採用代行 / 比較・選び方
代行へのフィードバックの伝え方
採用代行に改善してほしいことがあるとき、どう伝えるか。伝え方によって、受け取られ方も、その後の運用も変わります。「成果が出ていない」と伝えると、相手は防御的になり、一般的な提案しか返ってきません。この記事では、事実で伝える方法と、伝えるタイミングを整理します。
事実で伝える
数字と時期を添える。「対応が遅い」ではなく「この案件で、応募から一次連絡まで三営業日かかっています」。具体的だと、相手も分析できます。
工程を特定する。「うまくいっていない」ではなく「返信率が三か月続けて下がっています」。
期待を明示する。「もっとこうしてほしい」ではなく「一次連絡は当日中を目安にしたい」。
推測を混ぜない。「やる気がないのでは」といった評価は、事実ではありません。観察できることだけを伝えます。
この四つを守ると、指摘が改善の相談になります。相手も何を変えればよいかが分かります。
個人と業務を分ける
業務上の事実として伝える。「あなたの対応が悪い」ではなく「この工程で時間がかかっている」。
原因の特定は一緒に行う。決めつけずに、なぜそうなったかを聞きます。自社側に原因があることも少なくありません。
担当者を責めない。体制の問題、情報が渡されていない、基準が曖昧。個人の努力では解決しないことがあります。
改善の方法を一緒に考える。指摘だけで終わらせず、何を変えるかまで話します。
三番目が重要です。多くの場合、うまくいっていない原因は個人の能力ではなく設計にあります。基準が渡されていない、情報が薄い、判断が返ってこない。
エラベルの見解
フィードバックで最も効くのは、早く伝えることです。内容より、タイミングのほうが結果を変えます。
不満を溜めてから伝えると、相手は防御的になります。溜まった内容を一度に言われても、どこから直せばよいか分かりません。そして、伝えた時点ですでに信頼関係が薄れています。
一方、気づいた時点で小さく伝えると、対処も小さく済みます。「この文面、少し硬い印象です」「この候補者は要件から少しずれています」。その場で直せる粒度です。
だから、定例会の議題に「今月うまくいっていないこと」を固定で入れてください。発注側から一つ、代行側から一つ出す。これを最初の月から続けると、不満が溜まる前に会話になります。
そして、この形にすると代行側も言いやすくなります。発注側の判断が遅い、情報が足りない。こうした指摘は、契約上の立場もあって言い出しにくい。固定の議題があれば、事実として話題にできます。
フィードバックは、溜めてから一度に伝えるより、小さく頻繁に伝えるほうが効きます。そして、双方向にすると機能します。
良い点も伝える
うまくいっている部分を具体的に伝える。「この文面は反応が良かったです」「この候補者の見立ては当たっていました」。
理由を添える。何が良かったのかが分かると、再現できます。「良かったです」だけだと、何を続ければよいか分かりません。
現場の反応を伝える。「面接官から、事前の説明が丁寧だったと言われました」。
入社後の状況を伝える。紹介した候補者が入社して活躍している。自分の仕事がどこにつながったかが見えます。
良い点を伝えるのは、相手を喜ばせるためではありません。何を続けるべきかの情報になります。指摘だけを伝え続けると、何が正解か分からなくなります。
タイミング
気づいた時点で伝える。小さい指摘は、その場で。
定例会で構造の話をする。数字の傾向、運用の設計。個別の事象ではなく、繰り返し起きていること。
担当者が替わった直後は増やす。文面の質、対応の速さ。変化に気づいたら早めに伝えます。
契約更新の前にまとめる。次の期間に何を変えるか。
溜めてから伝えない。これが最も避けるべき形です。
伝わらないとき
同じ指摘を繰り返しても変わらない場合の対処です。
伝え方を変える。口頭で伝えていたなら、文書にする。記録に残ると、扱いが変わることがあります。
数字で示す。感覚で伝えていたなら、数字を出す。工程ごとの所要日数や件数。
