採用代行 / 比較・選び方
半期ごとの振り返りで見る指標
半期の振り返りで、どの指標を見るか。月次で見る数字と、半期で見る数字は違います。月次は工程ごとの件数と時間、半期は傾向と累計。この記事では、半期で見る指標と、その作り方を整理します。振り返り全体の観点は契約を半期で見直す観点にまとめています。
半期で見る五つ
一.経路別の一名あたり費用。媒体、スカウト、紹介、リファラル、自社サイト。半期分たまると傾向が出ます。
二.社内の時間の変化。外注の効果として最も測りやすい指標です。期初と比べます。
三.採用計画に対する進捗。職種ごとの採用予定人数と実績。
四.蓄積の状況。文面、検索条件、判断の基準が更新されているか。数字では出ない指標です。
五.費用の累計と残りの見込み。委託費、実費、社内の時間。
この五つのうち、一番目と四番目が半期でしか見えません。月次では件数が少なく、傾向が読めないためです。
経路別の一名あたり費用
計算の手順です。
- 経路ごとに、かかった費用を集計する(媒体費、紹介手数料、従量課金)
- 代行費用を按分するか、共通費として別に置く
- 経路ごとの採用人数を数える
- 費用を人数で割る
按分の方法を決めて、変えないでください。途中で変えると、経年の比較ができなくなります。
そして、職種ごとに分けてください。職種によって難易度も年収も違うため、まとめると平均が意味を失います。
この表が半期分たまると、翌期の配分を実績で決められます。感覚ではなく数字で判断できるようになります。単価の出し方は採用単価の計算方法と目標値の置き方にまとめています。
社内の時間の変化
半期に一度、測ってください。毎月は要りません。
測り方
- 採用に関わる人を挙げる(採用担当、面接官、意思決定者)
- 工程ごとに、週あたりの時間を聞く
- 時間あたりの人件費を掛ける
粗い粒度で構いません。桁が分かれば判断には足ります。
期初と比べます。減っているか、変わらないか、増えているか。
増える時間も記録してください。定例会、確認事項への回答。代行を入れると、この時間は増えます。差し引きで見ます。
この指標が動いていないなら、外注の目的が達成されていません。範囲か進め方の見直しが要ります。
エラベルの見解
半期の振り返りで、「蓄積の状況」を指標として見てください。数字にはなりませんが、判断には効きます。
確認するのは四つです。求人原稿と文面は、期初より良くなっているか。検索条件は実績を踏まえて更新されているか。判断の基準は文書になっているか。うまくいかなかった試みは記録されているか。
これらが更新されていないなら、半年間、同じ水準で回していただけということです。数字が悪くなくても、次の半期も同じところから始まります。
そして、蓄積がないと、代行を替えたときも内製に戻したときも、ゼロからやり直しになります。払った費用が、契約が終わると何も残らない。
だから、半期の振り返りでは「次の半期に何を積み上げるか」を決めてください。文面の改善、条件の整理、判断基準の文書化。一つか二つに絞って、稼働の中に時間を確保する。
そして、次の半期でその進捗を確認します。この形にすると、継続が「現状維持」ではなく「積み上げ」になります。
指標は、数字になるものだけではありません。残っているかどうかも、立派な指標です。
何と比べるか
期初と比べる。半期の変化を見ます。
前年の同じ時期と比べる。季節の要因を除けます。採用市場には時期の波があります。
職種ごとに比べる。まとめると傾向が消えます。
経路ごとに比べる。経路によって数字の水準が違います。
外部の平均とは比べない。定義も条件も違うため、判断材料になりません。
そして、比べる方法を決めたら変えないでください。集計の方法や按分の基準を変えると、経年の比較ができなくなります。
見る順番
一.採用計画に対する進捗。まず、計画どおりに採れているかを確認します。
二.工程ごとの数字の推移。どこで落ちているか、期初と比べてどう動いたか。
三.経路別の一名あたり費用。配分の判断材料になります。
