採用代行 / 同族・オーナー企業

同族・オーナー企業が採用代行で失敗するパターン

公開 2026-09-21

同族・オーナー企業の採用には、社長の判断が速く、社長の一言で決まり、家族や古参の社員が会社の中で大きな影響を持つ、という条件があります。この条件は、採用を速く進める力にもなり、止める力にもなります。採用代行を使うと、社長と家族と古参の影響が代行との間で形を変えて出て、他の会社では起きない失敗になります。結論を先に書くと、同族・オーナー企業の失敗は「社長の頭の中にある判断の基準が、代行にも社内にも言葉として渡っていない」ことから起きます。基準が言葉にならないと、代行は探せず、社内は判断できず、家族と古参は口を出し、社長の一言で全部が覆ります。代行に出す前に、「社長の基準を一枚に書く」ことをしておけば、失敗の大半は避けられます。この記事では、五つのパターンを、症状・原因・先に打つ手の順に整理します。経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに、経営者に状況が伝わらないときは経営者に採用の状況が伝わらないに、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。

失敗のパターン一:社長の「いい人」が言葉にならない

症状。代行に要件を渡したが、代行が出してくる候補者を社長が「なんか違う」と言う。何が違うかを聞いても、「うちに合わない」「雰囲気が」としか言わない。代行は探し直すが、また「違う」になる。何度か繰り返して、代行が「要件を固めてください」と言い、社長は「言っているのに分からない」と感じる。

原因。社長の「いい人」は、長年の経験で頭の中にあり、社長本人も言葉にしたことがありません。求人票に書かれた要件は、その一部にすぎず、社長が見ているのは書かれていない部分です。代行は書かれた要件で探すので、書かれていない部分でずれます。

先に打つ手。代行に出す前に、社長に「これまで採って良かった人」と「採って失敗した人」をそれぞれ数人思い出してもらい、「何が良かったか」「何がだめだったか」を代行が聞き取って、一枚の基準にします。人柄や雰囲気の言葉を、「こういう場面でこう動く人」という行動の言葉に直します。この一枚を、代行と社内の面接官の両方に渡します。要件の決め方は採用要件の定義を代行に出すに、要件が固まらないときは採用要件が固まらないに整理しています。

失敗のパターン二:社長の一言で方針が覆る

症状。先週決めた要件と条件が、今週の社長の一言で変わる。代行が探していた候補者に「もう要らない」と言い、条件を提示した候補者に「その条件は出せない」と言う。代行も社内も、社長の次の一言を待つようになり、動かなくなる。

原因。オーナー企業では、社長が全部を決められるので、決め直すことも一人でできます。それは速さの源でもありますが、周りが「決まったことが決まっていない」と感じると、動かなくなります。社長本人は「良い判断をしている」と思っており、覆していると思っていません。

先に打つ手。社長が決めることと、一度決めたら変えない期間を、社長自身に決めてもらいます。「要件と条件はこの一枚で決める。変えるときは、この一枚を書き直してから」と、書き直しの手順を通す形にします。代行には、「社長の一言で変わったときは、書き直した一枚をもらってから動く」と約束してもらい、口頭の一言では動かない線を引きます。社長が決めたことを、社長の目の前で一枚に書いて見せる、という単純な手順が、覆りを減らします。経営者に状況が伝わらないときは経営者に採用の状況が伝わらないに、条件提示は条件提示・オファー面談は代行に出せるかに書いています。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「うちは社長が全部決めるから、代行には探すことだけ頼めばよい」というものです。実際には、同族・オーナー企業で代行が止まる原因のほとんどは、探す工程ではなく、社長の基準が言葉になっていないことにあります。社長が全部を決められる会社ほど、基準を言葉にする必要がなく、社長の頭の中だけにあり、代行にも社内にも渡りません。代行に頼むべきは、探すことの前に、社長の頭の中の基準を一枚に書き出すことです。この一枚があると、代行は探せ、社内の面接官は判断でき、社長の「なんか違う」が減ります。

この見方で代行を選ぶと、見るべき点が決まります。契約の前の面談で「社長がこれまで採って良かった人は、どんな人でしたか」と聞いてくる担当者は、基準が頭の中にあることを知っています。「要件をいただければ探します」から入る担当者は、書かれた要件で探して、「なんか違う」を繰り返します。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、同族・オーナー企業を支援してきた担当者に、社長の基準を一枚にするところから入る形で頼めます。

失敗のパターン三:家族や古参が採用に口を出して止まる

症状。社長が決めた候補者に、社長の家族(配偶者、兄弟、後継者)や古参の社員が「あの人はどうか」と言い、社長が迷い、内定が出ない。代行は誰の判断を待てばよいか分からなくなる。候補者は待たされて他社に決まる。

原因。同族・オーナー企業では、家族と古参が公式の役職を超えた影響力を持っており、採用の判断にも影響します。それ自体は会社の実態で、なくすものではありません。問題は、その影響を「判断の手順」に入れておらず、決まった後に出てくることです。

先に打つ手。採用の前に、「誰の意見を、どの段階で聞くか」を社長が決めます。家族や古参の意見を聞くなら、最終の面接の前に聞く場を作り、そこで出た意見を社長が判断に入れ、最終の面接の後は覆さない、と決めます。意見を言う人を「面接官」として正式に入れる形も取れます。代行には、「判断は社長、意見はこの人たちから、この段階で」と最初に伝え、待つ相手を明確にします。面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに、現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに整理しています。

