スカウト代行 / スカウト代行
ATSとの連携
スカウトで接触した候補者を、採用管理システムにどう記録するか。応募と違い、スカウトは接触の段階から記録が要ります。誰に送ったか、返信があったか。この記録がないと、重複も防げず、経路別の実績も出せません。この記事では、連携の設計と、手作業が残る部分を整理します。ツールの選択はツールの指定にまとめています。
応募とスカウトの違い
応募の場合、候補者が応募した時点で情報が発生します。媒体からの連携で、自動的に取り込める場合があります。
スカウトの場合、送信した時点から記録が要ります。そして、返信がない候補者も記録の対象です。
この違いが、連携の設計を変えます。
送信した全員を記録するか、返信があった候補者だけを記録するか。ここが最初の判断になります。
何を記録するか
送信した全員を記録する場合
- 重複の判定ができる(同じ候補者に再度送らない)
- 送信数と返信率が正確に出る
- 記録の件数が多くなる
返信があった候補者だけを記録する場合
- 記録の負担は小さい
- 重複の判定ができない
- 送信数は別に管理する必要がある
重複を防ぐなら、前者が必要です。ただし、件数が多いと記録の負担も大きくなります。
中間の形として、媒体の識別と送信日だけを記録する方法もあります。氏名や経歴は返信があってから登録する。重複の判定には足ります。
連携できる範囲
媒体とシステムの組み合わせによります。
自動で連携できる場合
- 応募情報の取り込み
- 一部の媒体では、スカウトの送信履歴も
手作業が残る場合
- 送信した候補者の記録
- 返信の内容
- その後の経過
多くの場合、スカウトの記録は手作業が残ります。そして、この作業を誰がやるかを決める必要があります。
確認すること
- 使っている媒体とシステムが連携できるか
- 連携できる項目
- 手作業が残る部分
エラベルの見解
記録の設計で、「重複の判定に何が要るか」から逆算してください。ここが目的の中心になります。
重複を防ぐには、同じ候補者かどうかを判定する必要があります。
媒体内なら、媒体の機能で分かることがあります。ところが、媒体をまたぐと分かりません。同じ候補者が複数の媒体に登録していることがあります。
そして、過去に応募してきた候補者に、後からスカウトを送るという重複もあります。
この二つを防ぐには、自社の環境に記録が集約されている必要があります。
判定に使える項目は、媒体によって違います。氏名だけだと同姓同名の問題があり、媒体上の識別は媒体をまたげません。
現実的には、氏名と経歴の一部で判定する形になります。完全ではありませんが、明らかな重複は防げます。
そして、判定のルールを決めておいてください。「氏名と現職が一致したら重複とみなす」。代行がこのルールで確認できる形にします。
完璧な判定を目指すより、明らかな重複を防ぐ運用のほうが実務に合います。
重複の判定
判定の対象
- 過去にスカウトを送った候補者
- 過去に応募してきた候補者
- 他の職種で接触した候補者
- 他の媒体で接触した候補者
判定のルールを決める
- 何をもって同一人物とみなすか
- 期間の扱い(一年前に送った候補者に、再度送ってよいか)
- 職種が違う場合の扱い
確認の手順を決める
- 送信の前に、代行が記録を確認する
- 確認の方法(システムで検索する、一覧と照合する)
この三つを決めておいてください。決めていないと、重複が起きます。
記録の粒度
最低限の項目
- 候補者の識別(氏名または媒体上のID)
- 送信日
- 媒体名
- 職種
- 返信の有無
この五つで、重複の判定はできます。
加えて記録すると価値が出る項目
- 使った文面の版
- 返信の内容(分類と要約)
- その後の経過(面談、見送り、理由)
後者は、次の運用の材料になります。ただし、記録の負担も増えます。
判断は、記録する人の時間で決めてください。続かない粒度にすると、記録自体が止まります。
誰が記録するか
代行が記録する。送信のたびに、システムに登録する。権限が必要です。
