媒体費は誰が負担するか|代行費との切り分けと、契約で決めておくこと

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

スカウト代行の見積もりを見ると、「月額〇〇円」と一つの数字で書かれていることがあります。ところが、その中に媒体の利用料が含まれているのか、別に払うのかは、会社によって違います。結論を先に書くと、媒体費と代行費は分けて把握し、媒体の契約名義を自社にするか代行会社にするかを、費用ではなく「記録と関係の帰属」で決めてください。金額の多寡より、契約が終わったときに何が手元に残るかのほうが、後々効きます。費用の全体の見方はスカウト代行の費用の比べ方に、見積もりの項目は見積もりで確認する項目にまとめています。

費用は二層でできている

スカウト代行にかかる費用は、性質の違う二つに分かれます。

媒体費は、スカウト媒体を使うための利用料です。掲載料、送信枠の料金、成功報酬など、媒体ごとに形が違います。代行会社を使うかどうかに関係なく、その媒体で候補者に声をかけるなら発生します。金額は媒体とプランで決まり、改定もあるので、この記事では数値を書きません。契約する媒体の公式の料金ページで確認してください。

代行費は、代行会社が運用する作業に対する対価です。対象の抽出、文面の作成、送信、返信対応、レポート。月額か、成果報酬か、その組み合わせで決まります。

見積もりに一つの数字しか無いとき、それが両方を含むのか、代行費だけなのかを最初に確認します。含んでいる場合は、内訳を出してもらいます。内訳が無いと、媒体を替えたときや、プランを変えたときに、費用がどう動くかが読めません。

契約の形は三つ

媒体との契約を誰が結ぶかで、形は三つに分かれます。

一.自社が媒体と契約し、代行会社に運用を委託する。 媒体費は自社が媒体に直接払い、代行費は代行会社に払います。媒体のアカウントは自社の名義で、代行会社にはアカウントの利用権限を渡します。

二.代行会社が媒体と契約し、媒体費込みで請求する。 自社は代行会社にだけ払います。媒体のアカウントは代行会社の名義です。窓口が一つで手間は少ないですが、アカウントと記録は代行会社側にあります。

三.代行会社が媒体の販売代理店を兼ねている。 代行会社経由で媒体を契約し、媒体費と代行費をまとめて払います。名義は自社の場合と代行会社の場合があり、代理店の仕組みによります。

どの形が良いかは一概に言えませんが、判断の軸は費用の合計ではなく、次の三つです。

判断の軸:記録・関係・切り替えの自由

記録が誰の手元に残るか。 誰に、いつ、何を送り、どう返ってきたか。この記録は、媒体のアカウントに紐づきます。アカウントが代行会社の名義なら、契約が終わったときに記録は代行会社に残り、自社の手元には残りません。次の代行や自社運用で同じ人に重複して送ることになります。

候補者との関係が誰のものか。 媒体上で候補者とやり取りした履歴、返信をくれた候補者のリスト、面談まで進んだ人の情報。これも名義に紐づきます。名義が自社なら、担当者や代行会社が替わっても関係は続きます。

切り替えの自由があるか。 代行会社を替えたいとき、媒体の契約が代行会社の名義だと、媒体ごと解約して契約し直すことになります。媒体の契約期間が残っていれば、二重に払う期間が出ます。名義が自社なら、代行会社だけを替えられます。

この三つを重く見るなら、一の形(自社名義)が有利です。手間を減らすことを重く見るなら、二の形が楽です。ただし、二の形を選ぶ場合は、記録の共有と契約終了時の扱いを、契約書に書いておく必要があります。

それぞれの形で起きやすい問題

自社名義の場合。 媒体との契約・更新・支払いの手間が自社に残ります。代行会社に権限を渡すときの範囲(送信の権限、候補者情報の閲覧範囲)を決めておかないと、渡しすぎか渡さなすぎかのどちらかになります。権限の設計はアカウント権限の渡し方にまとめています。

代行会社名義の場合。 契約終了時に記録が残らない問題に加えて、媒体費の内訳が見えにくくなります。代行会社が複数の顧客を同じアカウントで扱っている場合、自社の送信枠がどれだけ使われているかが分かりません。「媒体費込み」の月額に、媒体のどのプランが含まれているかを確認してください。

代理店経由の場合。 代理店の手数料が媒体費に上乗せされているかどうかが、見えにくいことがあります。媒体の公式の料金と比べて、差があるなら理由を聞きます。代理店経由でしか使えない割引やプランがあることもあり、一概に不利とは言えませんが、内訳は出してもらいます。

