解約と引き継ぎ|やめると決めてから、次が動き出すまでの手順

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

スカウト代行をやめると決めたとき、多くの会社は「解約を伝える」ことに気を取られ、「何を持ち帰るか」を後回しにします。契約が終わってから記録を求めると、出てこないか、出てきても使えない形だったりします。結論を先に書くと、解約を伝える前に、持ち帰るものの一覧を作り、受け取る形と期限を決めてから通知してください。解約は終わりではなく、次の運用への引き継ぎの始まりです。契約の出口の条項は契約書で決めておくことに、やめるかどうかの判断は半期での見直しにまとめています。

解約を伝える前に確認すること

通知の前に、契約書の出口の条項を読み直します。

通知期限を過ぎていた、自動更新の期日を越えていた、という理由で、やめたいのに一期間分を払うことになる例は多くあります。まず日付を確認してください。

次に、やめる理由を整理します。担当者の問題なのか、会社の仕組みの問題なのか、手法そのものが合わないのか。理由によって、次の手が変わります。担当者の問題なら、会社を替えずに担当者だけを替える選択肢があります。それで済むなら、引き継ぎの手間は大きく減ります。

持ち帰るものの一覧

解約を伝える前に、受け取るものを一覧にします。契約書に帰属の条項があればそれに沿い、無ければ交渉になります。

持ち帰るもの受け取る形
送信の記録(誰に・いつ・どの文面を)一覧の形式のデータ。候補者の識別ができるもの
候補者とのやり取りの履歴返信の内容、日程調整の経緯、辞退の理由
進行中の候補者の状況返信待ち・面談調整中・面談済みの各段階で誰がいるか
文面の型と、一通ごとに送った文面そのまま次で使える形
対象の条件と、文面のルール箇条書きの書面
レポートと元データ期間ごとの段階別の数字
媒体のアカウント名義の確認。自社名義なら権限の回収、代行会社名義なら移管の可否
求人票の修正履歴代行が提案して直した箇所と、その理由

上から三つは、次の運用で最も効くものです。送信の記録が無いと、同じ人に重複して送ります。やり取りの履歴が無いと、返信をくれた人に一から接触することになります。進行中の候補者の状況が無いと、面談調整の途中で連絡が途絶えます。

解約の伝え方

一覧ができたら、通知します。伝え方で、引き継ぎの協力の度合いが変わります。

通知は、契約書で定められた形式で行い、期限に間に合うように出します。メールでよい場合も、日付が残る形で送ります。口頭だけで済ませると、後で「聞いていない」となります。

理由は率直に伝えます。担当者の問題なら、そう伝えます。会社の仕組みの問題なら、どこが合わなかったかを伝えます。手法そのものが合わなかったなら、それも伝えます。理由を伝えないと、代行会社は引き継ぎに前向きになりにくく、こちらも次に活かす情報を得られません。

同時に、持ち帰るものの一覧と、受け取る期限を伝えます。「契約終了日までに、この一覧のものを、この形で」と具体的に書きます。終了日を過ぎてから求めると、担当者は次の案件に移っていて、対応が遅くなります。

引き継ぎの期間中の稼働と費用も確認します。終了日まで通常どおり運用を続けるのか、送信を止めて引き継ぎに専念するのか。進行中の候補者への対応は、終了日まで代行が続けるのか、途中で自社に引き取るのか。

進行中の候補者の扱い

最も注意が要るのは、返信をくれた候補者、面談調整中の候補者、面談を終えた候補者です。この人たちにとって、代行会社の交代は関係ありません。連絡が途絶えれば、その会社が途絶えたと受け取られます。

終了日の前に、進行中の候補者の一覧を受け取り、一人ずつ次の連絡の担当を決めます。自社の担当者が引き取るのか、次の代行会社に渡すのか。渡すなら、いつから、誰が連絡するのか。

候補者への連絡は、担当者の交代を前面に出さない形にします。「引き続き弊社の〇〇が対応します」の一文で足ります。代行会社を使っていること自体、候補者には見えていないことが多いので、内部の事情を説明する必要はありません。

面談調整中の候補者には、日程の連絡を止めないでください。引き継ぎのごたごたで一週間空くと、その間に他社が決まります。引き継ぎ期間中は、返信対応と日程調整だけは、誰が担当するかを最優先で決めます。

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「解約を伝えてから、記録を求めた」というものです。伝えた後の代行会社は、次の案件に稼働を移しています。記録の整理は後回しになり、終了日を過ぎ、出てきたものは一部だけ、という流れです。悪意があるわけではなく、優先順位が下がるだけです。

