スカウト代行 / スカウト代行
引き継ぎで抜けやすい項目
引き継ぎの一覧を作って、資料を受け取った。それでも、運用を始めると足りないものが出てきます。抜けるのは、記録として意識されていなかったものです。この記事では、実際に抜けやすい項目を並べます。引き継ぎ全体の手順は解約と引き継ぎにまとめています。
抜けやすい十二項目
一.検索条件の「根拠」。条件そのものは残るが、なぜその条件かが落ちる。
二.効かなかった条件。試して外したもの。
三.文面の「意図」。なぜその切り口にしたか。
四.文面のうち、使わなくなった型。なぜやめたかも含めて。
五.候補者ごとの経緯。前にどんなやり取りがあったか。
六.再アプローチの可否。この候補者には送り直せる時期がいつか。
七.媒体の中の設定。保存した検索条件、テンプレート、タグ。
八.候補者からよく聞かれる質問と、回答。
九.自社側の窓口。誰に何を聞くか。
十.進行中の候補者の細部。約束したこと、伝えた内容。
十一.面接官ごとの傾向。この人はここを見る、といった情報。
十二.媒体の契約状況。残数、期間、更新日。
このうち、二番目・四番目・十番目が最も抜けます。
なぜ抜けるか
引き継ぎの一覧は、「あるもの」を列挙します。
文面、条件、リスト、報告書。
そして、「ないもの」は列挙できません。
試さなかったこと、やめた理由、口頭で共有していたこと。
これらは、記録として存在しないため、渡す対象になりません。
対応
引き継ぎの依頼に、「やめたこと」「試して効かなかったこと」を明示して含める。
そして、口頭で共有していたことを聞き出す。
「運用の中で、資料に書いていないけれど重要なことはありますか」
この質問を、引き継ぎの場で必ずしてください。
進行中の候補者の細部
十番目です。
抜けやすい内容
- 候補者に伝えた内容。条件の目安、選考の流れ、期間
- 候補者からの質問と、その回答
- 約束したこと。折り返しの時期、次の連絡
- 候補者の状況。他社の選考、転職の時期、家庭の事情
- 面談の予定と、その前提
三番目です。
「来週ご連絡します」と伝えていた候補者がいる。
引き継ぎで漏れると、連絡が来ないまま時間が過ぎます。
そして、候補者から見ると、約束が破られたことになります。
確認の仕方
進行中の候補者を一覧にして、それぞれについて「次に何をすることになっているか」を書いてもらう。
この一列があるだけで、抜けが大きく減ります。
エラベルの見解
引き継ぎで抜けを防ぐのに、最も効くのは「口頭の時間を取ること」です。
資料の受け渡しだけでは、記録されていないものが渡りません。
取る時間
前の担当者と、一時間。
そして、聞くこと
この職種で、何が難しかったですか。
うまくいかなかったことは何ですか。
次にやるなら、何から始めますか。
引き継ぎの資料に書いていないことで、伝えておきたいことはありますか。
この四つを聞いてください。
特に三番目です。
「次にやるなら、何から」という質問には、その人の判断が出ます。
そして、それは資料には書かれていません。
さらに、この質問は答えやすい。
「うまくいかなかったこと」を直接聞くと、答えにくいことがあります。評価に関わるからです。
「次にやるなら」という形にすると、同じ内容が前向きな形で出てきます。
時間の取り方
契約の終了前に設定する。終わってからでは、時間が取れません。
そして、記録を取ってください。聞いた内容を、その場で書く。
この一時間が、資料の何倍もの情報を運びます。
そして、担当者が交代する場合も同じです。
前の担当者が退職する場合、この機会は一度しかありません。
引き継ぎの資料を待つより、先に時間を押さえてください。
受け取る形式を決める
渡されても使えない形式があります。
確認すること
- 編集できる形式か。加工できないと、次の会社が使えない
- 文字化けしていないか
- 項目が揃っているか
- 日付が入っているか
四番目です。
送信済みリストに日付がないと、再アプローチの可否が判断できません。
