1か月に何名にアプローチできるか|数を決める五つの要素と、聞き方

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

スカウト代行を検討するとき、「月に何名にアプローチできますか」は最初に出る質問です。ところが、返ってくる数字は会社によって大きく違い、同じ会社でも前提を変えると変わります。結論を先に書くと、数は「送れる上限」ではなく「面談に進む数から逆算した必要数」で決め、代行には数そのものではなく数の根拠を聞いてください。数だけを比べると、多く送る提案が良く見えますが、多く送る運用は返信率と面談への進み方を落とすことがあります。数字の読み方はスカウト代行の数字の見方に、担当の人数の考え方は担当者の人数と体制にまとめています。

「何名送れるか」に一つの答えが無い理由

アプローチできる数は、五つの要素の掛け算で決まります。どれか一つが小さいと、他がいくら大きくても数は伸びません。

一.媒体の送信上限。 多くのスカウト媒体には、プランごとに送信できる通数の上限があります。上限は媒体とプランで異なり、改定もされるので、この記事では数値を書きません。契約している媒体の管理画面か公式の料金ページで確認してください。上限が小さいプランでは、代行の稼働がいくらあっても、そこで頭打ちになります。

二.対象の母数。 求人票の条件に合う候補者が、媒体の中に何名いるかです。条件を絞るほど母数は減ります。母数が少ない職種では、上限まで送ろうとすると条件を緩めることになり、合わない人に届く割合が上がります。

三.文面の個別化の度合い。 一通ごとに経歴を読んで書き分けるか、型に当てはめて送るかで、一通あたりの時間が大きく変わります。個別化するほど数は減り、返信率は上がる傾向があります。逆に型で送ると数は伸びますが、返信率は下がりやすくなります。

四.担当者の稼働時間。 週に何時間、この案件に使えるか。専任か、複数社を掛け持ちしているかで変わります。月額が同じでも、稼働時間が違えば送れる数は違います。

五.返信対応の余力。 送った後の返信に、当日中に対応できる体制があるか。送る数を増やすと返信も増えます。返信への対応が遅れると、面談に進む前に離れます。送信に稼働を全部使うと、ここが薄くなります。

代行に「何名送れますか」と聞いたときの答えは、この五つのどこかを前提にしています。前提を聞かずに数だけを受け取ると、比較になりません。

数は「必要数」から逆算する

送れる上限から考えるのではなく、必要な面談数から逆算します。

順番はこうです。まず、採用したい人数と時期を置きます。次に、内定に至るまでに何回の面談が要るか、面談に進む前にどれくらいが辞退するかを、過去の実績から置きます。過去の実績が無ければ、担当者に「同じ職種の他社では、面談設定から内定までの落ち方はどのくらいか」を幅で聞きます。そこから、必要な面談設定数が出ます。最後に、返信率と面談設定率を仮置きして、必要な送信数を出します。

この逆算をすると、「月に上限まで送る必要は無い」と分かることが多くあります。必要数が小さければ、その分を一通ごとの個別化に回せます。必要数が上限を超えるなら、媒体のプランを上げるか、媒体を足すか、対象の条件を見直すかの判断になります。

逆算の数字は仮置きで構いません。運用が始まって数字が出たら、置き換えていきます。大事なのは、「上限まで送る」を目標にしないことです。

見積もりで聞くこと:数ではなく根拠

代行の提案書には「月〇通」のような数字が書かれています。この数字をそのまま比べず、次の質問で根拠を確認します。

五つに具体的に答えられる提案は、数の根拠を持っています。答えが曖昧な提案は、数が営業上の数字である可能性があります。

数を増やすと落ちるもの

数を増やす提案は魅力的に見えますが、増やしたときに落ちるものを先に知っておきます。

返信率が落ちます。 数を増やすには、対象を広げるか、個別化を減らすかのどちらかが要ります。対象を広げれば合わない人が増え、個別化を減らせば読まれにくくなります。どちらも返信率を下げます。

返信対応が遅れます。 送信が増えれば返信も増えます。返信対応の体制が同じままなら、一件あたりの対応が遅くなります。この職種の候補者は複数の会社と並行しているので、遅れた分だけ他社に先を越されます。

候補者の母数を使い切ります。 母数が少ない職種では、上限まで送ると数か月で条件に合う人に送り尽くします。その後は、同じ人に再送するか、条件を緩めるかしかなくなります。長く運用するなら、月あたりの数を抑えて母数を残すほうが持ちます。