四.社内の時間の変化。外注の効果。
五.費用の累計と見込み。予算の消化と残り。
六.蓄積の状況。文面、条件、判断の基準。
七.体制の変化。担当者が替わったか、再委託が始まっていないか。
この順番で見ると、判断に必要な材料が揃います。一番目から見ることで、計画そのものの妥当性も確認できます。
数字が出ないとき
記録がない場合の対処です。
稼働報告から拾える範囲で出す。工程ごとの内訳があれば、傾向は見えます。
採用管理システムの記録を使う。応募日、合否の日付、選考の履歴。所要日数は計算できます。
次の半期に向けて記録の設計を変える。報告の項目、経路の記録、社内の時間の測定。今回出せなかった項目を、次回は出せるようにします。
そして、記録がないこと自体も判断材料です。半年運用して数字が出せないなら、報告の粒度に問題があります。項目の設計はレポートに入れてもらう項目にまとめています。
振り返りの進め方
代行会社と一緒にやる。自社だけで評価の資料を作ると、次に何を変えるかまで進みません。
双方が資料を持ち寄る。代行側は稼働と成果の推移、自社側は計画の進捗と社内の時間の変化。
自社側の数字も出す。合否までの日数、候補日の提示までの日数、宿題の完了率。出さないと、原因が代行側に見え続けます。
決めることを一つか二つに絞る。半期の会で五つも六つも決めると、どれも中途半端になります。
次の半期の会まで、決めたことを追う。次回は、前回決めたことの確認から始めます。
エラベルの見解
半期の振り返りで、数字が良い期ほど丁寧に見てください。ここが見落とされます。
数字が悪い期は、誰もが原因を探します。工程を分解し、何が起きたかを確認する。改善の議論も自然に始まります。
一方、数字が良い期は、そのまま流されがちです。うまくいっているのだから、変える必要はない。
ところが、良い状態が何によって支えられているかを確認しておかないと、再現できません。担当者の力量なのか、市場の状況なのか、条件を緩めた結果なのか。
そして、担当者が替わったときや、市場が変わったときに、数字が落ちた理由も分からなくなります。
だから、良い期こそ「何が効いたか」を言語化してください。文面のどこが効いたのか、条件のどの部分が良かったのか。代行の担当者に聞けば、見立てが出てきます。
言語化しておけば、次の半期でも再現できますし、担当者が替わっても引き継げます。
うまくいっているときの振り返りが、蓄積を作ります。
まとめ
- 半期で見るのは、経路別の費用・社内の時間・計画への進捗・蓄積・費用の累計
- 半期でしか見えないのは、経路別の一名あたり費用と蓄積の状況
- 按分の方法と集計の基準を決めて変えない
- 社内の時間は半期に一度測る。増える時間も記録して差し引く
- 「蓄積の状況」を指標として見る。次の半期に何を積み上げるかを決める
- 比べるのは、期初・前年の同時期・職種ごと・経路ごと。外部の平均とは比べない
- 見る順番は、計画への進捗 → 工程の推移 → 経路別費用 → 社内の時間 → 費用 → 蓄積 → 体制
- 数字が良い期ほど丁寧に見る。何が効いたかを言語化する
よくある質問
半期で採用がゼロの職種があります
工程ごとの数字を確認してください。母集団が作れていないのか、書類で落ちているのか、面接で進まないのか。ゼロという結果だけでは判断できません。詰まっている工程が特定できれば、打ち手も決まります。難易度の高い職種では、半期で結果が出ないこともあります。
経路別の費用が計算できません
経路の記録が残っていない可能性があります。応募者がどの経路から来たかを、採用管理システムに記録する運用にしてください。次の半期からは出せるようになります。今回は、分かる範囲で概算を出す形で構いません。
社内の時間を測るのが面倒です
半期に一度、関係者に週あたりの時間を聞くだけで足ります。工程ごとに、日程調整に何時間、書類確認に何時間。粗い粒度で構いません。この数字がないと、外注の効果が説明できません。判断の材料として、測る価値があります。