採用代行 / 比較・選び方
得意領域が自社と合うかの確かめ方
採用代行はどこも同じ業務を提供しているように見えますが、実際には得意な領域が分かれています。職種、企業の規模、担う工程、進め方。この違いは提案資料には書かれないことが多く、聞かないと分かりません。この記事では、得意領域を四つの軸で見分ける方法と、自社との照合の仕方を整理します。
四つの軸
一.職種。技術職に強い、営業職に強い、管理部門に強い。候補者の見方も文面の書き方も職種で変わるため、ここは明確に分かれます。
二.企業の規模と体制。応募が大量に来る会社の処理に強いか、母集団を作るところから始める会社に強いか。専任がいる会社を支えてきたか、兼務の会社を支えてきたかでも進め方が違います。
三.担う工程。母集団形成が中心か、応募者対応の処理量が中心か、設計から入るのが中心か。
四.進め方。手順を標準化して回すのが得意か、案件ごとに設計するのが得意か。
この四つのうち、一番目と二番目が自社との相性を大きく決めます。職種が合わないと候補者の見方がずれ、体制が合わないと期待する役割がずれます。
得意領域を読み取る方法
提案資料の構成を見る。何に紙幅を割いているか。設計の話が多いか、処理量の話が多いか、事例が多いか。ここに、その会社が売りにしているものが出ます。
事例の偏りを見る。掲載されている事例の職種、規模、業種。偏りがあれば、そこが実績のある領域です。読み方は支援事例のどこを見るべきかにまとめています。
担当者の経歴を見る。会社の得意領域と、自社に入る担当者の経験は別です。担当者の経歴に自社の職種があるかを確認します。
質問への答えの具体性を見る。自社の職種について聞いたときに、具体的な話が出るか。一般論しか返らないなら、その領域の経験は薄いかもしれません。
サービスの名前や説明を見る。特定の職種や媒体に特化した名称を使っている会社は、そこが得意領域です。
エラベルの見解
得意領域を確かめる質問として、「自社のような依頼で、いちばん多いご相談は何ですか」が使えます。
この質問への答えには、その会社が日頃どういう案件を扱っているかが出ます。「母集団が集まらないというご相談が多いです」「応募は来るが処理が追いつかないというご相談が多いです」。答えの内容が、扱っている案件の傾向を表します。
そして、自社の状況と重なるかを見ます。重なるなら、似た案件の経験があるということです。重ならないなら、自社は普段と違う型の依頼になります。
もう一つ、「自社の依頼で、難しそうなところはどこですか」も効きます。難しさを具体的に挙げられるなら、その領域を理解しています。「特に問題ありません」と返るなら、経験が浅いか、まだ検討していないかのどちらかです。
得意領域は、できることを聞いても分かりません。多くの会社は「対応できます」と答えます。日頃扱っている案件と、難しいと感じる部分を聞くほうが、実態が見えます。
自社の必要と照合する
得意領域が分かったら、自社が必要としているものと照合します。
| 自社の状況 | 必要な得意領域 |
|---|---|
| 母集団が薄い職種を採る | その職種の候補者を探した経験 |
| 応募は来るが処理が追いつかない | 処理量を出せる体制 |
| 要件が固まっていない | 設計から入れる進め方 |
| 複数職種を同時に採る | 案件を並行して回す体制 |
| 特定の媒体を使う | その媒体の運用経験 |
| 短期で立ち上げたい | 立ち上げを多く経験している |
自社の状況が複数に当てはまることもあります。その場合、優先順位をつけてください。すべてに強い会社を探すより、最も重要な一つに合う会社を選ぶほうが現実的です。
そして、合わない部分をどう補うかを決めます。社内で持つのか、別の相手に頼むのか、範囲から外すのか。
得意でない領域を頼む場合
得意領域と外れた依頼をすること自体は、あり得る選択です。その場合に確認することがあります。