自社が記録する。代行から一覧を受け取り、自社が入力する。作業が残ります。
代行が一覧を作り、自社が取り込む。定期的に、まとめて取り込む形。
三番目が現実的なことが多い。都度の入力より、まとめて取り込むほうが負担が小さい。
そして、頻度を決めてください。週次か、月次か。頻度が低いと、その間の重複が防げません。
重複の判定を優先するなら、送信の前に確認する運用が要ります。記録の反映が遅れると、判定ができません。
経路別の実績を出す
記録があると、経路別の一名あたり費用が出せます。
- スカウト経由の接触数、返信数、面談数、採用数
- 媒体ごとの内訳
- かかった費用(代行費用と媒体費)
この数字があると、経路の配分を実績で判断できます。
そして、応募経由やリファラル経由と比べられます。
ただし、記録の粒度が揃っていないと比較できません。どの経路も同じ項目で記録する形にしてください。
単価の出し方は採用単価の計算方法と目標値の置き方にまとめています。
契約終了時
記録が自社の環境にあれば、権限の削除だけで済みます。
代行会社の環境にしかない場合、書き出しと確認、削除の作業が発生します。
だから、運用の最初から自社に集約する設計にしてください。
そして、送信履歴が引き継がれないと、次の担い手が同じ候補者に送ります。扱いは送信データの引き渡しにまとめています。
記録が続かないとき
項目が多すぎる。最低限の五項目に絞ってください。
入力の担当が決まっていない。誰が、いつ記録するか。
手作業が多すぎる。まとめて取り込む形にできないかを検討します。
使われていない。記録しても誰も見ないなら、続けるのは難しい。月次で数字を出す場を作ってください。
この四つのうち、三番目が最も多い。都度の入力を求めると、忙しいときに止まります。
エラベルの見解
記録の設計で、「返信の内容」を項目に入れてください。ここが後から効きます。
送信数と返信の有無だけを記録すると、返信率は出ます。ところが、なぜ返信が来たのか、なぜ来なかったのかは分かりません。
一方、返信の内容を分類して記録しておくと、傾向が見えます。
前向きな返信、条件が理由の見送り、時期が理由の見送り。この割合が、次の打ち手を決めます。
そして、この記録は蓄積すると価値が出ます。半年分たまれば、どの層に何が響くかが見えてきます。
担当者が替わっても、代行会社を替えても、この記録は残ります。
だから、分類だけでも記録してください。四つの区分に分けて、どれかを選ぶだけ。入力の負担は小さい。
そして、印象に残った返信は、その内容も残してください。候補者の言葉には、文面の材料が含まれています。
記録は、重複を防ぐためだけのものではありません。次の運用を良くするための材料です。
まとめ
- 応募と違い、スカウトは接触の段階から記録が要る
- 送信した全員を記録するか、返信があった候補者だけかを決める。重複を防ぐなら前者
- 中間の形として、識別と送信日だけを記録する方法もある
- 記録の設計は「重複の判定に何が要るか」から逆算する
- 判定のルールを決める。完璧より、明らかな重複を防ぐ運用
- 最低限の項目は、識別・送信日・媒体・職種・返信の有無
- 記録はまとめて取り込む形が続きやすい
- 「返信の内容」を分類して記録すると、後から効く
よくある質問
送信した全員を記録するのは負担が大きいです
識別と送信日だけを記録する形もあります。氏名や経歴は、返信があってから登録する。これでも重複の判定はできます。項目を絞ると、記録の負担は下がります。
媒体とATSが連携できません
手作業が残ります。代行が一覧を作り、自社が定期的に取り込む形にすると、負担は下がります。頻度は、重複の判定に間に合う範囲で決めてください。反映が遅れると、その間の重複が防げません。
重複の判定はどこまで正確にできますか
完璧にはできません。同姓同名、媒体をまたぐ識別の違い、経歴の書き方の差。ただし、氏名と現職で照合すれば、明らかな重複は防げます。完璧を目指すより、続く運用にすることを優先してください。