採用代行 / 地方企業

地方企業が採用代行で失敗するパターン

公開 2026-09-21

地方企業の採用には、都市部の会社とは違う条件があります。候補者の数が限られる、地元の経路(学校、知人、ハローワーク、地域の媒体)が効く、移住やリモートという選択肢を扱う必要がある、代行の会社が遠くにいる。この条件で採用代行を使うと、都市部の会社では起きない失敗の形が出ます。結論を先に書くと、地方企業の失敗は「都市部の採用のやり方を、そのまま地方に持ち込む」ことから起きます。全国型の媒体とスカウトで探し、地元の経路を使わず、移住の条件を整理せず、遠隔で回すと、応募が来ないか、来ても地元に残らない人になります。代行に出す前に、「地元の経路を誰が持つか」を決めておけば、失敗の大半は避けられます。この記事では、五つのパターンを、症状・原因・先に打つ手の順に整理します。地方拠点の採用の課題は地方拠点の採用が進まないに、地域の媒体の考え方は地域の求人媒体は使うべきかに、代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。

失敗のパターン一:都市部のやり方を持ち込まれる

症状。代行が、スカウトの大量送信と全国型の媒体の運用を提案し、始めてみると返信も応募も来ない。代行は「地方は母集団が少ない」と言い、社内は「そもそも地元にいる人にどう届けるかを考えてほしかった」と感じる。

原因。代行の多くは都市部の会社の採用で型を作っており、その型は「候補者が多く、媒体とスカウトで届く」前提です。地方では候補者の数が限られ、媒体とスカウトに登録していない人が多く、届く経路が違います。都市部の型をそのまま持ち込むと、届かない人に向けて送り続けることになります。

先に打つ手。契約の前に、代行に「地方の会社の採用をどう進めてきたか」を聞き、都市部の型とは違う進め方を持っているかを確かめます。持っていなければ、社内が地元の経路を持ち、代行には連絡と日程と記録など「経路に依存しない工程」だけを出します。地方拠点の採用は地方拠点の採用が進まないに、中小企業に向く代行の条件は中小企業に向く採用代行の条件に整理しています。

失敗のパターン二:地元の経路を代行が使えない

症状。地元の学校、知人の紹介、ハローワーク、地域の媒体、取引先のつながり。これまで採用の中心だった経路を、代行が使えない。代行は「紹介は御社でお願いします」と言い、社内は「それなら代行に何を頼んでいるのか分からない」と感じる。

原因。地元の経路は、会社の名前と、その地域での関係で成り立っています。遠くにいる代行は、その関係を持っておらず、持ちようもありません。代行が「経路」を代わることはできず、代われるのは経路の「運用」(連絡、日程、記録、案内の作成)です。この線を契約の前に引いていないと、社内は経路まで代わってもらえると期待し、代行は経路に手を出せず、隙間が空きます。

先に打つ手。「経路は社内、運用は代行」と線を引きます。社内の誰か(経営者か総務の担当者)が地元の経路との関係を持ち続け、代行はその経路から来た候補者への連絡と日程と記録を回します。学校向けの案内、紹介を頼むときの文面、地域の媒体に出す原稿の作成は、代行に出せます。社員の紹介の仕組みはリファラル採用の設計は代行に出せるかに、地域の媒体は地域の求人媒体は使うべきかに書いています。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「地方は候補者が少ないから、代行に全国から探してもらうしかない」というものです。実際には、地方企業の採用で決まる人の多くは、地元にいる人か、地元に戻りたい人で、その人たちには全国型の媒体とスカウトより、地元の経路のほうが届きます。全国から探す形は、移住の条件を整えたうえで、限られた職種に絞って使うもので、最初の打ち手ではありません。地方企業に要るのは、全国から探す代行ではなく、地元の経路を社内が持ち続けられるよう、運用を引き取ってくれる代行です。

この見方で代行を選ぶと、見るべき点が決まります。契約の前の面談で「今まで、どの経路で決まった人が多いですか」と聞いてくる担当者は、地元の経路の重さを知っています。「全国の母集団にアクセスできます」から入る担当者は、都市部の型を持ち込みます。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、地方企業の採用を支援してきた担当者に、経路は社内・運用は代行の形で頼めます。

失敗のパターン三:全国型の媒体で空振りする

症状。代行の勧めで全国型の媒体に出し、費用を払ったが、応募が来ない。来ても遠方の人で、「通えない」「移住は考えていない」で終わる。媒体の費用が出ていくだけになる。

原因。全国型の媒体は、都市部の候補者が多く、地方の勤務地で検索する人が少ないので、応募が薄くなります。応募が来ても、勤務地を見ずに応募した人か、移住の条件を確認していない人で、面接まで進みません。代行は媒体の運用で稼働を出しているので、応募が薄くても運用を続けます。

先に打つ手。媒体を出す前に、「地元にいる人」「地元に戻りたい人」「移住できる人」のどの層を狙うかを決めます。地元にいる人には地域の媒体と経路、戻りたい人には出身地でのつながりと帰省の時期、移住できる人には移住の条件を先に示した求人票、と層ごとに出す場所を分けます。全国型の媒体は、移住できる人向けに条件を整えてから、絞って使います。媒体の運用は求人媒体の運用は代行に出せるかに、母集団は母集団形成は代行に出せるかに整理しています。

