スカウト代行 / スカウト代行
媒体アカウントの権限設定
スカウトの運用を任せるには、媒体の管理画面にアクセスしてもらう必要があります。ここで、自社担当者のIDをそのまま共有する形が選ばれがちです。速いのですが、誰が何をしたかが追えず、退任時の処理も曖昧になります。この記事では、権限の設計と、渡した後の管理を整理します。なお、媒体ごとの機能や権限の仕組みは異なるため、具体的な設定は各媒体の情報をご確認ください。
渡す前に確認する
一.媒体の規約でアカウントの取り扱いがどうなっているか。IDの共有や第三者への貸与について、定めがあります。運用代行のためのアカウント発行に対応している媒体もあります。
二.個別のアカウントを発行できるか。発行できるなら、代行の担当者ごとに作ります。
三.権限のレベルを選べるか。閲覧のみ、送信まで、設定変更まで。段階が選べるか。
四.契約の名義。自社か、代行会社か。名義が代行側だと、契約終了時にアカウントごと失われることがあります。
この四つのうち、二番目が最も影響します。個別アカウントが発行できるかどうかで、その後の管理のしやすさが決まります。
スカウト特有の権限
送信の権限。実際にスカウトを送れるか。この権限を渡すかどうかが最大の判断です。
検索と閲覧の権限。候補者を探し、経歴を見る。
送信履歴の閲覧。過去に誰に送ったか。重複の判定に使います。
返信の閲覧と対応。候補者からの返信を見て、返せるか。
枠や購入の権限。送信の枠を追加したり、プランを変更したりできるか。これは自社が持つのが原則です。
設定の変更。求人の内容、テンプレート、通知の設定。
この六つのうち、五番目は渡さないでください。費用が発生する操作は、自社の管理下に置きます。
送信権限をどう扱うか
渡す場合
- 送信までを任せられ、運用が速い
- 枠の消費が代行側の判断になる
- 承認のフローを別に設計する必要がある
渡さない場合
- 文面を作ってもらい、自社が送る
- 送信の判断を自社が持てる
- 自社の作業が残る
多くの場合は渡す形になります。渡さないと、代行に任せる意味が薄くなるためです。
渡す場合は、送信の枠に上限を設けてください。月あたりの送信数、職種ごとの配分。枠が費用に直結する媒体では、これが予算の管理になります。
そして、消費の状況を報告してもらってください。今月の送信件数と、枠の残り。途中で配分を変える判断もできます。
エラベルの見解
権限で見落とされやすいのが、送信履歴の扱いです。ここは重複の判定に関わります。
同じ候補者に、過去に送ったことがあるか。この確認ができないと、同じ人に何度も送ることになります。
そして、候補者から見ると、同じ会社から繰り返しスカウトが届く。しかも、前と同じ求人だと、印象ははっきり下がります。
だから、送信履歴を確認できる状態にしておいてください。
多くの媒体には履歴の機能がありますが、アカウントが変わると見えなくなることがあります。担当者が交代したとき、代行会社を替えたとき。
そして、媒体をまたぐ重複は、媒体の機能では判定できません。同じ候補者が複数の媒体に登録していることがあります。
だから、自社の採用管理システムに接触の記録を残す運用にしてください。誰に、いつ、どの媒体で送ったか。ここに集約しておけば、媒体や担当者が変わっても残ります。
重複の防止は、権限の設計と記録の設計の両方で成り立ちます。
複数の担当者がいる場合
代行側が複数人で担当する場合の設計です。
個別のアカウントを発行する。誰が操作したかが履歴に残ります。
役割ごとに権限を分ける。検索と選定をする人、送信する人、返信に対応する人。必要な権限だけを渡します。
一覧を作る。誰に、どの権限を、いつ発行したか。
追加の手順を決める。代行側でメンバーが増えるとき、自社に依頼して追加する形にします。
四番目が重要です。代行側が自由にアカウントを追加できる形だと、誰がアクセスできる状態にあるかを把握できなくなります。
職種や媒体が複数ある場合
職種ごとに担当が違う場合、それぞれに必要な権限を渡します。全職種の情報が見える必要はないこともあります。