失敗のパターン四:会社の事情を代行に伝えきれない

症状。代行が候補者に会社を説明するが、「社長の家族が役員にいる」「古参の社員との関係」「社長の考え方」といった、入ってから分かる事情が伝わっておらず、入った人が戸惑って早く辞める。代行は「聞いていなかった」と言い、社内は「言いにくかった」と言う。

原因。同族・オーナー企業には、外に言いにくい事情が多く、代行にも候補者にも伝えないまま採用が進みます。候補者は入ってから知り、「聞いていない」と感じます。代行は、聞いていないことは伝えられません。

先に打つ手。代行との最初の面談で、「候補者に入る前に知っておいてほしいこと」を社長が話す時間を作ります。家族の役割、古参との関係、社長の決め方、会社の癖。全部を求人票に書く必要はありませんが、面接の場で候補者に伝える内容として代行と社内で共有します。「聞いてから入った人」は辞めにくく、「知らずに入った人」は辞めやすい、という前提で、伝える内容を決めます。会社の雰囲気の伝え方は企業文化を理解してもらう方法に、内定の後の工程は内定者フォローは代行に出せるかに書いています。

失敗のパターン五:社長の代替わりで採用が宙に浮く

症状。社長の引退や後継者への引き継ぎの時期に、採用の基準が「先代の基準」と「次の社長の基準」で割れる。代行はどちらに合わせればよいか分からず、内定を出した候補者が「社長が替わると聞いて不安」と辞退する。採用そのものが止まる。

原因。代替わりの時期は、会社の方向が変わる時期で、採用の基準も変わります。先代と次の社長の間で基準を擦り合わせていないと、代行は板挟みになり、候補者は不安になります。

先に打つ手。代替わりが見えているなら、採用の基準を「次の社長が決める」と先に決め、先代は意見を言う側に回ります。次の社長の基準を一枚に書き、先代がそれを見て意見を出し、次の社長が最終の一枚にする、という手順を通します。候補者には、代替わりの時期と、次の社長が採用を決めていることを、隠さずに伝えます。後継者を外から採る判断は後継者候補を外から採るべきかに、担当者が替わるときの考え方は採用代行の担当者が替わるときのリスクに整理しています。

エラベルの見解

同じ料金・同じ業務範囲でも、同族・オーナー企業で結果が分かれるのは、担当者が「社長に直接会って、基準を引き出せるか」です。人事や総務の担当者を通して要件を受け取る担当者は、社長の頭の中にある基準に届かず、「なんか違う」を繰り返します。社長に直接会い、「採って良かった人」「失敗した人」の話を聞き、行動の言葉に直して一枚にし、社長に「これでよいですか」と確認する担当者は、社長の基準を代行と社内に渡せ、社長の一言で覆る場面も、一枚を書き直す手順に変えられます。

見るべきは、契約の前の面談で、担当者が「社長と直接お話しする時間をいただけますか」と言うかどうかです。言う担当者は、基準が社長の頭の中にあることを知っています。人事の担当者とだけ話して要件を受け取ろうとする担当者は、社長の基準に届きません。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、同族・オーナー企業を支援してきた担当者に、社長に直接会って基準を一枚にするところから頼めます。社長が全部を決める会社ほど、担当者を選べることの意味は大きくなります。

まとめ

よくある質問

社長が「言葉にしなくても、会えば分かる」と言って、基準を出してくれません

社長に基準を書いてもらうのではなく、代行が聞き取って書き、社長に見てもらう形にします。「これまで採って良かった人を三人、思い出してください。何が良かったですか」と、人の話から入ると、社長は語ります。代行がそれを行動の言葉に直して一枚にし、「これで合っていますか」と社長に確認します。社長が「会えば分かる」なら、社長が会う前に代行と社内が絞る段階で、その一枚を使います。社長の時間を守るためにも、一枚が要ります。経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに、聞き取りの型は採用要件の定義の進め方に書いています。

社長の家族が採用に反対していて、代行を入れること自体が進みません

家族の反対の理由を先に聞きます。「外の人に会社の事情を知られたくない」「費用が無駄になる」「自分の意見が通らなくなる」のどれかであることが多く、それぞれに答えがあります。事情の扱いは契約で守秘を決め、費用は範囲を絞って小さく始め、意見は「この段階で聞く」と手順に入れます。家族を「意見を言う人」として正式に手順に入れると、反対が協力に変わることがあります。体制の作り方は同族・オーナー企業の採用体制の作り方に、費用の処理は採用代行費用は経費でどう処理するかに整理しています。

後継者が採用の基準を変えたいと言っていますが、社長(先代)はまだ現役です

「今の採用は誰の基準で決めるか」を、先代と後継者で先に決めます。決めずに進めると、代行が板挟みになり、候補者が不安になります。先代が現役なら、先代の基準で進め、後継者の意見を「変えたい点」として一枚に添えておき、代替わりの時期に切り替える、という形が現実的です。逆に、採る人が後継者の下で働くなら、後継者の基準で決め、先代は意見を出す側に回ります。どちらにしても、一枚に書いて両者が見る形にします。後継者を外から採る判断は後継者候補を外から採るべきかに、発注前の確認は採用代行を発注する前のチェックリストに整理しています。