アカウントの返却|契約終了時に、権限・記録・設定をどう引き上げるか

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

契約が終わった。媒体のアカウントは、どうなっているか。代行会社の担当者のログインは残っていないか。自社の名義だと思っていたら、実は代行会社の名義で、終了と同時に見られなくなった。こうした問題は、契約の終わりに初めて気づくことが多く、その時点では手遅れになりがちです。結論を先に書くと、アカウントの返却は、名義が自社か代行会社かで手順が違います。自社名義なら権限の回収と設定の確認、代行会社名義なら記録の引き出しと移管の可否を、契約が終わる前に済ませてください。名義の決め方は媒体費は誰が負担するかに、解約全体の手順は解約と引き継ぎにまとめています。

終了前に確認すること

契約の終了日が決まったら、アカウントについて次を確認します。

名義はどちらか。 媒体との契約が自社なのか、代行会社なのか。自社が媒体に直接払っているなら自社名義、代行会社に媒体費込みで払っているなら代行会社名義であることが多いですが、代理店経由の場合は確認が要ります。媒体の契約書か、媒体の管理画面の契約者情報で確かめます。

誰がログインできるか。 アカウントに紐づいているユーザーの一覧。代行会社の担当者、前の担当者、営業の窓口。運用の中で増えていることがあります。

どの権限を持っているか。 送信、候補者情報の閲覧、設定の変更、支払い情報へのアクセス。ユーザーごとに権限が違う媒体では、誰が何をできるかを一覧にします。

記録はどこにあるか。 送信の記録、候補者とのやり取り、保存した検索条件、テンプレート。アカウントの中にあるのか、代行会社が別に持っているのか。

この四つが分かれば、返却の手順が決まります。終了日の二週間前には確認を始めてください。終了日を過ぎると、代行会社の対応は遅くなります。

自社名義の場合:権限の回収

自社名義なら、アカウントは残り、代行会社の権限を外すだけです。

代行会社のユーザーを削除または無効化する。 担当者、前の担当者、営業の窓口。全部を外します。「また頼むかもしれないから残しておく」は避けます。再開時に追加すればよいだけです。

パスワードと認証を更新する。 共有していたパスワードがあれば変えます。二段階認証の連絡先が代行会社になっていれば、自社に戻します。

支払い情報を確認する。 支払い方法が代行会社のものになっていないか。なっていれば、自社のものに変えます。

設定を確認する。 通知の送り先、返信の転送先、自動応答。代行会社の担当者宛になっていれば、自社に戻します。ここが残っていると、契約終了後も候補者の返信が代行会社に届き続けます。

権限を外す前に、引き継ぎで抜けやすい項目で書いた「媒体の設定の一覧と理由」を受け取っておきます。外した後に「あの設定はなぜ」と聞けなくなります。

代行会社名義の場合:記録の引き出しと移管

代行会社名義なら、契約が終わればアカウントは見られなくなります。終了前に、記録を引き出し、可能なら移管します。

記録を引き出す。 送信の記録(誰に・いつ・どの文面を)、候補者とのやり取りの履歴、返信をくれた候補者の一覧、面談に至った候補者の情報。媒体から書き出せる形式で出してもらいます。書き出せない媒体なら、担当者に一覧を作ってもらいます。

保存した検索条件とテンプレートを受け取る。 アカウントの中にある設定は、アカウントと一緒に消えます。検索条件は文字で、テンプレートは文面のファイルで、受け取ります。

移管の可否を確認する。 媒体によっては、契約の名義を代行会社から自社に移せることがあります。移せれば、記録も設定もそのまま残ります。移せない場合は、自社で新規に契約し、記録を手元に持つ形になります。移管の条件は媒体ごとに違うので、媒体の公式の案内か、営業窓口に確認します。

候補者の連絡手段を移す。 進行中の候補者との連絡が媒体の中で行われている場合、アカウントが見られなくなると連絡が途絶えます。終了前に、メールなど媒体外の連絡手段に移しておきます。

代行会社名義で始めていた場合、この作業は手間がかかります。次の契約では、自社名義を検討してください。

記録の引き出しで確認すること

記録を受け取ったら、中身を確認します。「出した」と言われたものが、使える形かどうかです。

使える形でなければ、終了前に再度求めます。終了後に求めても、対応は期待できません。

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「契約が終わってから、アカウントが代行会社名義だったと知った」というものです。運用中は、担当者がログインして送っているので、名義を意識する場面がありません。終了して初めて、「見られない」「記録が無い」となります。

