採用データの分析を外注したときの費用と工数の目安|分析より「データを集めて整える」工程に時間がかかる
採用データの分析は、どの経路から合う人が来ているのか、どの段階で候補者が離れているのかを数字で確かめる仕事です。感覚で進めていた採用を、数字をもとに見直せるようになります。分析を外部に頼むとき、多くの会社が想像するのは、集計や分析そのものの作業です。ところが実際には、分析の前にデータを集めて整える工程に、多くの時間がかかります。結論から書くと、採用データの分析の外注は、収集・整理・分析・報告の工程に分け、データがどれだけ整っているかを前提に見積もり、分析を打ち手につなげるところまで頼むと、判断しやすくなります。
外部への費用は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
工程に分ける
採用データの分析は、次の工程に分けられます。
| 工程 | 中身 | 工数のかかり方 |
|---|---|---|
| 収集 | 求人媒体、ATS、表計算の資料などから、採用のデータを集める | データが散らばっているほど増える |
| 整理 | 表記のばらつきをそろえ、抜けを補い、分析できる形にする | データの質が低いほど増える |
| 分析 | 経路ごとの通過率、採用までの日数、辞退の理由などを集計する | 分析の範囲で変わる |
| 報告 | 分析の結果をまとめ、課題と打ち手を示す | 報告の頻度で変わる |
この表で大切なのは、一つ目と二つ目の工程です。求人媒体ごとに管理画面が分かれている、選考の結果が表計算の資料にばらばらに記録されている、といった会社では、データを集めて整えるだけで多くの時間がかかります。見積もりを取る前に、自社のデータがどこに、どんな形で残っているかを確かめてください。詳しい切り分けは採用データの分析は代行に出せるかで書いています。
データが整っているかで工数が変わる
データの整い具合によって、外注の中身は大きく変わります。
- ATSなどにデータがまとまっている:収集と整理の手間が少なく、分析と報告に集中できる
- 複数の場所に散らばっている:まず集めて形をそろえる作業が必要になる
- 記録が残っていない部分がある:過去の分析は難しく、これから記録を残す仕組みづくりから始める
三つ目の場合は、過去のデータの分析を頼むより、これから記録を残す仕組みをつくることを先に頼むほうが、長い目で見て役に立ちます。どの項目を、いつ、誰が記録するかを決めておけば、数か月後には分析できるデータがたまります。
エラベルの見解
採用データの分析の外注で多いのは、きれいな報告書は届くのに、採用の進め方が変わらないケースです。グラフや表が並んでいても、それを見て何をすればよいかが分からない。報告書が読まれないまま、次の報告書が届くことになります。
外部に分析を頼むなら、報告に「だから次に何をするか」を必ず含めてもらってください。たとえば、ある経路の通過率が低いなら、その経路の求人原稿を見直す、ある段階で辞退が多いなら、その段階の連絡の速さを見直す、といった打ち手です。同じ料金・同じ業務範囲でも、数字から打ち手を示してくれる担当者かどうかで、分析の価値が変わります。
個人情報の扱いと委託先の監督
採用データには、候補者の氏名や経歴、選考の評価など、多くの個人情報が含まれます。個人情報の保護に関する法律第23条は、個人情報取扱事業者は、取り扱う個人データの漏えい、滅失または毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならないと定めています。第25条は、個人データの取扱いを委託する場合は、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならないとしています。
分析を外部に頼むときは、分析に必要な範囲のデータだけを渡すようにしてください。たとえば、経路ごとの通過率を見るだけなら、候補者の氏名や連絡先は必要ありません。氏名を外した形でデータを渡せば、情報が漏れたときの影響を小さくできます。データの受け渡しの方法と、分析を終えたあとのデータの削除の方法も、契約で決めておいてください。採用データの分析の進め方は採用データの分析の進め方で書いています。
料金の形と品質の見方
採用データの分析を外部に頼むときの料金の形は、一回の分析を成果物で頼む形、定期的な分析と報告を月額で頼む形、仕組みづくりから頼む形などがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。
品質は、次の点で確かめられます。