多くの媒体には送信の間隔に関する制限があるため、いつ送ったかが要ります。
そして、一番目。
画像や印刷用の形式で渡されると、次の会社が使えません。
契約に「委託者の指定する形式で引き渡す」と書いておくと、この問題を防げます。
抜けに気づく時期
引き継ぎの直後には気づきません。
気づく場面
次の会社が運用を始めたとき。条件を組もうとして、根拠が分からない。
候補者から連絡が来たとき。前のやり取りが分からない。
同じ候補者に送りそうになったとき。
媒体の更新が来たとき。契約の内容が分からない。
この四つで、抜けが表面化します。
そして、そのときには前の会社との関係が終わっています。
対応
引き継ぎの後、しばらく問い合わせできる関係を残す。
契約に、終了後の照会について定めを置く。
期間を決めて、その間は質問に答えてもらう。
この約束があると、抜けが致命的になりません。
引き継ぎのチェック方法
受け取った資料が使えるかを、その場で確認してください。
確認の仕方
送信済みリストから、候補者を三名選ぶ。日付と、送った文面の種別が分かるか。
検索条件を見て、そのまま媒体に入力できるか。
文面を読んで、そのまま使えるか。
進行中の候補者から一名選び、次に何をすべきか分かるか。
この四つを、引き継ぎの場でやってください。
その場なら、足りないものを聞けます。
持ち帰ってから確認すると、聞く相手がいなくなっています。
エラベルの見解
引き継ぎの抜けを根本から減らすには、契約中から受け取る形にしてください。
終了時にまとめて受け取る形だと、抜けが起きやすい。
理由
量が多い。半年分、一年分をまとめると、漏れます。
担当者の記憶が薄れている。半年前の判断は思い出せません。
関係が終わりかけている。丁寧な引き継ぎの動機が弱い。
対応
月次の報告に含めてもらう。
含める項目
送信済みリスト。その月に送った分。
変えたことと、その理由。
効かなかったこと。
進行中の候補者の状況。
この四つを毎月受け取ると、終了時に受け取るものがほとんどなくなります。
そして、副次的な効果があります。
運用の透明性が上がる。何が起きているかが分かる。
判断の理由が蓄積される。社内に残る資産になります。
担当者が交代しても、記録が残っている。
手間は、月に数分です。
報告に一列足してもらうだけ。
そして、この形にしておくと、契約が突然終わっても困りません。
代行会社の都合で終わることもあります。
そのとき、手元に何もない状態を避けられます。
引き継ぎは、終わるときにやる作業ではなく、契約中の運用です。
まとめ
- 抜けやすいのは十二項目。特に効かなかった条件・やめた文面・進行中の細部
- 抜ける理由は、引き継ぎ一覧が「あるもの」しか列挙できないから
- 進行中の候補者は、「次に何をすることになっているか」を一列足してもらう
- 前の担当者と一時間の口頭の時間を取る。「次にやるなら何から」を聞く
- 受け取る形式は編集でき、日付が入っていること
- 抜けは運用を始めてから表面化する。終了後の照会について約束しておく
- 引き継ぎの場で四つのチェックをその場でやる
- 契約中から月次で受け取る。終了時にまとめない
よくある質問
引き継ぎの資料は何を頼めばよいですか
送信済みリスト、返信の記録、文面、検索条件と根拠、改善の記録、進行中の候補者の状況。この六つが基本です。そのうえで、試して効かなかったこと、やめた文面とその理由を明示して依頼してください。
前の担当者と話す時間が取れません
契約の終了前に設定してください。終わってからでは時間が取れません。一時間でよく、資料に書いていないことを聞く場として設定します。退職による交代の場合、この機会は一度しかありません。
受け取った資料が使えない形式でした
編集できる形式で渡し直してもらってください。契約に「委託者の指定する形式で引き渡す」と書いておくと、この問題を防げます。次に契約する際は、締結時に形式まで決めておいてください。