採用代行 / 同族・オーナー企業
同族・オーナー企業の採用体制の作り方|社内に残す役割
同族・オーナー企業が採用代行を使うとき、決めるべきことは「代行に何を任せるか」ではなく、「社長の判断の速さを活かしながら、社長の一言で覆らない形をどう作るか」です。オーナー企業の強みは、社長が即決できることです。弱みは、社長が即座に決め直せることと、社長の基準が頭の中にしかないことです。結論を先に書くと、社内に残す役割は「社長」「基準を守る人」「意見を言う人」の三つで、社長は基準を一枚にして最終を決め、基準を守る人は社長の一言と一枚の間に立ち、意見を言う人(家族と古参)は決められた段階で意見を出します。代行は、一枚の基準をもとに探し、社長の時間に合わせて判断の材料を整えます。失敗の形は同族・オーナー企業が採用代行で失敗するパターンに、経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
同族・オーナー企業で、採用の判断はどう動いているか
体制を作る前に、オーナー企業で採用の判断がどう動いているかを見ます。
| 誰 | 採用での実際の役割 | 起きやすいこと |
|---|---|---|
| 社長 | 全部を決める。要件も、条件も、採るかどうかも | 基準が頭の中にある。決め直しも一人でできる。忙しくて面接の時間が取れない |
| 社長の家族(役員、後継者) | 公式の役職を超えて、意見を言う | 決まった後に意見が出て、社長が迷う |
| 古参の社員 | 現場を知っていて、社長が信頼している | 「あの人はうちに合わない」と言う。新しい人が古参の中で浮く |
| 人事・総務の担当者(いれば) | 手続きと連絡 | 判断はできない。社長と代行の間で伝言役になる |
この表から、オーナー企業の採用は、社長の判断の速さで動き、社長の基準の曖昧さと、家族と古参の非公式な影響で止まることが分かります。体制は、速さを止めずに、曖昧さと非公式な影響を「手順」に変えることで作ります。代行に出すのは、手順の中の運用と、社長の判断の材料づくりです。
社内に残す役割一:社長
中身。採用の基準を、代行の聞き取りを通じて一枚にする。一枚の基準を変えるときは、書き直してから変える。最終の面接で会い、採るかどうかを決める。条件を決める。候補者に「入る前に知っておいてほしいこと」を代行に話す。
なぜ残すか。オーナー企業の採用は、社長の基準と判断で決まります。ここを代行や人事に代わらせることはできず、代わらせようとすると社長の「なんか違う」が増えます。社長に求めるのは、判断を減らすことではなく、判断を一枚に見える形にすることです。
時間の目安。基準を一枚にする聞き取りに一度、最終の面接の回数、条件を決める時間です。日々の確認は代行が持ち、社長には「この人と会うか」「この条件で出すか」だけを、週に一度まとめて聞く形にします。社長の時間を、面接と決めることに集中させます。要件の決め方は採用要件の定義を代行に出すに、経営者に状況が伝わらないときは経営者に採用の状況が伝わらないに書いています。
社内に残す役割二:基準を守る人
中身。社長が一枚にした基準を持ち、社長の一言で方針が変わりそうなとき、「一枚を書き直しますか」と社長に確認する。代行からの判断の依頼を、社長の時間に合わせてまとめる。家族と古参の意見を、決められた段階で集める。
誰が担うか。人事か総務の担当者か、社長が信頼している社員です。社長に「一枚を書き直しますか」と言える関係が要るので、社長が「この人の確認なら受ける」と思う人を選びます。役職より、社長との関係で決めます。
なぜ残すか。社長の一言と一枚の基準の間に立つ人がいないと、代行は口頭の一言で動くか、動けなくなるかのどちらかになります。基準を守る人は、社長の速さを止めるのではなく、「書き直してから変える」手順を通す人です。この役割を代行に持たせると、外の人が社長を止める形になり、うまくいきません。
時間の目安。週に一度、代行からの判断の依頼をまとめて社長に出す時間と、社長の一言が出たときに確認する短い時間です。人事が一人の会社の考え方が参考になり、人事が一人の会社の採用体制の作り方に、定例で見る数字は採用代行との定例会で見るべき数字に整理しています。