- 打ち手が示されているか:分析の結果から、次に何をするかが示されているか
- 打ち手の結果が追われているか:前回の打ち手を実行した結果、数字がどう変わったかが確かめられているか
- データの扱いが適切か:必要な範囲のデータだけが扱われ、受け渡しと削除の方法が守られているか
エラベルの見解
採用データの分析で、もう一つ考えてほしいのは、最初から完璧な分析を目指さないことです。データが十分にそろっていない段階で、細かな分析をしようとすると、手間ばかりかかって結果があいまいになります。
まずは、応募数、書類通過数、面接数、内定数、承諾数といった、採用の段階ごとの数字を、経路ごとに並べるところから始めてください。これだけでも、どこで人が減っているかが見えてきます。そこから、必要に応じて分析を深めていけば十分です。
まとめ
- 採用データの分析は収集・整理・分析・報告に分ける。分析より集めて整える工程に時間がかかる
- データが散らばっているほど、整理の工数が増える。記録がなければ記録を残す仕組みから始める
- 報告には次に何をするかを含めてもらい、打ち手の結果も追う
- 個人情報保護法の安全管理と委託先の監督を踏まえ、分析に必要な範囲のデータだけを渡す
- 最初は採用の段階ごとの数字を経路ごとに並べるところから始める
よくある質問
採用データの分析を外注したときの費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。データの整い具合と、分析と報告の範囲をそろえて見積もりを取り、比べてください。
過去の採用のデータがほとんど残っていなくても頼めますか
頼めますが、過去の分析は難しいため、これから記録を残す仕組みをつくることから始めるのがおすすめです。どの項目を記録するかを決めておけば、数か月後には分析できるデータがたまります。
分析のために候補者の氏名まで渡す必要がありますか
経路ごとの通過率や採用までの日数を見るだけなら、氏名や連絡先は必要ないことが多いです。分析に必要な範囲のデータだけを渡し、受け渡しと削除の方法を契約で決めてください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
この記事のタグ
関連記事
- 採用データの分析は代行に出せるか|任せる範囲の切り分け方 採用データの分析は「何を数え、何を判断に使い、見る場を持つ」工程と、「記録の設計・毎日の更新・集計・一枚の報告・傾向の整理・分析」を回す工程に分かれ、前者は会社が持ち、後者は外に出せます。出せるのは、記録の項目と表の設計、日々の更新と辞退理由の分類、月に一度の集計と一枚の報告、止まっている段階の指摘、経路ごとの結果と日数の傾向、溜まってからの分析と提案で、出せないのは、何を数えるかの決定、見る場を持つこと、報告を受けての判断、経路を切る・予算を動かすといった決定、データの扱いの方針です。代行に出せる工程と出せない工程、出したほうがよい状況、担当者の選び方、出す前に用意しておくものをまとめました。 採用代行採用データの分析
- 採用データの分析の進め方|自社でやる場合の手順 採用データの分析を自社で進めるとき、「まず全部の数字を集めて分析する」から始めると、項目が多すぎて更新されず、報告は長すぎて読まれず、半年後に「結局何を変えればよいか分からない」で終わります。進め方は、数える項目を四つに絞る→記録の表と更新の担当と時刻を決める→辞退理由の分類を決める→月に一度の一枚の型を作る→月に一度の見る場を決める→一つ変えて記録する→三か月で傾向を見る→半年溜まってから分析を足す、の八つの手順。各手順で使う表と、止まりやすい場所、外の人に頼む場合の境目をまとめました。 採用代行採用データの分析
- 人材紹介会社との折衝を外注したときの費用と工数の目安|紹介会社の数と推薦への返答の速さで決まる 人材紹介会社とのやりとりを外部に頼むとき、費用と工数をどう見積もるか。紹介会社への求人の説明・推薦への返答・選考の連絡・条件の調整に分けたときの工数のかかり方、契約する紹介会社の数が工数を左右する理由、手数料の実績の確かめ方を整理しました。 採用代行人材紹介会社との折衝
- 求人媒体の運用を外注したときの費用と工数の目安|掲載費とは別に「運用の手間」を見積もる 求人媒体の運用を外部に頼むとき、費用と工数をどう見積もるか。掲載費と運用の費用を分けて考える理由、運用を原稿の更新・応募者の管理・数字の振り返りなどの工程に分けたときの外部と社内の分担、媒体の契約やアカウントの扱いで確かめることを整理しました。 採用代行求人媒体の運用