媒体の組み合わせ方|主と従を決め、候補者層で分け、重複を一本の記録で防ぐ

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

一つの媒体で母数が足りない。別の媒体も使いたい。ただ、二つ、三つと増やすと、担当者の稼働は分かれ、同じ候補者に二つの媒体から届き、どの媒体が効いているか分からなくなります。結論を先に書くと、媒体は「並べる」のではなく「組み合わせる」ものです。主と従を決め、候補者層か職種で役割を分け、記録を一本にして重複を防ぎ、稼働は主に寄せてください。媒体の一般的な使い分けは複数媒体の使い分けに、媒体を変える判断は媒体を変えるべきか迷うにまとめています。なお、この記事は媒体の名前や料金には触れません。仕様は変わるので、契約する媒体の公式の案内で確認してください。

「並べる」と「組み合わせる」の違い

媒体を並べるとは、同じ対象、同じ文面、同じ稼働配分で、複数の媒体に送ることです。母数は増えますが、次のことが起きます。

同じ候補者が複数の媒体に登録していれば、同じ会社から二通届きます。担当者の稼働は媒体の数で割られ、どの媒体でも個別化が薄くなります。数字は媒体ごとに出ますが、対象も文面も同じなので、媒体の違いなのか偶然なのかが分かりません。

組み合わせるとは、媒体ごとに役割を決めることです。主媒体には稼働の大半を使い、対象と文面を深く整える。従媒体は、主媒体で届かない層に絞って、少量を送る。記録は一本にして、重複を防ぐ。数字は役割ごとに見る。

組み合わせれば、母数は増やしつつ、稼働の分散と重複と判断の曖昧さを抑えられます。

主と従を決める

複数の媒体を使うなら、最初に主媒体を一つ決めます。

主媒体は、この職種の母数が最も多く、担当者が扱い慣れていて、送信の仕様が個別化に向いている媒体です。稼働の大半(目安として七割以上)をここに使い、対象と文面をここで整えます。

従媒体は、主媒体で届かない層を補う媒体です。主媒体に登録していない層、主媒体とは志向が違う層。稼働は残りの三割以下で、送る数も絞ります。

主と従を決めずに始めると、担当者は稼働を均等に割り、どの媒体も中途半端になります。「まず主媒体で整え、整ってから従媒体を足す」の順が、最も安定します。

主媒体の選び方は、担当者に相談してください。この職種で扱った経験のある媒体、母数の見立て、仕様の慣れ。担当者が扱い慣れた媒体を主にするほうが、立ち上げは速くなります。

候補者層で分ける

従媒体の役割は、主媒体で届かない層を補うことです。層の分け方は、次のような軸があります。

転職への積極度。 積極的に活動している人が多い媒体と、登録はしているが動いていない人が多い媒体。前者は返信率が高いが取り合いになり、後者は返信率が低いが取り合いが少ない。主で前者、従で後者、あるいはその逆。

職位・年収の層。 経営層や管理職が多い媒体と、若手から中堅が多い媒体。求人の職位に合わせて、主を決め、隣の層を従で補う。

職種の専門性。 特定の職種に特化した媒体と、幅広い職種を扱う媒体。専門職の募集なら、特化媒体を主に、幅広い媒体を従に。

企業規模の志向。 大企業志向の人が多い媒体と、スタートアップ志向の人が多い媒体。自社の規模に合う層を主に。

層で分ければ、従媒体で送る相手は「主媒体にいない人」になり、重複は自然に減ります。文面も、層に合わせて一段落目を変えられます。

職種で分ける

複数の職種を運用しているなら、職種ごとに主媒体を変える形もあります。

エンジニアはこの媒体、営業はあの媒体、管理部門は別の媒体。職種ごとに母数の多い媒体が違うなら、職種ごとに主を決めます。この場合、一つの媒体が、ある職種では主、別の職種では従、ということが起きます。

職種で分けるときの注意は、担当者の稼働と、媒体の契約の重複です。三職種で三つの主媒体を持てば、担当者は三つの媒体の仕様を扱い、三つの契約が走ります。稼働と費用が見合うかを確認します。複数職種があるときの優先順位で書いたとおり、同時に動かす職種を絞れば、媒体の数も絞れます。

記録を一本にして重複を防ぐ

複数の媒体を使うときに最も気をつけるのは、同じ候補者に複数の媒体から送ることです。

候補者は、複数の媒体に登録していることが多くあります。媒体Aで送った人に、媒体Bでも送れば、同じ会社から二通届きます。候補者から見れば「連携が取れていない会社」で、印象は下がります。

防ぐには、送信の記録を媒体をまたいで一本にします。誰に、いつ、どの媒体で、どの文面を送ったか。媒体ごとの記録では、重複は見つけられません。共有のスプレッドシートでも構わないので、一つの台帳にします。