媒体が複数ある場合、媒体ごとにアカウントと権限が要ります。そして、送信の枠も媒体ごとに管理します。
複数の代行会社を使っている場合、同じ媒体に複数社が入ることがあります。求人ごとの担当を明確にし、送信枠も分けてください。
そして、候補者の重複判定のルールを決めてください。同じ媒体内で、複数社が同じ候補者に送る可能性があります。
渡した後の管理
一覧を作る。誰に、どのアカウントを、いつ発行したか。
四半期に一度、棚卸しする。一覧と実際のアカウントを突き合わせます。知らない名前があれば、その時点で確認できます。
交代時に付け替える。前の担当者のアカウントを削除し、新しい担当者を追加する。順番を決めておきます。
契約終了時は、書き出し → 確認 → 削除の順。先に権限を切ると、データが取り出せなくなります。
この四つは、採用管理システムの権限管理と同じ設計で回せます。まとめて一つの一覧にしておくと、棚卸しが一度で済みます。設計は情報漏えいを防ぐ設計にまとめています。
契約終了時に確認すること
送信履歴が残るか。アカウントを削除すると、履歴も見えなくなることがあります。
候補者データを書き出せるか。接触した候補者の一覧、やりとりの記録。
媒体の名義。代行会社の名義だと、契約終了とともにアクセスできなくなることがあります。
返信のやりとりが残るか。候補者との会話の記録。
この四つは、契約が終わる前に確認してください。終わってからでは取り出せません。
そして、日頃から自社の環境に記録を残す運用にしておくと、この確認の負担が下がります。
エラベルの見解
権限を渡すことを、リスクとしてだけ捉えないでください。渡し方を整えると、運用が速くなります。
必要な権限が最初から渡されている案件は、動き出しが速い。過去の送信履歴が見られれば、どういう層に送ってきたかが分かります。返信の記録が見られれば、何が響いたかが分かる。
逆に、必要なたびに依頼して情報をもらう運用だと、全体像を持つまでに時間がかかります。
そして、その時間は稼働の消費です。権限の設計を後回しにすると、立ち上げの費用として跳ね返ります。
だから、契約が決まった段階で権限の設計を済ませてください。任せる業務を工程で書き、それぞれに必要な権限を割り当て、一覧を作る。半日もかかりません。
そして、この一覧は担当者が替わるたびに使えます。一度作れば、以後の運用が軽くなります。
権限は、絞ることが目的ではありません。必要な人に必要な範囲を渡し、把握できる状態を保つこと。この二つを両立させる設計です。
まとめ
- 渡す前に、規約・個別アカウントの発行・権限のレベル・契約の名義を確認する
- スカウト特有の権限は、送信・検索と閲覧・送信履歴・返信・枠の購入・設定変更
- 枠の購入と設定変更は自社が持つ。費用が発生する操作のため
- 送信権限を渡すなら、上限を設け、消費の状況を報告してもらう
- 送信履歴の扱いを確認する。重複の判定に関わる
- 媒体をまたぐ重複は、自社の環境に接触の記録を残すことで判定できる
- 複数担当なら、個別発行・役割ごとの権限・一覧・追加の手順を決める
- 権限の設計を後回しにすると、立ち上げの費用として跳ね返る
よくある質問
自社のIDを共有してもよいですか
媒体ごとの規約によります。まず媒体側に確認してください。共有以外の方法があるなら、そちらのほうが操作の追跡も退任時の処理も容易になります。個別アカウントが発行できない場合は、操作の記録を別に残す運用を検討します。
送信権限を渡すのが不安です
上限を設け、消費の状況を報告してもらう形にすると、管理できます。あわせて、文面の確認フローを設計してください。全件承認から始めて、質が安定したら抽出に移す形が現実的です。設計は1通ずつ承認すべきかにまとめています。
契約が終わった後、送信履歴はどうなりますか
媒体の仕様と契約の名義によります。自社名義で、アカウントを維持するなら残ります。代行会社の名義だと、契約終了とともにアクセスできなくなることがあります。終了の前に書き出し、自社の環境に記録を移しておいてください。