KPIが未達のとき|責める前に、KPIの置き方と段階のどこで落ちたかを見る

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

月末のレポートで、面談設定数が目標に届いていない。定例会で「なぜ届かなかったのか」を担当者に問う。担当者は「文面を改善して、来月は届くようにします」と答える。翌月も届かない。この繰り返しは、KPIの未達を「担当者の努力不足」として扱っている間、終わりません。結論を先に書くと、未達のときは、KPIの置き方が妥当だったかを先に疑い、段階ごとにどこで落ちたかを特定し、次の月に一つだけ変えてください。KPIは目標であると同時に、原因を見つけるための計器です。数字の読み方はスカウト代行の数字の見方に、半期の判断は半期での見直しにまとめています。

未達の意味を確認する

最初に、何が未達なのかを揃えます。

KPIには段階があります。送信数、返信数、面談設定数、面談実施数、内定数。どの段階の数字が未達なのかで、原因の場所が違います。

送信数が未達なら、稼働・母数・承認の問題です。返信数が未達なら、対象と文面の問題です。面談設定数が未達なら、返信対応の速さと日程調整の問題です。面談実施数が未達なら、面談前の辞退で、求人条件や選考の速さの問題です。内定数が未達なら、面談から先の社内の見極めと選考体制の問題です。

「KPIが未達」とひとまとめにせず、どの段階が未達で、その手前の段階は達成しているのかを見ます。手前が達成していて、その段階だけが落ちているなら、原因はその段階にあります。手前から落ちているなら、原因は手前にあります。

KPIの置き方を疑う

未達が続くなら、KPIそのものが妥当だったかを疑います。

KPIの数字は、契約時に置かれます。その数字の根拠を思い出してください。代行会社の提案書の数字をそのまま使ったなら、営業上の目安です。採用人数から逆算したなら、返信率や面談設定率の仮置きが甘かったかもしれません。前年の実績をもとにしたなら、今年の市場や条件が違うかもしれません。

根拠が薄いKPIは、未達でも運用の問題とは言えません。実績をもとに置き直します。三か月の実績があれば、この職種・この媒体・この条件での現実の数字が見えます。そこから、対象や文面を変えれば何割動くかを担当者と見立て、次の期間のKPIを置きます。

置き直すときは、送信数を主にしないでください。送信数を主にすると、数を追う運用になります。面談設定数を主にし、送信数はそのための目安にします。

段階ごとに落ちた場所を特定する

KPIが妥当なら、段階ごとの数字で、どこで落ちたかを見ます。

落ちた段階疑う原因直す人
抽出→送信承認の滞り、稼働の不足発注側(承認)、代行側(稼働)
送信→返信対象のずれ、文面、求人条件、媒体の母数代行側(対象・文面)、発注側(条件・媒体)
返信→面談設定返信対応の遅れ、日程の出し方、面談枠の不足代行側(対応)、発注側(面談枠)
面談設定→面談実施面談前の辞退、日程の遅れ発注側(選考の速さ)、代行側(つなぎの連絡)
面談実施→内定見極めの基準、選考の長さ、条件提示発注側

表の右列を見ると、発注側が直す項目が半分以上あります。KPIの未達を担当者だけの責任にすると、発注側の項目は手つかずのまま残ります。

落ちた段階が特定できたら、その段階の原因を一つに絞ります。複数の原因が考えられても、最も影響が大きいものを一つ選びます。

次の月に一つだけ変える

原因を一つに絞ったら、次の月にそれだけを変えます。

複数を同時に変えると、翌月の数字が動いても、どれが効いたか分かりません。動かなかったときも、どれを戻せばよいか分かりません。一つ変えて、翌月の数字で判断する。地味ですが、これが最も速く原因にたどり着く方法です。

変えるものは、定例会で決め、記録します。「何を」「いつから」「誰が」「次回どう判断するか」。次回の冒頭で、変えた結果を確認します。

一つ変えて動かなければ、次の原因に移ります。三か月で三つ試せます。三つ試して動かないなら、KPIの置き方か、手法そのものを疑う段階です。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「未達なら担当者を詰めれば来月は上がる」というものです。詰められた担当者は、上がりやすい数字(送信数)を上げ、上がりにくい数字(面談設定数)はそのままになります。あるいは、対象を広げて返信数を上げ、面談で「合わない」が増えます。KPIの見かけは改善しますが、採用は進みません。

