副業人材をスカウトで探す|本業を持つ人に、稼働と期待値を先に示す
正社員では採れない専門性を、副業で受けてくれる人に頼みたい。本業を持つ人に、週に数時間だけ入ってもらう形です。スカウトで探せるか。結論を先に書くと、探せます。ただし、本業を持つ人は、稼働できる時間帯と量が限られ、本業との兼ね合いを気にしています。文面の一段落目で「副業として、週に何時間程度、この時間帯で」と稼働の期待値を示し、本業に配慮した進め方を伝えてください。業務委託の一般的な整理は業務委託人材をスカウトで探すにまとめています。副業に関する契約と本業側の規定については、この記事は一般的な整理にとどめます。個別の判断は専門家にご確認ください。
副業人材でスカウトが効く場面
副業で受けてくれる人を探すのにスカウトが効くのは、次の場面です。
専門性が要るが、稼働は少なくてよい。 週に数時間の助言、月に数回の作業、特定の局面での支援。正社員で採るには稼働が少なすぎ、業務委託で専任に頼むほどでもない。
その専門性を持つ人が、本業で活躍している。 現役で経験を積んでいる人の知見が欲しい。独立した人より、いま組織の中で動いている人のほうが合う場面。
候補者が、副業を受ける意思を表明している。 媒体で「副業可」「副業希望」を示している人。この層は、正社員の求人には応募せず、副業の案件を探しています。
社内に、副業人材を受け入れる窓口がある。 週に数時間の稼働を、社内の誰かが依頼し、受け取る。窓口が無いと、副業人材は何をすればよいか分かりません。
正社員が採れないから副業で、という理由だけでは、候補者の層も動機も違うので、うまくいきません。
先に決めること
副業人材を探す前に、社内で決めておくことがあります。
頼む内容。 何を、どの単位で。助言なのか、作業なのか、成果物なのか。副業では稼働が少ないので、頼む内容を絞ります。
稼働の期待値。 週に何時間程度、どの時間帯(平日の夜、週末、平日の日中の一部)。本業を持つ人は、平日の日中は動けないことが多い。夜や週末が中心になることを前提に、社内が対応できるかを確認します。
期間。 数か月の期間限定か、継続か。
報酬の形。 月額か、時間単価か、成果物ごとか。相場は職種と専門性で違い、この記事では数値を扱いません。担当者に幅を聞きます。
社内の窓口と、連絡の形。 誰が依頼し、誰が受け取るか。連絡はチャットか、週に一度の打ち合わせか。副業人材は本業の合間に動くので、連絡の形が決まっていないと、やり取りが滞ります。
本業との関係で配慮すること。 候補者の本業と自社が競合しないか、本業の会社の副業規定に触れないか。候補者本人に確認してもらう事項ですが、こちらから聞く姿勢を持ちます。
文面で示す稼働と期待値
副業人材への文面は、稼働の期待値を最初に示します。
一段落目に「副業として」「週に何時間程度」「この時間帯で」。 本業を持つ人が最初に知りたいのは、「自分の空いている時間で受けられるか」です。役割や会社の話より先に、稼働の形を書きます。
頼む内容を、具体的に短く。 「〇〇についての助言を、月に二回の打ち合わせで」「〇〇の設計レビューを、成果物ごとに」。抽象的に「ご経験を活かして」と書くと、何をするか分からず返信が来ません。
本業への配慮を、一言。 「本業を優先していただく前提で」「稼働の時間帯はご都合に合わせます」。この一言で、候補者の不安が一つ減ります。
報酬の幅を、返信のやり取りで早めに。 面談まで分からないと、面談で「合わない」が増えます。返信の段階で幅を伝えます。
選考は一回の面談で。 副業人材は、面談のために本業を調整するのが負担です。一回の面談(オンライン、三十分から一時間)で、頼む内容と進め方を確認し、決めます。
正社員向けの文面をそのまま使うと、「魅力的だが、副業で受けられる形なのか分からない」で返信が来ません。
面談と契約で確認すること
副業人材との面談と契約では、次を確認します。
本業の会社の副業規定。 候補者の本業の会社が副業を認めているか、届出が要るか。候補者本人が確認する事項ですが、面談で「本業側の規定はご確認済みですか」と聞きます。
競合の有無。 候補者の本業と自社が競合していないか。競合していれば、候補者が本業側でトラブルになる可能性があります。
稼働の時間帯と連絡の形。 面談で、具体的な時間帯(平日の夜、週末など)と、連絡の頻度と手段を合わせます。
契約の形。 業務委託契約が一般的ですが、契約の形と法務の扱いは専門家に確認します。指揮命令の関係、成果物と報酬の定義、権利の帰属、機密保持。業務委託人材をスカウトで探すで挙げた項目です。
終了と更新。 本業の状況で、副業を続けられなくなることがあります。終了の条件と、引き継ぎの形を決めておきます。
これらは、候補者にとっても安心の材料です。曖昧なまま進めると、本業側のトラブルや、契約後のずれになります。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「副業人材に、正社員と同じ稼働と反応速度を期待する」というものです。平日の日中にチャットを送り、当日中の返事を期待し、来ないと「対応が遅い」となる。副業人材は本業の合間に動くので、平日の日中は動けないことが多い。夜や週末にまとめて対応する形が普通です。
