スカウト代行 / スカウト代行
来る候補者の質が合わない
返信は来ている。面談も組めている。ところが、会ってみると求めている人と違う。この状態は、返信率が上がらない場合とは原因が別のところにあります。送る相手の選び方と、その選び方を決めている要件の伝わり方です。この記事では、ずれの見つけ方と直し方を整理します。返信率そのものの切り分けは返信率が上がらないと言われたときにまとめています。
どこでずれているかを特定する
「質が合わない」という言い方のままでは直せません。具体的にどこが違うかを言語化してください。
ずれの種類
- 経験の領域が違う。似ているが、実際にやっていたことが違う
- 経験の深さが足りない。年数はあるが、担っていた役割が浅い
- 志向が合わない。できるが、やりたいことが違う
- 水準が合わない。求める年収、役職
- 文化が合わない。働き方、価値観
- 転職の本気度が低い。話は聞くが動く気がない
この六つのうち、どれが起きているかを分けてください。
そして、対応が変わります。
一番目と二番目は、条件と選定の問題。
三番目と六番目は、文面と初回の伝え方の問題。
四番目は、提示条件と文面の書き方。
五番目は、要件の言語化の問題。
落とした理由を戻す
最も効くのがこれです。
面談で見送った候補者について、理由を代行会社に返してください。
返す内容
- 誰を見送ったか
- なぜ見送ったか。具体的に
- 何があれば通ったか
- 通した候補者との違い
四番目まで返すと、選定の精度が上がります。
そして、理由は「スキル不足」では足りません。
「開発の経験はあるが、要件を決める側に立った経験がない。うちは仕様が固まっていない状態から入ってもらうので、そこが要る」
この粒度で返してください。
返す頻度は、面談のたびが理想です。まとめると、記憶が薄れます。
そして、通した候補者の理由も返してください。落とした理由だけだと、避ける方向にしか働きません。
要件を書き直す
ずれが続くなら、要件そのものが言語化できていない可能性があります。
確認すること
- 必須と歓迎が分かれているか
- 必須の項目に、判定できない表現が混ざっていないか
- 落とす理由が三つ書かれているか
- 通した人と落とした人の実例があるか
二番目を見てください。
「コミュニケーション能力が高い」「主体性がある」。これは経歴からは判定できません。
代行会社は経歴を見て選んでいます。経歴に出ない項目を必須に置いても、選定に使えません。
判定できる形に書き直してください。
「複数部署をまたぐ調整を担った経験」「自分で課題を見つけて提案した経験が職務経歴書に書かれている」。
エラベルの見解
候補者の質でずれが続くとき、「実例を渡す」のが最も速い解決です。
要件を文章で書き直すより、実例のほうが早く伝わります。
渡すもの
通した候補者の経歴。三名分。なぜ通したかの一文を添える。
落とした候補者の経歴。三名分。なぜ落としたかの一文を添える。
社内で活躍している人の経歴。二名分。この人と似た人を、という基準。
そして、迷った候補者。一名。どこで迷い、最後にどう判断したか。
この九名分で、文章では伝わらないものが伝わります。
理由は、採用要件が「基準」ではなく「感覚」に近いからです。
必須条件を並べても、実際の判断はもっと複合的です。経験の組み合わせ、経歴の流れ、書き方から見える姿勢。
これは言語化しきれません。でも、実例を並べれば伝わります。
個人情報の扱いには注意してください。社内の記録を外部に渡す形になるため、氏名や会社名を伏せた形にするか、自社の規程と照らして判断が要ります。個別の判断は専門家にご確認ください。
そして、実例は一度作れば使い回せます。
担当者が交代したとき、代行会社を替えたとき、社内で採用を引き継ぐとき。
要件の文書と実例をセットで渡す。これが引き継ぎの単位になります。
「うちが求める人」を説明する時間が、大きく減ります。
選定の基準を確認する
代行会社がどう候補者を選んでいるかを聞いてください。
聞くこと
- 条件で絞った後、何を見て決めているか
- 見送る候補者の基準
- 迷ったときにどうするか
三番目が重要です。
迷ったら送る運用と、迷ったら送らない運用があります。