失敗のパターン四:移住やリモートの条件を整理せずに探す

症状。遠方の候補者が面接まで進み、「移住の支援はありますか」「リモートは可能ですか」と聞かれて、社内で答えが決まっていない。その場で経営者が答え、後で「言った、言わない」になる。候補者は不安になって辞退する。

原因。地方企業が全国から探すとき、移住とリモートの条件は避けて通れませんが、社内で決めないまま探し始めることが多いです。代行は条件を決められないので、候補者に「確認します」と言い続け、候補者の不安が積もります。

先に打つ手。探す前に、「移住の支援(住居、引っ越し、家族)はどこまで出すか」「リモートはどの職種でどこまで認めるか」「通える範囲はどこまでか」を、経営者が決めて書面にします。代行はそれを求人票と面接の説明に組み込み、候補者の質問に即答できるようにします。決められないなら、遠方の候補者を探す工程は出さず、地元の層に絞ります。リモート採用の課題はフルリモート前提の採用がうまくいかないに、条件提示は条件提示・オファー面談は代行に出せるかに書いています。

失敗のパターン五:遠隔の代行と社内の温度がずれる

症状。代行が遠くにいて、一度も会社に来ない。面接に同席せず、現場を見ておらず、候補者に会社の雰囲気を伝えられない。社内は「うちのことを分かっていない」と感じ、代行は「情報をいただければ伝えます」と言う。候補者にも、会社の説明が薄いと伝わる。

原因。地方企業の採用では、会社の雰囲気、地域の暮らし、通勤の実感、職場の空気が、候補者の判断の大きな部分を占めます。遠隔の代行は、それを見ておらず、資料と口頭の説明だけで伝えようとするので、薄くなります。社内は「来てほしい」と思っていても、契約に入っていないので言えません。

先に打つ手。契約の前に、「最初に一度、会社と地域を見に来る」ことを条件に入れます。来られない代行なら、社内の誰かが会社と地域の説明を担い、代行はそれを候補者に届ける運用だけにします。オンラインで面接を組む場合も、最終の面接は会社に来てもらい、職場と地域を見てもらう形にします。会社の雰囲気の伝え方は企業文化を理解してもらう方法に、営業と実務の担当の違いは営業担当と実務担当が違う会社をどう見るかに整理しています。

エラベルの見解

同じ料金・同じ業務範囲でも、地方企業で結果が分かれるのは、担当者が「地元の経路を社内に残す設計」をするか、「全国から探す設計」をするかです。全国から探す担当者は、媒体とスカウトに稼働を使い、応募が薄くて「地方は難しい」で終わります。地元の経路を残す担当者は、社内の誰が学校と知人と地域の媒体との関係を持つかを最初に決め、自分は経路から来た候補者の連絡と日程と記録と、案内の文面を引き取り、社内が経路に時間を使える形を作ります。地方企業では、代行が探すより、社内が探す時間を代行が作るほうが決まります。

見るべきは、契約の前の面談で、担当者が「地元の学校や知人の紹介は、今どなたが動いていますか」と聞いてくるかどうかです。聞いてくる担当者は、経路を社内に残す設計をします。聞かずに「母集団を作ります」と言う担当者は、都市部の型で動きます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、地方企業を支援してきた担当者に、経路は社内・運用は代行・最初に一度は会社を見に来る、という形で頼めます。

まとめ

よくある質問

地元に候補者がいないので、全国から探すしかないと思っています

「いない」のか「届いていない」のかを先に分けます。地元の学校、知人の紹介、地域の媒体、取引先のつながりで届く人が、媒体とスカウトには出てこないだけ、ということは多いです。地元の経路を一通り試してから、それでも足りない職種に絞って、移住の条件を整えたうえで全国から探します。最初から全国に向けると、費用が出ていくだけで、地元の経路に使う時間も減ります。地方拠点の採用は地方拠点の採用が進まないに、地域の媒体は地域の求人媒体は使うべきかに書いています。

代行の会社が近くにありません。遠隔の代行を使うときの注意はありますか

遠隔でも使えますが、三つを契約に入れます。「最初に一度、会社と地域を見に来る」「会社の雰囲気と地域の暮らしの説明は社内の誰かが担い、代行はそれを届ける」「最終の面接は会社で行う」。この三つがあれば、遠隔の代行でも候補者への説明が薄くなりません。代行の担当者を選べるなら、地方企業の支援の経験がある人か、その地域を知っている人を選びます。体制の作り方は地方企業の採用体制の作り方に、担当者の選び方は採用代行会社の選び方に整理しています。

移住の支援を出す余裕がありません。それでも遠方の候補者を探せますか

支援を出せないなら、遠方の候補者を探す工程は後回しにし、地元にいる人と、地元に戻りたい人に絞ります。戻りたい人は、移住の支援がなくても、出身地に戻る理由を持っているので、出身者へのつながり(同窓、帰省の時期、地元のコミュニティ)で届けます。リモートを一部の職種で認められるなら、移住なしで遠方の人を採る形も取れますが、その場合はリモートの条件を先に決めます。リモート採用の課題はフルリモート前提の採用がうまくいかないに、発注前の確認は採用代行を発注する前のチェックリストに整理しています。