非正規・パート採用にスカウトは効くか|効く条件と、効かないときに使う手法
正社員の採用でスカウトを使っている。パートや契約社員の採用にも使えないか。結論を先に書くと、スカウトが効くのは、候補者の経歴が媒体に載っていて、経歴から向き不向きが読め、こちらから声をかける理由がある職種です。非正規の採用は、この条件に当てはまる場合と、当てはまらない場合がはっきり分かれます。当てはまらないなら、スカウトより求人媒体や紹介のほうが効率的です。一職種だけの依頼は一職種だけ頼めるかに、少人数の依頼は採用予定が一名でも頼めるかにまとめています。
スカウトが効く仕組み
スカウトが機能するのは、次の三つが揃うときです。
候補者の経歴が、媒体に載っている。 職歴、担当した業務、スキル。これが無いと、誰に送るかを選べません。
経歴から、向き不向きが読める。 求人の要件に対して、この経歴なら合う、と判断できる。読めなければ、職種名だけで送ることになります。
こちらから声をかける理由がある。 求人を出しても応募が来ない、応募は来るが合わない、特定の経験を持つ人を探している。待つより探すほうが効率的な状況です。
正社員の経験者採用は、多くの場合、三つが揃います。非正規の採用は、職種によって揃うものと揃わないものがあります。
非正規でスカウトが効く条件
非正規でも、次の条件に当たれば、スカウトは効きます。
専門性のある業務。 経理、労務、法務、設計、翻訳、特定のシステムの運用など、経験が要る業務。経歴に業務の内容が書かれていて、向き不向きが読めます。「週三日で経理を任せられる人」は、スカウトの対象になります。
経験者が、非正規の働き方を選んでいる層。 育児や介護、副業との両立、フリーランスからの移行など、経験はあるが正社員以外の働き方を求めている人。この層は、正社員の求人には応募せず、待っていても来ません。声をかける理由があります。
求人を出しても応募が来ない業務。 条件が特殊(勤務地、時間帯、必要なスキル)で、求人媒体に載せても応募が無い。探すしかない状況です。
候補者が媒体に登録している。 非正規の働き方を希望する経験者が登録している媒体があるか。媒体によって、登録している層は違います。担当者に、媒体ごとの層を確認してもらいます。
この四つが揃えば、非正規でも、正社員の経験者採用と同じ運用でスカウトが効きます。
非正規でスカウトが効かない条件
一方で、次の条件に当たれば、スカウトは効きにくいです。
経験を問わない業務。 未経験でもできる業務は、経歴で向き不向きを読めません。誰に送るかを選ぶ基準が無く、スカウトの強みが活きません。
候補者が媒体に登録していない層。 学生、主婦・主夫、シニアなど、スカウト媒体に経歴を載せていない層は、スカウトで届きません。この層は、求人媒体や地域の掲示、紹介で探す層です。
求人を出せば応募が来る業務。 待っていれば応募が来るなら、探す必要はありません。スカウトの稼働をかけるより、求人媒体の運用のほうが効率的です。
動機が「条件」に集中している。 時給、勤務地、時間帯で決まる採用では、文面で役割の魅力を伝えるスカウトの型が合いません。条件を明示した求人のほうが、候補者の判断が速い。
採用の単価が、スカウトの費用に見合わない。 非正規の採用単価は、正社員より低く見積もられることが多く、代行費と媒体費を乗せると、採用単価として重くなることがあります。
これらに当たる採用は、スカウトではなく、他の手法を使います。
効く場合の運用の違い
非正規でスカウトが効く職種でも、正社員の経験者採用とは運用が少し違います。
働き方の条件を、一段落目に書く。 週の日数、時間帯、在宅の可否、期間。非正規の候補者が最初に知りたいのは、役割より働き方です。一段落目に働き方を書き、二段落目に役割を書く順が合います。
「経験を活かせる」を訴求の軸にする。 非正規の働き方を選んでいる経験者は、「経験を活かしたいが、正社員の働き方は合わない」と考えていることが多い。「あなたの経験を、この働き方で活かせる」という一段落目が響きます。
選考を短くする。 非正規の採用で、面談が三回もあると、候補者は離れます。一回か二回で決める形にします。
条件の明示を早くする。 時給や日数、期間は、返信のやり取りの中で明示します。面談まで条件が分からないと、面談で「条件が合わない」が増えます。
契約の形と更新の扱いを、事実として伝える。 非正規の候補者は、契約期間と更新の扱いを気にしています。曖昧にせず、事実を伝えます。
エラベルの見解
相談で最も多い思い込みは、「非正規はスカウトの対象外」というものです。実際には、経理や労務、設計といった専門性のある業務で、週三日や在宅を希望する経験者は、スカウトでしか届かないことがあります。この層は正社員の求人には応募せず、非正規の求人媒体にも載っていないことが多い。
