採用代行 / 比較・選び方
営業担当と実務担当が違う会社をどう見るか
商談に来た人が、そのまま実務を担当するとは限りません。提案は営業、実務は別のメンバーという体制は業界として一般的です。これ自体は問題ではありませんが、提案の内容が実務に引き継がれるかどうかは別の話になります。この記事では、分かれる理由と、引き継ぎの仕組みを確認する方法を整理します。
なぜ分かれるのか
構造的な理由があります。
役割の専門性が違う。提案は、自社の課題を聞いて解決の形を描く仕事です。実務は、日々の運用を回す仕事です。求められる技能が違います。
稼働の配分。実務の担当者が商談にも出ると、既存の案件の稼働が削られます。担当している会社にとっては、その分の影響が出ます。
案件の配置は契約後に決まる。商談の段階では、いつ始まるか、どの規模かが確定していません。人員の配置は、契約が決まってから調整されます。
これらは合理的な理由です。分かれていること自体を欠点と見る必要はありません。
問題になるのは、提案の内容が実務に伝わらないときです。商談で聞いた進め方と、実際の運用が違う。この状態は、引き継ぎの仕組みがないと起きます。
分かれていることで起きうること
提案の内容が引き継がれない。商談で話した課題の理解や、進め方の方針が実務者に伝わらない。要件のヒアリングをもう一度やり直すことになります。
期待値がずれる。営業が「対応できます」と答えた範囲が、実務者の想定と違う。契約後に範囲の相談が発生します。
担当者の質が読めない。提案が具体的で信頼できても、それは営業の力量です。実務の質は別の情報から判断する必要があります。
責任の所在が曖昧になる。契約前の説明と実際が違ったとき、誰に確認するかが分かりません。
この四つは、いずれも確認と設計で防げます。
引き継ぎの仕組みを確認する
商談で聞く質問です。
提案の内容は、実務の担当者にどう引き継がれますか
文書で渡すのか、口頭か、同席の場を作るのか。仕組みが説明できるかを見ます。
契約後、最初の打ち合わせには誰が出ますか
営業も同席するのか、実務者だけか。同席する形なら、認識のずれが減ります。
商談で伺った内容は、記録として残りますか
要件、社内の事情、判断の基準。残る形なら、伝達の質が上がります。
実務の担当者と、契約前に話せますか
可能なら、その場で提案内容を確認できます。難しい場合でも、経歴の開示は求められます。
契約後に、営業の方はどう関わりますか
完全に離れるのか、定期的に関わるのか。離れる場合、契約前の説明を誰が保証するかを確認します。
エラベルの見解
営業と実務が分かれている構造そのものより、「分かれていることを発注側が知っているか」のほうが問題です。
多くの契約は、商談に来た人がそのまま担当すると思われたまま結ばれます。そして、運用が始まってから別の人が現れる。このとき、期待値の調整が起きていません。
だから、商談の早い段階で聞いてください。「本日ご提案いただいている方が、実務も担当されますか」。この一問で、前提が揃います。
そして、分かれていると分かったら、判断の軸を切り替えます。提案の質は営業の力量として受け取り、実務の質は別の情報で判断する。担当予定者の経歴、稼働時間、同時担当社数。ここを聞かないまま提案の質で決めると、契約後にずれます。
一方で、分かれていない会社にも見るべき点があります。実務者が商談に出るということは、その人の稼働が営業活動に使われているということです。既存の案件への関与が薄くなっていないかは、確認する価値があります。
どちらの体制にも構造上の特徴があります。良し悪しではなく、何を確認すべきかが変わるだけです。
契約前の説明を残す
営業が離れる体制では、契約前の説明を書面に残しておく意味が大きくなります。
残すのは次の内容です。
- 業務範囲(工程で分解したもの)
- 担当者の稼働時間の目安
- 同時に担当する社数の上限
- 報告の頻度と粒度
- 交代する場合の事前通知
- 立ち上げの計画(最初の一か月で何をどこまで)
この六つを別紙に入れておけば、営業が離れても認識の土台が残ります。運用が変わったときに、話し合いの起点になります。