見ていて差がつくのは、担当者が「副業人材は、稼働の期待値を先に示さないと返信が来ません」と分かっているかどうかです。正社員向けの文面で送り、返信が来ない理由を「副業人材は少ない」で片付ける担当者と、「稼働の形を一段落目に書きましょう」と変える担当者がいます。
発注側にできるのは、稼働の期待値(週に何時間、どの時間帯、どんな連絡の形)を、社内で先に決めて担当者に渡すことです。そして、社内が副業人材の稼働の形に合わせる覚悟を持つことです。本業の合間に動く人に、正社員と同じ反応を求めると、続きません。
社内の受け入れ方
副業人材が入った後、社内でどう受け入れるかで、成果が変わります。
窓口を一人にする。 副業人材への依頼と受け取りを、一人が担います。複数の人から依頼が来ると、稼働の少ない副業人材はさばけません。
依頼をまとめる。 週に一度、依頼をまとめて渡し、次の週に受け取る。都度の依頼は、副業人材の本業の時間を削ります。
連絡の時間帯を尊重する。 副業人材が動ける時間帯に合わせて連絡し、本業の時間帯には急かさない。
成果物の形を明確にする。 「何をもって完了か」を依頼のたびに明示します。副業人材は、確認のためのやり取りに時間を割きにくい。
社内に副業人材の存在を共有する。 「〇〇さんが副業で、この範囲を担っている」と社内に伝えます。知らない人から依頼が行ったり、正社員と同じ扱いを求められたりすることを防ぎます。
副業人材は、社内が受け入れの形を整えれば、少ない稼働で高い専門性を提供してくれます。整えなければ、稼働の少なさが「使いにくさ」になります。
副業人材から正社員への転換
副業で入ってもらった人を、正社員として迎えたい、と考えることがあります。
可能性があるなら、最初の段階で触れるかどうかを決めます。触れると、正社員を目指す人が来ますが、副業のままでよい人と混ざります。触れないと、後で提案したときに想定外の話になります。
副業人材は、本業を持っているので、転換には本業を辞める判断が伴います。副業で数か月一緒に働いた後、双方が合うと感じたときに提案するのが自然です。最初から転換を前提にすると、副業の期間が「試用」の色を帯び、候補者の側に圧がかかります。
転換の条件は、専門家に確認のうえ、社内で決めておきます。
エラベルの見解
担当する側から見ると、副業人材の案件で最も困るのは「社内の窓口が、副業人材の稼働の形を分かっていない」ことです。候補者を探し、面談を組み、契約が決まった。ところが、窓口が平日の日中に依頼を送り、当日中の返事を待ち、来ないと「頼りにならない」と言う。副業人材は夜に対応するつもりでいるので、すれ違います。
副業人材との仕事は、社内の側が「本業の合間に動く人」の形に合わせることで成り立ちます。合わせられないなら、副業人材ではなく、専任の業務委託か正社員を探すべきです。
発注側にできるのは、探し始める前に、社内の窓口に「副業人材はこういう稼働の形で動く」と共有し、受け入れの形を整えることです。担当者は、社内が整っていれば、合う人を探せます。整っていなければ、探しても続きません。
まとめ
- 副業人材でスカウトが効くのは専門性が要るが稼働は少ない・現役の知見が欲しい・候補者が副業の意思を示している・社内に窓口があるとき
- 先に決めるのは頼む内容・稼働の期待値(時間と時間帯)・期間・報酬の形・窓口と連絡の形・本業への配慮
- 文面は一段落目に副業として週何時間どの時間帯・頼む内容を具体的に・本業への配慮を一言・報酬を早めに・面談は一回
- 面談と契約で本業の副業規定・競合の有無・稼働の時間帯と連絡・契約の形・終了と更新を確認する。個別の判断は専門家に
- 受け入れは窓口を一人・依頼をまとめる・時間帯を尊重・成果物を明確に・社内に共有
- 正社員への転換は最初に触れるかを決め、数か月後に自然に提案する
- 社内が本業の合間に動く人の形に合わせる覚悟を持つ
よくある質問
副業人材に、平日の日中に対応してもらうことはできますか
本業を持つ人は、平日の日中は動けないことが多いです。平日の日中の対応が必要なら、副業人材ではなく、専任の業務委託かフリーランスを探すほうが合います。副業人材に頼むなら、夜や週末に対応してもらう前提で、依頼をまとめる形にしてください。
候補者の本業の会社に、副業を知られると困ると言われました
本業の会社の副業規定は、候補者本人が確認する事項です。規定で副業が認められていない、届出が要るのに出していない、という状態で契約すると、候補者が本業側でトラブルになります。面談で「本業側の規定はご確認済みですか」と聞き、確認していないなら、確認してから進めてもらってください。契約の形と法務については、専門家に確認してください。
副業人材の報酬は、どう決めればよいですか
職種と専門性と稼働の量で大きく違い、この記事では数値を扱いません。担当者に、同じ職種の他社での経験から幅を聞いてください。月額固定、時間単価、成果物ごと、のどの形が合うかは、頼む内容の性質(助言か、作業か、成果物か)で決めます。返信の段階で幅を伝え、面談で合わせます。
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