返信率が上がらないと言われたとき|担当者の説明をどう受け止め、何を確認するか

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

定例会で担当者から「返信率が思うように上がりません」と言われたとき、発注側にできることは二つあります。「もっと頑張ってください」と返すか、原因を一緒に切り分けるかです。前者は何も変えません。結論を先に書くと、返信率が上がらない原因は、対象・文面・求人条件・媒体・時期の五つのどれかにあり、担当者だけで直せるのは前の二つです。残りの三つは発注側が動かないと変わりません。担当者の説明を聞きながら、五つのどれかを一緒に特定してください。返信が来た後の対応は返信への対応に、数字の読み方はスカウト代行の数字の見方にまとめています。

「上がらない」の中身を確認する

最初に、何と比べて上がらないのかを確認します。

前の月と比べて下がったのか、始めたときから低いままなのか、担当者が過去に扱った同じ職種の案件と比べて低いのか。三つは原因が違います。

前の月から下がったなら、その月に変えたことを見ます。対象を広げた、文面を変えた、送る数を増やした。変えたことがあれば、それが原因の可能性が高く、戻せば分かります。変えたことが無いなら、外の要因(時期、媒体の候補者層の変化、競合の動き)を疑います。

始めたときから低いなら、対象か文面か求人条件のどれかが最初からずれています。運用の調整ではなく、前提を見直す段階です。

担当者の過去の案件と比べて低いなら、この職種か、この会社の条件に固有の原因があります。担当者に「過去の案件と何が違うか」を聞くと、手がかりが出ます。

「上がらない」を、どの比較で言っているのかを揃えないと、議論がかみ合いません。

原因を切り分ける順番

五つの原因を、影響の大きい順に見ていきます。

一.対象。 送っている相手が、求人の担う範囲に合っているか。職種名だけで抽出されていないか。返信率が低い最大の原因は、たいていここです。担当者に、直近で送った候補者の一覧を数件見せてもらい、求人票の要件と照らします。合わない人が混ざっていれば、対象の条件を絞ります。

二.文面。 一段落目に、役割と「なぜあなたに送ったか」が書かれているか。会社紹介から始まっていないか。型の文面を大量に送っていないか。直近の文面を数通読めば分かります。

三.求人条件。 年収の幅、勤務地、働き方が、対象の層と合っているか。対象と文面が良くても、条件が合わなければ返信は来ません。返信の中に「条件が合わない」という言葉が複数あれば、ここです。これは担当者では直せません。

四.媒体。 その媒体に、この職種の候補者が十分にいるか。母数が少ない媒体で送り続けても、返信は増えません。担当者に、条件に合う候補者の母数を聞きます。母数が少なければ、媒体を足すか替えるかの判断です。

五.時期。 年度の切れ目、大型連休、業界の繁忙期。候補者が動かない時期は、何をしても返信は落ちます。前の年の同じ時期と比べられれば分かりますが、初年度なら担当者の経験に頼ります。

順番に見ていけば、たいてい一か二で原因が見つかります。三以降は、一と二を整えても動かないときに疑います。

担当者の説明の聞き方

担当者の説明は、事実と見立てを分けて聞きます。

「返信率が低い」は事実です。「時期が悪い」「媒体の層が合わない」は見立てです。見立てには、根拠を求めます。「時期が悪い」なら、前の年の同じ時期の数字か、他の案件での経験を聞きます。「媒体の層が合わない」なら、母数の数字を聞きます。根拠が出れば、見立ては使えます。根拠が無ければ、推測です。

担当者が自分の領域(対象・文面)の問題を挙げず、発注側の領域(条件・媒体・時期)の問題ばかり挙げるなら、少し疑います。逆に、自分の領域の問題ばかり挙げて、発注側の領域に触れないなら、遠慮しています。良い担当者は、両方を並べて「どちらから手をつけるか」を提案します。

説明を聞いたら、「次の月に何を一つ変えるか」を決めます。複数を同時に変えると、どれが効いたか分かりません。一つ変えて、次の月の数字で判断します。

発注側で直せること

五つのうち、発注側が動かないと直らないものがあります。

求人条件。 年収の幅を見直す、勤務地の条件を緩める、働き方の選択肢を足す。社内の承認が要ることが多く、担当者からは言い出しにくい領域です。担当者が「条件について、率直に言ってよいですか」と聞いてきたら、聞いてください。

求人票の役割の記述。 何を決める役割か、誰と決めるか、どこまで担うか。ここが曖昧だと、文面の一段落目が書けません。担当者は文面を直せますが、求人票の中身は発注側が決めるものです。