経験がないことを認識しているか。「経験はありませんが、こう進めます」と言える会社は誠実です。何を聞いても「できます」と返る会社より、判断材料になります。
どう補うかの計画があるか。社内の別のメンバーに聞く、情報を集める、期間を長めに見る。補い方が具体的なら、進められます。
立ち上げに時間がかかることを織り込んでいるか。経験のない領域では、要件の理解に時間がかかります。
費用の設定が現実的か。工数を読み違えていると、契約後に範囲の相談が発生します。
この四つが確認できるなら、得意でない領域でも依頼は成立します。逆に、経験のなさを認識していない相手は、契約後に想定外が続きます。
会社の得意と担当者の得意は別
会社の得意領域と、自社に入る担当者の経験は別です。ここを混同すると、判断がずれます。
会社に技術職の実績が豊富でも、自社に入る担当者がその経験を持つとは限りません。逆に、会社としては実績の少ない領域でも、その経験を持つ担当者が入るなら成立します。
確認の順番は、会社の得意領域を見てから、担当者の経歴を聞くという流れです。会社の実績は入口の情報で、判断の材料は担当者にあります。実績の見方は採用代行の「実績」の見方にまとめています。
そして、会社の知見が担当者に共有される仕組みがあるかも聞いてください。手順書がある、社内で事例を共有している。仕組みがあれば、会社の実績と担当者の経験がつながります。
エラベルの見解
得意領域を確かめる作業をしていると、自社の依頼の性質が見えてくることがあります。
各社に同じ説明をして、返ってくる反応が違う。ある会社は母集団の話をし、別の会社は処理の体制の話をし、また別の会社は要件の整理を提案してくる。これは、自社の依頼が複数の読み方をされているということです。
そのとき、自社が本当に困っているのはどれかを考えてみてください。各社の反応は、自社の状況の診断でもあります。
そして、複数の会社が同じ点を指摘してきたなら、そこが実際の課題である可能性が高い。要件が固まっていない、判断が遅い、条件が市場と合っていない。外から見て共通に見える部分は、社内では気づきにくいところです。
だから、得意領域の確認は相手を測るだけの作業ではありません。自社の状況を複数の視点から見る機会として使えます。
結果として依頼しない会社の指摘も、記録に残しておく価値があります。
まとめ
- 得意領域は職種・企業の規模と体制・担う工程・進め方の四つで分かれる
- 相性を決めるのは、職種と発注側の体制
- 読み取るのは、提案資料の構成・事例の偏り・担当者の経歴・答えの具体性
- 「いちばん多いご相談は何ですか」「難しそうなところはどこですか」が効く
- できることを聞いても分からない。日頃扱っている案件を聞く
- 複数に当てはまるなら、最も重要な一つに合う会社を選ぶ
- 得意でない領域を頼むなら、経験のなさを認識しているかと補い方を確認する
- 会社の得意と担当者の経験は別。確認の順番を守る
よくある質問
特化型と総合型のどちらがよいですか
自社の依頼が特定の職種や媒体に集中しているなら特化型が噛み合います。複数職種を同時に採る、範囲が広いといった場合は、総合的に対応できる体制のほうが管理が単純です。判断は、依頼の幅と、社内で管理できる社数で決まります。
得意領域が資料に書かれていません
提案の構成と事例の偏りから推測し、そのうえで質問で確かめてください。「自社のような依頼で、いちばん多いご相談は何ですか」と聞くと、扱っている案件の傾向が出ます。書かれていないこと自体は、判断の材料になりません。
複数の職種を採るのに、得意な職種が違う会社しかありません
職種ごとに分けて依頼する選択もあります。ただし、社数が増えると管理の手間も増えるので、社内に司令塔がいるかを確認してください。あるいは、最も難易度の高い職種に合う会社を選び、他の職種は同じ会社の別の担当者に任せる形も検討できます。分け方は複数社に同時発注してよいかにまとめています。