送る前に、台帳を照合します。氏名や経歴の特徴で、別の媒体ですでに送っていないかを確認します。媒体上のIDは媒体ごとに違うので、氏名や経歴で照らすしかありません。担当者に、照合を送信前の手順に組み込んでもらいます。

すでに別の媒体で送っていて、返信が無かった人に、別の媒体から送るかどうかは、事前に決めます。送るなら期間を空け、一段落目を変えます。前回と同じ文面が別の媒体から届くのは、最も避けたい形です。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「媒体を増やせば母数が増えて、面談も増える」というものです。母数は増えますが、担当者の稼働は増えません。稼働が同じで媒体が二倍になれば、一媒体あたりの個別化は半分になり、返信率は落ちます。母数が二倍、返信率が半分なら、返信数は変わらず、重複と管理の手間だけが増えます。

見ていて差がつくのは、担当者が「まず一つで整えましょう」と言えるかどうかです。複数媒体を最初から並べる担当者と、「主媒体で対象と文面を固めてから、従を足します」と言う担当者がいます。後者のほうが、三か月後の面談数は多くなります。

発注側にできるのは、媒体を増やしたいときに「稼働をどう配分するか」を担当者に聞くことです。「均等に」と返ってくるなら、並べているだけです。「主に七割、従に三割」と返ってくるなら、組み合わせています。

稼働の配分

組み合わせの稼働配分は、主に七割以上、従に三割以下が目安です。

主媒体では、対象の抽出、一通ごとの個別化、返信対応、結果の確認と調整を、全部行います。従媒体では、対象を主媒体より狭く絞り、少量を送り、返信対応は主と同じ速さで行います。従媒体の調整は、主媒体が安定してから行います。

返信対応だけは、主従に関係なく当日中です。従媒体からの返信を後回しにすると、従媒体で送る意味が無くなります。

担当者が複数いるなら、媒体ごとに担当者を分ける形もあります。ただし、記録と文面のルールは一本にします。担当者が違っても、同じ会社から届く文面のトーンは揃える必要があります。

組み合わせを見直す周期

組み合わせは、四半期に一度、見直します。

見る数字は、媒体ごとの段階別の数字(抽出・送信・返信・面談設定・面談実施)です。主媒体で面談が組めているか。従媒体は、主で届かない層に届いているか。従媒体から面談が組めているか。

従媒体で三か月以上、面談がゼロなら、その従媒体の役割を見直します。層の分け方が合っていないか、稼働が薄すぎるか、その層に自社の条件が合わないか。直せなければ、従媒体を止めて主媒体に稼働を戻します。使わない媒体を解約する基準で書いた判断です。

逆に、従媒体のほうが面談に至る割合が高いなら、主従を入れ替えることも検討します。最初に決めた主従が、運用してみると逆だった、ということはあります。

組み合わせは固定ではなく、数字を見て動かすものです。ただし、動かすのは四半期に一度。毎月動かすと、比較ができなくなります。

エラベルの見解

担当する側から見ると、複数媒体で最も困るのは「重複送信が起きたときに、担当者の不注意とされる」ことです。媒体ごとに記録が分かれていれば、照合は担当者の記憶に頼ることになり、送信数が増えれば漏れます。漏れて二通届き、候補者から指摘され、担当者が責められる。

重複を防ぐのは、担当者の注意力ではなく、記録の一本化です。台帳が一つあり、送信前の照合が手順になっていれば、担当者は照合するだけで済みます。台帳が無ければ、どれだけ注意しても漏れます。

発注側にできるのは、複数媒体を使うと決めた時点で、台帳を一本にすることを担当者と決めることです。台帳の形は、担当者に作ってもらって構いません。「一本にする」と決めることが、発注側の仕事です。

まとめ

よくある質問

最初から二つの媒体を同時に始めてはいけませんか

始められますが、担当者の稼働が分かれ、どちらの対象と文面も整うのが遅くなります。主媒体を一つ決めて整え、返信率が安定してから従媒体を足すほうが、三か月後の面談数は多くなることが多いです。急ぐ場合でも、稼働を主に寄せる形にしてください。

同じ候補者に二つの媒体から送ってしまいました

すぐに、送信の記録を媒体をまたいで一本にしてください。届いてしまった候補者には、訂正の連絡はかえって目立つので、次の連絡で「重ねてのご連絡になり失礼しました」と一言添える程度にします。担当者を責めるより、照合の手順を送信前に組み込むことを優先してください。

従媒体から面談が組めません。止めるべきですか

三か月以上ゼロなら、層の分け方・稼働・条件のどれが原因かを担当者と確認し、直せなければ止めて主媒体に稼働を戻します。従媒体は「主で届かない層に届くか」が役割なので、届いていないなら役割を果たしていません。止めることは失敗ではなく、組み合わせの調整です。

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