原因を一緒に確認する。なぜ変わらないのか。体制の問題か、能力の問題か、指示が伝わっていないのか。
上位の窓口に伝える。担当者に伝えても変わらないなら、その上の窓口に相談します。
担当者の交代を申し入れる。個人に紐づく問題なら、これで変わることがあります。
五段階で進めてください。いきなり交代を申し入れると、関係が壊れます。扱いは担当者が替わるときのリスクにまとめています。
自社側の指摘も受ける
フィードバックは双方向です。
代行側から見て、発注側に改善してほしい点があります。判断が遅い、情報が足りない、要件が変わるのに伝わらない。ただ、契約上の立場もあって言い出しにくい。
だから、聞く形を作ってください。「自社側で改善したほうがよい点はありますか」。定例会で定期的に聞くだけで、出てくることがあります。
そして、出てきた指摘には対処してください。聞いて放置すると、次から出てこなくなります。
この形にすると、フィードバックが評価ではなく改善の会話になります。片方だけが指摘される場では、本当の原因は出てきません。
記録に残す
伝えた内容と日付を残す。定例会の議事に含めます。
改善の状況を追う。次の会で確認します。
繰り返している指摘を把握する。同じ内容を何度伝えたか。判断の材料になります。
契約更新の判断に使う。指摘に対して変わったかどうかは、継続の判断材料です。判断の基準は継続・停止をどう判断するかにまとめています。
エラベルの見解
フィードバックを伝えるときに、「自社側に原因がないか」を先に確認してください。ここを飛ばすと、指摘が的外れになります。
返信率が低い。文面の問題かもしれませんが、条件が市場から外れている可能性もあります。書類が通らない。仕分けの精度かもしれませんが、要件が厳しすぎる可能性もあります。面談が組めない。対応の遅さかもしれませんが、候補日の提示が遅れている可能性もあります。
どちらが原因かは、工程の数字を並べれば見えます。
そして、自社側の数字も一緒に出してください。書類の合否までの日数、候補日の提示までの日数。これを並べたうえで指摘すると、相手も受け止めやすくなります。
「うちも判断が遅れていました。そこは直します。そのうえで、この工程についてはどう見ていますか」。この伝え方だと、防御的になりません。
そして、実際に自社側が原因だった場合、指摘する前に気づけます。相手を替えても解決しない問題に、時間を使わずに済みます。
フィードバックの前に、自社の数字を見る。この一手間が、無用な摩擦を減らします。
まとめ
- 事実で伝える。数字と時期を添え、工程を特定し、期待を明示し、推測を混ぜない
- 個人と業務を分ける。うまくいかない原因は設計にあることが多い
- 最も効くのは早く伝えること。溜めてから一度に伝えない
- 定例会に「今月うまくいっていないこと」を固定の議題として入れる
- 良い点も具体的に伝える。何を続けるべきかの情報になる
- 伝わらないときは、伝え方を変える・数字で示す・原因を確認する・上位に伝える・交代を申し入れる
- 自社側の指摘も聞く形を作る。出てきたら対処する
- 伝える前に、自社側に原因がないかを数字で確認する
よくある質問
指摘すると関係が悪くなりませんか
事実で伝えれば、悪くなりにくい形です。むしろ、溜めてから伝えるほうが関係を壊します。小さく頻繁に伝える形にしておくと、指摘が日常のやりとりになります。あわせて、良い点も伝えると、指摘だけの関係になりません。
何度言っても変わりません
伝え方を変え、数字で示し、原因を一緒に確認してください。それでも変わらないなら、体制の問題である可能性があります。上位の窓口に相談するか、担当者の交代を申し入れる段階です。順を追って進めてください。
代行側から指摘されました
内容を確認してください。判断が遅い、情報が足りない、要件が変わるのに伝わらない。こうした指摘は、実際に運用の妨げになっていることが多い形です。指摘してもらえること自体が、関係が機能している証拠でもあります。対処して、その結果を伝えてください。