スカウト代行 / スカウト代行
解約と引き継ぎ
スカウト代行を止める、あるいは別の会社に替える。このとき、他の外注と違う点があります。進行中の候補者がいることです。候補者は自社に興味を持って返信してくれた人であり、途中で対応が止まると自社の印象に直接影響します。この記事では、解約の手順と引き継ぐものを整理します。契約時に決めておく項目は契約書で決めておくことにまとめています。
予告の前に確認する
契約書を開いて、次を確認してください。
- 解約の予告期間
- 自動更新の予告期限
- 中途解約の可否と費用
- 成果報酬の未精算分の扱い
- 引き渡しの範囲
二番目に注意してください。自動更新の契約では、予告期限を過ぎると次の期間が始まります。
そして、期限の起算日を確認してください。契約開始日からか、更新日の何日前か。
予告の方法も確認します。書面か、メールでよいか。
予告のタイミングを設計する
解約を決めたら、すぐ予告するのが基本です。ただし、進行中の候補者がいる場合は順番があります。
確認すること
- 返信が来ていて、まだ面談が設定されていない候補者
- 面談が設定済みで、実施前の候補者
- 面談が終わり、選考が進んでいる候補者
- 送信済みで、返信を待っている候補者
この四つの状態にいる人数を出してください。
そして、それぞれの対応を誰が引き取るかを決めます。
一番目と二番目が急ぎます。対応が止まると、候補者が離れます。
四番目は、送った後に代行が止まると返信の受け手がいなくなります。送信の名義が自社担当者なら、なおさらです。
引き継ぐ六つの資産
一.送信済みリスト。誰にいつ送ったか。最も重要です。
二.返信の記録。前向きだった候補者、時期が合わなかった候補者。
三.文面の型。職種ごとに使っていたもの。
四.検索条件。条件そのものと、その根拠。
五.改善の記録。何を試して、どうだったか。
六.進行中の候補者の状況。上の四つの状態ごとの一覧。
一番目が最も影響が大きい項目です。
引き継がないと、次の会社や自社が同じ候補者に送ります。候補者から見ると、同じ会社から短期間に二度届く。
そして、多くの媒体では一定期間の送信制限があるため、送れるはずの相手が減っていることも分かりません。
エラベルの見解
解約で本当に注意すべきなのは、「返信をくれた候補者を宙に浮かせないこと」です。
スカウトに返信をくれた候補者は、自社に興味を持ってくれた人です。
その人への対応が止まると、何が起きるか。
返信したのに返事が来ない。候補者から見ると、無視されたことになります。
そして、その候補者は将来の候補者でもあります。今回は時期が合わなくても、一年後に動くかもしれません。
さらに、口コミの場に書かれることがあります。
だから、解約の前に次の三つをやってください。
一.返信済みの候補者を全員洗い出す。代行会社に一覧を出してもらう。
二.それぞれの状態を確認する。日程調整中、返答待ち、辞退。
三.引き取る人を決める。自社の担当者か、次の代行会社か。
そして、切り替えの日を候補者から見えない形にしてください。
やり方
返信対応だけ、切り替え後も少し重ねる。前の会社に数週間だけ残ってもらう。
あるいは、切り替え前に進行中の候補者を全部自社に移す。
どちらかを選んでください。
費用は発生しますが、候補者の体験には代えられません。
そして、この段取りは契約前に決めておくと楽です。「終了時、進行中の候補者の対応をどう引き継ぐか」。この一文があるだけで、解約時の交渉が要らなくなります。
媒体アカウントの扱い
自社名義で契約している場合
代行会社の権限を外してください。そして、外れたことを管理画面で確認します。
媒体の中に残るもの
- 送信済みの記録
- 返信のやり取り
- 保存した検索条件
- テンプレートとして保存した文面
この四つは、自社名義なら残ります。引き継ぎの手間が大きく減ります。
代行会社名義で契約している場合
アカウントが使えなくなる可能性があります。
確認すること
- いつまで使えるか
- 中のデータを書き出せるか
- 自社名義に切り替えられるか
- 切り替えの手続きと期間