見ていて差がつくのは、契約時に担当者が「アカウントは御社名義にしますか、弊社名義にしますか」と聞いてくるかどうかです。聞く担当者は、終了時のことを考えています。「弊社名義のほうが手間が無いです」とだけ言う担当者は、終了時に発注側が困ることを考えていないか、記録を残したくないかのどちらかです。

発注側にできるのは、契約時に名義を決め、契約書に書くことです。運用中は、年に一度「アカウントの名義と権限の一覧」を確認します。契約が終わる前に気づけば、手は打てます。

返却後に残す設定

権限を回収した後、または移管した後、次の運用のために設定を整えます。

検索条件を保存し直す。 引き継いだ検索条件を、自社のユーザーで保存します。代行会社のユーザーに紐づいていた保存条件は、ユーザーを消すと消えることがあります。

除外リストを確認する。 競合や、送らないと決めた企業の除外設定が残っているか。

テンプレートを整理する。 代行会社が作った文面の型のうち、使えるものを残し、使わないものを消します。文面のルールとセットで保管します。

通知の送り先を自社に。 候補者の返信が、自社の担当者に届く状態にします。次の代行会社に頼むまでの間、返信が来ても誰も見ていない、という状態を作らないためです。

支払いとプランを見直す。 送信を止める期間があるなら、プランを下げるか、一時停止できるかを媒体に確認します。使わないアカウントに上位プランの費用を払い続けることは避けます。

次の運用に向けて

アカウントが手元に戻ったら、次の運用(別の代行、自社運用、一時停止)に合わせて準備します。

別の代行に渡すなら、新しい担当者のユーザーを追加し、権限を必要な範囲に絞ります。送信と候補者閲覧は渡し、支払い情報と契約の変更は渡さない、といった形です。アカウント権限の渡し方で書いた考え方です。

自社運用にするなら、返信対応の担当を決め、通知が届く状態にしてから送信を始めます。

一時停止するなら、プランを下げ、通知は自社に届く状態で残します。進行中の候補者の連絡は、媒体外で続けます。

どの形でも、アカウントが自社の手元にあれば、選べます。代行会社の手元にあれば、選べません。返却の手間は、この自由を保つための手間です。

エラベルの見解

担当する側から見ると、アカウントの返却で最も困るのは「終了日の当日に『権限を外してください』と言われ、進行中の候補者への対応が途中で切れる」ことです。返信を待っている候補者がいる、面談の日程を調整している最中である。そこで権限が消えると、候補者には連絡が途絶えたように見えます。

返却は、進行中の候補者の対応を移してから行います。「終了日の一週間前に、進行中の候補者の連絡手段を移し、終了日に権限を外す」という順番を、担当者と決めてください。担当者にとっても、途中で切られるより、引き渡してから外されるほうが、候補者に対して責任を果たせます。

もう一つ、担当者側が持っている記録(媒体の外で管理している一覧やメモ)は、求められなければ渡されません。「媒体の記録以外に、手元で管理しているものはありますか」と聞いてください。丁寧な担当者ほど、媒体の外に細かな記録を持っています。

まとめ

よくある質問

代行会社名義のアカウントを、自社名義に移すことはできますか

媒体によって異なります。契約の名義変更に応じる媒体もあれば、新規契約が必要な媒体もあります。媒体の公式の案内か営業窓口に確認してください。移せない場合は、記録を書き出して手元に持ち、自社で新規に契約する形になります。次の契約では、最初から自社名義にすることを検討してください。

代行会社の担当者の権限を残しておいて、また頼むときに使いたいのですが

外してください。再開時に追加すればよいだけです。残しておくと、候補者の返信が代行会社に届き続けたり、意図しない送信が起きたりする可能性があります。契約が無い状態で権限が残っていることは、候補者情報の管理の面でも避けるべき状態です。

記録を書き出してもらいましたが、候補者の名前が入っていません

重複送信を防ぐには、候補者を識別できる情報が要ります。媒体上のIDでも構わないので、識別できる形で再度出してもらってください。個人情報の扱いに関する契約の条項と照らしつつ、少なくとも「誰に送ったか」が分かる形を求めます。終了後では対応が期待できないので、終了前に確認してください。

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