採用代行 / 採用データの分析

採用データの分析の進め方|自社でやる場合の手順

公開 2026-09-20

採用データの分析を自社で進めようとして、「まず全部の数字を集めて分析する」から始めると、記録の項目が二十を超えて更新されず、月次の報告は十数ページになって経営者が読まず、半年後に「数字はあるが、結局何を変えればよいか分からない」で終わります。採用データで最初にやるべきは、分析ではなく、「四つの数字を、経路ごとに、日数と一緒に、その日に記録する」ことと、「月に一度、一枚を見て一つ決める場を持つ」ことです。それが半年続いて初めて、分析ができるようになります。結論を先に書くと、進め方は、数える項目を四つに絞る→記録の表と更新の担当と時刻を決める→辞退理由の分類を決める→月に一度の一枚の型を作る→月に一度の見る場を決める→一つ変えて記録する→三か月で傾向を見る→半年溜まってから分析を足す、の八つの手順です。代行に出す場合の切り分けは採用データの分析は代行に出せるかに、数字が取れていない構造は採用の数字が取れていないときに書いていますので、ここでは自社で進める手順に絞ります。

手順の全体

手順やること誰が頻度
数える項目を四つに絞る人事の責任者最初に一度
記録の表と更新の担当と時刻を決める人事最初に一度
辞退理由の分類を決める人事最初に一度
月に一度の一枚の型を作る人事最初に一度
月に一度の見る場を決める経営者最初に一度、以後毎月
一つ変えて記録する経営者と人事毎月
三か月で傾向を見る人事四半期に一度
半年溜まってから分析を足す人事半年後から

手順の要点は、八の「分析」が最後にあることです。多くの会社は分析から始めようとして、一から五が無いので何も始まりません。

手順一:数える項目を四つに絞る

最初に数えるのは、応募・面接・内定・辞退の四つです。それぞれを経路ごと(媒体、スカウト、紹介、リファラル、直接応募)に数え、応募から各段階までの日数を残します。それ以上の項目は、半年溜まってから足します。

数えるもの経路ごとに日数
応募何件来たか
面接(一次に進んだ数)何人進んだか応募から一次まで
内定何人出したか応募から内定まで
辞退(段階と理由)どの段階で何人、なぜ

止まりやすいのは、「せっかくなら」で項目を増やすときです。項目が増えると更新されず、空欄が並び、数字が信じられなくなります。四つで始めます。何を指標に置くかは採用KPIに何を置くべきかに書いています。

手順二:記録の表と更新の担当と時刻を決める

記録の場所を一つに決めます。ATSがあればATSの項目、無ければ一つのスプレッドシートの列。候補者ごとに一行で、経路、応募日、一次の日、内定日、結果、辞退の段階と理由を書きます。更新する担当を一人決め、「毎朝、前日の動きを入れる」のように時刻を決めます。

書くこと
経路どこから来たか
応募日
一次面接日無ければ空欄(書類で終わった)
内定日
結果承諾・辞退・不採用・選考中
辞退の段階と理由手順三の分類で

止まりやすいのは、記録が複数の場所(ATSとスプレッドシートとメール)に散るときです。一つにします。ATSがある場合の整え方はATSの運用の進め方に書いています。

手順三:辞退理由の分類を決める

辞退があったら理由を聞き、決めた分類で記録します。「一身上の都合」で終わらせず、「他社に決めた(条件・速さ・内容のどれで)」「条件が合わない」「選考が遅い」「面接の印象」「家庭の事情」のように、直す先が分かる分類にします。理由の集め方は内定辞退の理由を正しく集める方法に書いています。

止まりやすいのは、分類が細かすぎて選べないときです。五つから七つ程度にし、「その他」に理由を一言書く欄を置きます。

エラベルの見解

これをやる前に、先に手順五の「見る場」を決めておかないと、手順二の記録は続きません。相談で多いのは、「記録の表を作ったが、三か月で更新が止まった」というご相談です。聞くと、表は作ったものの、それを見る場が無く、更新する担当は「誰も見ないものを毎朝入れる」ことに意味を感じなくなっていました。月に一度、経営者と責任者が三十分で一枚を見て一つ決める場を先に決め、「その場のために表がある」と伝えてからは、更新が続きました。記録が続くのは、見る場があるからです。エラベルで採用データを担当する人には、表を作る前に、見る場を経営者と決めてもらっています。

手順四:月に一度の一枚の型を作る

月に一度、記録の表から一枚を作ります。最初の一行に「今月、止まっている段階」を書き、その下に段階ごとの人数、経路ごとの面接に進む数、承諾率、辞退の段階と理由、日数、先月との比較を並べます。読み方を一言添えます。一枚を超えないようにします。