成果報酬型では、送る方向に寄りやすい。費用がかからないからです。
件数課金型でも、送る方向に寄ります。
この動機を理解したうえで、基準を決めてください。
「必須条件を満たさない候補者には送らない。満たす候補者が少なくても、基準は下げない」
そして、迷った候補者は事前に相談してもらう形にする。
最初の一か月だけでも、送信前に候補者リストを確認する運用にすると、基準が揃います。
面談の前で見分ける
面談まで来てから合わないと分かると、双方の時間が失われます。
手前で見分ける仕組み
返信の内容を見る。何に関心を持っているか。志向のずれはここに出ます。
カジュアル面談の前に情報を渡す。職務の内容、働き方、条件の目安。合わない人は自分で辞退します。
簡単な確認事項を返信時に聞く。転職の時期、希望条件。
この三つで、面談前に絞れます。
ただし、絞りすぎると母数が減ります。バランスは職種によります。
質を上げると量が減る
選定の基準を厳しくすると、送れる候補者は減ります。
この関係を理解しておいてください。
質を優先するなら
- 送信件数の目標を下げる
- 書き分けを厚くする
- 母数の広い媒体を足す
- 期間を長く取る
量を優先するなら
- 基準を広げる
- 面談前の絞り込みを強くする
どちらを取るかは、採用の状況によります。
急いでいるなら量、時間があるなら質。ただし、量を優先しても、面談で合わなければ結局進みません。
そして、代行会社に「どちらを優先してほしいか」を伝えてください。伝えないと、代行側は量で評価されると考えます。
エラベルの見解
質のずれが続くとき、発注側にも確認してほしいことがあります。
社内で要件が揃っているかです。
よくある状況
現場と人事で求める人が違う。人事は経験の幅を、現場は特定の技術を求めている。
面接官によって判断が分かれる。同じ候補者が、面接官が違えば結果も違う。
要件が途中で変わる。何名か会ううちに、求める像が動く。
この三つがあると、代行会社はどこに合わせればよいか分かりません。
そして、面談のたびに違う理由で見送られることになります。
代行側から見ると、基準が読めない状態です。
確認の仕方
直近で見送った候補者を五名並べて、見送った理由を書き出す。
理由がばらばらなら、社内で要件が揃っていません。
そして、面接官が複数いるなら、それぞれに同じ候補者の評価を聞いてみてください。
分かれるなら、そこを先に揃える。
代行会社を替えても、担当者を替えても、これは解決しません。
要件が揃っていないことは、珍しいことではありません。採用を進めるうちに固まっていくものでもあります。
ただし、固まっていない状態であることを、代行会社に伝えてください。
伝えれば、選定の幅を広めに取る、送る前に確認する、といった運用にできます。
伝えないまま「質が合わない」と言われ続けると、代行側は何を直せばよいか分かりません。
まとめ
- 「質が合わない」を六種類のずれに分けて特定する
- 落とした理由を面談のたびに返す。「何があれば通ったか」まで書く
- 要件から、経歴で判定できない表現を外す
- 通した三名・落とした三名・活躍中の二名・迷った一名の実例を渡す
- 代行会社の選定の基準、特に迷ったときの扱いを確認する
- 面談の前で見分ける仕組みを三つ用意する
- 質を上げると量は減る。どちらを優先するかを伝える
- 社内で要件が揃っているかを、見送った五名の理由で確認する
よくある質問
落とした理由をどこまで詳しく返すべきですか
「何があれば通ったか」まで書いてください。「経験不足」だけでは選定に使えません。どの経験がどの程度足りなかったか、通った候補者と何が違ったか。この粒度で返すと、次の選定が変わります。
実例を渡すのは個人情報の観点で問題ありませんか
社内の候補者情報を外部に渡す形になります。氏名や会社名を伏せる、経歴の要点だけにするなどの配慮が要ります。自社の個人情報に関する規程と照らして、扱いを決めてください。個別の判断は専門家にご確認ください。
基準を厳しくしたら送信件数が減りました
想定どおりの動きです。質を優先すると量は減ります。件数の目標を下げるか、母数を広げるか、期間を長く取るかの判断になります。件数が減ったこと自体を問題視すると、基準が緩む方向に戻ります。