半期での見直し|続けるか・変えるか・やめるかを決める手順
スカウト代行の運用は、月ごとの定例会で細かく調整していても、半年経つと「そもそもこの形でよいのか」が問われないまま続いていることがあります。対象と文面は整えたが、採用は決まっていない。数字は横ばいで、やめる理由も続ける理由も無い。結論を先に書くと、半期に一度は月次の調整から離れて、目的に戻って「続ける・変える・やめる」を決めてください。月次は運用の調整、半期は方向の判断です。月次の評価は月次の評価のしかたに、担当者の見極めは担当者を替える判断にまとめています。
月次の調整と半期の見直しは別のもの
月次の定例会で見るのは、段階ごとの数字と、次の月に何を変えるかです。対象を絞る、一段落目を直す、返信対応を速くする。運用の中の調整で、前提は変えません。
半期の見直しで見るのは、その前提です。この職種をスカウトで採ること自体が合っているか。この媒体で続けるか。この代行会社と担当者で続けるか。委託の範囲はこのままでよいか。月次で調整を重ねても数字が動かないなら、前提のどこかがずれています。
月次の場に前提の話を持ち込むと、毎回の議論が発散します。半期の見直しを月次から切り離しておくと、月次は運用に集中でき、半期には腰を据えて方向を判断できます。頻度は半期が目安ですが、立ち上げの最初だけは三か月で一度置くと、早い段階で方向の誤りに気づけます。
見直しの前に、目的に戻る
見直しの最初に、始めたときの目的を確認します。「この職種を、この時期までに、何名採る」「自社で回していたスカウトを外に出して、担当者の時間を空ける」「新しい媒体を試す」。目的によって、見る数字が変わります。
目的が採用人数なら、見るのは内定と入社の数です。返信率が上がっていても、採用が決まっていなければ達成していません。目的が担当者の時間を空けることなら、見るのは社内の担当者の稼働がどれだけ減ったかです。返信率が変わらなくても、時間が空いていれば達成しています。
目的が曖昧なまま始めていた場合は、ここで決めます。目的が決まらないと、続けるか変えるかの判断ができません。「何となく続いている」状態は、目的が無いか、目的が忘れられているかのどちらかです。
見る数字と、見ない数字
半期で見るのは、目的に直結する数字と、その手前の段階の数字です。
目的に直結する数字。 内定数、入社数、採用単価(かかった費用を入社数で割ったもの)、採用までの期間。半期の数字は、月次のぶれをならして見られます。
段階ごとの数字の半期の推移。 抽出・送信・返信・面談設定・面談実施の各段階が、半年でどう動いたか。月次では見えにくい、ゆるやかな下降や上昇が見えます。
変えたことと、その結果。 半年の間に、対象・文面・媒体・担当者のどれを変え、数字がどう動いたか。月次の記録を並べれば分かります。記録が無ければ、ここで振り返れません。
半期では見ない、あるいは重みを下げる数字もあります。送信数そのものは、作業量であって成果ではありません。開封率や返信率は、月次では調整の指標として有効ですが、半期の判断では「それが採用につながったか」のほうを見ます。返信率が高くて採用が無い運用は、方向がずれています。
続ける・変える・やめるの切り分け
数字を見たうえで、三つのどれかを決めます。
続ける。 目的に向かって数字が動いていて、変える理由が無い場合です。ただし「続ける」を選んでも、半期の間に見つかった小さな改善は月次に持ち帰ります。
変える。 目的に向かって動いていないが、原因が特定できていて、変えれば動く見込みがある場合です。変えるものは、原因に応じて次のどれかです。
| 症状 | 疑う原因 | 変えるもの |
|---|---|---|
| 返信は来るが面談が決まらない | 返信対応の速さ、求人票のずれ | 委託の範囲(返信対応まで出す)、求人票 |
| 返信が来ない | 対象、文面、媒体の候補者層 | 対象の条件、文面の型、媒体 |
| 面談はするが内定に至らない | 見極めの基準、選考の速さ | 社内の選考体制(代行の問題ではない) |
| 数字は動くが担当者との往復が重い | 担当者の相性、社内の決める人 | 担当者、社内の体制 |
| 何を変えても動かない | この職種にスカウトが合っていない | 手法(紹介会社、求人媒体、リファラル) |
やめる。 目的に向かっていない、原因が特定できない、または特定できても変えられない場合です。やめる判断は、費用が無駄になったように感じて先延ばしにされがちですが、続けるほど費用は増えます。半期で動いていないものを、もう半期続けて動く根拠は薄いです。
「変える」と「やめる」の間に、「範囲を縮めて続ける」があります。月の送信数を落として個別化に回す、職種を絞る、媒体を一つに減らす。全部やめる前に、縮める選択肢も置いてください。
エラベルの見解
相談で最も多いのは、「半年やったが決まらない。代行会社を替えるべきか」というものです。話を聞くと、代行会社の問題である場合と、そうでない場合がほぼ半々です。
代行会社の問題でない場合の典型は、面談はできているのに内定に至らないケースです。返信率も面談設定率も悪くない。落ちているのは面談から先で、そこは社内の見極めと選考の速さの領域です。ここで代行会社を替えても、面談までは同じように来て、同じところで落ちます。替える前に、段階ごとの数字でどこが落ちているかを見てください。