見ていて差がつくのは、担当者が未達の月に「どの段階で落ちたか」を自分から言えるかどうかです。「返信は前月並みだが、面談設定で落ちた。日程が二週間先になったのが原因」と言える担当者は、原因を見ています。「来月は頑張ります」としか言えない担当者は、見ていないか、言えない空気があるかのどちらかです。

発注側にできるのは、未達の月に「どの段階で」と聞くことです。「なぜ」と聞くと、担当者は言い訳を探します。「どの段階で」と聞くと、数字を見ます。聞き方一つで、次の月の運用が変わります。

KPIと契約の関係

KPIが契約書に書かれている場合、未達の扱いが問題になります。

契約時に「未達の月の扱い」を決めていれば、それに沿います。決めていなければ、交渉です。ただし、未達の原因が発注側(承認の滞り、面談枠の不足、求人条件)にある場合は、減額を求める根拠が弱くなります。原因の切り分けが、契約上の扱いにも効きます。

次の契約では、KPIの前提(媒体・プラン・対象の条件・稼働・発注側の義務)と、未達の扱いを書いておきます。加えて、「KPIは面談設定数を主とし、送信数は目安とする」と明記しておくと、数を追う運用を防げます。

成果報酬型の契約では、成果の定義が重要です。「面談設定」が成果なら、直前の辞退も数えるのか。「内定」が成果なら、内定辞退はどうか。定義が曖昧なまま未達を議論しても、かみ合いません。

未達が続くときの判断

三か月続けて未達で、三つの原因を試しても動かないなら、次の段階です。

まず、KPIを置き直します。実績をもとに、達成できる水準に下げます。下げることに抵抗があるかもしれませんが、達成できないKPIは、担当者の動きを歪めるだけです。

次に、手法を疑います。この職種に、この媒体でのスカウトが合っているか。母数が少なすぎる、候補者層が違う、条件が市場と合っていない。手法を変える(紹介会社、リファラル、求人媒体)判断は、半期の見直しの場で行います。

最後に、担当者を疑います。原因を自分から言えない、変える提案が出ない、変えても記録が無い。この状態なら、担当者の問題です。会社を替える前に、担当者だけを替える選択肢があります。

順番は、KPI→手法→担当者です。逆にすると、担当者を替えても同じKPIで同じ未達が続きます。

エラベルの見解

担当する側から見ると、KPIで最も困るのは「達成できない数字を置かれて、達成できないと詰められる」ことです。母数が少ない職種で、上位プランの送信上限を前提にした数字を置かれる。返信率の仮置きが、この職種の現実の倍になっている。担当者はそれを最初から分かっていますが、契約時に言えないことがあります。

もう一つは、「発注側の原因で落ちたのに、担当者のKPI未達になる」ことです。承認が滞って送れなかった、面談枠が無くて日程が組めなかった。それでも月末の数字は担当者の未達として扱われます。

発注側にできるのは、KPIを置くときに担当者の見立てを聞き、未達のときに段階で切り分けることです。「この数字は達成できそうか。無理なら、どこが無理か」と契約時に聞けば、担当者は言います。未達のときに「どの段階で落ちたか」と聞けば、発注側の原因も見えます。KPIは、担当者を測る道具ではなく、運用を直す計器として使ってください。

まとめ

よくある質問

KPIを下げるのは、代行会社に甘いのではないですか

達成できないKPIは、担当者の動きを歪めます。送信数を増やして見かけを整える、対象を広げて返信数を上げる、といった運用になり、採用は進みません。実績をもとに達成できる水準に置き、達成したら次の水準に上げるほうが、結果として採用に近づきます。

未達の原因が発注側にあると言われました。本当でしょうか

段階ごとの数字で確認してください。承認待ちの通数、日程調整にかかった日数、面談枠の有無。数字が示していれば事実です。発注側の原因なら、担当者を詰めても変わりません。承認の範囲を絞る、面談枠を先に押さえる、といった対処が要ります。

成果報酬型で、成果の定義でもめています

契約書の定義を確認し、曖昧なら覚書で明確にしてください。「面談設定」なら日程が確定した時点か実施した時点か、辞退はどう扱うか。「内定」なら内定辞退はどうか。定義が決まらないまま未達を議論しても、かみ合いません。個別の契約の判断は、専門家にご確認ください。

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