エラベルの見解
これをやる前に、先に決めておかないと効果が出ないことがあります。それは、社長自身に「一枚の基準を、書き直さずに変えることはしない」と決めてもらうことです。相談で見ていると、基準を一枚にしても、社長が口頭で変え、周りがそれに従い、一枚が形だけになる会社は多いです。一方で、社長が「変えるときは書き直す」と自分で決め、基準を守る人に「書き直しますか」と聞く権限を渡した会社では、社長の速さはそのままに、覆りだけが減っています。社長の判断を縛るのではなく、社長が自分で決めた手順に、社長が従う形です。
順番としては、まず社長が「書き直してから変える」と決め、次に基準を守る人を社長が選び、最後に代行が社長の基準を聞き取って一枚にしてから、探す工程に進みます。この順番を逆にして、代行が探し始めてから基準を作ろうとすると、「なんか違う」が先に来て、代行への信頼が下がります。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、同族・オーナー企業を支援してきた担当者が、契約の前に社長と直接会い、この手順を一緒に決めるところから入っています。
社内に残す役割三:意見を言う人
中身。社長の家族(役員、後継者)と古参の社員が、決められた段階(最終の面接の前)で、候補者について意見を言う。意見は社長が判断に入れ、最終の面接の後は覆さない。意見を言う人を、面接官として正式に入れる形も取れる。
なぜ残すか。家族と古参の影響は、オーナー企業の実態で、なくすものではありません。手順に入れないと、決まった後に非公式に出てきて、社長が迷い、採用が止まります。手順に入れると、「意見を言う場」と「決める場」が分かれ、影響が止める力ではなく、判断の材料になります。
時間の目安。候補者ごとに、最終の面接の前に意見を出す短い時間です。面接官として入るなら、面接の時間です。代行は、意見を出す場の日程と、意見の記録を持ちます。面接官の育て方は面接官トレーニングは代行に出せるかに、現場への説明は現場に採用代行の導入を説明するに書いています。
代行に出す工程と、社長の時間に合わせた形
三つの役割を社内に残したうえで、代行に出す工程と、社長の時間に合わせた回し方を決めます。
| 工程 | 誰が持つか | 社長の時間との関係 |
|---|---|---|
| 社長の基準を聞き取り、一枚にする | 代行(社長が語り、代行が書く) | 最初に一度、社長のまとまった時間 |
| 候補者を探す、連絡する、日程を組む | 代行 | 社長の時間を使わない |
| 一次の絞り込み | 代行(一枚の基準で) | 社長には「会うか」だけを聞く |
| 家族と古参の意見を集める | 基準を守る人(代行が日程と記録を持つ) | 最終の面接の前 |
| 最終の面接 | 社長 | 週のうち固定の枠を先に確保し、代行がその枠に入れる |
| 採るかどうか、条件 | 社長 | 基準を守る人が判断の材料を整え、週に一度まとめて聞く |
| 「入る前に知っておいてほしいこと」を候補者に伝える | 代行(社長が話した内容を使って) | 最初に一度、社長が話す時間 |
| 内定の後の連絡、入社の準備 | 代行 | 社長の時間を使わない |
形の要点は、「社長の時間を、基準を語ることと、最終の面接と、決めることの三つに集中させる」ことです。それ以外は代行と基準を守る人が持ち、社長には週に一度、まとめて聞きます。社長の一言で変わりそうなときは、基準を守る人が「一枚を書き直しますか」と確認し、書き直したら代行に渡します。日程調整は面接の日程調整は代行に出せるかに、条件提示は条件提示・オファー面談は代行に出せるかに、会社の雰囲気の伝え方は企業文化を理解してもらう方法に整理しています。
エラベルの見解