代行会社の問題である場合の典型は、半年間、対象と文面がほとんど変わっていないケースです。月次の定例会で「次に変えること」が出ておらず、同じ運用が続いています。担当者が案を出していないか、出しても通っていないかです。前者なら担当者を、後者なら社内の決める人を替えます。会社ごと替える前に、担当者だけ替えるという選択肢があることも忘れないでください。
変えるときの順番
変えると決めたら、一度に全部は変えません。半期の見直しで複数の原因が見つかっても、優先順位をつけて一つずつ手をつけます。
順番の目安は、影響が大きく、変えるコストが小さいものからです。多くの場合、委託の範囲の調整や求人票の修正は、契約を変えずにできます。担当者の交代は、代行会社の中でできます。媒体の変更は契約が絡みます。代行会社の変更は、引き継ぎと立ち上げの期間が要ります。手法そのものの変更(スカウトをやめて紹介に切り替えるなど)は、最も大きな判断です。
小さい変更で動くなら、大きい変更は要りません。逆に、小さい変更を重ねても動かないなら、大きい変更を先延ばしにしないでください。半期ごとに小さい変更だけを繰り返して、二年経っても同じ状態、という会社があります。
見直しの場の持ち方
半期の見直しは、月次の定例会とは別の場で行います。出席者は、発注側の決める人(採用の担当者だけでなく、予算と手法を決められる人)と、代行側の運用の担当者、必要なら代行側の責任者です。
事前に、半期の数字と、変えたことの記録を、レポートとして出してもらいます。当日は読み上げず、「続ける・変える・やめる」のどれかと、変えるなら何を、という結論を出すことに時間を使います。一時間あれば足ります。
結論は書面に残します。「半期の結論:〇〇。次の半期の目的:〇〇。変えるもの:〇〇」。これが次の半期の見直しの起点になります。記録が無いと、次の見直しでまた「そもそも」から始まります。
代行側にも、見直しの結果を率直に伝えます。続けるなら、何が良かったか。変えるなら、何が足りなかったか。やめるなら、なぜか。伝えないまま契約を切ると、代行側は理由が分からず、こちらも次に活かせる情報を得られません。
エラベルの見解
担当する側から見ると、半期の見直しで最も困るのは「評価の基準が事前に無かった」ことです。半年経って「思ったより採れなかった」と言われても、思っていた数が共有されていなければ、担当者は何を目指していたのか分かりません。逆に、事前に「半年で〇名の面談設定、〇名の内定」と置かれていれば、担当者は毎月そこに向けて調整できます。
基準を置くのは発注側の仕事です。仮の数字で構いません。半期の初めに「これが目標。届かなければ変える」と伝えておくと、担当者は自分から「このままでは届かないので、対象を広げましょう」と提案するようになります。基準が無いと、担当者は現状を維持するのが最も安全になり、提案が出なくなります。
担当者を選ぶときは、「半年後に何をもって評価されたいですか」と聞いてみてください。「面談設定数と内定数です」と自分から言える担当者は、結果に向けて動きます。「送信数を守ります」と答える担当者は、作業量を守ることに稼働を使います。
まとめ
- 月次は運用の調整、半期は前提の判断。混ぜない
- 見直しは始めたときの目的に戻ることから。目的が無ければここで決める
- 見るのは内定・入社・採用単価・期間と、段階ごとの半期の推移と、変えたことの記録
- 送信数は作業量。返信率は月次の指標で、半期では「採用につながったか」を見る
- 続ける・変える・やめるを決める。間に「縮めて続ける」がある
- 変えるものは症状で切り分ける。面談から先で落ちているなら代行の問題ではない
- 変えるときは影響が大きくコストが小さいものから、一つずつ。ただし大きい変更を先延ばしにしない
- 見直しの場は月次と分け、決める人が出て、結論を書面に残す
- 半期の初めに評価の基準を担当者に伝えておく
よくある質問
半年経っても採用が決まっていません。すぐにやめるべきですか
段階ごとの数字でどこが落ちているかを先に見てください。面談まで来ていて内定に至らないなら、代行ではなく社内の選考の問題です。返信が来ていないなら、対象・文面・媒体のどれかで、変えれば動く可能性があります。何を変えても動いていないなら、この職種にスカウトが合っていない可能性が高く、手法を変える判断になります。
見直しの基準を、半期の初めに決めていませんでした
いま決めてください。過去の半年の数字を見て、「次の半年でこれが達成できなければ変える」という基準を置きます。仮の数字で構いません。基準が無いまま次の半期に入ると、また同じ状態で見直しを迎えます。
代行会社ごと替えるか、担当者だけ替えるかで迷っています
半年間の運用で、対象と文面が変わっていない・提案が出ていないなら担当者の問題で、担当者だけ替えれば動く可能性があります。代行会社の仕組み(レポートの形式、返信対応の体制、記録の共有)そのものに不満があるなら、会社を替えます。担当者だけの交代は引き継ぎが軽いので、先に試す価値があります。
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