順番を逆にしてください。記録の閲覧や引き渡しの形を、契約期間中の定例会で先に整えておく。「いつでも見られる状態」を運用の一部にしておけば、解約のときに改めて求める必要がありません。契約時に帰属の条項を入れておけば、なお確実です。

差がつくのは、担当者が引き継ぎを「自分の仕事」と考えているかどうかです。解約を伝えたときに、「では、記録と進行中の候補者の一覧を、この形でお渡しします」と自分から言う担当者は、契約が終わった後の発注側のことを考えています。「上に確認します」で止まる担当者は、引き継ぎを自分の仕事だと思っていません。契約中の姿勢で、だいたい分かります。

次の運用への渡し方

持ち帰ったものを、次の代行会社か、自社運用に渡します。

次の代行会社に渡す場合は、前の代行の記録と文面をそのまま渡すのではなく、自社で一度整理します。前の運用で何がうまくいき、何がうまくいかなかったか。対象の条件はどこまで絞ったか。文面のルールは何か。前の代行の文面の型をそのまま使うかどうかは、次の担当者に判断してもらいます。

自社運用に切り替える場合は、返信対応の体制を先に作ります。送信は自社でもできますが、返信への当日対応は、専任がいないと続きません。前の代行が担っていた稼働を、社内の誰がどれだけ持つかを決めてから始めます。

どちらの場合も、送信の記録は最初に渡します。重複して送ることを防ぐためです。前の代行が送った人には、期間を空け、一段落目を変えたうえで送るか、送らないかを決めます。

終了後にやること

契約が終わった後に、いくつか残ります。

媒体アカウントの権限の回収。 自社名義のアカウントに代行会社の担当者の権限が残っていれば、外します。代行会社名義だったなら、移管したか、終了したかを確認します。

候補者情報の扱い。 代行会社が保有していた候補者情報の削除を、契約に沿って確認します。削除の完了を書面で受け取ります。

振り返りの記録。 なぜやめたか、次に何を変えるか。半期の見直しの記録と合わせて残します。次の代行を選ぶときの判断材料になります。

前の代行会社への連絡。 引き継ぎに協力してもらったなら、その旨を伝えます。また使うことがあるかもしれず、業界は狭いです。

エラベルの見解

担当する側から見ると、解約で最も困るのは「理由を告げられずに終わる」ことです。何が足りなかったのかが分からないと、次の案件で同じことを繰り返します。「担当者の対応が遅かった」「レポートが判断に使えなかった」「この職種にスカウトが合わなかった」。どれも、言われれば受け止められます。言われないと、推測するしかありません。

発注側にとっても、理由を伝えることには利点があります。担当者の問題なら、会社側が担当者を替える提案をしてくることがあり、引き継ぎの手間が省けます。手法の問題なら、代行会社が別の手法(紹介、求人媒体の運用)を持っていることもあります。理由を伝えて初めて、代替案が出てきます。

やめるときに率直だった会社は、代行会社側の記憶に残ります。また依頼があったときに、良い担当者を付けようという気持ちになります。逆に、理由を伝えず、記録も求めず、期限だけを守って終わった会社には、次の縁は生まれにくいです。

まとめ

よくある質問

記録を求めたら「社内資料なので出せない」と言われました

自社の求人について送った記録は、自社の情報です。契約書に帰属の条項があればそれを示し、無ければ、少なくとも「誰に送ったか」の一覧だけでも求めてください。重複送信を防ぐために最低限必要なものです。それも出ない場合は、次の運用で「前の代行が送った可能性がある」前提で、期間を空けて送るしかありません。

解約の通知期限を過ぎていました。どうすればよいですか

契約書の条項に沿って、次の期間の終了時に解約する形になることが多いです。ただし、担当者の交代や業務範囲の不履行があった場合は、それを理由に交渉できることがあります。個別の判断は専門家に確認してください。次の契約では、自動更新の期日と通知期限を、契約時に予定に入れておいてください。

引き継ぎ期間中も、通常の送信を続けてもらうべきですか

進行中の候補者への返信対応と日程調整は続けてもらいます。新規の送信は、次の運用が決まっていないなら止めたほうが安全です。送った後の返信に対応する人がいない状態で送ると、候補者を待たせることになります。次の代行や自社運用が始まる時期に合わせて、送信の再開を決めてください。

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