外に出してよいのは、基準の聞き取りと文章化・探す・連絡・日程・一次の絞り込み・意見の場の設定と記録・事情の伝達・内定の後の連絡までで、「基準を決めること」「書き直すかどうか」「最終の面接」「採るかどうか」「意見を言うこと」は社内に残します。オーナー企業は、社長が忙しいので、一次の絞り込みだけでなく最終の面接も代行に出したくなりますが、社長が会わずに決めた人は、社長の基準に合っていても、社長に「自分が選んでいない」という感覚が残り、入った後に扱いが変わります。社長が会うことは、社長の基準の最後の確認であり、入った人への社長の責任の始まりでもあります。
担当する側から見ると、同族・オーナー企業で結果が分かれるのは、担当者が「社長の一言に、その場で従わない」ことができるかです。社長の一言でその場で動く担当者は、社長に喜ばれますが、翌週に覆って動き直し、結局は「代行が遅い」と言われます。「承知しました。一枚を書き直していただいてから動きます」と、社長が自分で決めた手順に社長を戻せる担当者は、社長から最初は面倒に思われますが、覆りが減って採用が決まり、「あの人がいると決まる」と言われます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、契約の前の面談で「社長がお決めになった手順を、私も守ります」と言える担当者を選べば、この形になります。
まとめ
- 同族・オーナー企業で社内に残す役割は、社長・基準を守る人・意見を言う人の三つ
- 社長は基準を一枚にし、最終の面接で会い、採るかどうかと条件を決める。時間はこの三つに集中させる
- 基準を守る人は、社長の一言と一枚の間に立ち、「書き直しますか」と確認する。社長が「この人の確認なら受ける」人を選ぶ
- 意見を言う人(家族と古参)は、最終の面接の前に意見を出す段階を決め、後は覆さない。面接官として正式に入れる形もある
- 社長自身が「書き直してから変える」と決めることが、体制の前提。社長の速さは止めず、覆りだけを止める
- 代行は、一枚の基準をもとに探し、社長の時間に合わせて判断の材料をまとめる。口頭の一言では動かない線を引く
よくある質問
基準を守る人になれる社員がいません。社長に意見を言える人が社内にいない場合はどうすればよいですか
社内にいないなら、社長自身に「一枚を書き直すまで、代行は動かない」というルールを決めてもらい、代行がその手順を守る形にします。代行が「社長を止める人」になるのではなく、「社長が決めた手順を守る人」になる形です。それでも社長が口頭で動かしたいなら、社長の家族や顧問など、社長が信頼している人を「基準を守る人」に頼む選択肢もあります。誰も置けない場合は、覆りが起きることを前提に、代行の範囲を「探すと連絡」に絞り、判断の材料づくりは社長自身が持つ形にします。経営者への説明は経営者に採用代行を説明するに、専任の人事がいない会社の体制は専任の人事がいない会社の採用体制の作り方に整理しています。
家族を面接官に入れると、候補者に「家族経営」の印象が強く出て、敬遠されませんか
隠すより、伝えるほうが辞退は減ります。家族が経営に関わっていることは、入れば分かることで、面接で知って入った人は辞めにくく、入ってから知った人は辞めやすいです。家族を面接官に入れるなら、「経営に関わる家族として、会社の考え方を伝える役割」と候補者に説明し、質問にも答える形にします。敬遠する候補者は、入っても続かない可能性が高く、面接の段階で分かるほうが、双方にとって損失が小さくなります。内定の後の工程は内定者フォローは代行に出せるかに、リファレンスの考え方はリファレンスチェックは代行に出せるかに書いています。
社長が代替わりする予定です。体制はどちらの社長で作ればよいですか
採る人が誰の下で働くかで決めます。代替わりの後に働くなら、次の社長が基準を一枚にし、先代は「意見を言う人」に回ります。代替わりの前に採るなら、先代の基準で進め、次の社長の意見を一枚に添えて、代替わりの時期に書き直します。どちらにしても、「今の採用は誰の基準か」を先代と次の社長で決め、代行と候補者に伝えます。決めずに進めると、代行が板挟みになり、候補者が不安になります。後継者を外から採る判断は後継者候補を外から採るべきかに、発注前の確認は採用代行を発注する前のチェックリストに整理しています。