三番目ができるなら、それが最も良い形です。媒体に問い合わせてください。
できない場合、上の四つのデータを書き出してもらう必要があります。
自社で受け止める体制
代行を止めて内製に戻す場合、次を用意してください。
- 媒体の操作ができる人
- 返信対応をする人と、その時間
- 日程調整をする人
- 文面と検索条件を管理する人
二番目の稼働を見積もってください。
返信は不定期に来ます。そして、返答が遅れると候補者が離れます。
代行に任せていた間、この対応を誰かが毎日していました。戻すと、その時間が社内に発生します。
次の代行会社に替える場合
引き継ぎの資料を渡してください。六つの資産と、これまでの改善の経緯。
そして、前の会社での試行錯誤を伝える。効かなかった条件や文面を伝えると、次の会社が同じことを繰り返しません。
解約の理由を整理しておく
次に活かすために、理由を言語化してください。
よくある理由
- 成果が出なかった
- 費用に見合わなかった
- 担当者との相性
- 報告の粒度が合わなかった
- 社内の体制が変わった
- 採用が完了した
このうち、一番目と二番目は原因の切り分けが要ります。
代行側の問題だったのか、自社側の要因だったのか。
要件が固まっていなかった、合否の返答が遅かった、条件が市場と合っていなかった。
自社側の要因を整理せずに次の会社に替えると、同じ結果になります。
返信率が上がらなかった場合の切り分けは返信率が上がらないと言われたときにまとめています。
エラベルの見解
解約を決める前に、「担当者を替えてもらう」という選択肢を検討してください。
スカウトの結果が出ない理由が担当者にある場合、会社を替えなくても解決します。
担当者の交代で解決しうる場合
文面が刺さっていない。候補者の経歴の読み方、触れる場所の選び方。
条件の組み方が浅い。母数は作れているが、質が合っていない。
返信への返答が事務的。候補者が離れる。
報告が薄い。何をやったかは分かるが、なぜそうしたかが出てこない。
この四つは、人が替われば変わることがあります。
一方、会社を替えたほうがよい場合
体制そのものが薄い。一人が多くの会社を持っている。
報告の仕組みがない。担当者個人の問題ではなく、会社としての運用。
契約の条件が合わない。範囲、費用、報告の粒度。
この三つは、担当者が替わっても変わりません。
だから、まず切り分けてください。
そして、担当者の交代を申し出るのは、言いにくいことではありません。多くの会社が対応します。
会社を替えると、立ち上げからやり直しになります。要件の説明、文面の作成、条件の設計。
担当者の交代なら、その一部は残ります。
替える前に、一度だけ試してみる価値があります。
まとめ
- 予告の前に予告期間・自動更新の期限・中途解約・成果報酬の未精算分・引き渡し範囲を確認する
- 進行中の候補者を四つの状態に分けて、それぞれ引き取る人を決める
- 引き継ぐのは送信済みリスト・返信記録・文面・検索条件・改善の記録・進行中の状況の六つ
- 返信をくれた候補者を宙に浮かせない。切り替えを候補者から見えない形にする
- 媒体が自社名義なら四つのデータが残る。代行会社名義なら書き出しか名義変更
- 内製に戻すなら、返信対応の稼働を見積もる
- 解約の理由を言語化する。自社側の要因を整理せずに替えると同じ結果になる
- 解約の前に担当者の交代を検討する
よくある質問
解約の予告期間中も業務は続きますか
契約によります。多くの場合は続きますが、進行中の候補者の対応をどこまで含めるかは確認が要ります。特に、予告期間の終わりに面談が設定されている候補者の扱いを決めておいてください。
送信済みリストを出してもらえません
契約書に引き渡しの条項があるかを確認してください。書かれていない場合、交渉になります。今後のために、契約中は月次の報告に送信済みリストを含めてもらうと、終了時に依頼する必要がなくなります。
次の代行会社に前の会社の情報を渡してよいですか
自社に帰属する成果物であれば渡せます。文面、検索条件、送信済みリスト。ただし、候補者の個人情報を含むものは、自社の規程と照らして扱いを確認してください。個別の判断は専門家にご確認ください。