくるかの優先順位を決められる | 経験のあるPdMほど関心を持ちやすい | 経営者との役割分担を説明できるかが問われる |
| 経営者が決めたことを形にする | 調整役としての仕事と受け止められる | 経験者には物足りなく見え、辞退が増えることがある |
| 権限の範囲が決まっていない | 入社後に揉めることを心配される | 面談で具体的に答えられず、選考が進みにくい |
権限が曖昧なまま代行に出すと、担当者は候補者に仕事の中身を説明できず、返信は来ても面談で辞退される、ということが続きます。採用までの時間が延びれば、代行費用の総額も増えます。要件の決め方はプロダクトマネージャー採用の要件定義で書いています。
兼務している人の時間から逆算する
PdMを採りたい会社では、多くの場合、その役割を経営者や事業責任者、開発の責任者が兼務しています。払える額の手がかりは、その兼務にかかっている時間と、それによる遅れです。
- 経営者・事業責任者の時間:何をつくるかを決め、開発チームと話し、顧客の声を集めている時間。経営の他の仕事が後回しになっている分も含めて考える
- 開発チームの待ち時間:仕様が決まらずに手が止まっている時間、決まったことが後から変わってやり直している時間
- 機会の損失:優先順位の判断が遅れて、出すべき機能や改善が出せていない期間
これらを金額に置き換えるのは簡単ではありませんが、関わっている人の人件費と時間で大まかに見積もるだけでも、PdMがいないことの費用が見えてきます。そこに、人材紹介で採った場合の費用(紹介会社の手数料表に基づく手数料と社内の時間)を並べると、代行費用の上限が見えてきます。
エラベルの見解
PdMの採用相談で多いのは、経営者自身が「自分の代わり」を探しているケースです。ところが、話を聞いていくと、経営者は最終的な決定権を手放すつもりがなく、実際には「自分が決めたことを形にしてくれる人」を求めていることがあります。この食い違いは、候補者との面談でたいてい表に出ます。
代行に出す前に、経営者と一緒に、入社後半年でPdMに決めてほしいことと、経営者が決め続けることを分けて書き出してください。それが書けていれば、担当者は候補者に正直に説明でき、合わない人を早い段階で見分けられます。同じ料金・同じ業務範囲でも、この整理ができている会社とできていない会社では、採用までの時間が大きく違います。
見積もりで確かめる工程
PdMの採用代行の見積もりでは、次の工程が含まれているかを確かめてください。
- 権限と役割の言語化:何を決めてもらうのか、誰に報告するのか、経営者・開発責任者との分担を現場と決める
- 経歴の読み解き:担当したプロダクトの段階(立ち上げか、成長か、改善か)、決めてきたことの範囲、結果を読む
- 文面の作成:自社のプロダクトの段階、解きたい課題、任せる権限を具体的に書く
- 経営者との面談の設計:経営者が候補者と話す場を早めに組み、考え方が合うかを確かめる
- 辞退理由の記録:権限や役割の説明が理由の辞退がどれだけあるかを記録し、要件を見直す
PdMは、候補者が企業を選ぶ立場にあることが多い職種です。経営者と早い段階で話せるかどうかが、候補者の判断に大きく影響します。スカウトの進め方はプロダクトマネージャーのスカウトで書いています。
期間と料金の形
PdMは、要件の整理と候補者とのすり合わせに時間がかかるため、採用までの期間が長くなりがちです。代行費用は、月あたりの金額ではなく、採用までの期間を通した総額で比べてください。
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、上で逆算した上限の中に収まるかで判断してください。
エラベルの見解
PdMの採用で、もう一つ考えてほしいのは、業務委託や副業で先に一緒に働いてみる方法です。PdMは、経営者や開発チームとの相性が成果を大きく左右します。いきなり正社員で採るより、一定期間、業務委託で一部のテーマを任せてみると、お互いに合うかを確かめられます。
この方法は、候補者にとっても、権限の実態を入社前に知れるという利点があります。採用の失敗が減れば、やり直しにかかる費用も減ります。代行費用だけを比べるのではなく、こうした進め方も含めて、採用までの総額を考えてください。
まとめ
- PdMの採用の難しさは、入社した人に渡す決める権限の範囲で大きく変わる
- 払える額は、経営者や事業責任者が兼務している時間と、それによる開発の遅れから逆算する
- 見積もりでは、権限と役割の言語化、経営者との面談の設計が含まれているかを確かめる
- 費用は月額ではなく、採用までの期間を通した総額で比べる
- 業務委託で先に一緒に働いてみる方法も、採用の失敗を減らす選択肢になる
よくある質問
プロダクトマネージャー採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。PdMの役割を兼務している人の時間と、人材紹介で採った場合の費用から上限を逆算し、その範囲で見積もりを比べてください。
PdMの経験者がいない場合、誰を候補にすればよいですか
PdMという職種名での経験がなくても、事業企画、プロジェクトマネージャー、エンジニア、デザイナーなどの立場で、何をつくるかの判断に関わってきた人が候補になります。職種名ではなく、どんな判断をしてきたかで経歴を読んでください。
経営者が面接に出られない場合はどうすればよいですか
PdMは経営者との役割分担が仕事の中身を大きく左右するため、少なくとも最終段階では経営者が候補者と話すことをおすすめします。時間が取れない場合は、短い時間でもオンラインで話す場を設けるなど、早めに接点をつくってください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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