そして、この提案への反応も判断材料です。書けると答える会社は、社内で稼働を管理しています。難色を示す場合は、その理由を聞いてください。契約書の確認項目は業務委託契約書で確認する10項目にまとめています。
実務担当と話せない場合
案件が動く時期によっては、担当が未定のこともあります。その場合の代替の確認方法です。
経歴の書面での開示を求める。氏名がなくても、職種・業務範囲・期間・企業の規模が分かれば判断できます。
同じ業務を担当している別のメンバーと話す。社内の水準は見えます。
担当者が満たすべき条件を書いてもらう。稼働時間、同時担当社数、経験の範囲。特定の氏名ではなく条件で書く形なら、応じられる会社は多くあります。
交代時の通知と、同じ条件を満たす担当者が付くことを書いてもらう。
この四つで、実務者と話せなくても一定の担保はできます。扱いは担当者を指名できるかにまとめています。
契約後の最初の一か月
営業と実務が分かれている場合、契約後の立ち上げ期が最も注意が要る時期です。
最初の打ち合わせで、商談の内容を確認する。実務者が同じ理解を持っているかを、その場で確かめます。
要件の再ヒアリングが発生していないか見る。商談で話した内容をもう一度聞かれるなら、引き継ぎが行われていません。
立ち上げの計画が提案どおりか確認する。工程と順番が、商談で聞いた内容と合っているか。
ずれがあれば早く伝える。立ち上げ期のずれは、後の運用に響きます。この時期の指摘は、遠慮せずに行ってください。
エラベルの見解
営業と実務が分かれる構造は、発注側が「誰が担当するか」を確認しにくい状態を作っています。
商談の相手は営業なので、その人の話の分かりやすさや誠実さで印象が決まります。ところが、契約後に関わるのは別の人です。判断の材料と、実際の相手がずれているわけです。
この構造を変えるのは、発注側からの確認しかありません。「実務を担当されるのはどなたですか」「経歴を見せていただけますか」「その方とお話しできますか」。聞かれなければ、出てこない情報です。
エラベルは、この確認を仕組みにした窓口として作りました。担当者の経歴を見てから決められる形にしています。ただ、この形を使うかどうかとは別に、発注前に一度は聞いてみる価値はあります。手間はほとんどかかりません。
そして、聞くこと自体に効果があります。質問した時点で、相手は担当者の配置を意識します。誰が付いても構わないと思われている案件と、担当者を見られている案件では、社内の扱いが変わることがあります。
まとめ
- 分かれるのは、役割の専門性・稼働の配分・配置が契約後に決まるという構造的な理由
- 分かれること自体は欠点ではない。問題は提案が実務に伝わらないとき
- 確認するのは、引き継ぎの仕組み・最初の打ち合わせの出席者・記録の有無・実務者と話せるか
- 商談の早い段階で「本日の方が実務も担当されますか」と聞く
- 分かれていると分かったら、提案の質と実務の質を別に判断する
- 営業が離れる体制では、契約前の説明を別紙に残す意味が大きい
- 実務者と話せない場合は、経歴の開示・条件での記載・交代時の通知で担保する
- 立ち上げ期に要件の再ヒアリングが発生していないかを見る
よくある質問
営業と実務が分かれている会社は避けるべきですか
避ける理由にはなりません。役割が専門化している合理的な体制です。確認すべきは、提案が実務に引き継がれる仕組みがあるかどうかです。仕組みが説明できる会社なら、分かれていても運用は安定します。
実務者と話したら印象が違いました
判断は実務者を優先してください。契約後に関わるのはその人です。ただし、会社の中で担当者を替えられないかを相談する選択もあります。提案の内容が良かったなら、その理解を持つ別のメンバーがいる可能性があります。
契約後に営業の担当者に連絡してもよいですか
体制によります。完全に離れる会社もあれば、窓口として残る会社もあります。契約前に、営業がどう関わるかを確認しておいてください。離れる場合は、契約前の説明を別紙に残しておくと、後の認識のずれを防げます。