媒体の変更や追加。 契約と費用が絡むので、発注側の判断です。担当者は「この媒体では母数が足りない」と言えますが、替える判断はできません。

返信への対応の速さ。 返信対応を自社で持っている場合、対応が遅いと、返信はあっても次に進みません。返信率ではなく面談設定率の問題ですが、担当者から見ると「返信が活かされていない」状態です。

発注側の領域が原因なら、担当者を責めても動きません。どこが自分の領域かを見極めて、動いてください。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「返信率が低いのは担当者の腕の問題」というものです。実際には、対象と文面を整えた後に残る原因は、求人条件と求人票の記述であることが多く、そこは発注側の領域です。担当者の腕で動かせる範囲には限界があります。

見ていて差がつくのは、担当者が「発注側の領域の問題」を言えるかどうかです。「年収の幅が、この層から見て厳しいです」「求人票の役割が読み取れず、一段落目が書けません」。こう言える担当者は、返信率を本気で上げようとしています。言えない担当者は、自分の領域だけで工夫を重ね、限界が来ると「時期が悪い」に逃げます。

発注側にできるのは、言いやすい空気を作ることです。「条件や求人票について、率直に言ってほしい」と最初に伝えておくと、担当者は言います。伝えていないと、遠慮して言いません。返信率の問題の半分は、担当者が言えていないことにあります。

変えても動かないとき

対象と文面を整え、条件も見直し、それでも返信率が動かないなら、次の段階です。

まず、返信率ではなく面談設定数を見ます。返信率が低くても、返信をくれた人の質が高く、面談に進んでいるなら、問題は小さいです。返信率は手段の指標で、目的は面談と採用です。

次に、母数を確認します。条件に合う候補者が媒体にほとんどいないなら、返信率の問題ではなく、対象の絶対数の問題です。隣の職種を含めるか、媒体を足すか、手法を変えるか(紹介会社、リファラル)の判断になります。

最後に、担当者を替える判断です。対象と文面の見直しを何度提案しても具体的な案が出ない、根拠のある説明ができない、発注側の領域の問題に触れない、という場合は、担当者の問題である可能性があります。会社を替える前に、担当者だけを替える選択肢があります。

エラベルの見解

担当する側から見ると、返信率が上がらないときに最も困るのは、「上げろ」とだけ言われて、何を変えてよいかの裁量が無いことです。対象を絞りたいが「数を減らすな」と言われる。文面の一段落目を変えたいが「会社紹介を先に」と言われる。条件を見直したいが「そこは触るな」と言われる。三つとも縛られたまま「返信率を上げろ」と言われても、打つ手がありません。

返信率を上げたいなら、担当者に変える裁量を渡してください。対象と文面は担当者の判断で変えてよい、と決めておくだけで、担当者は動けます。変えた結果は数字で見えるので、裁量を渡すリスクは小さいです。

もう一つ、返信率を「毎月上げ続けるもの」だと考えないでください。対象を絞って個別化すれば上がりますが、そこで頭打ちになります。頭打ちの水準で、面談設定と採用が進んでいるなら、それで十分です。返信率だけを追うと、対象をさらに狭めて送信数が減り、面談の絶対数が減る、という本末転倒が起きます。

まとめ

よくある質問

担当者が「時期が悪い」と言います。信じてよいですか

根拠を聞いてください。前の年の同じ時期の数字、他の案件での経験、業界の動き。根拠があれば見立てとして使えます。根拠が無く、対象と文面の見直しの提案も無いなら、時期を理由にして手を止めている可能性があります。「時期が悪い間に、対象と文面のどこを整えておきますか」と聞くと、担当者の姿勢が分かります。

求人条件を見直すよう言われましたが、社内で通りません

担当者に、条件が合わないことを示す材料(返信の中の「条件が合わない」という言葉、同じ層の候補者が他社でどんな条件で動いているかの見立て)を出してもらい、社内に持ち込んでください。条件を変えられないなら、対象の層を条件に合う範囲に絞るしかなく、母数は減ります。それを承知のうえで続けるか、手法を変えるかの判断になります。

返信率は低いままですが、面談は決まっています。問題ですか

問題は小さいです。返信率は手段の指標で、目的は面談と採用です。返信をくれた人の質が高く、面談に進んでいるなら、対象の絞り方が合っています。返信率を上げようとして対象を広げると、質が下がることがあります。面談設定数と採用の進み方を主な指標にしてください。

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