どの形でも、媒体費と代行費を別の行で見積もりに出してもらうことが、問題を防ぐ最初の一歩です。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「媒体費込みの一本の月額のほうが分かりやすくて安心」というものです。分かりやすいのは事実ですが、安心とは別です。一本にまとまっている見積もりは、媒体のプランを落として代行費を厚くしても、合計が同じなら気づけません。逆に、代行会社が良心的に媒体の上位プランを入れていても、それが伝わりません。

内訳が分かれていれば、「媒体費はこの媒体のこのプラン、代行費は週〇時間の稼働に対して」と、それぞれの根拠を確認できます。根拠が確認できれば、他社の見積もりとも比べられます。一本の数字は比べられません。

差がつくのは、担当者が内訳を自分から出すかどうかです。「媒体費はこの部分、代行費はこの部分です。媒体は御社名義にすることもできます」と最初に言う担当者は、契約が終わった後のことまで考えています。「まとめてこの金額です」で押す担当者は、その場の分かりやすさを優先しています。見積もりの段階で、内訳を求めてみてください。

契約で決めておくこと

媒体費の負担に関して、契約書か覚書で決めておくのは次の点です。

最後から二つ目は見落とされがちです。代行会社名義で始めて、半年後に自社運用に切り替えたいとき、媒体の契約を自社名義に移せるかどうか。移せないなら、媒体の契約期間が終わるまで待つか、二重に払うかになります。

媒体費を抑えたいときの考え方

媒体費は、代行会社が決めるものではなく、媒体のプランで決まります。抑えたいなら、プランを見直すか、媒体を減らすかです。

プランは、必要な送信数から逆算して選びます。上位のプランは送信枠が多くなりますが、必要数から逆算して、そこまで送る必要が無ければ、下のプランで足ります。代行会社が上位プランを勧める場合は、根拠を聞きます。

媒体を減らすのは、複数の媒体を使っていて、面談に至る割合が低い媒体がある場合です。半期の数字で媒体ごとの面談設定数を比べ、低いものを止めます。複数媒体の使い分けで書いたとおり、媒体を増やすより、一つの媒体で運用を固めるほうが結果が出やすいことが多くあります。

代行費を削って媒体費を守るか、媒体費を削って代行費を守るかで迷うなら、どちらが結果に効いているかを段階ごとの数字で見ます。返信率が良くて面談設定で落ちているなら、代行費(返信対応の稼働)を守ります。送信枠が余っているなら、媒体費(プラン)を落とします。

エラベルの見解

担当する側から見ると、媒体費の問題で最も困るのは「媒体費込みの月額で契約したのに、媒体のプランを上げたいと言われたとき」です。込みの金額は据え置きで、プランだけ上げる。代行会社は差額を負担するか、断るかになります。断れば「柔軟性が無い」と言われ、負担すれば運用の稼働を削ることになります。

これは、媒体費と代行費が最初から分かれていれば起きません。プランを上げたければ媒体費が上がり、代行の稼働を増やしたければ代行費が上がる。それぞれが独立して動くので、判断が簡単です。込みの契約は、一見便利ですが、変更のたびにどちらが負担するかの交渉が要ります。

担当者を選ぶときは、「媒体のプランを変えたいとき、費用はどう動きますか」と聞いてみてください。「媒体費が変わるだけで、代行費は変わりません」と即答できる担当者は、費用の構造を分けて考えています。答えに詰まる担当者は、込みの金額でしか考えていない可能性があります。

まとめ

よくある質問

媒体費込みの月額で提案されました。問題ありますか

込みであること自体は問題ではありませんが、内訳(どの媒体のどのプランが含まれているか、代行費はいくらか)と、契約終了時の記録の扱い、媒体の契約を自社に移せるかは、契約前に確認してください。内訳を出せない提案は、他社と比べられません。

媒体は自社名義にしたいのですが、契約や支払いの手間が心配です

手間は残りますが、代行会社に代理で手続きを進めてもらい、契約と支払いだけ自社で行う形にできます。名義を自社にしておくと、代行会社を替えても媒体の契約と記録が残るので、長い目で見ると手間より利点が大きいことが多いです。

途中で自社運用に切り替えたい場合、媒体の契約はどうなりますか

媒体の名義が自社なら、代行会社との契約を終了するだけで、媒体はそのまま使えます。代行会社名義なら、媒体の契約を自社名義に移せるか、移せないなら媒体の契約期間がいつまでかを確認してください。この点は契約前に決めておくのが最も確実で、後からの交渉は難しくなります。

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