デザイナー採用の代行費用の相場|外部への制作委託と比べ、選考の手間まで含めて逆算する
デザイナーの採用は、経歴書よりもポートフォリオ(これまでの制作物)で判断されることが多い職種です。そのため、他の職種とは選考の手間のかかり方が違います。候補者の作品を一つひとつ見て、自社の仕事に合うかを判断するには、デザインの分かる人の時間が必要です。結論から書くと、デザイナーの代行費用を比べる前に、採りたいデザインの領域を決め、今その仕事を外部の制作会社やフリーランスに頼むといくらかかっているかから払える額を逆算し、ポートフォリオ選考の手間を誰が担うかまで含めて見積もりを比べると、判断しやすくなります。
代行の料金は会社、料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
領域によって、探す人も見る作品も変わる
デザイナーという職種名の中には、仕事の領域が大きく異なる人が含まれます。
| 領域 | 主な仕事 | ポートフォリオで見るところ |
|---|---|---|
| UI | アプリやWebサービスの画面の設計 | 画面の構成、操作のわかりやすさ、デザインの一貫性 |
| UX | 利用者の課題を調べ、体験全体を設計する | 調査の進め方、課題の設定、改善の結果 |
| グラフィック | 広告、印刷物、販促物の制作 | 表現の幅、目的に合わせた作り分け |
| ブランド | ロゴやトーンなど、ブランドの見え方の設計 | 考え方の筋道、ガイドラインの作り方 |
要件が「デザイナー」だけのまま代行に出すと、担当者はどの領域の作品を基準に候補者を選べばよいか分からず、面談で「求めていた仕事と違う」となる候補者が増えます。自社が今いちばん必要としている領域を一つに絞ってから代行に出してください。要件の決め方はデザイナー採用の要件定義で書いています。
外部への委託費から逆算する
デザインの仕事は、社員を採らずに外部の制作会社やフリーランスに委託することも多い分野です。払える額の手がかりは、今その仕事にかかっている費用です。
- 外部の制作会社に委託している:案件ごと、または月額で支払っている委託費。修正のやりとりにかかる社内の時間も含めて考える
- フリーランスに委託している:継続的に頼んでいる場合の月あたりの費用と、依頼の調整にかかる時間
- 社内の誰かが兼務している:エンジニアや企画の担当者が、本来の仕事の合間にデザインをしている時間と、その質への影響
デザインの仕事が継続的に発生し、自社のサービスやブランドを深く理解した人が必要な場合は、外部への委託を続けるより社員を採ったほうが合うことがあります。その差額が採用にかけられる額の目安になります。そこに、人材紹介で採った場合の費用(紹介会社の手数料表に基づく手数料と社内の時間)を並べると、代行費用の上限が見えてきます。
エラベルの見解
デザイナーの採用相談で多いのは、社内にデザインを判断できる人がいないケースです。外部に委託してきた会社が、初めてデザイナーを社員として採ろうとすると、ポートフォリオを見ても良し悪しの判断がつかないことがあります。その結果、見た目の印象だけで選び、入社後に自社の仕事の進め方と合わないことが分かる、ということが起きます。
代行に出す前に、ポートフォリオを誰がどの観点で見るのかを決めてください。社内に判断できる人がいなければ、これまで委託してきた制作会社やフリーランスのデザイナーに、選考への協力を頼む方法もあります。同じ料金・同じ業務範囲でも、ポートフォリオの読み解きまで手伝える担当者かどうかで、選考の精度が大きく変わります。
見積もりで確かめる工程
デザイナーの採用代行の見積もりでは、次の工程が含まれているかを確かめてください。
- 領域と役割の言語化:どの領域のデザイナーか、入社後に何を担ってほしいかを現場と決める
- ポートフォリオの一次確認:候補者の作品を見て、領域や水準が要件に合うかを最初にふるい分ける
- 文面の作成:自社のサービスやブランド、任せたい仕事を具体的に書く
- 選考の設計:ポートフォリオの説明を聞く面談、課題を出すかどうか、誰が評価するかを決める
- 辞退・不合格の理由の記録:領域や水準のずれが理由のものがどれだけあるかを記録し、要件を見直す
二つ目のポートフォリオの一次確認は、デザイナー採用で手間が最もかかる工程の一つです。この工程を代行が担うのか、社内で担うのかで、社内の負担も代行費用も変わります。スカウトの進め方はデザイナーのスカウトで書いています。
期間と料金の形
デザイナーは、ポートフォリオ選考や課題の評価に時間がかかるため、選考の期間が長くなりがちです。代行費用は、月あたりの金額ではなく、採用までの期間を通した総額で比べてください。
料金の形は、月額固定、採用決定時の支払い、両者の組み合わせなどがあります。エラベルでは、採用決定時に1名10万円(税別)という形で、担当者を選んで採用の実務を任せられる仕組みを用意しています。どの形でも、上で逆算した上限の中に収まるかで判断してください。
エラベルの見解
デザイナーの選考でもう一つ気をつけてほしいのは、課題の出し方です。選考の一環として制作課題を出す会社は多いですが、課題が重すぎると、現職で忙しい経験者ほど辞退します。また、課題で作ってもらったものを、採用しなかった候補者の分まで自社の仕事に使うことは避けるべきです。
課題を出すなら、短い時間でできる範囲にとどめ、作品そのものより考え方の筋道を聞く形にすると、候補者の負担を抑えながら判断できます。選考の設計が候補者に配慮されていると、辞退が減り、採用までの期間も短くなります。
まとめ
- デザイナーはUI・UX・グラフィック・ブランドなど領域で、探す人も見る作品も変わる。今必要な領域に絞る
- 払える額は、外部の制作会社やフリーランスへの委託費と、社内の兼務の時間から逆算する
- ポートフォリオを誰がどの観点で見るかを先に決める。社内に判断できる人がいなければ外部の協力も検討する
- 見積もりでは、ポートフォリオの一次確認と選考の設計が含まれているかを確かめる
- 制作課題は短い時間でできる範囲にとどめ、候補者の負担を抑える
よくある質問
デザイナー採用の代行費用の相場はいくらですか
会社や料金の形、依頼する範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。外部への制作委託にかかっている費用と、人材紹介で採った場合の費用から上限を逆算し、その範囲で見積もりを比べてください。
ポートフォリオがない候補者は選考の対象外ですか
現職の守秘義務などで作品を公開できない人もいます。その場合は、公開できる範囲での説明や、担当した仕事の進め方を面談で聞くなど、作品以外の方法で確かめてください。一律に対象外にすると、経験のある人を取りこぼすことがあります。
外部委託と社員採用、どちらがよいですか
デザインの仕事が継続的に発生し、自社のサービスやブランドを深く理解した人が必要なら、社員採用が向いていることがあります。一時的な制作や専門性の高い表現が必要な場合は、外部委託のほうが合うこともあります。仕事の量と性質で判断してください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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