一枚の並び書くこと
最初の一行今月、止まっている段階(例:一次から二次への通過が先月より落ちた)
段階ごとの人数応募→一次→二次→内定→承諾
経路ごと応募数と、面接に進んだ数。応募数ではなく面接に進んだ数で見る
辞退段階と理由の内訳
日数応募から一次まで、一次から内定まで
先月との比較動いた数字だけ
決めてほしいこと一つ。選択肢を添えて

止まりやすいのは、全部の数字を載せて一枚を超えるときです。動いていない数字は載せません。「止まっている段階」と「決めてほしいこと」があれば足ります。

手順五:月に一度の見る場を決める

経営者と責任者と人事が、月に一度、三十分で一枚を見て、一つ決める場を決めます。日時を固定し、一枚は前日までに配ります。場で決めるのは一つだけにし、「決めてほしいこと」の選択肢から選びます。

止まりやすいのは、場が「報告会」になって何も決まらないときです。「今月は何を一つ変えるか」を最後に確認して終わります。

手順六:一つ変えて記録する

場で決めた一つ(経路を切る、文面を直す、面接の枠を増やす、連絡の期限を変える)を実行し、「いつ、何を変えたか」を記録に残します。同時に複数を変えると、どれが効いたか分かりません。月に一つです。

止まりやすいのは、変えたことを記録せず、翌月に「先月何を変えたか」を思い出せないときです。一枚の末尾に「先月変えたこと」を載せます。

手順七:三か月で傾向を見る

三か月分の一枚を並べ、変えたことと数字の動きを見ます。「経路を一つ切って、応募は減ったが面接に進む数は変わらなかった」「連絡の期限を翌日にして、一次までの日数が縮み、辞退が減った」。効いたことは続け、効かなかったことは戻します。

止まりやすいのは、一か月で判断するときです。採用は応募から結果まで数週間かかるので、一か月では動きが見えません。三か月で見ます。

手順八:半年溜まってから分析を足す

半年以上の記録が溜まったら、項目を足し、分析を始めます。経路ごとの決定率と費用の関係、辞退の理由と段階の傾向、面接官ごとの通過率の違い、入社後の定着と経路や選考の関係。分析は「何を変えればどう動くか」が言える形で出し、他社の数字とは比べません。

止まりやすいのは、分析が目的になり、判断に結びつかないときです。分析の結果も、手順五の場で「一つ決める」材料として出します。

外の人に頼む場合の境目

八つの手順のうち、一の決定、五の場、六の決定は会社が持ちます。二の表の設計と更新、三の分類と聞き取り、四の一枚、六の記録、七の傾向、八の分析は、外の人に出せます。切り分けの詳しい話は採用データの分析は代行に出せるかに書いています。

外に出す判断の目安は、「見る場は持つが、記録と集計と一枚に人事の時間が取れない」ときです。見る場を持たないまま外に出しても、一枚は読まれません。

エラベルの見解

担当する側から見ると、採用データで会社ごとに差がつくのは、手順六の「月に一つ変えて記録しているか」です。記録と一枚は、担当者が作って回せます。しかし、一枚を見て何も変えない会社では、数字は数字のままで、半年たっても何も分かりません。月に一つ変えて記録している会社では、三か月で「効いたこと」と「効かなかったこと」が分かれ、半年で経路と選考の形が変わっています。エラベルでは、採用データを担当する人に、最初の一週間で見る場を経営者と決め、項目を四つに絞った表を作り、辞退理由の分類を決め、最初の一枚を作るところまでをお願いしています。ここまでできると、担当者は毎朝の更新と月に一度の一枚と傾向を回し、会社は月に一度、三十分で一つ決めるだけになります。分析は半年後、会社の判断に使える形で足します。

まとめ

よくある質問

応募が月に数件しかありません。数字で見る意味はありますか

数が少ないうちは、割合ではなく一件ごとに見ます。「この応募はどの経路で、何日で一次に進み、どこで止まったか」を一行ずつ残すだけで、数か月たてば傾向が見えます。割合や分析は、数が溜まってからです。数が少ないこと自体が「止まっている段階は応募」という結論なので、経路と文面を先に見ます。

面接官ごとの通過率を出すと、面接官が嫌がりませんか

面接官ごとの数字は、面接官を評価するためではなく、「観点と基準がずれていないか」を見るためのものです。出すときは、面接官本人と一緒に「なぜ違うのか」を見る形にし、一枚に面接官名を載せて経営者に出す形は避けます。通過率の違いは、面接官の良し悪しではなく、観点の違いであることがほとんどです。ばらつきの直し方は面接官によって評価がばらつくときに書いています。

どのくらい続ければ、分析ができるようになりますか

経路ごとの傾向が見えるのは三か月、経路ごとの決定率や辞退の傾向が読めるのは半年、入社後の定着との関係が見えるのは一年程度が目安です。応募の数が多ければ短くなります。分析を急がず、月に一つ変えて記録することを続ければ、分析の前に多くのことが分かります。