会社の印象が薄まります。 型の文面を大量に送ると、候補者の間で「あの会社は誰にでも送っている」という受け取られ方をすることがあります。同じ職種の人は横でつながっていることが多く、比べられます。

数を増やして面談数が増えるなら問題ありません。数を増やして面談数が変わらないなら、増やした分は無駄になっています。数と面談数の両方を見て判断してください。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「たくさん送ってくれる代行が良い代行」というものです。実際には、送る数は稼働時間と媒体の上限で決まる作業量で、担当者の質とはあまり関係がありません。質が出るのは、同じ数を送ったときの返信率と面談設定率です。

見ていて差がつくのは、担当者が「数を減らす提案」をできるかどうかです。「この職種は母数が少ないので、月の送信数を抑えて個別化に回したほうが面談は増えます」「上限まで送ると三か月で母数を使い切るので、長く運用するなら月の数を絞りましょう」。こう言える担当者は、数ではなく面談数を見ています。

逆に、「月〇通は保証します」と数を前面に出す担当者は、作業量を売っています。作業量は契約書に書けるので分かりやすいですが、面談数は約束できないので書かれません。商談の場で「数を減らしたほうがよい場合はありますか」と聞いてみてください。「あります」と言って具体例を出せるかどうかで、担当者が何を見ているかが分かります。

運用が始まってからの調整

数は、運用を始めてから調整します。最初の月は仮置きの数で送り、段階ごとの数字を見て、次の月の数を決めます。

返信率が想定より高ければ、数を減らして個別化を上げても面談数は保てます。返信率が想定より低ければ、数を増やす前に、対象と文面を見直します。返信は来るのに面談が決まらないなら、数の問題ではなく返信対応の速さの問題です。

調整は定例会で決めます。一度に数と文面と対象を全部変えると、どれが効いたか分からなくなるので、一つずつ変えます。数の調整は、対象と文面を整えた後に回すのが順番です。

契約に書いておくこと

数に関して契約で確認しておくのは、次の点です。

最後の点は見落とされがちです。送信の記録が代行側にしか無いと、契約が終わったときに「誰に送ったか」が手元に残りません。次の代行や自社運用で同じ人に重複して送ることになります。記録は発注側が見られる状態にしておいてください。

エラベルの見解

担当する側から見ると、数の問題で最も難しいのは「発注側が数を評価の基準にしている」ときです。月の送信数が目標に届いたかどうかで良し悪しを判断されると、担当者は数を守るために個別化を減らし、対象を広げます。返信率は落ちますが、数は守られるので、評価は保たれます。結果として、面談数は増えません。

評価の基準を、送信数ではなく面談設定数に置いてください。そのうえで、送信数は担当者に任せます。「面談設定を月に〇件」を目標にすれば、担当者は数を増やすべきか減らすべきかを自分で判断します。数を守ることに稼働を使わず、面談を増やすことに使うようになります。

発注側が数を見たくなるのは、面談数は月ごとにぶれるので、安定した指標が欲しいからです。その気持ちは分かりますが、安定した指標を追うと、安定した作業量が返ってくるだけです。面談数のぶれを受け入れて、そこを見てください。

まとめ

よくある質問

月の送信数の相場はどのくらいですか

媒体の上限・プラン・職種の母数・個別化の度合いで大きく変わるため、一つの数字では答えられません。契約している媒体の上限を公式ページで確認したうえで、採用人数から必要な面談数を逆算し、そこから送信数を決めてください。代行の提案書に書かれた数は、前提を聞いてから比べます。

数が多い提案と少ない提案、どちらを選ぶべきですか

数ではなく、前提と根拠で比べてください。数が多い提案は、対象が広いか個別化が低い可能性があります。数が少ない提案は、個別化が高いか稼働が少ないかのどちらかです。「同じ稼働時間で、どちらが面談数を増やせるか」で考えると、比べやすくなります。

母数が少ない職種で、送る相手がいなくなりました

条件を緩める前に、月の送信数を絞って母数を残す運用に切り替えてください。同じ人への再送は、一段落目を変えたうえで、期間を空けて行います。それでも足りないなら、隣の職種を対象に含めるか、媒体を足すかの判断です。条件を緩めて数を保つのは、合わない応募を増やすだけになりやすいです。

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