スカウト代行 / スカウト代行
丸投げになってしまっている
代行会社に任せて、社内の手は空いた。ところが、何が起きているのか分からない状態になっている。これは作業を外に出したのではなく、判断まで一緒に渡してしまった状態です。この記事では、丸投げの症状と、最小限の関与で戻す手順を整理します。
丸投げの症状
次のうち三つ以上に当てはまるなら、判断まで渡っています。
- 今月何名に送ったか、すぐに答えられない
- どんな条件で候補者を絞っているか知らない
- 送っている文面を読んだことがない
- なぜ返信が来ないのか、説明できない
- 定例会で聞くだけで、こちらから出す議題がない
- 候補者を見送った理由を、代行会社に返していない
- 代行会社からの質問に答えるのが負担に感じる
このうち、六番目と七番目が進行のサインです。
六番目は、選定が改善しない状態を作ります。
七番目は、関与を減らそうとしている状態です。そして、質問が減ると、代行会社は自分で判断するようになります。
渡してはいけない四つの判断
一.採用要件の最終決定。どんな人を採るか。
二.候補者の合否。
三.提示する条件。年収、勤務地、働き方。
四.何を魅力として伝えるか。
この四つは、外に出すと後から動かせなくなります。
理由は、いずれも入社後と地続きだからです。
要件は配属と育成につながります。合否は既存社員との関係につながります。条件は給与テーブルにつながります。伝えた魅力は、入社後の期待値になります。
代行会社は、その先を持てません。
そして、四番目が見落とされやすい。
文面で伝えた内容は、候補者の期待になります。入社後にずれると、早期の離職につながります。
なぜ丸投げになるか
意図してそうなることは、あまりありません。
進み方
最初は関与している。要件を伝え、文面を見て、候補者リストも確認する。
運用が回り始める。確認しても、だいたい問題がない。
確認の頻度が下がる。他の業務が忙しい。
代行会社が自分で判断するようになる。確認が来なくなる。
何が起きているか分からなくなる。
この流れは、うまくいっているときほど進みます。
問題が起きていないから、見なくなる。
そして、問題が起きたときには、原因が分からない状態になっています。
エラベルの見解
丸投げを防ぐのに、関与の量を増やす必要はありません。関与する場所を決めるだけで足ります。
毎週の定例に出て、候補者リストを全件見る。これは続きません。
続く形は、月に一時間です。
その一時間でやること
送った文面を二通読む。同じ職種で、違う候補者に送ったもの。書き分けの度合いが分かります。
見送った候補者を三名分、理由とともに確認する。選定がずれていないかが分かります。
返信が来た候補者を三名分見る。どんな層に届いているかが分かります。
数字を三つ見る。送信、返信、面談設定。前月と比べる。
この四つで、一時間です。
そして、この一時間で何が起きているかは把握できます。
さらに、この一時間の結果を代行会社に返してください。
見送った理由、文面への感想、次に見たいこと。
返すことで、選定と文面が改善します。
関与とは、時間の量ではありません。判断を戻すことです。
そして、この一時間を誰がやるかを決めてください。
決めないと、誰もやりません。採用担当か、現場の責任者か。
カレンダーに入れる。それだけで、丸投げは止まります。
最小限の関与で戻す
戻す手順
一.今の状態を把握する。上の四つを一度やる。
二.要件を確認する。今も同じ人を求めているか。
三.見送った候補者の理由を、直近の分から返す。
四.月一時間の関与をカレンダーに入れる。
五.定例会の議題を、こちらからも出す。
この五つで戻ります。
そして、代行会社に伝えてください。
「これから月に一度、文面と候補者を確認します」
伝えると、代行会社の側も準備します。そして、確認されることを前提に運用が変わります。
代行会社側から見た丸投げ
丸投げは、代行会社にとっても困る状態です。
困る理由
判断の基準が分からない。確認しても返ってこない。
改善の材料がない。見送った理由が来ない。
成果を評価してもらえない。何を見ているか分からない。
後から方針が変わる。関与していなかった人が、あるとき見て「違う」と言う。
四番目が最も困ります。
半年運用した後で、要件が違うと言われる。それまでの稼働が無駄になります。
そして、代行会社は関与を求めにくい。
「もっと見てください」とは言いにくいからです。
発注側から関与を戻すほうが、双方にとって早い。
関与しすぎもある
逆に、関与が多すぎる場合もあります。
症状
- 候補者リストを全件確認している
- 文面を毎回書き直している
- 代行会社からの連絡に毎日対応している
この状態だと、外注の意味が薄れます。
社内の時間が減っていないからです。
適切な範囲
判断の基準を渡し、基準の運用は任せる。
例外だけ相談してもらう。
結果を月次で確認する。
この形が、量と質のバランスが取れます。
そして、任せる範囲は少しずつ広げてください。
最初は全件確認し、判断が合っていることを確認しながら減らす。
エラベルの見解
丸投げになりやすいかどうかは、契約の形でもある程度決まります。
丸投げになりやすい契約
範囲が「スカウト業務全般」と書かれている。何をどこまでやるかが決まっていない。
報告の項目が決まっていない。件数だけが来る。
定例会がない、または隔月。判断の機会が少ない。
成果報酬型で、成果の定義だけがある。過程が見えない。
この四つが揃うと、関与する接点がありません。
丸投げになりにくい契約
工程で範囲が書かれている。何を任せ、何を自社が持つかが明確。
報告項目が決まっている。判断の理由まで含む。
定例会が月次以上。
確認を求める場面が決まっている。条件の変更、新しい文面。
この四つがあると、自然に関与する形になります。
つまり、契約の設計が運用の形を決めています。
そして、契約時に「うちはあまり手をかけられません」と伝えると、関与の少ない設計になります。
それ自体は選択です。ただし、判断まで渡すことになる点は理解しておいてください。
手をかけられないなら、渡してはいけない四つの判断だけを守る。
要件、合否、条件、伝える魅力。
この四つを月一時間で確認する形にすれば、手をかけられなくても丸投げにはなりません。
まとめ
- 症状のうち、見送った理由を返していないことと質問が負担に感じることが進行のサイン
- 渡してはいけないのは要件・合否・提示条件・伝える魅力の四つ
- 丸投げはうまくいっているときほど進む
- 関与は量ではなく場所。月一時間で足りる
- 一時間の中身は、文面二通・見送り三名・返信三名・数字三つ
- 戻す手順は五つ。代行会社に「確認します」と伝える
- 丸投げは代行会社にとっても困る状態。特に後からの方針変更
- 関与しすぎもある。基準を渡し、例外だけ相談してもらう
- 契約の設計が関与の形を決める
よくある質問
手が空くから外注したのに、関与が要るのですか
作業の時間は減ります。判断の時間は残ります。この二つを分けてください。日程調整や送信の操作は外に出せますが、誰を採るかの判断は残ります。月一時間の確認で足りるため、外注前の負担とは大きく違います。
代行会社に任せきりでも結果が出ています
問題が起きていない間は、それで進みます。ただし、結果が落ちたときに原因が分からなくなります。月一時間だけ、文面と候補者を見る習慣を作っておくと、変化に気づけます。
どこまで任せてよいか分かりません
判断の基準を渡し、基準の運用を任せる形が目安です。合否の基準は自社が決め、基準に照らした仕分けは任せる。例外だけ相談してもらう。この線で考えると、任せる範囲が決まります。