採用代行 / 比較・選び方
契約後90日で何が起きるかを確認する
採用代行の商談で、「契約後の最初の三か月で何が起きますか」と聞くと、その会社の実力がかなり見えます。運用の経験がある会社は、段階ごとの計画を具体的に答えられます。経験が薄い会社は、「まずはお打ち合わせを」で終わります。この記事では、段階ごとに何を確認するか、答えをどう見るかを整理します。
三つの段階に分けて聞く
第一段階(最初の一か月)。要件のヒアリング、文面と検索条件の作成、媒体と権限の設定。仕込みの期間です。
第二段階(二か月目)。運用の開始。送信、返信対応、応募者対応、日程調整。数字が出始めます。
第三段階(三か月目)。最初の結果を受けた調整。条件の見直し、文面の改稿。改善のサイクルが回り出します。
この三つを分けて聞いてください。まとめて「三か月で成果を出します」と答える会社より、段階ごとに何をするかを言える会社のほうが、運用の経験があります。
第一段階で確認すること
何をヒアリングしますか
求人票の内容だけか、その先を聞くか。過去に採った人の活躍、辞めた人の理由、面接で意見が割れる候補者。ここを聞く相手は、要件の背景を掴もうとしています。
何が成果物として出ますか
要件定義書、文面、検索条件、選考フロー。具体的な成果物が挙がるかを見ます。
自社にお願いすることは何ですか
情報の提供、権限の付与、現場との調整。求めてくる相手は、案件が止まる原因を知っています。
この期間に数字は出ますか
正直に「出ません」と言える会社のほうが信頼できます。仕込みの期間なので、成果の数字は出ないのが自然です。
エラベルの見解
この質問で最も差が出るのは、「自社にお願いすることは何ですか」への答えです。
何も求めてこない会社は、頼まれた範囲だけを回す運用になりがちです。悪いわけではありませんが、詰まったときに一緒に直す動きは期待しにくい。
一方、具体的に求めてくる会社は、案件が止まる原因を知っています。「要件のヒアリングに、現場の責任者に同席していただけますか」「書類の合否は二営業日以内に返していただけると、候補者の辞退が減ります」「過去に採用した方の経歴を、通した理由とあわせていただけますか」。
こうした要望が出る相手は、実際に運用した経験があります。何がないと進まないかを分かっているからです。
そして、この要望は自社の準備リストにもなります。求められた内容を用意しておけば、立ち上げは速くなります。
さらに、要望に答えられるかどうかで、自社の体制も分かります。現場の責任者に時間を取ってもらえない、書類の合否が二営業日では返せない。この場合、代行を入れても同じところで止まります。
質問は相手を測るためのものですが、答えは自社の準備を教えてくれます。
第二段階で確認すること
いつから送信や応募対応が始まりますか
仕込みから運用への移行の時期。
最初の月に、どのくらいの量を想定していますか
稼働時間と、その中の内訳。件数だけでなく内訳が出るかを見ます。
どの数字を見て判断しますか
送信件数、返信率、面談設定率。工程ごとの数字が挙がるかを確認します。
うまくいかなかったとき、最初に何を疑いますか
条件か、文面か、送信のタイミングか。原因の切り分けの手順を持っているかが分かります。
第三段階で確認すること
何を見て、何を変えますか
最初の結果を受けた調整の内容。
この時点で判断できることは何ですか
運用の質、母集団の傾向、要件との適合。採用に至るかどうかは、まだ判断できないことが多い。
改善の提案はどのタイミングで出ますか
定例会か、随時か。
この時点で成果が出ていない場合、どう考えますか
答え方に姿勢が出ます。原因の切り分けを提案する相手なら、運用の経験があります。
答えの見方
具体性。工程と順番が出るか。「まずはお打ち合わせを」で終わるなら、標準的な提案です。
正直さ。「この時期に数字は出ません」と言えるか。すべての段階で成果を約束する会社は、工数を読み違えている可能性があります。
発注側への要望。求めてくる内容があるか。
自社の状況を踏まえているか。一般的な計画をそのまま話すか、自社の職種や体制に合わせた話をするか。
この四つで、答えの信頼度はかなり判断できます。
契約後に照らし合わせる
聞いた計画は、契約後の物差しになります。
第一段階の終わりに確認する。要件定義書、文面、検索条件が出ているか。予定していた成果物が揃っているかを見ます。
要件の再ヒアリングが発生していないか。商談で話した内容をもう一度聞かれるなら、提案が実務者に引き継がれていません。扱いは営業担当と実務担当が違う会社をどう見るかにまとめています。
第二段階で運用が始まっているか。仕込みが長引いていないか。
ずれがあれば早く伝える。立ち上げ期のずれは、後の運用に響きます。この時期の指摘は、遠慮せずに行ってください。
そして、聞いた計画を書面で残しておいてください。商談のメモで構いませんが、判断の理由になった内容は契約の別紙に入れてもらう形も検討できます。
エラベルの見解
最初の三か月で、発注側がやるべきことも決めておいてください。代行側の計画だけを聞いて終わると、自社の準備が抜けます。
第一段階でやることは、情報を渡すことです。要件、過去の採用実績、落とす理由、現場の状況、社内の判断の流れ。渡す情報の量が、その後の運用の質を決めます。
第二段階でやることは、判断を速く返すことです。書類の合否、面接の候補日、質問への回答。ここが滞ると、代行が動いても選考は進みません。
第三段階でやることは、数字を一緒に見ることです。工程ごとの数字を並べ、落ちている箇所を特定し、次に変えることを決める。代行任せにせず、判断に参加します。
この三つを自社の計画として置いておくと、立ち上げの速度が変わります。
そして、代行側の計画と自社側の計画を並べた一枚を作ってください。双方が何をいつまでにやるかが見える形にしておけば、立ち上げ期の会話が具体的になります。
準備の項目は発注する前のチェックリストにまとめています。
まとめ
- 商談で「最初の三か月で何が起きますか」を三段階に分けて聞く
- 第一段階は仕込み。ヒアリングの内容、成果物、自社への要望を確認する
- 最も差が出るのは「自社にお願いすることは何ですか」への答え
- 第二段階は運用の開始。量の内訳と、見る数字を確認する
- 第三段階は調整。何を見て何を変えるか、成果が出ていない場合の考え方
- 答えの見方は、具体性・正直さ・発注側への要望・自社の状況を踏まえているか
- 契約後は、聞いた計画と実際を照らす。要件の再ヒアリングが発生していないかを見る
- 代行側の計画と並べて、自社側の計画も置く
よくある質問
三か月で採用が決まらないと失敗ですか
職種と母集団の状況によります。スカウトを送って内定が出るまでの流れが一度回るには、それなりの時間がかかります。三か月の時点で見るのは、採用人数より工程ごとの数字と、社内の時間の変化です。判断の時期はやめる判断のタイミングにまとめています。
計画を書面でもらえますか
商談の資料に含まれることもあれば、口頭のこともあります。判断の理由になった内容なら、書面で残してもらうよう依頼してください。契約の別紙に入れられるかを聞くと、その会社の管理の姿勢も分かります。
立ち上げが計画より遅れています
原因を切り分けてください。要件の確定が遅れている、権限の付与が済んでいない、情報の提供が滞っている。自社側に原因があることも少なくありません。工程ごとにどこで止まっているかを確認してから、対処を決めます。