見ていて差がつくのは、担当者が「この職種の非正規は、スカウトで届く層がいます」と職種ごとに判断できるかどうかです。「非正規は無理です」と一律に断る担当者と、「この職種なら、この媒体にこういう層がいます」と言える担当者がいます。後者は、正社員と非正規の違いではなく、経歴が読めるかどうかで判断しています。
発注側にできるのは、「非正規だから」で判断せず、「この職種の経験者が、媒体に載っているか」を担当者に確認してもらうことです。載っていれば、スカウトは効きます。載っていなければ、別の手法です。
効かない場合の代替手法
スカウトが効かない非正規の採用は、次の手法を使います。
求人媒体。 非正規に強い求人媒体に、条件を明示して載せる。時給、日数、時間帯、勤務地を最初から書き、応募の判断を速くする。
地域の媒体・掲示。 勤務地の近くの層に届く手法。フリーペーパー、店頭、地域の掲示。スカウト媒体に載っていない層に届きます。
紹介・派遣。 非正規に特化した紹介会社や派遣会社。すでに候補者を持っているので、急ぎの場合は速い。
リファラル。 社内の非正規の人の知り合い。同じ働き方を求める人は、横でつながっていることが多い。
自社の登録制。 過去に応募した人、一度働いた人に、募集が出たときに連絡する仕組み。非正規は繰り返し募集が出るので、登録制が効きます。
代行に頼むなら、スカウトではなく、これらの手法の運用(求人媒体の原稿作成と運用、応募対応、面談設定)を頼む形になります。代行会社によって、対応できる範囲が違うので、確認します。
代行に頼むときの確認点
非正規の採用を代行に頼むなら、次を確認します。
非正規の採用の経験があるか。 正社員の経験者採用しか扱ったことのない担当者は、非正規の候補者の動機や、条件の伝え方に慣れていないことがあります。
スカウトが効くかどうかを、職種ごとに判断してくれるか。 「非正規は無理」「非正規でも同じ」と一律に言う担当者より、職種ごとに母数と層を確認してくれる担当者を選びます。
スカウト以外の手法も扱えるか。 効かない職種で、求人媒体の運用や応募対応を頼めるか。
費用が採用単価に見合うか。 非正規の採用単価は正社員より低く見積もられることが多い。代行費と媒体費を乗せた単価を、他の手法と比べます。
契約の形。 非正規は繰り返し募集が出ることが多い。一回ごとの契約より、年間で薄く続けて、募集のたびに動かす形が合うことがあります。
エラベルの見解
担当する側から見ると、非正規の採用で最も困るのは「正社員と同じ文面と選考で進めてほしい」と言われることです。非正規の候補者は、働き方の条件を先に知りたい。役割の魅力から入る正社員向けの文面では、条件が分からず返信が来ません。三回の面談があれば、二回目で離れます。
非正規の運用は、条件を先に、選考を短く、契約の扱いを明確に。この三つを変えれば、スカウトが効く職種では正社員と同じように面談が組めます。
発注側にできるのは、非正規の採用の条件(日数、時間帯、時給、期間、更新)を、最初に確定して担当者に渡すことです。条件が曖昧なまま「探して」と言われても、非正規の候補者には響きません。条件が確定していれば、担当者はそれを一段落目に書き、合う人に届けられます。
まとめ
- スカウトが効くのは経歴が媒体に載り・向き不向きが読め・声をかける理由があるとき
- 非正規で効くのは専門性のある業務・経験者が非正規を選んでいる層・応募が来ない業務・媒体に登録している層
- 効かないのは未経験可・媒体に登録していない層・応募が来る業務・条件で決まる採用・単価が見合わない
- 効く場合は働き方を一段落目に・経験を活かせるを軸に・選考を短く・条件を早く・契約の扱いを事実として
- 効かない場合は求人媒体・地域の媒体・紹介や派遣・リファラル・自社の登録制
- 代行には非正規の経験・職種ごとの判断・他の手法・採用単価・契約の形を確認する
- 条件は最初に確定して担当者に渡す
よくある質問
週三日の経理担当をパートで探しています。スカウトは効きますか
効く可能性が高い職種です。経理の経験は経歴に書かれていて、向き不向きが読めます。育児や介護との両立で週三日を希望する経験者は、正社員の求人には応募しないので、声をかける理由があります。担当者に、この層が登録している媒体の母数を確認してもらってください。
アルバイトの店舗スタッフをスカウトで探せますか
難しいことが多いです。経験を問わない業務で、経歴から向き不向きが読めず、候補者がスカウト媒体に登録していない層であることが多いからです。求人媒体、地域の掲示、リファラル、自社の登録制のほうが効率的です。代行に頼むなら、求人媒体の運用と応募対応を頼む形になります。
非正規の採用単価に、代行の費用が見合うか分かりません
代行費と媒体費の合計を、採用した人数で割った単価を、他の手法(求人媒体の掲載費、紹介の手数料)と比べてください。スカウトが効く専門職の非正規なら、他の手法で決まらなかった期間の損失も含めて見合うことがあります。効かない職種なら、他の手法のほうが単価は低くなります。
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